「シェイク シャック (SHAKE SHACK)」美味しいハンバーガーの作り方を検証!
2023/03/02
ハンバーガーは、良い牛肉を使うだけで美味くなるのか?
今回はハンバーガーの作り方を考えてみたいと思います。
ハンバーガーと言えばテイクアウト料理の代表格でもあります。
このTake Away Kitchen Blogでも幾つかの作り方レシピをご紹介しているかと思いますが、今回はレシピそのものをご紹介するのではなく、どのように作ればどのような味になるのかを考えてみたいと思うのです。
「ハンバーガーの良し悪しは、良い牛肉を使ったパティと良いバンズで決まる!?」
そう考える方も多いかと思いますが、確かにハンバーガーは肉とパンがメインの食べ物ですから、その2つの素材が不味ければ美味いハンバーガーになるはずもありません。
しかし、それだけで美味いハンバーガーが完成するというのは早計です。
ラーメンで例えるなら、ハルユタカ等の高級小麦を使用した麺に、有名産地の高級な昆布やかつお節や煮干しや豚骨や鶏ガラを使用したスープで作られたラーメンが、必ずしも美味くはないと言うことです。
ラーメンなら、これだけ多くの店舗が日々独自の美味いラーメンを目指して商品開発していますので、レシピに於ける数多くのノウハウが存在するのでしょうが、ハンバーガーに関してはまだまだ発展途上だと言えます。
今回は私が今まで食べたハンバーガーの中で、現時点では一番美味いと思っているハンバーガー、「シェイクシャック(SHAKE SHACK)」を題材にして、ハンバーガーを美味く作るためには何を考える必要があるのかを検証してみたいと思います。
シェイクシャック(SHAKE SHACK)って、どんなハンバーガー?
シェイクシャックはニューヨークに本社を置く、ファストカジュアル(ファミレスとファストフードの中間の業態)レストランチェーンで、2015年11月に明治神宮外苑にオープンして依頼、日本に9店舗を展開しているハンバーガーチェーンです。
未だにどの店舗も行列必至の人気ハンバーガーチェーンです。
今回は東京都千代田区丸の内の東京国際フォーラムにある「シェイク シャック (SHAKE SHACK)東京国際フォーラム店 」を利用しました。
いつも数十人は列をなしていて、店内外含めて席数は多いのですが、席を確保することも難しい状況です。
席の先取りも許されているようですが、店側として先に席の確保をするよう促しているわけではないので、先取りによる他客との言い争いや、置き引きなどには注意が必要です。
通常のハンバーガー屋と同様に、先に注文と会計をします。
ただ、他のハンバーガー屋と違うところは、その場で商品を渡してくれる訳ではなく、ワイヤレスコールを渡されて、出来上がったらコールが鳴って、自分で商品を取りに行くというスタイル。
コールが鳴るまで、15分ほど掛かります。
店内にはメユーが壁に掲げられています。
商品写真を使用していないのはマーケティング王国のアメリカらしく、好感が持てます。
想像力が働き、商品に対する期待感がより高まります。
分かり易いことは重要ですが、分かり易す過ぎてはいけません。
初めて利用する店の場合、私は必ずデフォルトの商品を注文するようにしています。
折角だからと、色々なものがトッピングされているものを注文してしまうと、その商品本来の味が分かりずらくなるからです。
今回はアンガスビーフパティとレタスとトマトとチーズとシャックソースが使用された「シャックバーガー(ShackBurger®)710円」を注文しました。
では、その味を検証してみることにしましょう。
今までに食べたハンバーガーとは、一線を画す味!?
注文した「シャックバーガー(ShackBurger®)710円」の第一印象ですが、まずはその値段。
ハンバーガー1個で710円(税抜)は、ハンバーガーチェーン店としては少々お高い。
これはパティがシングル(1枚)の価格であり、さらにダブル(2枚)となると1,010円(税抜)になります。
さらにコカ・コーラなどのドリンクSサイズ250円(税抜)とフライドポテトSサイズ300円を注文すると合計1,260円(税込で1,360円)です。
しかし、その高いという印象も、マクドナルド等の大規模ハンバーガーチェーン店と比べた場合であって、ファストカジュアルレストランとしての価格なら妥当なのかも知れません。
そしてハンバーガーの見た目ですが、ビーフパティがいかにも自家製であり、形成冷凍パティなどとは全く違うというのが一目瞭然です。
さらにそれを手に持ってみると、ハンバーガーを収めている包み紙がベトベトであることに驚きます。
それは脂を含んでいて、それがソースなのか、肉汁なのかは、正直、分かりませんでした。
その油脂でバンズも湿っぽくなっています。
ですが、一口食べると、美味いの一言!
「ウマい!イケる!・・・うマイケル・ジャクソン状態に陥ります!」(by 井の頭五郎)
正直、バンズは湿ってベトベトなのですが、バンズ自体は柔らかく、弾力もあって、モチモチしています。
アンガスビーフパティは、程よい噛みごたえがあり、肉汁は少なめで、旨味を十二分に味わえます。
このハンバーガーの味は驚きでした。
シンプルな味にして、この旨さ!
さらに、バンズが湿っているのに、この旨さなのです!
そこで、旨いと思えるハンバーガーとは、一体どのようなものなのかを考えてみることにしました。
シャックバーガーの美味しさの秘訣は、バーガーとしての一体感だった!
まず、シェイクシャックのハンバーガーを食べて、気づいたことがあります。
私がこれまで一番好きだったハンバーガーは「KUA`AINA クア・アイナ」であり、その肉々しいパティの旨味と噛み心地、そして、しっかりとしたバンズにとても好感がもてました。
肉汁などとは無縁の、パサ付き感さえ覚えるクア・アイナのハンバーガーで、
「脂を多く含んだ高級和牛は、ハンバーガーの肉には適さない」
と、言うことを知りました。
これはシェイクシャックも同様だと思います。
しかし、バンズがベトベトに湿っていたとしても、これだけ美味いというのは衝撃的でした。
これは何を意味するものなのかというと、
「ハンバーガーとしての一体感」
なのだと考えます。
以前にも、このTake Away Kitchen Blogで言っていますが、パティとバンズと食感を合わせることの重要性です。
私はフランスパンがパンの中では最も好きなのですが、フランスパンでハンバーガーを作ってしまうと、パティの硬さが足らなく、中で潰れて外に飛び出してしまいます。
口の中でもフランスパンとパティの硬さ及び水分量が同一ではないため、一体感に欠けてしまい、いわゆる「食感が悪い食べ物」となってしまいます。
「KUA`AINA クア・アイナ」のハンバーガーは、バンズがパサつきますが、パティも脂分が少ない、そして、しっかりした食感のバンズに、しっかりとした噛みごたえのあるパティ、これらによりバランスが取れているということでバンバーガーとしての一体感が出てくるということなのでしょう。
シャックバーガーのパティはしっかりとした噛みごたえはありますが、ある程度は油分でしっとりしていますので、その油分とバンズの油分がしっくりくるのかも知れません。
そこで、このシャックバーガーのバンスの油脂の正体は一体何なのかをネットで調べてみました。
ありました!
POPSUGARという海外のサイトの中で「Hack Shake Shack’s ShackBurger」と題した、シャックバーガーを自宅で作ってしまおうというコンテンツです。
その中でシャックバーガーの作り方レシピの動画が公開されています。
ちゃんと料理の材料と作り方も、テキストで公開しています。
もちろん、シェイクシャック公認という訳ではなく、あくまで再現レシピですが・・・。
早速、材料と作り方を見てみましょう。
Hack Shake Shack’s ShackBurger レシピ(材料)
材料:シャックソース
- マヨネーズ 1/2カップ(120ml)
- ケチャップ 大さじ1杯
- イエローマスタード 大さじ1杯
- ピクルス 4切れ
- ガーリックパウダー 小さじ1/4杯
- パプリカパウダー 小さじ1/4杯
- カイエンペッパー ひとつまみ
材料:バーガー
- 牛サーロイン挽き肉 230g
- 牛胸挽き肉 120g
- 牛肩挽き肉 120g
- バター 大さじ2杯(室温に戻す)
- Martin’s Sandwich Rolls等のバンズ 4個
- シャックソース 大さじ4杯
- レタス 4枚
- 熟したトマトの輪切り 8枚
- サラダ油 小さじ1/2
- 塩 適量
- 黒胡椒(挽きたて) 適量
- プロセスチーズ 4枚
Hack Shake Shack’s ShackBurger レシピ(作り方)
肉は団子状にしておきます。
フライ返しで肉を押しつぶすように焼きます。
両面こんがりと焼きます。団子状のものを押しつぶして焼くため、形成肉にはない味わい深い形になります。
チーズを被せて溶けるまで焼きます。
パンの内側にたっぷりのバターを塗り、フライパンで焦げ目が付くまで焼きます。
使用するパンは「Martin’s Sandwich Potato Rolls」というものを推奨しています。もしかするとシェイクシャックで使用しているのもこれかも知れませんね。
具材は下から・バンズ・パティ・チーズ・トマト・レタス・シャックソース・バンズの順になるように重ねます。
シェイクシャックのシャックバーガー、完成です!
さらにレシピ本も発見!
さすがシェイクシャック!マーケティングを心得ていますね。
シェイクシャックのしっとり感の正体、実はバターだった!
まず、シャックソースと呼ばれているシェイクシャックのオリジナルハンバーガーソースの材料ですが、まあまあ味が想像しやすい材料構成ではないでしょうか。
マヨネーズとケチャップを基本としたオーロラソースに、ピクルスとマスタードで酸味を加え、さらにスパイスで味を整えています。
問題はバーガーの材料です。
バターが使われていますが、これが湿ったバンズの正体だったのです!
バンズの内側にバターを結構ガッツリ塗っちゃってます!!
それをフライパンで焼いていたのですね。
これだけバターを使っていれば、バンズがしっとりしているのも納得です。
しかしながら、シャックバーガーを食べても、バター臭さを感じなかったので、その正体がバターだったとは全く気付きませんでした。
フライパンで焼いているからでしょうか。
バターによりしっとりしたバンズと、肉々しさをしっかりと感じるアンガスビーフパティ、それに溶けたチーズが渾然一体となってこの味が完成していたのです。
日本人は唾液の量が少ないと言われていますが、このシェイクシャックのシャックバーガーは全体的に水分(油脂分)量が多く、しっとりとしていて、より日本人の舌に合う食感になっています。
また、味付けも独自のシャックソースを使っているものの、バーベキューソースのようにガッツリとした味ではなく、柔らかで主張しすぎていない。
基本の調味料は塩・コショウであり、ビーフパティの肉の味そのもので食わせるバンバーガーです。
そのため、味に深みを持たせるため、デフォルトのシャックバーガーにトッピングではなく、初めからチーズを入れているのでしょう。
美味しいハンバーガーの作り方・まとめ
美味しいハンバーガーの作り方をシェイクシャックのシャックバーガーを元に検証してみましたが、今回、気付いたことを下に箇条書きで纏めてみました。
- 牛肉100%の挽き肉で、脂分を少なめの、赤身肉の旨味を味わえるものを使用すること
- ソースは主張しすぎないものを使用すること
- 基本的な味付けは塩・コショウのみで、肉本来の旨味を味わえるようにすること
- 脂肪分追加のためのメルト・チーズは、基本、使用すること
- ハンバーガー全体の水分量(油脂分量)が多めになるよう作ること
- バンズはバターなりを使用して、水分量(油脂分量)を多くし、口の中がパサつかないようにすることが良い
- ハンバーガーを食べている時に、水分を取らなくても食べられるようなバーガーにすること
- バンズは厚いよりも薄いほうが良い
- バンズの硬さはパティよりも柔らかいほうが好ましい
こんなところでしょうか。
最近、ハンバーガーは大規模チェーン店だけでなく、ハンバーガー専門の個人店も増えつつあります。
その特徴としては、良い肉を使用していることを謳っていたり、見た目がダイナミックで”インスタ映え”するものだったりします。
さらに、どの店もハンバーガー1個の価格が1,000円オーバーするという高価格も特徴の一つと言えるでしょう。
しかし、価格が高過ぎることが災いしてか、高い満足度を得ることは今までありませんでした。
良い素材の肉(パティ)とその他の良い具材を、パン(バンズ)と一緒に食べているというだけの感覚・・・。
日本のハンバーガーの歴史はまだまだ始まったばかりと言えます。
これからもっと多くの個人専門店が出来て、ラーメンと同じようにハンバーガー作りのノウハウが増えていけば良いなと思っています。
※出典記載のない写真は全てリコーGRデジタルで、筆者本人が撮影したものです。
おわりに:新しいハンバーガーの商品開発
今回、シェイクシャックを食べて、美味しいハンバーガーの作り方を考えることで、新たなスタイルのハンバーガーを思いつきました。
「ハンバーガーとしての一体感」
これをテーマにして思いついたのは、バンズの内側に卵と牛乳と控えめの砂糖を混ぜたフレンチトースト液を付けて、それをバターを溶かしたフライパンで焼くというもの。
砂糖は極少量にするか、もしくは無くても良いかも知れません。
これによりバンズの水分量が増えて、より唾液の少ない日本人の舌に合ったハンバーガーが出来るのではないかと考えます。
次回、シェイクシャックのシャックバーガーを既出のレシピを元に作って試食してみた後、この仮称「フレンチバーガー」に挑戦してみたいと思います。
次回の記事を、乞うご期待!
店舗情報
店舗名:シェイク シャック 東京国際フォーラム店 (SHAKE SHACK)
住所:東京都千代田区丸の内3-5-1 東京国際フォーラム ホールC 1F
電話番号:03-6273-4071
営業日:全日
定休日:不定休
営業時間:11:00~22:00
喫煙:不可
googleマップ投稿記事:https://goo.gl/maps/gE4Y3wFzuks
シェイク シャック 東京国際フォーラム店 (SHAKE SHACK)HP:http://www.shakeshack.jp/
Take Away Kitchen Blog 料理の作り方と簡単レシピ:https://www.teikichi.com/blog
GRD東京写真散歩トップページ:https://www.teikichi.com/portfolio
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この記事を書いた人
- TakeAwayKitchenブログ管理運営・執筆者。
テイクアウト料理のメニューを考えて、作って、食べるのが趣味の、自称テイクアウト料理推進委員会代表。
テイクアウトに関わらず、飲食店で人気のある店や話題性のある店には必ず足を運びます。
繁盛している飲食店とそうでない飲食店の、傾向と対策を考えることも大好きな、立ち飲み酒場好きアラフィフ男です。(^_^;)
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