AVO シンクロ ニカラグア フォガッタ ロブスト/AVO Syncro Nicaragua Fogata Robusto
葉巻/シガー情報
ブランド名 | AVO |
シリーズ名 | シンクロ ニカラグア フォガッタ |
ビトラ | ロブスト |
葉巻の長さ | 127mm (5インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 19.8mm (50) |
ラッパー | エクアドル産 ハバノ2000種 |
バインダー | メキシコ産 サンアンドレス種 ネグロ |
フィラー | ドミニカ共和国産 ヤマサ地区 ヴィソ葉 , ピロト・クバーノ種 , サン・ビセンテ種 リジェロ葉 & ニカラグア産 エステリ地区 リジェロ葉 , コンテガ地区 ヴィソ葉 |
生産国 | ドミニカ共和国製 |
価格 | 2,600円 (2025年2月現在) |
この”AVO シンクロ ニカラグア フォガッタ ロブスト/AVO Syncro Nicaragua Fogata Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、1926年生まれのレバノン人でジャズピアニストであった”アヴォ・ウベジアン/Avo Uvezian”が作り出した葉巻であり、現在は”ダビドフ/Davidoff”傘下にて製造・販売されている”AVO”葉巻ブランドからの1本である、”AVO シンクロ ニカラグア フォガッタ ロブスト/AVO Syncro Nicaragua Fogata Robusto”です。
”AVO”葉巻ブランドのことは前々から知っていましたが、価格が比較的高価であることと、目にする機会も無かったことから、私のレーダー圏外の存在となっていましたが、シガー・バーを運営している”ル・コネスール/le Connaisseur”の銀座本店に行く機会があり、そこのウォーク・イン・ヒュミドールにこの葉巻が置いてあったことから、購入することにしてみました。
この葉巻の構成内容を見てみると、エクアドル産ハバノ2000種のラッパーの下には、バインダーとしてメキシコ産サンアンドレス種のタバコ葉を使用しており、これは”ダンバートン ソブレメサ エル アメリカーノ”と同じ構成であり、味にも期待が持てそうです。
フィラーはドミニカ共和国産のタバコ葉を基本とした中に、ニカラグア産のタバコ葉が使用されていますが、特に注目すべきことは、ダビドフの葉巻でよく使用されているドミニカ共和国産サン・ビセンテ種のタバコ葉と、ドミニカ共和国のヤマサ地区で栽培されたタバコ葉が使用されていることでしょう。
ドミニカ共和国のヤマサ地区というのは、沢沼地のタバコ葉栽培に適していない土地であったようですが、ダビドフのブレンダーチームは20年の歳月を掛けて土壌改良等を行い、これまでとは全く違く喫煙体験が出来るタバコ葉を完成させたという触れ込みとなっています。
そんなヤマサ地区で栽培されたラッパーとバインダーを使用した”ダビドフ ヤマサ ロブスト/Davidoff Yamasa Robusto”は、1本5,800円という高価な価格設定となっており、私の”葉巻レーダー”の圏外を飛んでいる葉巻ですが、今回喫煙レビューする1本2,600円の”AVO シンクロ ニカラグア フォガッタ ロブスト”は、フィラーの一部にしか使用されていないとはいえ、ヤマサ地区産タバコ葉が味わえる貴重な1本であると言えます。
事前情報収集の段階から、旨い葉巻であることが容易に想像できることから、喫煙するのがとても楽しみです!
参考までに、”AVO”葉巻ブランドは、1926年レバノン生まれのアルメニア系アメリカ人でジャズピアニスト・作曲家であった”アヴォ・ウベジアン/Avo Uvezian”が作り出した葉巻であり、現在の葉巻業界に於ける功績に至ったのは、ドミニカ共和国で”ダビドフ”のマスター・ブレンダーであった”ヘンドリック・ケルナー/Hendrik Kelner”との出会いから始まります。
アヴォ・ウベジアンは、2017年3月24日にフロリダ州オーランドにて、91歳で生涯に幕を閉じています。
また、ヘンドリック・ケルナーも、2020年8月にダビドフを退職しています。
それでは、”AVO シンクロ ニカラグア フォガッタ ロブスト/AVO Syncro Nicaragua Fogata Robusto”(日本での財務省登録名称は”アヴォ シンクロ ニカラグア フォガッタ ロブスト”)葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産 ハバノ2000種のラッパーで巻かれた、”AVO シンクロ ニカラグア フォガッタ ロブスト/AVO Syncro Nicaragua Fogata Robusto”は、コロラドマデューロ色(茶褐色)をしていて、葉巻表面には適度な艶を持つ滑らかな仕上がりをしており、上質な外観をしています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本巻かれており、サブバンドロールには朱色の下地に銀色の文字で”FOGATA”という文字が書かれ、メインバンドロールには大きな”AVO”のロゴマークと”NICARAGUA”、”SYNCRO”、そして”AVO UVEZIAN”という文字が書かれています。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれてはいますが、葉巻表層部にごく僅かですが弾力性も備えています。
葉巻ボディからは、牛舎系の良い香りがします。
この葉巻は、平均室温18℃・湿度64%に維持した自家製ヒュミドール内にて、30日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する8時間前に、湿度47%のシリカゲル入り葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、干し草や麦わらの味がして、引き抵抗は僅かに重めですが、良好の範囲内と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約3分間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、僅かな爽やかさを伴う上質で濃厚な杉の木の味からスタートする。
直ぐに、土と革の味が追加される。
背景には、小麦粉の風味がある。
出だしの味は良好だ。
背景にある小麦粉の風味が、中盤以降にはパンの味に焼成されることと、それに関連する大麦麦芽やウイスキー・オーク樽の風味に発展することを願う。
燃焼挙動は良好で、多少の片燃え程度なら自動修正されるようだ。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、小麦粉の風味を伴う適量のペッパー(白黒混合の胡椒)があることを確認する。
着火後の引き抵抗(ドロー)は僅かに重めだが、ゆっくりと軽く吸うことで、たっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。
喫煙開始16分時点で、少量のナッツ(マカダミアナッツやカシューナッツ系)の味とレッドペッパー(赤唐辛子)の風味が追加される。
なかなか旨い。
だが私にとっては、喫煙開始20分時点でも小麦粉の粉っぽさを感じることから、純粋に”旨い!”という言葉が発せられない。
ストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)もミディアムと言ったところか。
副流煙の香りには、甘さ控えめの香ばしい香りがある。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から25分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。
灰は心地良い感触と共に、綺麗に折ることが出来る。
このレビュー記事には一々記載していないが、私は燃焼挙動の良い葉巻であっても、灰折直後には多少の片燃えに対する火入れ修正を行っていることが多い。
灰が伸びた状態で火入れ修正を行ってしまうと、灰が脆くなってしまうため、火入れ修正は灰折直後のみとするよう心掛けている。
どうしても灰が伸びた状態で火入れ修正をしたい場合には、ラッパーのみを軽く炙る程度に止めた方が良いだろう。
喫煙開始35分時点で、序盤に感じていた小麦粉の風味は弱まり、代わりにごく僅かだが大麦麦芽やウイスキー・オーク樽の風味へと変化する。
さらに背景には、リコリス(甘草)やミックス・スパイス(クローブ、ナツメグ、シナモン等)の風味があることを確認する。
この葉巻はミックス・スパイスの味があることから、過去に喫煙レビューした”ベントレー・ロブスト”や”ベントレー・ハーフコロナ”の味を思い出す。
旨い!
だが、全体的に甘さが控えめであることが、少しの懸念材料だ。
喫煙開始49分時点で、サブバンドロール(シガーリング)を剥がす。
サブバンドロールはコート紙ではないが、破れることなく綺麗に剥がすことが出来る。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から50分以降の終盤は、まず2回目の灰折とメインバンドロールを剥がすことから始める。
終盤の味は中盤の味を引き継ぐが、少しロースト感(焦げ感)を伴う味となる。
だが勿論のこと、嫌な苦みや鋭さは無い。
喫煙開始78分時点では、ウイスキー・オーク樽を焦がした味が主体となり、舌に少しに苦みを伴うようになるが、味の劣化は最小限に留まっている。
喫煙開始85分時点で、3回目の灰折を行う。
喫煙開始90分時点の、舌に感じる苦みが顕著になってきた時点で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”AVO シンクロ ニカラグア フォガッタ ロブスト/AVO Syncro Nicaragua Fogata Robusto”は、僅かな爽やかさを伴う上質で濃厚な杉の木とナッツと土と革の味に、小麦粉の風味を伴う適量のペッパー(白黒混合の胡椒と赤唐辛子)、背景に小麦粉とごく少量の大麦麦芽とウイスキー・オーク樽、さらにミックス・スパイス(リコリス、クローブ、ナツメグ、シナモン等)の風味が味わえる葉巻だと言える。
この葉巻は過去に喫煙レビューした”ベントレー・ロブスト”や”ベントレー・ハーフコロナ”を彷彿とさせる葉巻の味であり、”ベントレー・ハーフコロナ”を初めて喫煙した時には、その隠された風味(最終的にミックス・スパイスの風味と結論付けた)に魅了されたが、何本かリピート喫煙してきた今となっては特別な味では無くなってしまった。
今回喫煙したこの”AVO シンクロ ニカラグア フォガッタ ロブスト”も同様に、この味に特段、感動するということも無くなってしまった。
この味なら、1本2,000円で購入できる”ベントレー・ロブスト”で十分代用できるように思う。
また、この葉巻にはダビドフの葉巻で使用されているドミニカ共和国のヤマサ地区で栽培されたタバコ葉が使用されているが、使用されている割合が低いことも影響してか、その特徴を知ることは出来なかった。
ヤマサ地区タバコ葉の味が知りたければ、1本5,800円の”ダビドフ ヤマサ ロブスト/Davidoff Yamasa Robusto”を吸う他なさそうだ。
今回喫煙したこの葉巻の葉巻独自5段階評価は、ウイスキー・オーク樽の風味等、旨い葉巻にしか得られない味があったものの、”ベントレー・グリーン”葉巻シリーズに似た喫味であったことから、その評価と同様の4.0/5点とすることとした。
参考までに、この”AVO シンクロ ニカラグア フォガッタ/AVO Syncro Nicaragua Fogata”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて86ポイント~89ポイントという評価を得ており、この葉巻シリーズの”ロブスト”ビトラに於いては、87ポイントという評価を得ています。
喫煙時間
喫煙時間:92分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★★☆☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★☆☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
コーヒー(苦み含む) | ★☆☆☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★★☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★★☆ |
革 | ★★☆☆☆ |
土(素朴さ) | ★★☆☆☆ |
草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
ナッツ | ★★☆☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★☆☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★★☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★☆☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $11.60 (1ドル148円換算にて1,717円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €13.10 (1ユーロ160円換算にて2,096円)
- 日本国内価格 ¥2,600 (参考日本販売価格倍率1.36倍)
葉巻重量
- 購入時重量 13.48g
- 加湿・熟成後重量 13.28g (葉巻ヘッドカット後重量13.10g)
- ドライシング後重量 13.01g (葉巻ヘッドカット後)
- △減少重量 (△減少割合) △0.09g (△0.69%)
コメント
自分は個人的にAVOが前から気になっていましたが、どうしても見かける機会がなかったので羨ましいものです。
実際自分もkagayaさんの新宿店か有楽町店でいつも購入してるんですが、同じダビドフ傘下でもカマーチョとかだけじゃなくAVOも置いてほしいなぁと…
私がkagaya意外でたまに寄る店は、銀座菊水とル・コネスールですが、ごく稀にkagayaには置いていない葉巻を見つけることがあるため、1ヶ月に1回ぐらいは行くようにしています。
私が前々から吸ってみたいと思っている葉巻は、”アシュトン VSG ロブスト”ですが、なかなか再輸入されないみたいで残念です。