エスペリトゥ ロブスト/Esperitu Robusto
葉巻/シガー情報
ブランド名 | エスペリトゥ |
シリーズ名 | エスペリトゥ |
ビトラ | ロブスト |
葉巻の長さ | 122mm (4.8インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 20.6mm (52) |
ラッパー | インドネシア産 ハバノ |
バインダー | インドネシア産 ハバノ |
フィラー | インドネシア産 ハバノ |
生産国 | インドネシア製 |
価格 | 1,500円 (2023年10月現在) |
この”エスペリトゥ ロブスト/Esperitu Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、私にとって初めてのインドネシア産葉巻となる、”エスペリトゥ ロブスト/Esperitu Robusto”です。
しかしながら、決してインドネシア産葉巻を吸ってみたかったから購入したのではありません。
私が今までで喫煙してきた中で、味、価格、全ての面で最高の葉巻だと考える、”ドリュー・エステート ヘレーラ・エステリ ハバノ ショートコロナゴルダ”が品切れになっていたため、替わりに同じ価格帯であるこの葉巻を見つけ、購入してみることにしました。
インドネシア産と言えば、インドネシア産スマトラ種のタバコ葉が有名ですが、この葉巻にはインドネシアを原種とするタバコ葉は使われていません。
面白いことに、この葉巻は、”キューバン・シード”を使用して、インドネシアで栽培されたタバコ葉のみで作られているのです。
”エスペリトゥ/Esperitu”の公式Webサイトによると、
”数十年前、”アブドゥル/Abdul”は、ベトナムから密かにキューバ産タバコの種を持ち帰り、それをジェンバー平原の豊かな黒い土壌に植えた。それは苦みのない豊かな風味を特徴とする真のインドネシア産葉巻であり、ブレンドは一切行われず、使用しているタバコ葉は全てアブドゥルのタバコ葉農園と乾燥小屋からのものであり、その生産方法は今日まで秘密裏に守られている。その結果、豊かで滑らかな葉巻が生まれ、タバコ葉が栽培された土壌の香りが漂います”
と記載されています。
えっ?密かにキューバン・シードを持ち帰った??
しかも、ベトナムから???
確かに、今現在、ニカラグアやドミニカ共和国等で栽培されているキューバ種子のタバコ葉も、キューバ革命時にカストロ政権の意に反してキューバ国外に持ち出されたものですので、密輸入するしか方法がなかったのかも知れませんが、何故にベトナムから盗むことになったのでしょうか???
さらに、その種子の品種は、”コロホ種”なのか、”クリオロ種”なのか等々、その辺の説明は全くありません。
多くが謎です。(^^;)
この”エスペリトゥ”葉巻は、ヨーロッパやアメリカには輸出されていない葉巻のようですが、バリ島やジャカルタ等に多くの販売店網を持っていることから推測するに、インドネシア国内では絶大な人気があるようです。
私はスマトラ種のタバコ葉の味を知る目的でこの葉巻を購入したつもりでしたが、実際にはインドネシアの土地で栽培されたキューバン・シードのタバコ葉はどんな味がするのかを知る葉巻となりそうです。
例えば、同じニカラグア国内の、”エステリ”、”ハラパ”、”コンデガ”、”オメテペ”の、それぞれの地域で栽培された、同じ”クリオロ98”種子のタバコ葉でも味が異なるようですので、それが遠く離れた異国となると、味に大きな違いが出てきそうです。
ちなみに、エスペリトゥ公式Webサイトに、この葉巻の味に関して記載している箇所があるのですが、そこには、”キューバ味/Cuban taste”と書かれていました。
ちょっと、笑える。(^^;)
兎に角、吸ってみて、味を確かめてみることにしましょう!
それでは、”エスペリトゥ ロブスト/Esperitu Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
インドネシア産ハバノ種のタバコ葉から成る、”エスペリトゥ ロブスト/Esperitu Robusto”は、コロラド色(茶色)をしていて、僅かな艶はありますが、基本的にはマットな仕上がりで、中々美しい外観をしています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は、落ち着いた緑色を基調とした中に、この葉巻ブランド名である、”ESPERITU”と書かれていて、配色のセンスはかなりハイレベルだと思います。
葉巻を指で摘まんでみると、とても硬く、十二分な量のタバコ葉が使われていると思います。
また、葉巻フット側の断面を見ると、薄いタバコ葉が使用されていることが分かります。
総じて、インドネシア産のタバコ葉は、薄いことが特徴のようです。
購入当初、葉巻ボディからの芳香性はかなり弱いものでしたが、加湿・熟成後には上品で良い香りがしてくるようになりました。
葉巻全体を手に持って確認すると、太い葉脈などは見当たらず、滑らかな仕上がりになっています。
この葉巻は、平均室温25℃・湿度70%に維持した自家製ヒュミドール内にて、38日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する2~3時間程前に、葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、軽い干し草の味がして、引き抵抗は少々重めですが、良好の範囲内だと言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から20度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分50秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したら、その後、パージ(葉巻を咥えて息を吹く)を行って、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、とても上質で香ばしい杉の木の味からスタートする。
背景には、軽い糖蜜の甘さがある。
喫煙開始5分時点で、少量のカカオ豆と土の味が追加される。
旨い。
初めてのキューバ種子のインドネシア産タバコ葉で巻かれた葉巻を喫煙したが、とても上質な味に驚きを隠せない。
喫煙開始11分時点で、うっかりと葉巻を落としてしまい、灰を落としてしまった。
レトロヘイルで煙を副鼻腔に通すと、たっぷりのペッパー(白胡椒)を確認する。
引き抵抗(ドロー)は少し重めだが、しっかりとした量の煙を口蓋に引き込める。
喫煙開始19分時点で、この葉巻はとても上質な味ではあるが、特出するものがなく、中性的な味であることに気付く。
それがインドネシア産タバコ葉の味の特徴なのかも知れない。
燃焼挙動は悪くないが、ラッパーが片燃えする傾向があるため、少しの火入れ修正を繰り返し行うことになる。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から25分以降の中盤は、序盤と変わらない味を引き継いでいるが、杉の木の味は落ち着きを見せ、ペッパーも適度な量となり、カカオ豆と土の味とのバランスが取れてきた。
喫煙開始28分時点で、実質1回目の灰折を行う。
灰は軽いが、小気味良い音と共に折れる。
この葉巻はとても吸いやすく、全く嫌みの無い、中性的な味の葉巻だと言えるだろう。
ストレングス(ニコチン量)はマイルド~ミディアム、フレーバー(風味)もマイルド~ミディアムであり、葉巻初心者の方にもお勧めできる葉巻だ。
ベテラン葉巻愛好家の方には物足りなさを感じるだろうが、インドネシア産キューバ種子のタバコ葉を楽しむと割り切って喫煙すれば、とても楽しい時間が過ごせるだろう。
副流煙には僅かだが甘く香ばしい香りが含まれていて、副流煙の量も少ないため、好感が持てる。
喫煙開始43分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から50分以降の終盤は、序盤・中盤の味に、ローストしたナッツの味が追加される。
喫煙開始60分時点でも、嫌な苦みや鋭さは全く無い。
吸う煙に熱を感じ始めた時点で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この、”エスペリトゥ ロブスト/Esperitu Robusto”は、とても上質で香ばしい杉の木とカカオ豆と土とナッツの味に、適度に効いたペッパー(白胡椒)、背景にある軽い糖蜜の甘さを終盤まで味わえる、角がない中性的な味わいの葉巻だと言える。
予想とは違う初めてのインドネシア産葉巻の意外な旨さに、驚いてしまった。
勿論、それはドミニカ共和国産やニカラグア産の濃厚で複雑な葉巻の味とは異なるが、欠点と呼べる欠点も見つからないため、喫煙もロブストサイズながら85分という長い時間を楽しむことが出来た。
インドネシア産タバコ葉の特徴である”薄いタバコ葉”がぎっしりと詰まっていることも、長時間喫煙を楽しむことが出来た要因のようだ。
この葉巻の味は”キューバ味/Cuban taste”がすると、エスペリトゥのWebサイトに記載されていたが、旨いという意味に於いては、あながち間違ってはいなかったようだ。
私の稚拙な知識では、インドネシア産タバコ葉の多くはヨーロッパ向けの機械製造葉巻用タバコ葉として使用されている他、一部はブランド葉巻のラッパーやバインダー等に”TBN/tabaco bawah naungan”(シートの下のタバコの意)と呼ばれる高品質なベスギ種とコネチカット種の勾配種シェード葉を使用するなどの需要があるらしいが、”インドネシアン・ピューロ”としてのプレミアムシガーでも旨い葉巻が作れるということを知ったのは、大きな収穫であった。
この葉巻の葉巻独自5段階評価は、4.0/5点とした。
喫煙時間
喫煙時間:85分
味覚フレーバーグラフ(追記レビュー時毎に更新)
チョコレート(カカオ豆) | ★★☆☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
コーヒー | ★★☆☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★★☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
革 | ★☆☆☆☆ |
土(素朴さ) | ★★★☆☆ |
草(ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
ナッツ | ★★☆☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★☆☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★★☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度(追記レビュー時毎に更新)
おすすめ度:★★★★★
ギャラリー
追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2024/1/3
自宅ヒュミドールにて31日間加湿・熟成したものを吸う。
ヒュミドールは、平均室温16℃・湿度72%の設定。
葉巻は喫煙の3時間程前から”ドライ・ボックス”に入れて、”ドライシング”を行っている。
今回で2本目となる、”エスペリトゥ ロブスト/Esperitu Robusto”を喫煙する。
海外ドラマの”HOMELAND/ホームランド シーズン2”(クレア・デインズ主演、ダミアン・ルイス助演)を見ながら、リビングで喫煙する。
序盤から終盤にかけて、ごく僅かな酸味を伴う上質な杉の木と土の味に、軽いペッパー、背景にはごく軽い糖蜜やカカオ豆の甘みを味わえる。
前回喫煙レビューしたときと比べると、少しの苦みや酸味を感じる。
加えて、小麦粉の粉っぽさを僅かに感じた。
とても軽い喫感で吸いやすい葉巻だが、着火後の引き抵抗(ドロー)が重すぎて、煙を引き込むのに強い吸引力を必要とすることが難点だった。
おそらく、それが災いして、少しの苦みを感じることに繋がったのだろう。
副流煙には、ごく僅かだが、甘く香ばしい香りが含まれていることは前回と同じだ。
但し、葉巻コピーにより、味にばらつきがあるようだ。
この葉巻の葉巻独自5段階評価は、据え置きの3.5/5点寄りの4.0/5点が妥当だと判断したが、3本目の喫煙で、今回と同じ味であった場合は、3.5/5点に格下げしようと思う。
喫煙時間:60分
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