【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真


八重洲地下の階段にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

目次

銀塩・フィルム「Adox Silvermax」実写インプレッション

 

 

今回は、初めて使用するモノクロフィルムの試写インプレッションをしてみたいと思います。

そのフィルムというのは、

 

ADOX Silvermax」モノクロネガフィルム

 

です。

 

ADOX Silvermax100の写真【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

 

ADOX(アドックス)社製の、Silvermax(シルバーマックス)という名のフィルムです。

その名の通り、シルバー(銀)がマックス(大量!?)に使われているフィルムなのだそうです。

銀塩写真と言う通り、フィルムには銀が含まれているのですが、その銀の量をケチらずに、タップリ?と使用されているのだそうです。

タップリって、どの程度なのかは、私も分かりません。(^_^;)

でも、このフィルムの名前を聞いただけで、なんかいい写真が撮れそうな気分にさせてくれるところが、◎なのです。(^^)

このフィルムを発売している会社は「ADOX(アドックス)」という会社なのだそうですが、正直、聞いたこともありませんでした。

何故なら、私はモノクロフィルムに関しては、Kodak(コダック)ぐらいしか使ったことが無いものでしてね。(^_^;)

かつてはフィルム界の巨人であった、世界のKodak(コダック)を使っていれば、文句無いでしょ?的な感覚でした。

現像液だって、世界の名だたるカメラマンが使用してきた、「標準現像液」と呼ばれているKodak(コダック)のD-76デベロッパーを使っていれば、「えっ?そんな現像液はダメだって?だったら、ロバート・キャパにも言ってあげなっ!」って、言い返せるじゃありませんか!。(^_^;)

そんなこともあって、フィルムに関して無頓着とも言えた私でしたが、折角、銀塩・フィルムカメラの趣味を再開したのですから、これからはもっと視野を広げて、楽しみを増やしていこうと思い、新たなフィルムの使用を試みてみました。

 

 

「ADOX Silvermax」フィルムについて

 

ADOX Silvermax100の写真【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

 

Silvermax」フィルムを製造・販売している「ADOX」という会社は、実は世界最古の印画紙・現像液などの写真感光材料を製造・販売するドイツのメーカーだったそうです。

レントゲン博士と協力して、世界で初めてX線撮影のための写真乾板を開発した企業なのだそうです。

そんな企業が何度か売却されることを繰り返し、そして最後には消滅してしまったとのこと。

しかし、そのブランドの復活を目標としていたドイツの「フォト・インペックス社」が、倒産したドイツのフィルムメーカーである「アグファ」のフィルム製造技術を導入して、最新のモノクロフィルムの開発・製造・販売に至ったようです。

ということは、当初の「ADOX」とはあまり関係がないということですね。(^_^;)

しかしながら、世界最古の「ADOXブランド」が復活したことに間違いはありません。

デジタルカメラ全盛のこの時代に、新たなフィルムを開発して製造・販売するという、その心意気を買うことにしましょう。(^^)

この「Silvermax」フィルムの特長は、このフィルムを輸入販売している「SILVER SALT」の謳い文句をそのまま引用すると、

 

「通常のネガフィルムに比べ非常に高い銀含有量が特徴です。これにより、リバーサル現像する場合、4,0以上のDMAX(最大密度)を構築することができ、またネガを現像する際に、SILVERMAX専用現像液で14階調まで増幅できます。
ハイライトとシャドウの階調が非常に豊かです。最も明るいハイライトから最も深いシャドウまで、リッチなグレースケール全てを捉えることができます。
乳剤層と支持体の間も設けてあるハレーション防止層により、驚くほどシャープな仕上がりです。細部のコントラストもこのハレーション防止層の働きによって同様に強化されます。
Tグレイン(平版粒子)フィルムに匹敵する超微粒子を特徴としています。ISOおよび高密度は、この銀の高い含有量によるものです。
透明トリアセテート上にコーティングされており、リバーサル処理をすることができます。」

 

と、記載されています。

その中でも、「14階調(14絞り分)のラチチュードを得ることが出来て、リッチなグレースケール全てを捉えることが出来る」ことが、最も特徴的なようです。

こりゃ、惹かれますね。(^^)

通常のモノクロネガフィルムのラチチュードは10絞り分程度であることを考えると、14絞り分というのは、ぶっ飛びのラチチュードの広さです。

どんなに明暗差があるシーンでも、全て飲み込んでくれそうで、撮影するのが楽しみですね。

 

 

撮影に使用したフィルムカメラ機材

 

ペンタックスLXと40mmF2.8パンケーキレンズ【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

 

今回、撮影に使用した機材は、私の愛機である「PENTAX LXボディ」と「SMC PENTAX-M40mmF2.8レンズ」です。

ペンタックスLX一眼レフカメラ(1980年12月配布物)

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【PENTAX LX 実写レビュー】ペンタックスLXで撮影したモノクロフィルムをデジタル変換した写真

この機材を、「スパイダーカメラホルスター」を使用して、ベルトからぶら下げて街中をスナップしました。

私のド定番スタイルです。(^^)

 

フィルム現像・デジタル変換

 

フィルム現像について

 

フィルム現像に使用した現像液は、今回使用した「ADOX Silvermax」フィルム向けに最適化された現像液である、「Silvermax Developer」現像液を使用しました。

この現像液の輸入販売している「SILVER SALT」の謳い文句をそのまま引用すると、

 

「この現像液は、 Silvermax フィルムから最高の性能を引き出すために処方されています。
D-MAX(最大濃度)が低減され、グレイトーンがグラフ上に最適に分配されます。
この現像液を使用することで、フィルムは14ゾーンまでの取得が可能です。
100ml濃縮液。1本で3ℓ の溶液が作れます。
現像タンクによりますが、現像液1本で12本までのフィルムが処理できます。」

 

と、記載されています。

「Silvermax」フィルムの最大の特長である、「14階調のラチチュード」を得るためには、この現像液を使用することが前提のため、この現像液を使用しました。

また、この現像液は「Silvermax」フィルム以外のフィルムであっても、問題なく現像できるとのことです。

そして、問題となるのが、その現像時間です。

最適な現像時間は「Silvermax」フィルムと「Silvermax Developer」現像液の輸入販売を手掛ける「SILVER SALT」サイトに記載されています。

 

ISO温度現像時間希釈撹拌コントラスト
12520℃12.25分1+2960/30/1N+2
10020℃11分1+2960/30/1N+1
10020℃9分1+2960/30/1N+0.5
10020℃8分1+2960/30/1N
8020℃7分1+2960/30/1N-1
4020℃6分1+2960/30/1N-1.5

 

通常なら、この現像時間を基準(目安)にして、その後は現像結果を見ながら修正していけば良いのですが、「SILVER SALT」からフィルムと現像液を購入したときに添付されていた説明書には、「20℃11分現像」と記載されていました。

「20℃11分現像」だと、上記の上からは、コントラストが「N+1」となっており、絞り1段分オーバーとなることが分かります。

上記の表からは、ニュートラルな現像をするには、「20℃8分現像」となっていて、その差は3分と随分開きがあるため、少々迷いました。

ネットでこの「Silvermax」フィルムを使用した人の情報を得てみると、「8分ではネガが薄すぎる!」との意見も幾つか見つけました。

そこで私が選択した現像時間は、「20℃10分現像」です。

ま、勘ってやつですね。(^^)

現在までに3本の「silvermax」フィルムを撮り終えて現像していますので、他の2本はそれぞれ、「20℃9分現像」と「20℃11分現像」を行いました。

私の感想を言うと、現像時間は最初の「20℃10分現像」が一番私好みの写真に仕上がっているように感じましたので、皆さんも下に紹介する写真を見て確認してみて下さい。

 

フィルムのデジタル変換について

 

デジタル変換に関しては、過去の記事の「Photoshopとデジカメを使ってネガフィルムをデジタル化する方法(デジタルデュープ)」に記載している方法にて行っています。

Photoshopとデジカメを使ってネガフィルムをデジタル化する方法(デジタルデュープ)

ただ、少々デジタルデュープの方法に修正を加えています。

デジタルデュープするときのデジタルカメラの露出ですが、RAW現像時の修正幅をなるだけ減らすべく、階調の反転をした時に、なるべく通常の写真の明るさ・コントラストになるように近づけた露出を行うようにしました。

具体的には、今までは「ISO100・1/15秒・F8.0」で撮影していたのを、「ISO100・1/8秒・F8.0」でデジタルデュープするように変更しました。

 

Adox Silvermax(アドックス シルバーマックス)フィルムを使用した撮影写真解説

 

それでは、「アドックス シルバーマックス」フィルムと「アドックス シルバーマックス」現像液を使用して撮影した写真をご紹介したいと思います。

撮影場所は、このサイトでは毎度お馴染みの「銀座・八重洲・丸の内」界隈に加えて、千葉県の成田空港や成田山新勝寺での撮影も加わっています。

 

Silvermax Dev.現像液にて20℃10分間現像した写真

外堀通り「ヤマダ電機 Concept LABI TOKYO」前にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑①東京駅八重洲口前「ヤマダ電機 Concept LABI TOKYO」前にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃10分 ・撹拌60/30/1

桜が五分咲きの頃、撮影しました。カラーじゃなくても桜は撮っていいんです!(^^)シャドウのディテールやコントラストも中々良いように思います。

八重洲地下の階段にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑②八重洲地下の、とある階段にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃10分 ・撹拌60/30/1

単調な写真ですが、締まったシャドウからハイライトまで綺麗に表現されています。

八重洲地下のエスカレーターにて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑③八重洲地下の、とあるエスカレーターにて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃10分 ・撹拌60/30/1

締まったシャドウと冴えたハイライトの中に、ちゃんとグレーの階調も描かれているように思います。

東京駅京葉口脇にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑④東京駅京葉口の脇道にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃10分 ・撹拌60/30/1

少々眠たい写真のようにも思えますが、壁面の質感やグレーの階調表現は豊かであり、私は好きです。

東京国際フォーラムにて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑤東京国際フォーラムの中庭にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃10分 ・撹拌60/30/1

ハイライトは飛びきらず、シャドウも潰れず、いい塩梅に写っているのではないでしょうか?撮影現場の天気はピーカンで、肉眼ではハイライトは白く飛び、シャドウは真っ暗に見ていているような状況だったのですが、このSilvermaxフィルムで撮影すると、どちらもしっかりとディテールが表現されていたのには驚きました。

東京国際フォーラム「シェイク・シャック」前にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑥東京国際フォーラムの「シェイク・シャック」前にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃10分 ・撹拌60/30/1

シェイク・シャックのハンバーガー、私は好きです。(^^)その美味さの秘訣は、バンズの内側をバターで焼くことにあります。このSilvermaxフィルムはシャープにきっちり写る、良いフィルムです。

 

Silvermax Dev.現像液にて20℃9分間現像した写真

銀座「ユザワヤ」内にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑦「ユザワヤ」銀座店の店内にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃9分 ・撹拌60/30/1

現像時間を10分から9分に変更した写真。9分だと少々軟調のようで、コントラストを上げてRAW現像したからか、少々微妙な絵となりました。

「シャネル銀座」裏口にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑧「シャネル銀座」裏口にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃9分 ・撹拌60/30/1

何度となく撮影している被写体です。(^_^;)現像時間9分ではちょっと軟調ぎみに感じます。

「グラントウキョウサウスタワー」を鍛冶橋交差点から撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑨「グラントウキョウサウスタワー」を鍛冶橋交差点から撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃9分 ・撹拌60/30/1

見るからに軟調な写真ですが、嫌いじゃありません。このSilvermaxフィルムのシャープネスさがいいですね。

東京駅「グランルーフ」にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑩東京駅「グランルーフ」2階外にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃9分 ・撹拌60/30/1

眠い!眠すぎる!どんなにRAW現像で調整を試みても、眠い!現像時間9分が原因なのか、露光過多なのかな?

東京駅「グランルーフ」内「常陸野ブルーイングラボTokyo」にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑪東京駅「グランルーフ」内「常陸野ブルーイングラボTokyo」にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃9分 ・撹拌60/30/1

こちらも現像時間9分。うーん、なんとも言えない、中途半端に眠い写真ですな。(^_^;)

自宅前の桜を撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑫自宅前の桜を撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃9分 ・撹拌60/30/1

良いような、悪いような・・・そんな写真です。やはり、現像時間は10分の方が良さそうです。

 

Silvermax Dev.現像液にて20℃11分現像した写真

成田空港にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑬成田空港にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

今度は現像時間は11分に変えて現像しました。シャドウはディテールがちゃんと出ています。悪くはありません。ふつーの絵で撮れています。(^^)

成田表参道「イタリアンテラス アルボル」にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑭成田表参道「イタリアンテラス アルボル」にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

この「イタリアンテラス アルボル」は昔よく行きました。実に7年ぶりくらいですかね。中々美味いイタリアンを提供してくれます。写真は、グレーの階調が豊かで、木の質感も十分に表現されています。

成田表参道「イタリアンテラス アルボル」前にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑮成田表参道「イタリアンテラス アルボル」入り口前にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

ウマとウナギがポイントです。(^^)

成田表参道「イタリアンテラス アルボル」前にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑯成田表参道「イタリアンテラス アルボル」入り口前にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

コンクリート打ちっぱなしの質感を撮りたくて、撮影しました。そこそこ質感は出ているかと思います。でも、現像時間は10分にしたほうが良さそうに感じます。

成田表参道にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑰成田表参道にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

シャドウに合わせると、ハイライトがどうしても飛んでしまいます。こりゃ間違いなく現像時間10分の方がベストですな。

成田山新勝寺にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑱成田山新勝寺にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

成田山新勝寺、昔はよく足を運びました。逆光風とは言え、ハイライトが飛び、コントラストが強いですね。

成田山表参道「チルチル」内にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑲成田山表参道「チルチル」内にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

カメラの露出計が電球の明るさを拾って、露出がちょっとアンダーになりました。その御蔭で手ブレもしていません。(^^)RAW現像の明るさとコントラストで調整しています。雰囲気は悪く有りませんね。

成田山表参道にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑⑳成田山表参道小路にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

ちょっと眠い感じもありますが、私は好きです。現像時間10分にしていれば、もっと良い調子に仕上げることが出来たかも知れません。

東京国際フォーラム「シェイク・シャック」前にて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑(21)東京国際フォーラム「シェイク・シャック」前にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

シャドウは潰れず、きっちりとディテールが表現されています。

東京国際フォーラムにて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑(22)東京国際フォーラム中庭にて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

このシャープネスさもSilvermaxフィルムの売りですかね。ネガフィルム上で見てもシャープであることが、一目瞭然なのです。

東京国際フォーラムにて撮影【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

↑(23)東京国際フォーラムにて撮影。

・現像液:Silvermax Developer ・現像時間:20℃11分 ・撹拌60/30/1

こちらの写真もシャープネスさを感じ取れる一枚です。ぶっちぎりのラチチュードの広さとシャープネスが売りのフィルムですね。

 

 

Adox Silvermax(アドックス シルバーマックス)フィルムの総合評価

 

今回の「アドックス シルバーマックス」フィルムの写真は如何でしたでしょうか?

あ、もちろん、写真の内容は兎も角としてですが・・・。(^_^;)

10分間現像がもっとも私好みの写真に仕上げることができたと思いますが、一度、「SILVER SALT」お薦めの現像時間である8分間現像も試してみたいと思っています。

おそらく、薄々のネガになってしまうような気がしますが、シャドウ部がしっかりと引き締まった(潰れた?)写真に仕上げることができるのかも知れません。

この「アドックス シルバーマックス」フィルムは、ISO感度が100の中庸感度フィルムですので、オールラウンドの撮影に対応出来る、良いフィルムであると思います。

そして、何と言っても、「アドックス シルバーマックス」フィルムの最大の特長は、その階調の豊かさ(リッチなグレースケール)にあります。

特に、「⑤東京国際フォーラムの中庭にて撮影」の写真では、あれだけピーカンでの日差しの中で、建物内の暗部がしっかりとフィルムに記録されていたのには驚きました。

ラチチュードの狭いカラーリバーサルフィルムで撮影していたら、建物内の暗部は、ほんとに真っ黒状態になっていたに違いありません。

しかも、ハイライト部も白く飛びきっていないのです!

これはもう、この「アドックス シルバーマックス」フィルムは、これから私の常用フィルムに決定すること間違いなしです。(^^)

今まで使用していた、コダックT-MAX100との違いは他にもあります。

まず、現像したばかりのネガを光にかざしてみると、明らかに「クッキリハッキリ」しているのです。

これはおそらく、フィルムベースがクリアベースになっていて、コダックT-MAX100のように青紫色になっていないことが理由の1つかも知れません。

なぜモノクロネガフィルムのベースが青紫色なのかというと、引き伸ばしプリントするときに、光の乱反射?を防ぐため、あえて着色している、みたいなことを聞いたことがありますが、デジタルデュープしてデジタルで写真を楽しむには、クリアーベースの方が間違いなくクリアーな写真になるかと思います。

超微粒子にして、シャープなモノクロネガフィルムである、この「アドックス シルバーマックス」フィルム、今までにコダックのT-MAXとか、Tri-Xしか使用したことがないという往年フィルムカメラマンの方にも、ぜひ試していただきたいフィルムと現像液だと思います。

 

撮影後の感想・まとめ

 

いやー、良いモノクロネガフィルムに出会えることが出来ました。(^^)

まだまだテストしたいことが残っていますので、当分の間はこの「シルバーマックス」で遊べそうですね。

次は「20℃8分間現像」を試すことと、ISO感度設定を変えて試してみるということ。

おそらくは、このシルバーマックスの実感度(本当の感度)は、ISO100前後であり、変更する必要もないかと思いますが、設定感度をISO80程度にして、現像時間を9分30秒にしてみたらどうかとか、そんなことを試しながら撮影したネガフィルムを見ることを楽しんでいきたいと思っています。

撮影したモノクロネガフィルムをライトビューワーの上に並べて、良質なルーペで1コマづつ覗き見て、次はどうしようかと考える時間は、本当に楽しいものです。

あ、そう言えば、最近ちょっと良さげな高級ルーペを購入したので、そんなことを言うんですけどね。(^^)

フィルムカメラの世界は、まだまだ廃れてはいないのです!

この楽しい世界を、また世に復活させていこうじゃありませんか!(^^)

 

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【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真

“【ADOX Silvermax 実写レビュー】アドックスシルバーマックスモノクロフィルムを使用して撮影した写真” への 2 件のフィードバック

  1. 長谷川 貞雄 より:

    初めてメール致します。この記事を何度も読み返してTmax と silvermax の組み合わせで撮影し始めました。疑問なんですが、現像後でよくあるTmax のパーフォレイションの抜けの悪さをどのようにしいらっしゃるのでしょうか? 教えていただければ幸いです。

    1. テイキチ より:

      長谷川様、ご質問いただきまして光栄です。
      私の分かる範囲でご説明させていただきたいと思います。
      ご記載のTmaxフィルムのパーフォレイションとありますが、おそらくフィルムベースの紫色のステイン除去に関してのご質問であると考えて、ご記載していきたいと思います。
      Kodak Tmaxフィルムは、おそらくフィルムベース素材にトリアセテートベースが使用されているため(多くのフィルムがトリアセテートだと思います)、完全な透明にはならないという問題が前提にあります。
      しかしながら、Tmaxフィルムは特に紫色のステインが目立つ傾向があり、多くのTmaxフィルムユーザーの悩みの種となっているようです。
      そこで、なるべくこの紫色のステインを除去するべく、多くの人が挑戦してきたのですが、海外の掲示板サイトなどでは様々な議論がなされているようです。
      ここでは、私が紫色のステインの残留が許容範囲内に収まると思えた方法を、実際に経験から得た内容で記載したいと思います。
      まず、現像液に関してですが、経験からすると使用する現像液の種類によってもステインの残留具合が変わると思っています。
      例えば、TmaxフィルムとADOX rodinal(ロジナール)現像液の組み合わせでは、もっともステインが除去できていました。
      現像タンクから現像した現像液を排出すると、明らかに使用済み現像液に色が付着しています。
      さらに定着後の定着液にも紫色がはっきりと確認できます。
      そして、水洗した水にも紫色が確認でき、ステインが除去されていることが実感できました。
      現像し乾燥したフィルムを確認してみると、ポリエステルベースのフィルムのような透明具合にはなりませんが、ベース面は紫色ではなく、灰色と呼べる色具合となっていて、それは許容範囲内であり納得できるものでした。
      長谷川様がご使用されているTmaxフィルムとSilvermax現像液の組わせは、私も多くの経験が無いため、確かなことは言えませんが、ロジナール現像液までの効果は出せなくても、他の方法でステインを除去する方法があります。
      1つは「プレソーク(前浴)を行うこと」です。
      プレソークとは、現像液を注ぎ入れる前に、現像する温度と同じ温度にした水を使用して、3~4分程前浴させることを言います。
      実際の方法は、現像温度20℃なら水温も20℃にして注ぎ入れ、最初1分連続撹拌、その後1分毎に10秒撹拌を繰り返します。
      目的は現像タンクを現像温度に近づけることと、現像液を馴染みやすくするためと、ハレーション防止層やフィルム巻上げをスムーズに行うための滑層を有するフィルムの事前除去です。
      これにより、Tmaxフィルムも事前にステインを除去することが出来ますが、実際には効果は薄いかもしれません。
      行ってみて効果が薄いと感じたなら省略しても構いません。
      次に、「定着液の温度を28℃前後にして使用すること」です。
      これは意外に効果がありました。
      真夏でしたら定着液も28℃前後になっていると思いますが、真冬は13℃前後になっていると思いますので、実際にステインの抜けが悪くなります。
      実際に使用していた定着液はTmaxコダフィックスソリューション定着液です。おそらくこれは通常の酸性迅速定着液だと思いますが、Tmaxフィルムのような平板粒子フィルムはTri-Xのような古典粒子フィルムの倍の時間の定着が必要なようです。この定着液の場合は5分~10分と記載されていますが、使用本数を重ねた定着液でしたら8~10分程しっかりと定着した方がよりステインが抜けるかと思います。(通常の古典フィルムの酸性迅速定着液の定着時間は2~3分です。長時間定着すると銀画像が薄くなってコントラストが低くなるそうです)
      また、使用する定着液の種類によってもステインの抜け具合が変わるようです。
      私はまた試していませんが、アメリカの「B&H」社のサイトから個人輸入で購入できる「アルカリ性迅速定着液TF-4」を使用すると、ステインが綺麗に抜けるとアメリカのサイトでは言われています。
      私もPMKパイロ現像液を使用するときはアルカリ性迅速定着液TF-4を使用していますが、Tmaxフィルムでは使用経験が無いため、実際のところは分かりません。
      いづれ機会があれば試してみたいと思っています。
      最後に、「イルフォード方式水洗を行うこと」です。
      定着が終わった現像タンクに水を注入し、初回5回反転撹拌、水を入れ替えて10回反転撹拌、また水を入れ替えて20回反転撹拌、またまた水を入れ替えて30回反転撹拌する方法です。
      実際に、排出した水に色が付いているのが確認できます。
      これも水温は28℃前後にしたほうがステインの抜けが良くなります。
      方法としては、以上となります。
      私も以前はTmaxフィルムを使用していましたが、最近日本での販売価格が高くなったことと(1本あたり税込1,500円は少々キツイです)、トリアセテート素材を使用したベース面の抜けが悪いことが理由で、最近はあまり使用していません。
      最近は、ベース面が透明に近いポリエステル素材を使用したローライレトロ80sやスーパーパン200やローライレトロ400sを使用しています。
      ちなみにシルバーマックスフィルムもポリエステル素材を使用しているようですので、ローライレトロほどではありませんが、中々の抜けの良さがあります。
      あまりお役に立てなかったかもしれませんが、長谷川様もご自身の方法で納得できる現像方法を開発していただけましたらと思います。

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