E.P. カリージョ プレッジ プレクエル/E.P. Carrillo Pledge Prequel
葉巻/シガー情報
ブランド名 | E.P. カリージョ |
シリーズ名 | プレッジ |
ビトラ | プレクエル (ロブスト) |
葉巻の長さ | 127mm (5インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 19.8mm (50) |
ラッパー | アメリカ合衆国コネチカット産 ハバノ種 |
バインダー | エクアドル産 |
フィラー | ニカラグア産 |
生産国 | ドミニカ共和国製 |
価格 |
この”E.P. カリージョ プレッジ プレクエル/E.P. Carrillo Pledge Prequel”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミに本拠地を置く”EPC シガー/EPC Cigar Co. LLC”社が、ドミニカ共和国にある自社葉巻工場”タバカレラ・ラ・アリアンサ/Tabacalera La Alianza”にて製造している葉巻ブランド”E.P. カリージョ/E.P. Carrillo”からの1本である、”E.P. カリージョ プレッジ プレクエル/E.P. Carrillo Pledge Prequel”です。
1本3,000円オーバーの葉巻は、以前に喫煙レビューした”プラセンシア アルマフエルテ ロブスト”で一旦終了する予定でしたが、どうしてもこの葉巻が吸ってみたくなり、また手を出してしまいました。(^.^)
この”E.P. カリージョ プレッジ プレクエル”は、シガーアフィショナードで2020年のトップ葉巻25にて、歴代最高得点の98ポイントを叩き出し、シガー・オブ・ザ・イヤーに輝いた葉巻です。
この葉巻はドミニカ共和国製ですが、使用しているタバコ葉の多くはニカラグア産を使用しており、EPCシガーの他の葉巻もニカラグア産のタバコ葉を多く使用しているようです。
”EPC シガー”のオーナーである”エルネスト・ペレス・カリージョ/Ernesto Perez Carrillo”は、1982年に吸ったキューバ産ダビドフ葉巻の官能的な喫煙体験を再現すべく、世界中のタバコ葉の味がどのように連携するかを理解した上で、自分の葉巻をブレンドしているのだそうです。
ちなみに、”エルネスト・ペレス・カリージョ”は、1907年からキューバのピナール・デル・リオ地区でタバコ葉を栽培してきた家族の元に生まれ、アメリカに渡ってから父親の会社である”エル・クレディト/El Credito”社(ラ・グロリア・グバーナ)を引き継いだ後、1999年には会社をセネラル・シガー・カンパニーに売却し、自身も2009年まではその売却先の会社で働いていたという経歴を持っています。
その後、アメリカの大手金融投資企業に勤めていた息子と、大手多国籍法律事務所に勤めていた娘の提案と協力により、2009年に自身の葉巻会社となる、”EPC シガー”社を立ち上げ、現在に至ります。
この”E.P. カリージョ プレッジ”葉巻シリーズは、言わば”E.P. カリージョ 3部作”の最終葉巻シリーズとなるものであり、2014年のシガーアフィショナードで92ポイント第2位に輝いた”ラ・ヒストリア/E.P. Carrillo La Historia E-III”を皮切りに、2018年のシガーアフィショナードで96ポイント第1位に輝いた”アンコール/E.P. Carrillo Encore Majestic”に続く葉巻となります。
今回喫煙する”E.P. カリージョ プレッジ プレクエル”は、きっとこの3部作を締め括るに相応しい葉巻だと、期待を込めて喫煙してみたいと思います。
それでは、”E.P. カリージョ プレッジ プレクエル/E.P. Carrillo Pledge Prequel”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
アメリカ合衆国コネチカット産ハバノ種のタバコ葉で巻かれたラッパーを持つ、”E.P. カリージョ プレッジ プレクエル/E.P. Carrillo Pledge Prequel”は、サラサラした質感に、ごく僅かな艶を持つ、マデューロ色(茶褐色)をした葉巻です。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は3本あり、葉巻フットにはオレンジ色のリボンが巻かれ、真ん中の1本には”Pledge”と筆記体で書かれていて、メインのバンドロールには青色と金色を配色した豪華な絵柄と共に”Carrillo Pledge”と筆記体で描かれています。
葉巻を指で摘まんでみると、芯はしっかりとしていますが、表面には僅かな弾力があり、引き抵抗(ドロー)も良好であることが窺える作りになっています。
太い葉脈等も見当たらず、とても高品質な作りであることが分かります。
この葉巻は、平均温度18℃湿度72%に維持した自家製ヒュミドール内にて、51日間の加湿・熟成を行っています。
喫煙を始める6時間程前から、葉巻をドライボックスに移して、”ドライ・ボクシング”を行ってから喫煙を開始しました。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、深くローストした干し草の味がして、引き抵抗は軽くも重くもなく、良好と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分30秒間)、葉巻フットのラッパーが2mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、ローストした杉の木の味からスタート。
直ぐに土の味が追加される。
背景にはカカオ豆(ダークチョコレート)のしっかりとした甘さがある。
旨い!
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、たっぷりのペッパー(黒胡椒)があることを確認する。
喫煙開始13分時点で、1回目の灰折を行う。
灰はしっかりと硬く、小気味良く折れる。
燃焼挙動はボックスプレスタイプの葉巻にしてはとても良く、火入れ修正は最小限で済ますことが出来そうだ。
葉巻の巻き密度が低いせいなのか、燃焼の進行具合が早いように感じる。
ストレングス(ニコチン量)はミディアム~ミディアムフル、フレーバー(風味)はミディアムフルと言ったところか。
着火後の引き抵抗(ドロー)は多少軽めで、私にとってはもう少し抵抗があるほうが好みだ。
喫煙開始21分時点で、サブバンドロール(シガーリング)を剥がす。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から25分以降の中盤は、序盤の味を引き継ぐが、土とカカオ豆を主体とした味に、革の味が追加される。
この葉巻と比較対象する葉巻として最も相応しいのは、前回喫煙レビューしたシガーアフィショナードで96ポイント第1位を獲得している”エイジングルーム クワトロ ニカラグア”葉巻シリーズの葉巻が挙げられるが、違いとしてはこの葉巻の方がロースト感とペッパー感が強いと言える。
副流煙の甘く香ばしい香りは、比較すると少し弱く感じる。
喫煙開始35分時点で、うっかり失火してしまったため、2回目の灰折を行ってから再着火を行う。
喫煙開始42分時点で、焦がしたトースト(パン)の味を確認する。
喫煙開始45分時点で、メインバンドロールを剥がす。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から50分以降の終盤は、まず3回目の灰折を行うことから始める。
終盤の味は、中盤の味を引き継ぐが、背景にあったカカオ豆(ダークチョコレート)の甘さが弱まり、ロースト感主体の味になる。
しかしながら、嫌な苦みや鋭さ(酸味)とは無縁の葉巻だ。
この終盤になって、やっと副流煙が甘く香ばしい香りになってきた。
喫煙開始53分時点で、ローストしたコーヒー豆の味が追加される。
嫌な苦みや鋭さは無いが、ロースト感がより強くなったと感じた時点で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”E.P. カリージョ プレッジ プレクエル/E.P. Carrillo Pledge Prequel”は、ローストした土とカカオ豆と杉の木と革とコーヒー豆の味に、しっかりと効いたペッパー、背景のカカオ豆(ダークチョコレート)の甘さを味わえる、ロースト感は少し強めだが、嫌な苦みや鋭さの無い素晴らしい葉巻だと言える。
しかしながら、シガーアフィショナードで98ポイントが与えられるほどの葉巻ではないように思う。
前回喫煙レビューした、シガーアフィショナードで96ポイントを獲得している”エイジングルーム クワトロ ニカラグア”葉巻シリーズの葉巻と比べると、味の複雑さ(多さ)に欠け、副流煙の甘く香ばしい香りも弱く、ロースト感が少し際立つ葉巻に感じる。
おそらくは、どうしてもシガーアフィショナードで第1位にしなければならない”大人の裏事情”があったのだろう。
確実に第1位にするために、少々ポイントを与え過ぎてしまったようだ。
旨い葉巻だとは言え、せいぜい92~94ポイントという評価が妥当であろう。
ロースト感が強めであるのは、おそらく、”エルネスト・ペレス・カリージョ”自身の嗜好性が強く反映されているからではないかと考える。
あるネット動画で、エルネスト・ペレス・カリージョが、火の点いた葉巻フット側を口に咥えて、息を吹き込んでいる姿を見たことがあるが、彼によると、これを行うことにより葉巻全体にローストした風味を与えることが出来るらしい。
私はこの動画を見たとき、”おいおい、おっさん!大丈夫かっ!?”と、声を上げてしまったが、おそらく彼はローストされた葉巻の風味が大好きなのだろう。
そう考えると、この葉巻の味は、至極当然な仕上がりだと言える。
前回喫煙レビューした”エイジングルーム クワトロ ニカラグア エスプレシーボ”を、キューバ産葉巻を目指して作られた最高のニカラグアン・ピューロ葉巻だと評価したが、それはあながち間違っていなかっただろうし、今回喫煙レビューしたこの葉巻の味を上回ることも間違いない。
この葉巻の葉巻独自5段階評価は、4.5/5点寄りの、4.0/5点とした。
参考までに、この”E.P. カリージョ プレッジ/E.P. Carrillo Pledge”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、91~98ポイントという高評価を得ており、この葉巻シリーズの”プレクエル(ロブスト)”ビトラは、98ポイントという歴代最高評価を得ています。また、この葉巻は、2020年の葉巻トップ25(98ポイント1位シガー・オブ・ザ・イヤー)に輝いています。
喫煙時間
喫煙時間:65分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★★★★☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
コーヒー(苦み含む) | ★★★☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★★☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
革 | ★★★☆☆ |
土(素朴さ) | ★★★★☆ |
草(ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
ナッツ | ★★☆☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★★☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★★☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★★☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格
$12.00→ $12.50 (1ドル148円換算にて1,850円) - ヨーロッパ圏内参考価格 €15.50 (1ユーロ160円換算にて2,480円)
- 日本国内価格
¥3,100→ ¥4,300 (参考日本販売価格倍率1.99倍)
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