目次
フィルムスキャナー不要!手持ちのデジカメと無料のPhotoshop CS2を使ってフィルムのデジタル化を実現!
今回は、フィルムカメラマンには必須の作業となった、フィルムのデジタル化(デジタルデュープ)の手順をご紹介したいと思います。
もちろん、昔ながらの引き伸ばし作業を自宅の暗室で行っている方には不要の作業ですが、フィルムをデジタル化すれば、Web掲載出来るのはもちろんのこと、プリンターを使えば、写真用紙に何枚でも同様にプリントアウトすることが可能となります。
私にとっては、あの面倒で大掛かりな、長時間労働を強いられる?暗室作業から開放されるのですから、逆に昔よりもフィルムカメラ撮影が楽しめる時代がやってきたのだと考えています。
また、プロラボにフィルムの現像と併せてデジタル変換も依頼しているという方にとっても、自分でデジタル変換を行えば、RAW画像からトーンカーブを調整するなどして、撮影者がイメージする通りの写真を仕上げることが出来ますし、且つ、出費も抑えることが出来ます。
フィルムスキャナーについて
フィルムをデジタル化する、最も一般的なものは、「フィルムスキャナー」と呼ばれる、フィルムをスキャンしてデジタル画像を自動作成してくれるものです。
私も一度、自宅に眠っている古いネガフィルムやポジフィルムをデジタル化しようと、1万円程度の安価なフィルムスキャナーを購入して、フィルムスキャンを行ってみましたが、画像の質が悪く、とても趣味に使用できるものではありませんでした。
フィルムスキャナーとして有名なハイエンドモデルの「EPSON フラットベッドスキャナー GT-X980」などを使用すれば、6,400dpiという高解像度でフィルムをスキャンできるのかも知れませんが、価格も55,000円程(amazon調べ)と高価な上、カメラマニアが趣味として行う作業としては、少々物足りないと言わざるを得いません。
カメラマニアはもとより、マニアと呼ばれる人たちは、「より難しく、険しい道」を好むものです。
安易にお金で解決していては、趣味としての楽しさが失われてしまいます。
ましてや、今どきフィルムカメラ撮影をしている、またはしようと考えている方なのですから、間違いなくあたなもカメラマニアの1人であり、出費を抑え、自分なりの工夫をして、趣味の世界を追求していく方なのです。
そんな方にお勧めしたいのが、フィルムをデジタル化する作業の1つである「デジタルデュープ」です。
デジタルデュープとは
デュープとは、複写・複製を意味する「デュプリケート(Duplicate)」の略語であり、デジタルデュープは、デジタル画像に変換するための複写・複製作業と言えます。
この複写という作業は、フィルムをカメラで撮影して、もう1つ同じフィルムを作る作業です。
複写は銀塩・フィルムカメラの時代から行われてきたことで、昔のフィルム一眼レフのアクセサリーカタログには、必ずと言って良いほど、蛇腹になった接写装置が掲載されていました。
このベローズ(蛇腹)に、スライドフィルムをセットする装置を付けて、スライドフィルムを複写(接写)していました。
本来は銀塩・フィルムカメラでスライドフィルムを撮影する装置なのですが、デジタルカメラでフィルムを撮影すればフィルムのデジタル化が完了するのではないかという、極めて単純な発想から、デジタルデュープは生まれました。
フィルムスキャナーと原理・仕組みは全く同じです。
それどころか、フィルムスキャナーよりも高性能な画像処理エンジンが搭載されているデジタルカメラが使用できることと、1本数万円~数十万円もする高性能な写真用レンズを使用してフィルムスキャンできることで、デジタルカメラとレンズ次第では、高価なハイエンドモデルのフィルムスキャナーよりも高画質なフィルムのデジタル化が可能です。
デジタルデュープに必要なもの
私がデジタルデュープに使用している具体的なものを一覧にしてみました。
- デジタル一眼レフカメラ(SIGMA SD15) ※手持ちのカメラ
- デジタル一眼レフ用レンズ(24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO) ※手持ちのレンズ
- ニコンスライドコピーアダプターES-1 ※新品をビックカメラにて3,260円(税抜)で新規購入
- ステップダウンリング(マルミ光機製77mm→52mm) ※中古品をメルカリにて300円で新規購入
- スライドマウント(フジカラー製プラスチックマウント) ※手持ちのマウントを改造
- ライトボックス(HAKUBA製ライトビュアー6000(KLV-6000)) ※中古品をメルカリにて3,000円で新規購入
以上がデジタルデュープに使用しているものです。
デジタルデュープを始める際に、新規購入した商品の総額は、6,560円です。
安いフィルムスキャナーでも1万円程度はしますので、かなり安い費用でフィルムのデジタル化が可能となりました。
そして、デジタルデュープの方法には、様々な方法があります。
例えば、使用する光源は、ストロボを使用する人もいますし、撮影ライトを使用している人もいます。
複写装置を使用せずに、自作の台に乗せて行っている人もいるでしょう。
自分の持っているものをフルに活用して行うのが、デジタルデュープの基本です。
私はデジタル一眼レフとマクロレンズを既に持っていたことで、上記のシステムが最良と考えて選択しました。
デジタルカメラとレンズの両方ともお持ちでない方は、素直にフィルムスキャナーを購入したほうが賢明かもしれません。
しかし、デジタル一眼レフカメラとレンズの両方を持っていたとしても、幾つかの使用可能な条件というものがありますので、それを次の項でご説明していきたいと思います。
ニコンスライドコピーアダプターES-1を購入しよう!
デジタルデュープをする上で、システムの中核を成す装置が、ニコンスライドコピーアダプターES-1です。↓
この複写装置を使用するメリットは、
- 撮影するフィルム面とデジタルカメラのイメージセンサーを、平行に保つことができること
- フィルムとカメラが完全固定されるため、手ブレの心配がないこと
- 新品購入しても価格は3,500円程度であり、安価なこと
この3点です。
ニコンスライドコピーアダプターES-1の構造は至って単純です。
2本の筒でスライド延長できるチューブの先に、スライドマウントが固定できるようになっているだけです。
チューブの内部は艶消し塗装がされていて、内面反射は防止されるよう対策されていますが、ただそれだけのものです。
しかし、これが有るのと無いのとでは、作業のし易さに大きな差が生まれます。
フィルムカメラ撮影をしている方なら、一度は試したことがあるかと思われる、ライトボックスの上に撮影済みフィルムを置いて、デジタル一眼レフカメラで手持ち撮影してみるということ。
その画像を見て、「まぁ、撮れてるけど、なんかピントが甘いな~」なんて、思った経験があるはずです。
次に、ピントが甘い原因と考えられる、カメラとフィルムを並行に保つべく、ライトボックスの上に2本の大きな文鎮のような台を作り、その上にレンズを乗せて撮影してみたりするなど、やったことがあるのではないでしょうか?
これでも、立派なデジタルデュープなのですが、如何せん、撮影する度にズレが生じてしまい、面倒なことこの上ない。
しかし、このニコンスライドコピーアダプターES-1を使用すれば、フィルムとカメラは完全固定されますので、そのような気遣いは無用となります。
但し、ニコンスライドコピーアダプターを使用するには、幾つか条件があります。
最大の条件は、
「システムが、合焦範囲内であるかどうか(ピントが合うかどうか)」
ということです。
ニコンスライドコピーアダプターES-1は本来、ニコン製の35mm換算焦点距離が60mm程度の標準マクロレンズで使用するものとして販売されています。
近いところに寄ってもピントが合う、「マクロレンズ」を使用することが基本です。
ニコンスライドコピーアダプターES-1の全長は実測で、最短長約44mm~最大長約68mm(スライドを装填する面~レンズ装着面まで)となっています。(実測値ですので誤差はあります)
24mmの伸縮幅があるとはいえ、最短撮影距離が35cmや40cm等の通常のレンズでは、フィルム面までの距離が近すぎて、ピントが合いません。
私が使用しているシグマSAマウントのレンズである「24mm F1.8 EX DG ASPHERICAL MACRO」は、最短撮影距離が180mm(18cm)です。
最短撮影距離というのは、「イメージセンサーから被写体までの距離」を指し、「レンズ面中心先端から被写体までの距離(ワーキングディスタンス)」ではないことに注意して下さい。
私のデジタルデュープシステムの例を計算してみますと、
- レンズ最短撮影距離 180mm
- レンズ長(∞時のマウント面からレンズ本体先端まで) 82.5mm
- シグマSAマウントフランジバック長(マウント面からイメージセンサーまでの距離) 44mm
- レンズ繰り出し長(∞時~最短距離にしたときのレンズ先端飛び出し量) 7mm
レンズの最短撮影距離とレンズ本体の長さは、各レンズの仕様に必ず記載されています。
また、カメラのフランジバックの数値も、ネットで検索すれば見つけることが出来ます。
レンズ繰り出し長は、ものさし等を使って実測して下さい。
この4つの数値から凡そのワーキングディスタンスを導き出すことができます。(正確なレンズのワーキングディスタンスの数値が仕様に掲載されていて、その数値を利用する場合は、レンズ面中心先端からレンズ本体先端(フィルター取付け面)までの距離数値を追加して下さい。その場合は「レンズ繰り出し長」は無視して下さい。)
レンズ最短撮影距離(180mm)-レンズ長(82.5mm)-フランジバック(44mm)-レンズ繰り出し長(7mm)=46.5mm(凡そのワーキングディスタンス)
となり、ピントが合うようにするには、レンズ本体先端から46.5mm以上の距離が必要であることが分かります。
ニコンスライドコピーアダプターES-1本体の長さは、44mm~68mmの可変長であり、現段階ではその範囲内に収まっているます。
しかし、私が使用しているレンズのフィルター径は77mmであるのに対し、ニコンスライドコピーアダプターES-1のアタッチメントサイズは52mmであり、取り付けには「ステップダウンリング」が必要となるため、その厚み分の約3mmも追加しなければいけません。↓
さらに、スライドマウントにも約1.2mmの厚みがあり、その中心にフィルムか挟まれると考えると、約0.6mmを追加する必要もあります。
すなわち、
ニコンスライドコピーアダプターES-1最短長44mm+ステップダウンリング厚3mm+スライドマウント厚0.6mm=47.6mm
ニコンスライドコピーアダプターES-1最大長68mm+ステップダウンリング厚3mm+スライドマウント厚0.6mm=71.6mm
システムの合焦範囲は、47.6mm~71.6mmとなり、私のレンズは本体先端から46.5mm以上であれば合焦可能ですので、問題なく使用できることが分かります。
さらに、可変長であるニコンスライドコピーアダプターES-1の最短長(最も縮めた状態)で使用可能であることも分かります。
では、上記の条件を満たさないと、ニコンスライドコピーアダプターES-1を使用してのデジタルデュープを諦めてしまわないといけないのかというと、そうではありません。
工夫次第では、使用できる場合が多々あります。
多くの場合が伸縮最大長でも、ピントが合わないという例だと思います。
●例1:カメラマウント面とレンズマウント面の間に、接写リングを入れる
・接写リングをレンズとカメラの間に挟み込むことにより、最短撮影距離を短くすることが出来ます。
●例2:レンズ先端とニコンスライドコピーアダプターES-1の間に、延長チューブを入れる
・延長チューブを何個か入れることにより、レンズの最短撮影距離まで伸ばすことが出来ます。通常の35mm換算90mm程度の中望遠レンズの手持ちしか無く、撮影倍率を低くしたいといった場合に有効です。
このように、手持ちのものを活用しながら費用を抑える工夫をして、カメラマニアの方はデジタルデュープを楽しんでいるようです。
私はたまたま、ニコンスライドコピーアダプターES-1とステップダウンリングのみで合焦範囲内に収まったため、難しい工夫をすることなくデジタルデュープが可能となりましたが、実際には1つ、問題点もありました。
それは、
「画面いっぱいに、フィルム面を収められないこと」
です。
ピントが合うという問題はクリアしたものの、手持ちレンズの焦点距離が24mm(35mm換算焦点距離40.8mm)という短い焦点距離(広角または準標準レンズ)のため、画面いっぱいにフィルム面を捉えられないという問題がありました。
実際のデジタルデュープした白黒ネガフィルムの画像がこちらです。↓
結構なスペースを無駄にしていることが、お分かりになるかと思います。
私のデジタル一眼レフであるシグマSD15の有効画素数は、1,406万画素ですので、面積の割合でフィルム面のスキャンされた画像画素数を計算してみると、約528万画素ほどしか画素数を活かし切っていない計算となります。
これではちょっと納得がいかいなと、当初は思いましたが、今ではこれでも十分だと思えるようになりました。
この程度の画素数でも、Web掲載する1,280×853ピクセル程度の画像では、十分な画像であることが分かったからです。(この1,280picサイズが最近のgoogleのSEOに於ける画像掲載基準サイズのようです)
四つ切程度の印画紙にプリントアウトするには、少々難があるかも知れませんが、今のところその予定もありませんので、この程度で十分であると納得することにしました。
接写リングや1.4倍や2.0倍のテレコンバーターを使用することも検討してみたのですが、シグマSAマウントは、ある意味特殊?のようで、使用できる商品がほとんど存在しなかったからというのも理由の1つです。
要は、売れてないデジタル一眼レフカメラですので、使えるアクセサリー類も少ないのです。(^_^;)
唯一、既に製造中止となっている焦点距離18mm-50mmのマクロ標準ズームレンズを使うという手があるのですが、中古相場で15,000円程度しますし、ズームレンズですので画質に難がある可能性もあります。(※訂正:望遠端を使用しても30mm程レンズが繰り出す為、捉えられるフィルム面サイズは現在と変わらないことが分かりました。(^_^;)
これはもう、今の手持ちレンズで納得するしかありませんね。(^^)
ニコンスライドコピーアダプターES-1を購入する前に、手持ちのデジタル一眼レフカメラとレンズを使用して、一度ネガフィルムの試し撮りしてみることをお勧めします。
それは、レンズ本体先端からフィルム面までの、ピントが合う凡その距離を確認するという意味合いと、どの程度の大きさでフィルム面を捉えることが出来るかを確認する意味合いがあります。
これにより大まかなイメージが掴めるかと思います。
さらに、先ほどの計算式に数値を当てはめてみて、合焦の問題がないかを確認していから、ニコンスライドコピーアダプターES-1を購入するようにしていただければと思います。
スライドマウントを加工してスリーブネガを固定出来るようにしよう!
ニコンスライドコピーアダプターES-1は、その名の通り、スライドをコピーするためのアダプターです。
よって、スリーブ状(6コマつながりの状態)のネガフィルムをセット出来るようには作られていません。
そこで、スリーブネガを使用できるように、スライドマウントを改造する必要があります。↓
上記写真が改造後のスライドマウントです。
よく見てもらわないと分からないかも知れませんが、マウントを止めるボッチが1辺につき2個づつ付いているのですが、左右の辺のボッチと0.2mmほどの段差を棒ヤスリで削りとっています。
製作時間は約20分です。
マウントはプラスチック製ですが、軟らかい素材で出来ていますので、簡単に削り取ることが出来ます。
そうすることで、スリーブ状ネガフィルムを、マウントを閉じた状態でも、適度なテンションで左右に可動させることが出来ます。↓
スライドマウントは25枚入りで300円程度と安価ですし、今までに使用したことがある方なら、1枚だけ不要なスライドを抜き取って、そのスライドマウントを使用するという手もあります。(私はそうしました)
スリーブネガがそのまま使用できる他製品用の「スライドキャリア」を使用するという手もあるようですが(上限約5mm厚のものまでなら、なんとか挟み込むことができるようです)、わざわざ新規で購入するくらいなら、このスライドマウントを改造するだけで、費用を抑えられる上に、十分快適にデジタルデュープ作業をすることができます。
ネガフィルムのデジタルデュープ作業手順
これからいよいよデジタルデュープ作業に入ります。
今回は、白黒(モノクロ)ネガフィルムを例にして、話を進めていきたいと思います。
フィルムは「コダック プロフェッショナルT-MAX100」を、「T-MAXデベロッパー現像液」にて現像したものを使用しました。
現像方法及び現像手順は、「【PENTAX MZ-3実写レビュー】ペンタックスMZ-3で撮影した白黒フィルムを現像&デジタルデュープ!」記事内の、「白黒(モノクロ)フィルムの現像」に記載しておりますので、参考にして下さい。
ネガフィルムをセットして光源に向けてただシャッターを切るだけの簡単作業!
デジタルデュープをするためのシステムに関しては、長文の記載となりましたが、実際のデジタルデュープ作業に関しては、至って簡単です。
高性能なフィルムスキャナーを使用した場合、ネガフィルム1枚スキャンするだけでも数分掛かってしまうようですが、このデジカメを使用したデジタルデュープなら、ネガフィルム1枚あたり、僅か0.06秒という時間で作業が完了してしまいます。(^^)
しっかりとした道具を使用して、ちょっと注意を払って作業をするだけです。
まず、必ず使用しなけらばならないものが光源装置、すなわち、ライトです。
私が使用しているのは、「HAKUBA製ライトビュアー6000(KLV-6000)」というライトボックスです。
今はもう製造が中止されている商品ですが、35mmスリーブ状フィルム3段(計18コマ)を、一度に並べて見ることが出来るもので、デジタルデュープ作業だけでなく、撮影・現像済みフィルムの確認用にも使用しています。
相関色温度は、5,000K(ケルビン)+270-250となっていて、太陽光に近い昼白色です。
平均輝度は、1,100cd/㎡で、ちらつきが無く、目にやさしいインバーター回路内蔵です。
私は白黒(モノクロ)フィルムの撮影が主体となりそうですので、ライトボックスの色温度はそれほど影響しないと考えますが、ポジフィルム(リバーサルフィルム)の場合は、そのまま影響が出ますので、なるだけ太陽光に近い5,000K(ケルビン)前後の色温度のものを選択したほうが良いかと思います。
また、カラーネガフィルムの場合は、私もまだ試行錯誤中ではありますが、ホワイトバランスの調整だけでは青みが残ってしまうという問題があり、最終的には「青フィルター」を被せて使用しなけらばならないようです。
そのためには、平均輝度がなるべく高いものを使用したほうが良さそうです。
輝度が低いと、使用するシャッタースピードが低速になり過ぎて、問題が生じてしまうことも考えらます。
今のところ、白黒(モノクロ)フィルムのデジタルデュープ作業には、このライトボックスで問題はありません。
ちなみに、スマホのフラッシュライトアプリは、全く使用できないことを記載しておきます。
何故かと言いますと、まず第一に専用のライトボックスと比べると、明らかに輝度が暗すぎることと、さらにはスマホ画面上の、肉眼では確認できない「格子模様」が写り込んでしまうからです。
デジタルデュープには、しっかりとしたライトボックスを使用して下さい。
上の写真では、デジタルデュープシステムを組んだデジカメを、ライトボックスの上に置いて撮影していますが、実際には「手でデジカメを持って、ライトボックスにレンズを向けて、約1cmほど浮かした状態」で撮影します。
これは何故かと言いますと、「デジカメが重すぎて、その自重でピントが狂ってしまうから」です。
インナーフォーカスタイプのレンズでしたら、ライトボックスの上に置いて撮影できますが、ピントリングを回すとレンズが繰り出すタイプのレンズの場合は、置き直す度にどんどんピントが狂ってしまいますので、必ず浮かした状態で撮影しなければなりません。
幸い、逆さにしても、ニコンスライドコピーアダプターES-1の伸縮リングが伸びてしまうことはありませんでした。
フィルムとカメラは完全に固定されていますので、手ブレの心配をすることなく、シャッターを切ることが出来ます。
絞り・シャッタースピード・ISO・ホワイトバランス・記録形式の設定は?
デジタルデュープ作業に使用する絞りとシャッタースピードとISO感度と記録ファイル型式ですが、私のシステムの場合の例を記載しておきます。
- 絞り値 F8.0
- シャッタースピード
1/15秒(※訂正:現在は1/8秒で行っています) - ISO感度 100
- ホワイトバランス オート
- 記録形式 rawファイル画像
です。
まず絞り値ですが、ネガフィルムは完全に平坦かというとそうではありません。
スライドマウントに入れて四辺を固定しているとはいえ、多少湾曲していることが通常です。
フィルム面の全てに出来るだけピントが合うようにすることと、レンズの諸収差を抑えるためには、絞り値をF8.0程度に設定する必要があります。
それ以上絞り込むと、光の回折現象による「小絞りボケ」の問題もあるかと考えて、絞り値はF8.0としました。
次にシャッタースピードですが、これはカメラの自動露出値を参考にして決定しました。
フィルムをセットしたデジカメを、絞り優先AEモードに設定して、絞り値はF8.0に設定し、ライトボックスにレンズを向けて、シャッタースピード値を見ます。
この作業を10コマ程度のフィルムで行いますと、凡その平均的で適切なシャッタースピード値が分かってくるかと思います。
私のライトボックスの輝度の場合、絞り値F8.0で、シャッタースピードは1/15秒(※現在はPhotoshopの「階調の反転」のみを行った時点でほぼ適正画像が得られる1/8秒で行っています)が平均的であり適切でした。
毎回、デジカメの絞り優先AEを使用してデジタルデュープを行ってしまうと、フィルムの現像時間などが適切であったかどうか、または撮影時の露出が適切であったかどうかなどが、分からなくなってしまいますので、絞り値とシャッタースピードは固定してしまうが良いと考えます。
コンセントから電源を取るタイプのライトボックスの光量は一定ですので、露出も一定にしています。
次にISO感度ですが、感度を上げるとノイズが目立ってしまうため、私の場合はISO100に設定していますが、これはカメラによっては差異があるようです。
使用するデジカメの常用感度内にISO50やISO64があるならば、それを使用しても問題ありませんが、それが拡張感度であるならばISO100の方がより綺麗な仕上がりになるかもしれません。
殆どのデジカメは、ISO100を基本としていますので、私はこの感度の使用で問題はないかと思います。
次にホワイトバランスですが、白黒(モノクロ)フィルムのデジタルデュープの場合は、オートで問題ありません。
最終的にはPhotoshop CS2で彩度を取り除くことになります。
最後に記録ファイル形式ですが、JPEG画像ではなく、「raw画像」でなくてはなりません。
ポジ(リバーサル)フィルムで、撮影した画像を編集することなく使用する場合にはJPEG画像でも問題ありませんが、ネガフィルムの場合は「階調の反転」作業が必要となることと、その他トーンカーブなどを調整して突き詰めていかないと、見るに耐えられる写真にならない?こともあり、画像の調整は必須です。
JPEG画像は、明るさなどを調整すると画像が大きく劣化しますが、raw画像であれば劣化が最小限に抑えられます。
いわゆる、「raw現像」をして画像を得るようにします。
ピントはマニュアル?またはAF(オートフォーカス)でもOK?
当初、ピント合わせはマニュアルで行っていました。
なぜなら、オートフォーカスでは合焦しないときがあったからです。
合焦しないとは、デジカメが合焦したときの合図である「ピ・ピッ」という音も鳴らず、レンズのモーターも作動しないときがあったということです。
しかし、これは、デジカメをライトボックスの上に置いて撮影しているときのことであり、デジカメを浮かした状態で撮影するようになってからは、オートフォーカスでもしっかりと合焦するようになりました。
おそらく、デジカメの重みでモーターに負荷が掛かってしまい、作動しなかったのではないかと考えます。
マニュアルでファインダーを覗いて、しっかりとピントを合わせる方が、より納得のいくピントが得られるのかも知れませんが、正直、身体への負担が大きく、心身ともに疲れきってしまいます。(^_^;)
折角のオートフォーカスなのですから、それを使用しない手はありませんよね。(^^)
今のところ、オートフォーカスの使用でも、問題は見当たりません。
スリーブネガをマウントして、デジカメにセットし、ただシャッターを押すだけの簡単作業
デジカメの絞り・シャッタースピード・ISO感度を設定してしまえば、あとはスリーブ状のネガフィルムを改造したスライドマウントに挟み込み、ニコンスライドコピーアダプターES-1にセットして、レンズをライトボックスに向けてシャッターを押すだけの簡単作業です。
1コマ作業を終えたら、一旦、スライドマウントを取り出し、隣のコマへとずらしてから、再度デジカメにセットするようにします。
改造したスライドマウントに挟み込んだスリーブネガは、適度なテンションで左右に移動することが出来ますが、ニコンスライドコピーアダプターES-1にセットした状態では、テンションが掛かりすぎてしまい、無理に移動させようとするとネガに傷が付いてしまうことがありますので注意して下さい。
ニコンスライドコピーアダプターES-1の筒は自由に回転できるようになっていますので、ファインダーや液晶画面でフィルム画像を見て、撮影時の段階でなるべく水平にしておいた方が良いでしょう。
そのためには、ニコンスライドコピーアダプターES-1の筒とステップダウンリングに、水平となる目安のマークを付けておくと、作業も楽になるでしょう。
36枚(24枚)全てのデジタルデュープ作業が終了したら、次は、Photoshop CS2(無料)を使用してのraw現像作業に入ります。
Photoshop CS2によるraw現像作業手順
続いて、デジタルデュープしたraw画像を現像する作業に入ります。
まずはraw画像を現像するソフトが必要になります。
私は「Photoshop CS2」という、今から14年前の2005年にアドビシステムズから発売された画像編集ソフトを使用しています。
なぜこのソフトを使用しているかと言いますと、未だに「無料でダウンロード出来る」からです。(^^)
もちろん、利用できる機能は格段に少ないのでしょうが、raw画像を現像する程度ならこのソフトで十分だと思います。
もし、アドビシステムズが提供している最新のソフトを使用したいというのであれば、「Lightroom CC」と「Photoshop CC」と 「20GBのクラウドストレージ」が使用できるクラウドサービスの「Creative Cloud フォトプラン」をお勧めします。
月額980円でクラウドサービスが利用できるようになります。
私はそこまで利用することは考えていませんので、この無料版Photoshop CS2で十分です。
だって、使用してもしなくても、1年間で12,000円ですからね。
12,000円と言ったら、銀塩カメラ用の中古レンズが1本~2本は買えてしまいますよ。(^_^;)
このPhotoshop CS2は無料でダウンロードすることが出来ますが、本来は、ライセンス承認サーバーを停止したため、正規購入した方に対してのアフターフォローとして、シリアル番号を公開しています。
その点、ご理解の上、ご利用下さい。(^_^;)
また、14年前のものですので、OSもWindows XPで動くよう設計されています。
Windows 10でも問題なく作動したという記事もありますが、そこは各自の自己判断にてご利用ください。
私はWindows XPを未だに使用していますので、そのままOKでした!
Photoshop CS2をダウンロードする
まずは、Photoshop CS2をダウンロードしましょう。
ダウンロードサイトはこちら。
英語版AdobeのAcrobat7とCS2のダウンロードサイトが表示されます。
ページを下の方に進めていくと、「Japanese」の文字がありますので、そちらをクリックします。
各ソフトのダウンロードリンクが現れます。
もう少し、下の方に進めていくと、
「Photoshop CS2」の欄が出てきますので、Windows用の「PS_CS2_JP_NonRet.exe」をクリックするとダウンロードが始まります。
exeファイルですので、ダウンロード後には自動的にインストールが開始されますので、画面の指示に従ってインストールを進めて下さい。
ダウンロードリンクの隣には、シリアル番号も表示されていますので、インストール時の指示に従ってそちらを入力して下さい。
これで、Photoshop CS2が使用できる状態になりました。
Camera Rawをダウンロードする
Photoshop CS2をインストールしても、そのままの状態ではraw画像を開くことが出来ない場合があります。
これは、予めPhotoshop CS2に入っている「Camera Raw プラグイン」が、使用しているカメラに対応していないことによることのようです。
Photoshop CS2をインストールした時点で入っている「Camera Raw プラグイン」は、バージョン3.0(2005年のもの)です。
このプラグインを、ご使用のデジタルカメラに対応したCamera Raw プラグインに更新する必要があるようです。
各メーカーのデジタルカメラに対応したCamera Raw プラグイン表はこちら。
デジタルデュープに使用したデジタルカメラに対応した「Camera Raw プラグイン」を、こちらのサイトから見つけます。
例えば、私の場合はシグマSD15ですので、「サポート対象カメラ」の「シグマ」をクリックしてみます。
シグマ製品のカメラ名とそれに対応するCamera Raw プラグインのバージョンが表示されています。
困ったことに、私のシグマSD15の表示がありません。(^_^;)
試しに、シグマSD15の前期モデルである、シグマSD14に対応したCamera Rawであるバージョン4.1をダウンロードしてみることにしました。
camera raw ダウンロードサイトはこちら。
「Adobe Camera Raw and DNG Converter for Windows」という、各バージョンのcamera rawを入手することが出来ます。
ページ最下部の方へ移動しますと、
「Version 4.1.0」の「Camera Raw 4.1 update 2.1MB 5/30/2007」というのが見つかります。
こちらをダウンロードして解凍すると、「Camera Raw.8BI」というファイルが生成されますので、これをPhotoshop CS2に組み込みます。
「マイコンピュータ」→「Program Files」→「Adobe」→「Adobe Photoshop CS2」→「プラグイン」→「ファイル形式」フォルダの中に、この「Camera Raw.8BI」をコピーしたものを貼り付けます。
早速、Photoshop CS2を起動して、メニューの「ヘルプ」→「プラグインについて」を見てみて、Photoshop CS2にcamera rawプラグインが読み込まれているかを確認してみます。
「Camera Raw…」の文字があれば読み込まれている証拠ですので、そちらをクリックしてみると、
ちゃんとバージョン4.1が組み込まれています。
次に、後に詳しく記載しているDNG形式のraw画像ファイルを開くことが出来るかを確認してみます。
あらら?・・・使用できないというダイアログボックスが表示されてしまいました。
どうやら、Photoshop CS2では、バージョン4.1以降のCamera Rawは利用できないようです。
では、遡って、一番古いバージョン2.4のCamra Rawを試してみることにしました。
DNG形式のraw画像ファイルが開き、無事成功しました!
しかし、英語表示ですか・・・。
使えるとしても、一番古いバージョンを使用するのもアレですので、使用できないと分かっているバージョン4.1より古いものを順にダウンロードして試してみると、バージョン3.7の「Camera Raw 3.7 update」がPhotoshop CS2で使用できる最新のものであることが分かりました。
ちゃんと、日本語表示にもなっています!
Camera Rawがサポートするカメラのバージョンとは違う、古いものではありますが、使用は出来るようです。
使用はできるが、細かなプロファイルを反映できないということなのでしょうか?私も詳しくは分かりませんが、ちゃんと機能しますので、良しとすることにしましょう。(^_^;)
DNGコンバーターをダウンロードしてファイル変換する
raw画像ファイルは、様々なファイル形式が存在しています。
画像ファイルの拡張子が、各カメラメーカーによってマチマチであるのです。
例えば、私の所持しているデジタルカメラのシグマは、「X3F」という拡張子になります。
ニコンは「NEF」ですし、キヤノンは「CR2」です。
そこで、Photoshopでraw画像を開くためには、Photoshopに対応した「DNG形式のraw画像ファイル」に変換してあげなくてはいけません。
「DNG」とは、「Digital Negative」の頭文字を取ったもので、アドビシステムズが提唱したオープンソースであり、誰でもその仕様が見れて自由に使用できるという、互換性に優れたrawファイル形式です。
一部のカメラメーカー(ライカやリコーなど)では、PhotoshopのDNG形式のrawファイルを採用していますが、その他の多くが依然として独自のファイル形式を採用しています。
デジタルデュープに使用したデジカメが、DNG形式のraw画像でしたらそのままPhotoshopで使用出来るのですが、そうでない場合が殆どだと思いますので、これからDNGファイル形式に変換する方法をご説明したいと思います。
まずは、先ほどの「Camera Raw and DNG Converter」ダウンロードサイトを見てみます。
DNG形式のファイルに変換するには、アドビシステムズから「DNG Converter」という無料のソフトを配布していますので、それを使用します。
この中の、どのDNGコンバーターをダウンロードすれば良いのかを、探ることから始めなけれらばなりません。
ちなみに、最新のバージョン11.1は試してみたところ、使用できませんでした。(どう駄目だったかは、忘れてしまいました。Windows XPには対応していなかったのかも?(^_^;)
アドビシステムズのサイト内には、「アドビソフトウェアの従来バージョンに対する最新カメラのサポートは、無料の Adobe DNG Converter を介して受けることができます。」と、あります。
ということは、シグマSD15の発売日直後のものであれば、使用できる可能性もあると考えました。
シグマSD15の発売日は2010年6月25日ですので、その直後の日付である、2010年8月30日に配布された「Adobe DNG Converter 6.2 update」をダウンロードしてみることにしました。
ダウンロードしたら実行して、指示に従ってインストールします。
無事に開くことが出来ました。
変換方法は、①変換するraw画像が入っているフォルダを選択して、②保存先を選択し、③変換した画像の名前を決めて、④環境設定をします。
④の環境設定ですが、Photoshop CS2で使用できるDNGファイルにするには、互換性で「Camera Raw 2.4以降」を選択する必要があるようです。
後は「変換」を押せば、自動的にフォルダ内全てのraw画像を、DNG形式のraw画像へと変換してくれます。
無事にDNG形式のファイルへの変換作業が終了しました。
では、一枚、開いてみることにしましょう。
ちゃんと、編集可能な状態となりました。(^^)
まとめとして、私のraw現像のシステムは、下記の通りとなりました。
- 使用パソコンOS 「windows XP」
- raw現像ソフト 「Adobe Photoshop CS2」
- Camera Rawバージョン 「Camera Raw 3.7 update」
- DNGコンバーター 「Adobe DNG Converter 6.2 update」
ご使用のデジタルカメラやパソコンのOS等によって、Camera RawとDNGコンバーターのバージョンが異なってくることもあるかと思いますので、作業手順を参考に、ご自身で試してみていただければと思います。
Photoshop CS2でraw現像する
続いて、準備が完了したPhotoshop CS2を使用して、ネガフィルムを現像したいと思います。
今回は、raw現像としては比較的容易な、白黒(モノクロ)ネガフィルムの現像をご説明いたします。
まずは、DNG形式のraw画像をPhotoshop CS2で開きます。
この状態では、まだPhotoshop CS2に画像が読み込まれていません。
画像を見ると、僅かに斜めに傾いてることが見て分かりますので、それを調整します。
開いているボックス画面?左上部にある「三角定規のようなマーク」をクリックして、画像左角から右角まで(底辺または上辺のどちらか)をクリックしながらドラッグして、放します。
すると、自動的に画像の水平が出ます。
続いて、デジタルデュープした画像には余白がありますので、画像を切り抜く作業を行います。
水平を出した後は、自動的に切り抜きモードになっていますので、四隅の□マークをクリック&ドラッグして、写真の内側ギリギリのところに□マークを移動します。
余白(黒い部分)が消えて、切り抜かれる部分が分かります。
白黒ネガフィルムの場合は、画面右側にある「ホワイトバランス」の調整は不要であり、カメラのホワイトバランスを使用しています。カメラのホワイトバランスはオートのまま撮影を行っています。
露光量やシャドウや明るさなどの調整も、「自動補正」ボタンが付いていますが、Photoshop CS2での本調整で出来ますので、ここでは使用しません。
画面下の「解像度」は、変更しても特に変化は見られませんでしたので、デフォルトの480pixelのままです。
「サイズ」には、仕上がりの画像サイズが表示されます。
例えば、画像サイズを1,600×1,067pixelにして画像を切り抜きたい場合には、水平を出した後に、画面左上の「切り抜きマーク」をクリックしながら少し下にずらすと、「カスタム」という項目が現れますので、切り抜きを「pixel」にして、「横幅」と「縦幅」をそれぞれ入力してOKを押します。
それから「四隅の□マーク」をクリック&ドラッグして切り抜きエリアを指定すれば、画像サイズを変えずに切り抜くことが可能です。
次に、この画像は縦位置撮影したのもですので、画像を回転させます。
画面左上の「右と左への回転マーク」ボタンを活用して、90度づつ回転させることが出来ます。
この状態で「開く」ボタンを押します。
Photoshop CS2に画像が読み込まれました。
ネガフィルムですので、画像が反転している状態になっているのを、ボジ状態の画像に変えていきます。
画面上部の「メニュー」から、「イメージ」→「色調補正」→「階調の反転」ボタンを押します。
ボタン1発で、見事に階調が反転し、ポジ画像を得ることが出来ました!
が、しかし、この薄ボケた写真では、様になりませんね。(^_^;)
これから調子を整えていきます。
画面上部の「メニュー」から、「イメージ」→「色調補正」→「自動レベル補正」ボタンを押します。
だんだん、写真らしくなってきました。
これは白黒フィルムですので、彩度を取り除かなくてはいけません。
画面上部の「メニュー」から、「イメージ」→「色調補正」→「彩度を下げる」ボタンを押します。
僅かではありますが、全体の赤みが取り除かれました。
この画像はこれ以上調整の必要はありませんが、多少ドーンカーブをいじってみることにしましょう。
画面上部の「メニュー」から、「イメージ」→「色調補正」→「トーンカーブ」ボタンを押します。
画像全体を少し暗くして、ハイライトを少し持ち上げ、シャドーが落ち込むのを少し救ってあげました。
ま、この写真の場合はそれほどいじる必要が無かったため、あまり変わりませんね。(^_^;)
トーンカーブの調整は、ちょっと線を動かしてみれば、すぐにコツを掴めると思います。
このトーンカーブの調整は、本当は画面右上に表示されている「ヒストグラム」を見て整えながら行うのでしょうが、私は無視してます。
モニターを信用し、自分の見た目で調整するのが、一番です。
次に行うのは、解像度が高いデジタルデュープシステムを使用している方には不要な作業ですが、アンシャープマスクを行います。
私のデジタルデュープシステムは、フィルム面全てを捉えることが出来れば1,406万画素なのですが、実際には528万画素程度しか活用できていないため、少々粗さが残ってしまうのです。
それを少しだけ救ってあげる手段として、アンシャープマスクを活用しています。
画面上部の「メニュー」から、「イメージ」→「フィルター」→「シャープ」→「アンシャープマスク」ボタンを押します。
設定はデフォルトの ・量50% ・半径1.0pixel ・しきい値0レベル でOKボタンを押すと、微妙ではありますがボケが取れてシャープな写真になりました。(※訂正:現在は、・量80% ・半径0.5pixel ・しきい値0レベル にて行っています)
やり過ぎは禁物ですので、ほんの少し、救ってあげる程度にとどめましょう。
後は保存するだけで写真が完成です!
画面上部の「メニュー」から、「ファイル」→「Web用に保存」ボタンを押します。
「保存」ボタンを押して、名前を付けて、JPG形式の画像として保存します。
デジタルデュープによる白黒(モノクロ)ネガフィルムの写真が完成しました。
写真は原寸大の1,600×1,067pixelで掲載しています。
ちなみに、普段、私は528万画素によるデジタルデュープという引け目?から、余白を残した写真に仕上げています。
この方が粗が目立たないということと、写真の縁がスライドマウントのギザギザが写り込んで、より銀塩写真っぽいでしょ!?
画像は原寸大の2,000×1,333pixelサイズで掲載しています。
その他の仕上げた写真も少し掲載しておきます。
【カメラデータ】
- カメラ:ペンタックスLX
- レンズ:ペンタックスSMC-M 40mmF2.8
- フィルム:プロフェッショナルT-MAX100
- 現像液:T-MAXデベロッパー
まとめ・感想
いかがでしたでしょうか?
出来るだけ出費を抑えて、デジタルデュープによるフィルムのデジタル化を楽しむ方法を記載してまいりました。
デジタル一眼レフとマクロレンズさえ持っているなら、基本、ニコンスライドコピーアダプターES-1の購入だけで凡そ方が付いてしまいます。
無料の現像ソフトとしては、「RawTherapee(ロウ・セラピー)」というソフトもあるのですが、如何せん、機能が多すぎて難しいことと、ネガからポジに1発で反転する機能が付いていないことと、仕上がる画像の質がPhotoshop CS2と比べると劣っているように感じました。
無料で利用できるPhotoshop CS2は実に有り難く、しっかりとしたraw現像が可能です。(本来は正規購入した方が利用するものですので、ご理解の上ご使用下さい)
白黒(モノクロ)フィルムで撮影する写真は、デジタルカメラで撮影する白黒写真とはひと味違います。
その豊かなグレーゾーンの階調性は、白黒デジタル写真では表現できない領域のようです。
ネットで白黒写真を目にすることは多々ありますが、それがフィルムカメラで撮ったものなのか、またはデジタルカメラで撮ったものなのかが、一目見て分かってしまう程、違いがあります。
何故かデジタルカメラで撮影した白黒写真は、白黒バキバキのクッキリハッキリ高精細写真ばかりなのです。
raw現像如何で、いくらでもフィルムと同じような美しいグレーゾーンの階調性を表現できそうなのですが、何故かそういう写真を見かけません。
やはり、デジタルでは表現できない領域なのかも知れませんね。
今回は白黒ネガフィルムのraw現像を行いましたが、今後、カラーネガフィルムのraw現像の手順もご紹介していきたいと思っています。
私も何れは高性能なフルサイズデジタル一眼レフと高性能なマクロレンズを使用したデジタルデュープシステムを組んで、フィルムの良さを最大限に引き出した写真に仕上げてみたいと思っていますが、その重量級のデジカメを持って街に出る気には、到底なりません。
デジタルデュープ専用の高性能デジタル一眼というのも、なんだか勿体無い気がします。(^_^;)
しばらくは、このシステムでフィルム・銀塩写真を楽しんでいきたいと思っています。
※下記の記事もぜひご一読下さい。↓
【モノクロフィルム写真】現像液とフィルムの組み合わせによる写真の違いを検証!【コダックT-MAX400フィルム】×【Silvermax現像液】vs【HR-Dev現像液】
Photoshopとデジカメを使ってネガフィルムをデジタル化する方法(デジタルデュープ)|カメラカタログ通販
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カメラカタログ通販サイト管理運営・執筆者。
子供の頃、カメラが好きで集めていたカメラカタログを、ネット通販で取り扱う「カメラカタログ通販」の管理運営をしています。
このネットショップサイトの運営を開始してから、自らもフィルムカメラによる写真撮影に目覚め、銀塩写真撮影を再開した、アラフィフ男です。