目次
銀塩・モノクロフィルム「ADOX HR-50」実写インプレッション
今回は、前回に引き続き、モノクロフィルムの実写インプレッションをしてみたいと思います。
今回使用したモノクロフィルムは、
「ADOX HR-50」モノクロネガフィルム
です。
前回ご紹介した「ADOX Silvermax」と同じメーカーのフィルムです。
ADOX(アドックス)ブランドのHR-50という名のフィルムです。
前回使用した「ADOX Silvermax」はその名の通り、銀が大量?に使われているフィルムというであると想像しやすい名前でしたが、今回のものは「HR-50」、名前からはちょっと想像が付きにくいフィルムですね。
特長としては、技術的用途で使用されている乳剤が使われていて、超微粒子と近赤外領域までの感光性を持つフィルムとのことです。
赤外線フィルムと言うと、空が黒くなり、雲は白くなり、木々は白く写る、ある意味幻想的な世界に写ってしまうフィルムというイメージがあり、個人的には好きではありませんが、この「ADOX HR-50」は近赤外領域までしか写らないとのことですので、それほど心配する必要も無さそうです。
フィルム種別しては、「スーパーパンクロマチック」フィルムとなります。
しかも、このデジタルカメラ全盛の時代に、2018年(昨年)の秋に新発売されたフィルムということで、期待が高まりますね。
今回はこの「ADOX HR-50」フィルムを使用して、撮影に臨みました。
「ADOX HR-50」モノクロフィルムについて
この「ADOX HR-50」というフィルムを製造・販売しているアドックスという会社については、前回の記事「【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真」を参照していただくとして、このフィルムを輸入販売している「SILVER SALT」のサイトから、この「ADOX HR-50」フィルムの特長をそのまま引用してみました。
「Adox HR-50フィルムは、一般的に技術的用途で利用される乳剤がベースになっており、超微粒子と、近赤外領域までの感光性を特徴としています。
HR-50 は、特にストリートや風景撮影に適しています。
ポートレート撮影の場合には、Adox HR-Dev、Adox Atomal 49、Rollei Supergrain といったイコライジング現像液の使用をおすすめします。
Adox はこのフィルムを改良するために、Adox Speed Boost テクノロジー(*)を使用しています。
この技術はフィルム感度を上昇させ、ISO 50/18 °を実現しています。
また、フィルムのコントラスト改善(高コントラスト部がこの技術により低減されたこと)により、通常のフィルム現像液を使用してアート作品のための撮影ができるようになっています。」
と記載されています。
特に気になったのが、「アート作品のための撮影ができる」という一文です。
アートですよ、アート!
正直、私は嫌いです、アート。(^_^;)
今の時代、「誰もがみんな、アーティスト!」みないな感じになってるじゃないですか!
「芸術」は好きなんだけど、「アート」は嫌いです。(^_^;)
その「アート作品」に仕上がる理由の1つが、「近赤外領域」まで感光するフィルムの特性にあるようです。
ま、昨年(2018年)の秋に新発売された、ADOXの独自テクノロジーが詰まった最新作フィルムということですので、お試しで撮影してみるには面白いかと思い、この「ADOX HR-50」フィルムをチョイスしました。
撮影に使用したフィルムカメラ機材
今回も撮影に使用した機材は、私の愛機である「PENTAX LXボディ」と「SMC PENTAX-M40mmF2.8レンズ」です。
しかし、ちょっと追加されたものがあります。
それが、これ。↓
「SMC PENTAX-M 28mmF2.8」レンズです。
ヤフオク!にて、5,000円で購入してしまいました。(^^)
あれだけ、さんざん、「自分の目は35mm画角だから、レンズ1本だけで十分!」と、言い張っていた私ですが、ヤフオク!を眺めていたら、良さ気な個体が出ていたもので、思わず入札ボタンを「ポチッ」としてしまいました。(^_^;)
(※こちらのレンズは後日、絞り羽根の開閉に不具合があり、自分で分解・修理しました。その内容を記載した「【レンズ分解・修理・清掃】絞り羽根の動きの不具合を分解・修理してみた「SMC PENTAX-M 28mm F2.8レンズ」」も併せてご覧下さい。)
そして、さらにもう一つ、
「SMC PENTAX-M 50mmF1.7」レンズも購入してしまいました。(^_^;)
こちらもヤフオク!にて、2,900円で購入してしまいました。
オールドレンズとは言え、こんなに綺麗なレンズが2,900円で購入出来るなんて、フィルムカメラという趣味は、なんと良い趣味なのでしょう。
安い費用で、物欲まで満たしてくれます。(^^)
よって、今回の撮影では、「SMC PENTAX-M40mmF2.8レンズ」と「SMC PENTAX-M 28mmF2.8」と「SMC PENTAX-M 50mmF1.7」の3本のレンズを使用して、撮影に臨みました。
フィルム現像・デジタル変換
フィルム現像について
フィルム現像に使用した現像液は、今回使用した「ADOX HR-50」フィルムにパーフェクト?な現像液である、「ADOX HR-Dev」現像液を使用しました。
この現像液の輸入販売している「SILVER SALT」の謳い文句をそのまま引用すると、
「Adox HR-Devは、Adox HR-50 フィルムにパーフェクトな現像液です。
Adox は、このフィルムが持つ特性曲線(強いS字曲線)を、独自の”Speed Boostテクノロジー”を使って改善しています。
*Speed Boost Technologyとは :Adoxが開発した、プレ露光(フラッシュ)技術をベースにしたフィルム特性曲線を改善する技術。
HR-Devは、ディープシャドウ部の微細ディテールを保証します。
シャドウ部のコントラストはより強くなり、ライト部はより詳細―zone 9まで―になります。」
と記載されています。
なにやら、ちょっと小難しい文章となっていますが、美しいトーンと細粒子&シャープなネガを実現する、良い現像液ということなのでしょう。(^_^;)
初めて使うフィルムでは、そのフィルムに最適な現像液を使うことが、フィルムの特長を最大限に活かせると考えていますので、この「ADOX HR-Dev」現像液という選択は間違いないでしょう。
問題は現像時間です。
最適な現像時間は「ADOX HR-50」フィルムと「ADOX HR-Dev」現像液の輸入販売を手掛ける「SILVER SALT」サイトに記載されています。
ISO | 温度 | 現像時間 | 希釈 | 撹拌 | コントラスト |
40 | 20℃ | 12分 | 1+49 | 30/60/1 | N |
50 | 22℃ | 11分 | 1+49 | 30/60/1 | N |
50 | 24℃ | 13分 | 1+49 | 30/120/1 | N+0.5 |
今回は「ADOX HR-50」フィルムを2本撮影しましたので、1本目は「ISO50設定・20℃・12分間現像」、2本目は1本目の現像したネガを見て現像時間を修正し、「ISO32設定・20℃・10分30秒間現像」としました。
1本目の現像時間は、上記の表よりもちょっと短めの現像時間となっています。
本来ならISO40に設定して撮影していなければならないのですが、「ADOX HR-50」フィルムは、元々ISO50という低感度なため、これ以上感度を下げたくないという気持ちからISO50設定のまま撮影しています。
と言うか、ハッキリ言ってしまうと、表を見間違えてました・・・。(^_^;)
ま、大した問題じゃありませんね。(^^)
2本目の現像時間は、1本目のネガがあまりにも高コントラストであったため、露出を増やしてシャドウを救い、その代わりに現像時間を切り詰めてコントラストを抑えるようにしました。
いわゆる、「タップリ露光のあっさり現像」ってヤツですね。
結果としては、やはり2本目の「ISO32設定・20℃・10分30秒間現像」が正解であったようであり、自分好みの多くの階調を表現する写真に仕上げやすくなっていました。
この設定で、さらに1分ほど現像時間を短くしても良いようです。
下に紹介する写真で、確認していただけたらと思います。
フィルムのデジタル変換について
デジタル変換に関しては、過去の記事の「Photoshopとデジカメを使ってネガフィルムをデジタル化する方法(デジタルデュープ)」に記載している方法にて行っています。
ただ、少々デジタルデュープの方法に修正を加えています。
デジタルデュープするときのデジタルカメラの露出ですが、RAW現像時の修正幅をなるだけ減らすべく、階調の反転をした時に、なるべく通常の写真の明るさ・コントラストになるように近づけた露出を行うようにしました。
「ADOX HR-50」フィルムを使用した撮影写真解説
それでは、「アドックス HR-50」フィルムと「アドックス HR-Dev」現像液を使用して撮影した写真をご紹介したいと思います。
撮影場所は、このサイトでは毎度お馴染みの「銀座・八重洲」界隈に「新橋」と「お台場」が加わっています。
HR-Dev.現像液にてISO50撮影20℃12分間現像した写真
↑①銀座の路地にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃12分 ・撹拌:30/60/1
コントラストが高く、白黒ハッキリした印象ですが、シャドウの階調は悪く有りません。スーパーパンクロマチックフィルムらしい描写です。
↑②銀座の路地にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃12分 ・撹拌:30/60/1
こちらもまた、コントラストが高い写真ですが、締まったシャドウに高輝度のハイライト、中々の描写です。
↑③銀座中央通り歩行者天国にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃12分 ・撹拌:30/60/1
新たに購入したSMC PENTAX-M50mmF1.7レンズで撮影しました。現像時間が長いため、高コントラストになってしまい、RAW現像でどんなに調整しても黒は沈み、白は飛んでしまいました。
↑④日比谷ミッドタウンにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃12分 ・撹拌:30/60/1
ま、やっと普通の描写っぽい写真になりました。近赤外フィルムらしく、樹木の葉の一部が白く写ってます。
↑⑤日比谷ミッドタウンにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃12分 ・撹拌:30/60/1
やはり、現像時間が長いため、高コントラストになっています。RAW現像の調整で救ってもこれが限界です。
↑⑥日比谷ミッドタウンにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃12分 ・撹拌:30/60/1
コントラストが高い写真って、正直、好きじゃないです。どことなく、デジカメ風というか・・・。現像時間が長いのか、このフィルムの特性なのか・・・。
↑⑦日比谷ミッドタウンにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃12分 ・撹拌:30/60/1
現像時間を短く変更しても、この描写ならもうこのフィルムを使うことはありませんね。(^_^;)
↑⑧日比谷ミッドタウンにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃12分 ・撹拌:30/60/1
SMC PENTAX-M50mmF1.7レンズで撮影しました。絞り開放付近で撮影していても、この硬さ。嫌気がさします。(^_^;)
↑⑨日比谷ミッドタウンにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃12分 ・撹拌:30/60/1
やっと普通っぽい写真が出てきました。コントラストが高いですが・・・。樹木の葉っぱの一部が白く写るのは好き好きですかね。
HR-Dev.現像液にてISO32撮影20℃10分30秒間現像した写真
↑⑩八重洲仲通りにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
ISOを32に設定して撮影し、現像時間を1分30秒切り詰めた写真の1枚目。結構、私好みの写真になりました。(^^)現像時間とISO設定があっていれば、変な描写ではなくなるようで、安心しました。シャドウは締まった中にもしっかりと階調があります。
↑⑪八重洲仲通りにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
若干、コントラストが高いようにも思えますが、雰囲気は悪く有りません。この雰囲気になるのは近赤外線フィルムだからでしょうか?
↑⑫八重洲仲通りにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
結構、好きかも、このフィルム、と思えてきました。(^^)
↑⑬八重洲地下街(ヤエチカ)にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
シャドウを締めても、しっかりと階調が表現されるのがこのフィルムの特長のようです。ハイライトとのコントラストも好印象です。
↑⑭八重洲仲通りにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
八重洲仲通りから1本入る路地に喫煙できる場所があり、常に誰かがたばこを吸ってます。ハイライト部が多くを占める写真であっても、好印象な写りになりました。
↑⑮自宅前にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
現像時間を間違えなければ、ちゃんと普通に写るフィルムです。(^^)それにしても、SMC PENTAX-M40mmF2.8パンケーキレンズの描写は、縦横ビシッと決まって、大好きです。
↑⑯八重洲仲通りにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
撮影場所は普段あまり行かないお台場です。テレポートブリッジを撮影しました。ちゃんと普通に写ります。
↑⑰お台場ヴィーナスフォートにて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
SMC PENTAX-M28mmF2.8レンズを使用して撮影しました。視野四隅はちょっと画像が流れますが、35mmフィルムカメラはある意味フルサイズカメラですので、それが当然ですよね。最近の小型センサーカメラでの28mmレンズの描写が素晴らしいのは、単にセンサーサイズが小さくて、中心付近の絵しか拾ってないから。そんなのに見慣れてしまうと、周辺の像が流れるのに違和感を覚えてしまいます。でも全体としては、良い描写をするレンズです。
↑⑱新橋駅前にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
露出オーバーのネガをなんとかRAW現像で救いました。(^_^;)撮影時には、ちゃんと露出を調整しないとダメですね。なんでもかんでもフィルムや現像のせいにしてはいけません。(^_^;)
↑⑲新橋にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
近赤外フィルムっぽい描写です。普通のパンクロマチックフィルムではこの雰囲気は出ないかも知れませんね。青空も少々黒く写ってますしね。
↑⑳新橋にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
おっ!中々良い風情に写ってます。結構やりますな、HR-50。シャドウの階調が豊かに表現されてます。
↑(21)新橋にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
ちょっと手ブレしてますが、このHR-50フィルム、シャドウを占める割合が多いと良い表現が出来るフィルムのようです。
↑(22)新橋にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
ハイライト側に合わせてしまうと、シャドウは落ち込んでしまいました。Silvermaxフィルムなら、全てを飲み込んでくれたと思います。このフィルムのラチチュードはあまり高くありません。
↑(23)銀座の路地にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
開店したばかりの店舗を撮影しました。店の人から呼び込みを掛けられましたが、何の店かはよく分かりませんでした。(^_^;)写真はハイライトが飛び気味ですが、雰囲気は悪くありません。
↑(24)銀座の路地にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
このHR-50フィルム、シャドウの階調表現が豊かです。シャドウの占める割合が多いと、いい感じになります。
↑(25)新橋にて撮影。
・現像液:HR-Dev現像液 ・現像時間:20℃10分30秒 ・撹拌:30/60/1 ・ISO32設定にて撮影
この写真は、RAW現像時もほとんど調整無しでJPG化してます。全体の黒が締まっている中で、階調も豊かですし、良いフィルムだと感じた1枚です。
「ADOX HR-50」モノクロフィルムの総合評価
今回の「アドックスHR-50」モノクロフィルムの写真は如何でしたでしょうか?
最初の1本を撮り終えたときは、正直、「もう使いたくないな・・・」と思ってしまったのですが、「いや、待てよ、現像時間を撮影時のISO設定を変えたら使えるフィルムかも!?」と考え、現像したネガをひたすらじっくりルーペで覗き込み、シャドウ部とハイライト部のディテールを確認し、「ISO32設定・現像時間10分30秒」という自分なりの答えを出してそれを実施した結果、結構使える良いフィルムだと気付くことができました。
黒が締まった写真というのは、個人的にはそれほど好きではないのですが、だからといって、霞が掛かったような薄ボケた写真も嫌なものです。
このフィルムの特性を活かすには、しっかりと黒を締め上げることが必要であると理解した上で、その描写も悪くないことに気付きました。
「アドックスSilvermax」フィルムといい、この「アドックスHR-50」もそうですが、かなり良いフィルムを作るメーカーだと思いました。
ですが、私の常用フィルムとしては、やはり普通の描写が出来るパンクロマチックフィルムである「アドックスSilvermax」ですかね。
しかし、「アドックスSilvermax」も、よく観察してみると、ほんのちょっとだけですが、近赤外線領域まで感光しているような描写をしている写真も見受けられました。
ハイライト部分がどことなく、ホワっとしているというか、そんな感じです。
それが個人的には結構好きなのです。
今回、この「アドックスHR-50」フィルムは2本しか購入しませんでしたので、今後、このフィルムを購入することがあれば、現像時間を1分切り詰めた「ISO32設定・現像時間9分30秒」で行っても良いかなと思いました。
ちなみに、私個人の「現像時間」の定義は、「現像タンクに現像液を入れ終わった直後 ~ 現像液を排出する直前」までです。
他の人はどう定義しているかは知りませんが、おそらく、「現像タンクの現像液を入れ始めた時 ~ 停止液を入れ始めた時」としている人の方が多いのかも知れません。
私はパスタを茹でる時も、パスタをお湯に完全に入れ終わってからタイマーをかけるものですから、それと同様にしています。(^^)
撹拌の仕方や温度計の精度、その他諸々の違いから、フィルムメーカーや現像液メーカーの推奨する基準の現像時間など、あくまで目安にしかならないと思いますので、自分のやり方・決め方で、調整・修正を加えていくのがベストだと思っています。
またこの「アドックスHR-50」フィルムを使う機会があれば、「ISO32設定・現像時間9分30秒」で行ってみて、その結果を見てみるのが楽しみですね。
撮影後の感想・まとめ
前回の「アドックスSilvermax」モノクロフィルムに引き続き、新発売のフィルムである「アドックスHR-50」モノクロフィルムを使用して撮影してみました。
過去に、モノクロフィルムと言えば、「コダックTri-X」か「コダックT-MAX100&400」ぐらいしか使ったことのない私でしたが、新しいフィルムを試すというのは非常に楽しいものであるということが分かりました。
それと同時に、ISO設定はどうするのか、現像時間はどうするのか、はたまた撹拌方法はどうするのかなどを納得するまで繰り返して実験していかなければならないのは、少々骨の折れる作業とも言えますが、それもまた趣味としての楽しい時間でもあります。
ある写真のブログでは、「フィルムというのは、デジカメに置き換えると、イメージセンサーに例えることが出来る」と記載してあるのを読んだことがあります。
フィルムカメラというのは、どのフィルムカメラを使用しても、レンズ性能の違いこそあれ、同じフィルムを使用している限り、同じ描写をします。
このカメラで撮ったらこんな描写になるというのは、デジカメの世界の話であって、フィルムカメラの世界ではせいぜいレンズ描写のインプレ程度です。
しかし、フィルムを変えることが、デジタルカメラのイメージセンサーを変えるのと同じならば、フィルムを変更するだけで、多くのデジタルカメラを購入して使用できるのと同じだと言うことになります。
たった800円~1,000円程度で、色々なカメラを試すことが出来ると考えると、フィルムカメラという趣味は本当に有意義な趣味なのだと思えてきます。
また、「現像液をデジカメに例えると、画像処理エンジンにあたる」とも記載されていましたっけ?
これから現像液の組み合わせも色々試してみて、もっともっと自分好みの写真に近づけていきたいと思います。
※こちらの関連記事もぜひご一読下さい。
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【ADOX HR-50フィルム実写レビュー】アドックスHR-50モノクロフィルムを使用して撮影したフィルムカメラ写真
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カメラカタログ通販サイト管理運営・執筆者。
子供の頃、カメラが好きで集めていたカメラカタログを、ネット通販で取り扱う「カメラカタログ通販」の管理運営をしています。
このネットショップサイトの運営を開始してから、自らもフィルムカメラによる写真撮影に目覚め、銀塩写真撮影を再開した、アラフィフ男です。