目次
白黒ネガフィルムの適正濃度って、どのくらいの濃さを言うの?
今回は白黒フィルムのネガ濃度に関しての記載したいと思います。
白黒フィルムを使用してのフィルムカメラ撮影を始めて(30年ぶりに再開して)、4ヶ月程が経過しました。
その間、撮影したフィルム本数は19本。
1ヶ月約5本ペースで、順調に撮影と現像とデジタルデュープを行ってきました。
少しづつですが、フィルムカメラで写真を撮るということの「勘」を取り戻してきたようです。
フィルム現像する手順とか、安定した現像結果を得るための温度管理とか、デジタルデュープして写真を綺麗にJPEG画像化するためのRAW現像のコツなども、掴めてきたように思います。
ただ、未だにハッキリしないことが1つあります。
それは、今回の題目でもある、「白黒ネガフィルムの適正濃度とは何か?」ということです。
基本は、カメラのAE(自動露出)を使用して適切な露光量をフィルムに与え、現像液の現像時間データに従って適切なフィルム現像を行えば、適正な白黒ネガフィルムが出来上がるはずです。
カメラのAE(自動露出)に関しては、18%のグレー板の撮影を基準に考えられているため、白い被写体を撮影するときにはプラス側に露出補正し、黒い被写体を撮影するときにはマイナス側に露出補正するなどの操作は必要ですね。
現像時間に関しては、例えばコダック製のフィルムと現像液を使用する場合は、事細かに記載された現像データがネット上にPDFファイルとしてアップされていて、それに基いて現像すると意外と適正ではないかと思われるネガ濃度に仕上がります。
しかし、私が最近使用している、ADOX製のSilvermax現像液やHR-Dev現像液を使用する場合、その現像データに基いて現像すると、なんだか異常に濃くなってしまうのです。
現像時間にして、約2分~3分は切り詰めないと、適正と思えるネガ濃度に仕上がらないのです。
今さっき、私は「適正と思えるネガ濃度」と書きましたが、それは結局のところ、「経験から得た、見た目によるネガ濃度判定」ということなのです。
フィルムカメラを始めた約40年前の現像指南本には、
「適正なネガとは、文字が印刷された印刷物の上にネガを乗せて、一番濃度が濃いことろでもなんとか文字が読み取れるネガが、良いネガである!」
なんて、書かれていましたっけ?
ハッキリ言って、超アバウトですね。(^_^;)
でも、昔はそれで満足していました。
フィルム現像は、ネガが濃かろうが薄かろうが、ちゃんと写っていれば、良かったのです。
その濃かったり薄かったりするネガを、救ってあげるために「プリント・引き伸ばし作業」があったからです。
これはきっと、「現場主義」的な考え方からきているのでしょう。
「写真は「現場」で撮るもの!露出とか現像とか考える前に、より良いシャッターチャンスをモノにしろ!」
そんな考え方です。
この考え方は、私も少なからず賛同します。
カメラを構えて、シャッターを押すまでに時間が掛かるようでは、被写体が動いてしまって、イメージした絵ではなくなってしまうからです。
私の場合は、「ペンタックスLX」を絞り優先AEにセットして、ファインダーを覗き、構図を決めてピントを合わせたら、ファインダー内表示されるシャッタースピードなどは殆ど気にせずシャッターを押します。
そこでマゴついているようなら、間違いなく被写体は移動してしまっていることでしょう。
写真家で言うなら、「アンリ・カルティエ=ブレッソン」とか「ロバート・キャパ」あたりでしょうか?その撮影された写真には、緻密に計算された露光量や現像時間管理など、微塵も感じられませんが、有名写真家として名を馳せています。
日本の写真の歴史は、報道写真の歴史だと言われるように、それはまさしく現場主義であり、その当時の現像指南本を見ても、あまり詳しく書かれていなかったことに頷けます。
それから10年後の約30年ほど前になると、フィルムへの最適な露出と現像処理を決定するための「ゾーンシステム」について書かれた本を書店で見かけるようになり、高価でしたが私も数冊購入しました。
それがまた、今度は異常に難しい内容になってまして、なんかもう、「化学の実験」でもするかのような内容でして、「こりゃ、もう白衣を着て現像・引き伸ばしをしなければいけないな!否、白衣を着て写真を撮らないといけないな!?」などと、揶揄したものです。(^_^;)
一度はゾーンシステムに挑戦したものの、外に出て写真を撮るということに喜びを感じる私としましては、その裏方作業的な実験を繰り返す行為に嫌気が差し、途中で挫折してしまったのを覚えています。
しかし、30年経った現在では、プリント・引き伸ばし作業を要せずとも、パソコン上でRAW現像して写真をプリント出来る時代となり、細かな差異が気になりだしたという訳です。
パソコンでのデジタルスキャン・デジタルプリント作業なら、暗いところで作業する必要もありませんし、手が薬液で濡れて汚れることもありません、薬液の臭いにやられることもありません。
それが細かな差異に気付かせられる要因だったのかも知れません。
そこで、今回は「ADOX Silvermax」フィルムを販売している「SILVERSALT」さんが行っているラボサービスである、「白黒フィルム密度(濃度)測定サービス」を依頼して、自分で現像した白黒ネガフィルムがどのような濃度であるのかを検査してもらうことにしました。
プリント・引き伸ばし作業と絡めたシステムとする「ゾーンシステム」とは違い、「SILVERSALT」さんの考えは、適正なネガにさえ仕上げおけば、後はどうにでもなるという考えのようであり、これは完全に私向きです!(^^)
それでは実際のテストフィルムを作成した様子をご説明していきたいと思います。
白黒フィルム密度(濃度)測定
白黒フィルム密度(濃度)測定をしてもらうための、テストフィルムの作成方法は「SILVERSALT」さんのサイト内「フィルムテスト-そのフィルムに最適の現像データを見つける方法」に記載されています。
その方法に従って、実際にテストフィルムを作成した手順をご説明ていきたいと思います。
テストフィルム撮影方法
テストフィルムを撮影する際に必要なものは、下記となります。
- フィルムカメラボディ(私はペンタックスLXを使用)
- レンズ(中望遠が良いようですが、私は40mmF2.8レンズを使用)
- テストするフィルム(ADOX Silvermaxフィルムを使用)
- 三脚(40年前に購入したベルボン製三脚を使用)
- ライトビューワー(デジタルデュープに使用しているライトボックスを使用)
- ND8減光フィルター(絞り3段分の減光フィルター使用)
です。
ちなみに、「ゾーンシステム」のテストフィルムを作成するときに使用する「18%グレー反射板」は使用しません。
実際にテストフィルムを撮影するときの様子はこんな感じです。↓
シャッタースピードは基本固定にして、ISO感度設定を段階的に変化させて、それぞれカメラのAEが適正露出を示すように1コマづつ撮影し、計15コマのテストフィルムを作成します。
シャッタースピードを基本固定にするのは、フィルムカメラのシャッタースピードは、カメラによってはかなりバラツキがあるため、基本1つのシャッタースピードに固定させます。
このテストフィルムの撮影を行う前に、撮影データ表を作成する必要があります。
これを怠ると、途中で絞りが足らなくなったりして、ニッチもサッチもいかなくなります。(^_^;)
ご自分のカメラの絞り値は、開放値から最小絞り値まで幾つあるのか、ISO感度は、最低感度と最高感度の数値は幾つなのかを確認して、撮影データ表を作ります。
撮影データ表
私が今回作成した撮影データ表は下記の通りです。↓
撮影データ表はISO感度100の場合の撮影データ例となっています。
ISO50・200・400・800の時はISO設定が異なりますので、「SILVERSALT」さんのサイト内「フィルムテスト-そのフィルムに最適の現像データを見つける方法」を確認して下さい。
1枚目はISO感度3200設定からスタートし、これが「ゾーン0」となり、一番薄いネガ(シャドウ)となります。
絞り値はレンズの最小絞りであるF22に設定して、ND8フィルターを被せます。
この状態で、ファインダー内露出情報を確認し、適正露出を示すようにシャッターダイヤルを回してシャッタースピードを選択します。
基本、そのシャッタースピードで全てのコマの撮影を行います。
私の場合は基本1/30秒で固定しましたが、「ISO感度3」の設定が出来ないカメラであったため、「ISO感度6」設定で、シャッタースピードを1/15秒にすることで対応しました。
上記の撮影データ表は、理論上は正しい値なのですが、最初の撮影コマである「ISO感度3200設定・絞り値F22・シャッタースピード1/30秒」で適正露出を示していても、最後の撮影コマまで全て適正露出になるとは限りません。
それは、カメラのAE情報表示には「誤差」があるため、途中でAE情報表示が前後にずれる可能性があるのです。
それを防ぐためには、前もって、途中の撮影コマである8枚目の「ISO感度400・絞り値F8・シャッタースピード1/30秒」と、最後の撮影コマである15枚目の「ISO感度6・絞り値F2.8・シャッタースピード1/15秒」設定でも、ちゃんとAE情報が合っているかを確認しておく必要があります。
この微妙な光源量の調節に、私は「ティッシュペーパー」を使用しました。
ティッシュペーパーは通常、薄い2枚重ねになっていますので、それを2枚に剥がした1枚をライトビューワーの上に貼り被せます。
これで微妙な光源量の調節をして、全てのコマで理論上の適正露出となるようにしました。
また、撮影コマの1枚目から7枚目までは、1/3絞りづつ(1/3ストップづつ)ISO感度を変化させるのですが、8枚目以降は絞り1段分づつ(1ストップづつ)変化させていることに注意して下さい。
そのため、絞りの調整も、本来は1/3絞りづつ変化させなければならないのすが、私の「ペンタックスLX」はプログラム撮影が出来るカメラではないため、レンズの絞りリング使用して調整するほか無く、その場合はどうしたら良いのかを「SILVERSALT」さんに問合せたところ、「中間の2枚は同一の1/2絞り値で撮影して問題ありません」との解答でしたので、上記のデータ表のようにしました。
ND8減光フィルターは絞り3段分を減光するフィルターですが、ISO感度3200からISO感度400までの絞り3段分までのコマ撮影に使用し、それ以降はフィルターを外して撮影します。
おそらく、ND8減光フィルターが無いと、絞り調整の幅が足らず、多くのシャッタースピードを使用することになってしまうため、ND8フィルターはぜひ手に入れた方が良いと思います。
最後に、フィルムのベース濃度を測定するため用の1コマとして、上記の15コマとは別に、レンズにキャップを付けて、最高速シャッターと最小絞り設定にて、1枚空撮りしてテストフィルム撮影の完了です。
現像したテスト撮影フィルム
撮影したテストフィルムを現像したものがこちらです。↓
ちゃんと15コマが、グラデーション風に撮影されていることが分かります。
現像は、これまでに私が一番好みの写真に仕上げやすいネガ濃度になると考えていた、Silvermax現像液にて・希釈1+29・撹拌60/30/1・20℃10分現像にて行っています。
白黒フィルム密度(濃度)測定サービス 結果シート
「SILVERSALT」さんにテストフィルムを送って白黒フィルム密度(濃度)測定してもらった結果がこちらです。↓
破線グラフは理想とする濃度を示しており、実線グラフが今回のテストデータとなります。
グラフを見る限り、結構、現像過多のようですね。(^_^;)
自分としては、今回のSilvermax現像液にて・希釈1+29・撹拌60/30/1・20℃10分現像が一番好みの写真に仕上がると思っていたのですが、どうやら本当はもっと現像時間を少なくする必要があったようです。
私のフィルム現像時間は少し長すぎるということが分かったということは、とても参考になりました。
ゾーンスライド表
次に行うとこは、ゾーンスライド表を作る作業です。
上記が今回のテストフィルムの白黒フィルム濃度測定結果より作成したゾーンスライド表です。↑
分かりにくかも知れませんが、上記3段(フレームNo.とΖとlgD)がマスターデータ(標準的なISOスタンダードデータ)であり、その下3段(lgDとフレームNo.とISO)が今回の私のテストフィルムデータです。
マスターデータの3フレーム目は濃度(lgD)0.1となっていますが、濃度0.1~0.12はゾーンⅠに対して定義された濃度とのことです。
「SILVERSALT」さんのサイトをそのまま記載しますと、
「テストフィルムの最初の重要なポイントは、0.1 – 0.12の濃度値を有するフレームが、何フレーム目にあるかです。
濃度0.1は、ISO規格によれば、ゾーン1に対して定義された濃度です。
4フレーム目のフィルム濃度値が0.1であれば、私たちは既に正しいフィルム感度を発見したことになります。
5フレーム目の値が0.1-0.12の場合、私たちは感度を1/3ストップまたは1 DIN低くする必要があります。
3フレーム目の値が0.1-0.12の場合、私たちは感度を1 DIN高くすることができます。
6フレーム目の値が0.1-0.12の場合、私たちは感度を2/3ストップまたは2 DIN低くする必要があります。」
ですので、今回の10分現像では、2フレームに濃度0.12がありますので、2/3ストップ(絞り)分露光量を減らすことが出来るようです。
ISO感度設定で調整すると、ISO160設定で撮影すれば適正濃度のネガとなるようです。
一般的には、現像時間を減らして適正濃度のネガを作るということになるのですが、今まで試行錯誤しながら現像を行ってきた経験から、やはり「SILVERSALT」さんお薦めの現像時間である、「8分現像」が適正濃度に仕上がる現像時間なのだと理解できました。(^^)
3タイプの現像時間&ISO感度設定ネガをデジタルスキャン比較
白黒フィルム密度(濃度)測定サービスにより、適切な現像時間の目安を知ることが出来ましたが、それはあくまで「ネガ上の濃度」の話であり、実際には「プリント・引き伸ばし・デジタル画像変換」した状態で、自分好みの写真に仕上げることが出来なければ、何の意味もない話になってしまいます。
そこで今回は適正濃度と思われる8分現像と、今まで適正と思っていた10分現像と、ISO感度を100→160に上げて10分現像したもの、この3つの写真を比較検証してみることにしました。
それぞれの写真は、ネガをシグマSD15にてデジタルデュープした後、Photoshop CS2にて自分好みの画像となるようにRAW現像したものです。
現像時間による差によって、実際の写真にどの程度影響がでるのかを見てみることにしましょう。
Silvermaxフィルム+Silvermax現像液 ISO感度100設定 20℃8分間現像した写真
理論上、適正なフィルムネガ濃度と言える、8分現像での写真です。
↑①京橋のカフェ「BLESS COFFEE 京橋店」にて撮影。
10分現像と比べてネガが薄くなった分、シャドウをしっかり締めあげられるようになった気がします。
↑②京橋の「エドグラン」にて撮影。
シャドウも締まるし、ハイライトも飛びきらないし、なにより雰囲気が良い写真になりました。(^^)
↑③京橋の「エドグラン」にて撮影。
先の写真と同様、雰囲気は良いのではないでしょうか?
↑④京橋の「エドグラン」にて撮影。
ネガが薄いと、シャドウを綺麗に締め上げることができるようです。
↑⑤千鳥ヶ淵にて撮影。
木漏れ日が良いアクセントになっています。
↑⑥神田神保町にて撮影。
ハイライトを多少上げましたが、イメージ通り仕上げることが出来ました。
↑⑦門前仲町の旧花街通りにて撮影。
奥のハイライト部以外は、単調なグレーですが、イメージ通りと言えます。
↑⑧門前仲町の「富岡八幡宮」にて撮影。
50mmF1.7レンズをテストするため、絞りはF2.0で撮影しています。石段のディテールもちゃんと出ていました。
↑⑨門前仲町の「富岡八幡宮」にて撮影。
平日の日中の富岡八幡宮は、人もまばらで落ち着いて撮影ができます。(^_^;)葉っぱの質感もしっかりと出ているようです。
↑⑩門前仲町の「富岡八幡宮」にて撮影。
ハイライトからシャドウまで、8分現像のほうがRAW現像も調整し易いようです。
↑⑪門前仲町の「富岡八幡宮」にて撮影。
8分現像だと、シャドウをしっかりと締め上げると、雰囲気の良い写真になるようです。
↑⑫門前仲町の「富岡八幡宮」にて撮影。
50mmF1.7レンズのテスト写真です。標準レンズは私にとって扱いが難しいレンズですが、絞りを開けてバックをボカす手法なら、簡単に扱えそうです。(^_^;)
↑⑬門前仲町の「大島川水門」にて撮影。
ちょうど清掃の時間帯であったのか、作業員が水門を通行禁止にして高圧洗浄していました。水しぶきのハイライトが綺麗に映える写真になりました。
↑⑭銀座の金春通り付近にて撮影。
8分現像の薄いネガだと、シャドウをしっかりと締め上げないと、逆に微妙な写真になってしまうようです。
↑⑮新橋にて撮影。
日曜日の新橋は飲食店も休みのところが多く、人も平日と比べるとまばらですが、電柱と電線が残る街並みを撮影するのに向いています。街並みと人物の濃度が少々薄く、イメージした写真に仕上げるのに、少々苦労しました。
↑⑯新橋にて撮影。
こちらはハイライトメインの写真ですので、イメージ通りに仕上げやすかったです。
↑⑰新橋にて撮影。
イメージ通りに仕上げやすい写真でした。
↑⑱新橋にて撮影。
イメージした通りの写真にはなりませんでしたが、これはこれで良いと思える仕上げに出来ました。
Silvermaxフィルム+Silvermax現像液 ISO感度100設定 20℃10分間現像した写真
今まで、イメージ通りの写真に仕上げやすいと考えていた、10分現像の写真です。実際には2/3絞り分現像オーバーであるネガからの写真です。
↑⑲門前仲町の有料自転車置場にて撮影。
RAW現像にて調整出来るとはいえ、やはりコントラストが少し強いような印象があります。
↑⑳銀座のレンガ通りにて撮影。
言われてみて初めて気付きますが、確かにコントラストが強いような・・・。
↑(21)銀座のレンガ通りにて撮影。
8分現像に比べると、確かにコントラストが強いですね。(^_^;)
↑(22)丸の内仲通りにて撮影。
少しコントラストが強い10分現像のほうが、見た目に近い印象の写真(普通の写真?)になるようです。
↑(23)丸の内仲通りにて撮影。
コントラストが少し強くとも、決して悪くはないようです。
↑(24)丸の内仲通りにて撮影。
こちらのネガは多少露出アンダーに撮影されていましたが、それが逆に良い雰囲気を醸し出しました。やはり10分現像の現像オーバーネガよりも、8分現像の適正現像ネガのほうが、良い雰囲気は出るようです。
↑(25)東京駅八重洲口にて撮影。
明暗差があり過ぎたせいか、手前の人物は潰れてしまい、救うことは不可能でした。しかし、写真としては悪くはないようです。
↑(26)東京駅八重洲街にて撮影。
ハイライト部が多少飛んでしまっています。10分現像よりも8分現像がやはり適正なのでしょうが、それほどの違いは無さそうです。
↑(27)千葉県九十九里海岸にて撮影。
千葉県に「バンクシー」の絵が!!??って、偽物ではありますが、現地には何故かイスが置かれていて、アートしてました。(^^)
↑(28)銀座のレンガ通りにて撮影。
10分現像だと、シャドウを締め上げるよりも、全体的にグレーの階調に仕上げたほうがイメージ通りに仕上がるようです。
↑(29)銀座の中央通りにて撮影。
銀座の歩行者天国は大道芸禁止となっていますが、監視員の目を盗んでやってます。(^_^;)ホコ天で大道芸禁止なんて、やはり日本はお固い国です。写真は10分現像だと、良い雰囲気を出すことよりも、見た目の印象に近い普通の写真に仕上げるのに適しているかも知れません。
↑(30)丸の内仲通りにて撮影。
撮影時の露出が多少アンダーになったお陰か、雰囲気のある階調になっています。
↑(31)丸の内仲通りにて撮影。
10分現像でも被写体によっては良い雰囲気もでるようです。
↑(32)丸の内仲通りにて撮影。
コントラストが少し強いので、見た目に近い印象ですが、写真としては不満が残ります。
Silvermaxフィルム+Silvermax現像液 ISO感度160設定 20℃10分間現像した写真
白黒フィルム濃度測定によって分かった、10分現像をする場合の適正露出である2/3絞り分アンダーにして撮影した写真です。
↑(33)門前仲町の旧花街通りにて撮影。
ネガの見た目は、確かに適正濃度のネガであると感じました。写真を仕上げると、8分現像のときと同じ雰囲気が出ているように思います。
↑(34)門前仲町の旧花街通りにて撮影。
8分現像の写真と理論上同じネガ濃度ですので、写真も同じように仕上がるようです。
↑(35)門前仲町の旧花街通りにて撮影。
8分現像と同じに仕上げられるのなら、ISO感度100よりも160の方が暗いところでの撮影も融通が効きますね。
↑(36)門前仲町の旧花街通りにて撮影。
過去にも同じような写真をコダックT-MAX400で撮影しましたが、それほどの差異は感じられません。
↑(37)門前仲町の「富岡八幡宮」にて撮影。
シャドウからハイライトまで、綺麗な階調で写っていると思います。
↑(38)門前仲町の「富岡八幡宮」にて撮影。
そろそろ、なにがなんだか、分からなくなってきました。(^_^;)
↑(39)門前仲町の「大島川児童遊園」にて撮影。
公園に咲く「つつじ」を撮影しました。写真らしく綺麗ですが、もう10分現像だの8分現像だの、なんだか良く分からなくなってます。(^_^;)
撮影・現像・デジタルスキャン後の感想・まとめ
今回は、白黒フィルムネガ濃度に関して、2つの異なる現像時間により、仕上げた写真にどのような差異があるのかをテストしてみましたが、如何でしたでしょうか?
正直、私にはそれほど大きな差異があるとは思えないという結果になりました。(^_^;)
しかしながら、やはり、適正なフィルムネガ濃度である8分現像のほうが、「写真らしい雰囲気ある写真に仕上がる」ということが分かりました。
現像時間の長い10分現像だと、コントラストが高まるため、見た目の印象に近い普通の写真になるように感じました。
それも決して悪くはありませんが、やはり写真は写真らしく写ってほしいという私の考えからすると、8分現像のほうがより私好みの適正濃度のネガであると言えるかと思います。
現像を終えたネガフィルムをルーペで拡大して見る分には、10分現像のほうが写りが濃いため、見ていて楽しいのは事実です。
しかし、そこはやはり「ネガは写真に仕上げてなんぼ」でしょうから、階調が反転したネガを見て楽しむだけに固執してはいけませんよね。(^_^;)
ISO感度を2/3ストップ下げて、適正濃度になるよう撮影したネガから仕上げた写真も悪くありませんでした。
しかし、それでもコントラストが少々強くなるという印象を受けました。
やはり、ISO感度100設定で撮影し、しっかりと被写体に合わせて露出補正を行い、Silvermax現像液1+19希釈にて8分現像を行うというのが、今の私のベストではないかと思います。
現像時間や露光時間は、多少間違ったとしても、写真に仕上げるときのRAW現像で、かなりの調整が効くものです。
しかし、現像時間や露光時間がビシッと適正に決まったネガから得られる写真と、そうでないネガから得られた写真とでは、少なからず「差異」があると言えるのかも知れません。
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子供の頃、カメラが好きで集めていたカメラカタログを、ネット通販で取り扱う「カメラカタログ通販」の管理運営をしています。
このネットショップサイトの運営を開始してから、自らもフィルムカメラによる写真撮影に目覚め、銀塩写真撮影を再開した、アラフィフ男です。