A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ランセロ/A.J. Fernandez Bellas Artes Maduro Lancero
葉巻/シガー情報
| ブランド名 | A.J. フェルナンデス |
| シリーズ名 | ベジャス アルテス マデューロ |
| ビトラ | ランセロ |
| 葉巻の長さ | 177.8mm (7インチ) |
| 葉巻の直径(リングゲージ) | 15.9mm (40) |
| ラッパー | ブラジル産 マタフィナ種 |
| バインダー | メキシコ産 サンアンドレス種 |
| フィラー | ニカラグア産 |
| 生産国 | ニカラグア製 |
| 価格 | 2,500円 (2026年3月現在) |
この”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ランセロ/A.J. Fernandez Bellas Artes Maduro Lancero”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニカラグアに大規模な葉巻工場とタバコ葉農園を持つ葉巻メーカー”A.J. フェルナンデス/A.J. Fernandez”からの1本である、”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ランセロ/A.J. Fernandez Bellas Artes Maduro Lancero”です。
この葉巻は、過去に喫煙レビューした葉巻の中でトップ5に入る葉巻だと考える”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ロブスト”の”ランセロ”ビトラ版となります。
私の葉巻独自5段階評価で、5.0/5点寄りの4.5/5点を叩き出したその素晴らしい葉巻を喫煙したのは8ヶ月前程ですが、人の味覚というのは常に変わっていくもので、またその葉巻を吸ってみたらどんな味に思えるだろうかと興味を惹かれ、今回は折角なので違うビトラとなる”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ランセロ”で喫煙レビューをしてみることにしました。
”ロブスト”ビトラと”ランセロ”ビトラとの違いは、ランセロはその細さ故に、ブラジル産マタフィナ種ラッパーとメキシコ産サンアンドレス種バインダーの味そのものを楽しむことが出来るということに尽きるでしょう。
ラッパーは栽培段階から丁寧に扱われるため、味もバラツキが無く安定していると言えますが、A.J.の強みである自社農園で栽培・発酵・熟成されたフィラーの量が少なくなっていることが、逆に味を落としてしまうことも考えられます。
最近喫煙レビューした”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ブラジル ロブスト”は、今回喫煙する葉巻と同じブラジル産マタフィナ種ラッパーが使用され、バインダーとフィラーは全てA.J.自社農園で栽培されたタバコ葉を使用していますが、あまり旨いと思えなかったことを鑑みると、ブラジル産マタフィナ種ラッパーとメキシコ産サンアンドレス種バインダーの組み合わせが、この葉巻シリーズの味を決定付けていると言って良いでしょう。
今回この葉巻を吸うことで、この葉巻シリーズの味の良さは、何が元になっているのかを知ることが出来ると考えています。
何はともあれ、まずはこの葉巻の味を楽しんでみたいと思います!
参考までに、A.J. フェルナンデスの社長である、”アブデル・J・フェルナンデス”は、1979年生まれのキューバ人ですが、24歳になった2003年に、ニカラグアへ移住します。
最初は叔父が経営する、”ネストル・プラセンシア”で短期間働きましたが、すぐにエステリに自身の小さな葉巻工場をオープンし、他社ブランドの葉巻請負製造を開始します。
製造を請け負うブランドとしては、”ロッキーパテル”や”ディーゼル”などの、有名葉巻メーカーの葉巻も請け負うことが出来ました。
2008年には念願の自社タバコ葉農園をスタートさせ、2010年には”A.J. フェルナンデス”初の自社ブランド葉巻である”サンロターノ/San Lotano”葉巻シリーズを製造・販売するに至り、現在の有名なA.J.ブランドを築き上げることに成功しています。
それでは、”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ランセロ/A.J. Fernandez Bellas Artes Maduro Lancero”(財務省登録名称は”AJF ベージャ アルテス マデューロ ランセロ”)葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー

まずは外観から見ていきましょう。
ブラジル産 マタフィナ種のラッパーで巻かれた、”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ランセロ/A.J. Fernandez Bellas Artes Maduro Lancero”は、マデューロ色(褐色)~オスクロ(黒褐色)をしていて、葉巻表面には艶が無く少しザラついた質感をしており、素朴な外観であると言えます。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本あり、メインバンドロールには金色と黒色の縁取りがされたクリーム色の下地の中に、天使が飛び交う下に盾(?)を持った女性とひざまづく男性の姿が描かれており(宗教画?)、サブバンドロールには金色と黒色を使用した中に、”AJ FERNANDEZ”という文字が描かれています。
ボックスプレスされた葉巻を指で摘まんでみると、細い葉巻であることから、しっかりと硬めに巻かれています。
葉巻ボディからは、とても濃厚な牛舎系の良い香りがします。
この葉巻は、平均室内温度20℃・湿度63%に維持した自家製ヒュミドール内にて47日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する8時間程前に、葉巻を湿度47%のシリカゲル(乾燥剤)が入ったドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、深くローストされた麦わらや深煎りのカカオ豆の味がして、引き抵抗は重くも軽くもなく、良好と言えるでしょう。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分30秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、ローストされた濃厚なナラの木(オーク材)と土とコーヒー豆の味からスタートする。
背景には、レーズン等のドライフルーツの甘酸っぱさとウイスキー・オーク樽の風味がある。
旨い!
やはり、凄い葉巻だ。
最初の一服目から大量の濃厚な煙が、口から溢れんばかりに口蓋を満たす。
味のイメージは、この葉巻シリーズの”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ロブスト”とほぼ同じと言って良いだろう。
フレーバー(風味)は間違いなくフルボディだが、ストレングス(ニコチン量)はミディアムであり、強い煙にして喫味は”マイルド&スムース”という、異例の葉巻だ。
着火後の引き抵抗(ドロー)は多少軽めだが、軽く吸うだけでたっぷり過ぎる煙を口蓋に引き込むことが出来る。
燃焼挙動はそれほど良いとは言えず、これほど細い葉巻なのに常に片燃えを繰り返しながら燃え進む。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、鼻腔を刺激することの無い適量のペッパー(黒胡椒)があることを確認する。
副流煙の香りは、カカオ豆の香りを含む甘く香ばしい香りがする。
喫煙開始13分時点で、不意に灰を机に折り落してしまう。
喫煙開始23分時点で、カカオ豆の味が追加されると共に、背景に良く焼いたトースト(焦がしたパン)とダーク・チョコレートの風味が追加され、私が考える旨い葉巻である条件の全てが整うことになる。
喫煙開始28分時点で、実質2回目の灰折を行う。

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

喫煙開始から35分以降の中盤は、序盤の味を引き継ぎ、ロースト感のある濃厚なオーク材と土とカカオ豆の味を主体に、背景にあるレーズンバターを塗って良く焼いて焦がしたトーストの風味で吸い進む。
強い煙であるにも関わらず、鋭さや苦みを全く感じることの無い穏やかな煙であることに、改めて驚く。
この葉巻の素晴らしさは味だけでなく、引き抵抗(ドロー)の良さも特筆すべきことだと思う。
A.J.の葉巻全般に言えることだが、特にボックスプレスされた葉巻の殆どは、軽く吸い込むだけで、しっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。
他の葉巻メーカーでは”アルトゥーロ・フエンテ”も同様のドローが体感できると考える。
意外とこの完璧なドローを実現することは難しいようで、軽いドローの葉巻はあっても空気ばかりが口蓋に引き込まれ、しっかりとした量の煙を引き込めないことが多いように思う。
喫煙開始48分時点で、実質3回目の灰折を行うと同時に、サブバンドロール(シガーリング)を剥がす。
サブバンドロールは簡単、且つ、とても綺麗に剥がすことが出来る。
この葉巻に似た喫味の葉巻としては、焦がしたパンとレーズンバターの風味があることから、過去に喫煙レビューした”アルトゥーロ・フエンテ グランレゼルバ ロスチャイルド”を思い出す。
きっと、引き抵抗(ドロー)の良さが似ていることもあってのことだろう。
喫煙開始67分時点で、またもや不意に、今度は膝に灰を落としてしまった。
灰は10分毎に折ることを心掛けたほうが良さそうだ。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から70分以降の終盤は、序盤・中盤の味を引き継ぐが、序盤から感じるロースト感がより強まり、味のバランスが少し崩れ始めたように感じる。
喫煙開始72分時点で、メインバンドロール(シガーリング)を剥がす。
幅広いメインバンドロールもサブバンドロール同様、難なく綺麗に剥がすことが出来る。
喫煙開始82分時点で、実質5回目の灰折を行う。
喫煙開始105分時点の、嫌な苦みや鋭さは無いまま、葉巻が指で摘まめなくなる限界まで吸った段階で、喫煙を終了することとした。

葉巻テイスティング総評
総評として、この”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ランセロ/A.J. Fernandez Bellas Artes Maduro Lancero”は、少しのロースト感を伴う濃厚なナラの木(オーク材)と土とカカオ豆やコーヒー豆の味に、鼻腔を刺激することの無い適量のペッパー(黒胡椒)、背景にレーズンバターを塗って良く焼いて焦がしたトーストと僅かなダークチョコレートの風味が味わえる、フルボディの葉巻ながら”マイルド&スムース”な喫味が楽しめる葉巻だと言える。
今回は過去に喫煙レビューした”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ロブスト”のビトラ違いとなる”ランセロ”ビトラを喫煙してみたが、同様の素晴らしい喫味が味わえる葉巻であったことに、まずは安堵した。
と言うのも、初回に喫煙したときにはとても旨く感じた葉巻が、2回目以降はさほどでもないということが、私には多々あるからだ。
おそらく、この葉巻シリーズはどのビトラであっても、ほぼ同じような喫味が楽しめる葉巻なのだと推測する。
前回喫煙した”ロブスト”ビトラと今回喫煙した”ランセロ”ビトラとの大きな違いは、フィラーの割合が極端に少ないことにあると考えるが、双方味が似通っているということは、この葉巻シリーズはブラジル産マタフィナ種のラッパーとメキシコ産サンアンドレス種のバインダーの味が全てを決めていると言って良いのかも知れない。
勿論、その2枚のタバコ葉は、A.J.の農園で栽培されたものではない。
きっと、社長のA.J.フェルナンデス自身が現地に赴いて、その味と品質に納得した上で農園又は仲介業者から仕入を行っているのだろう。
私の中では、このブラジル産マタフィナ種とメキシコ産サンアンドレス種の組み合わせは、コロホ種とクリオロ種の組み合わせのように、”鉄壁の組み合わせ”と呼べるものになりつつある。
以前に喫煙した”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ブラジル ロブスト”のように、ブラジル産マタフィナ種のラッパーを使用しただけでは、駄目だ。
やはり、メキシコ産サンアンドレス種のタバコ葉と組み合わせてこそ、最高の味になるのだと考える。
久しぶりにA.J.の素晴らしい葉巻が喫煙できて、本当に良かったと思う。
A.J.の葉巻があまり得意ではないという諸氏にとっては、A.J.の自社農園で栽培されたタバコ葉があまり使われていないことから、この葉巻を試してみる価値は大いにあるのではないだろうか?
今回喫煙した葉巻の葉巻独自5段階評価は、フルボディの素晴らしい葉巻であったものの、終盤からはロースト感が増加することで多少味のバランスが崩れたことは残念だったが、それでも4.5/5点を与えるに相応しい葉巻だと判断した。
参考までに、この”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ/A.J. Fernandez Bellas Artes Maduro”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、87ポイント~91ポイントという評価を得ており、この葉巻シリーズの”ランセロ”ビトラに於いても、87ポイント~91ポイントという評価を得ています。
喫煙時間
喫煙時間:105分
味覚フレーバーグラフ
| チョコレート(カカオ豆) | ★★★☆☆ |
| スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
| クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
| コーヒー(苦み含む) | ★★☆☆☆ |
| トースト(パン・穀物) | ★★★☆☆ |
| 木(杉・オーク等) | ★★★★☆ |
| 革 | ★☆☆☆☆ |
| 土(素朴さ) | ★★★☆☆ |
| 草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
| ナッツ | ★★☆☆ |
| ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★☆☆ |
| フルーツ(酸味含む) | ★★☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★★☆
世界各国葉巻値段比較 (アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $11.00 (1ドル148円換算にて1,628円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €14.40 (1ユーロ160円換算にて2,304円)
- 日本国内価格 ¥2,500 (参考日本販売価格倍率1.27倍)
葉巻重量
- 購入時重量 8.69g
- 加湿・熟成後重量 8.92g (葉巻ヘッドカット後重量8.74g)
- ドライシング後重量 8.68g
- △減少重量 (△減少割合) △0.06g (△0.69%)


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