ドン・トーマス ブラジル ロブスト/Don Tomas Brazil Robusto
葉巻/シガー情報
| ブランド名 | ドン・トーマス |
| シリーズ名 | ブラジル |
| ビトラ | ロブスト (トロ) |
| 葉巻の長さ | 139.7mm (5.5インチ) |
| 葉巻の直径(リングゲージ) | 19.8mm (50) |
| ラッパー | ブラジル産 アラピラカ種 |
| バインダー | ホンジュラス産 |
| フィラー | ホンジュラス産(ジャマストラン) & ニカラグア産(オメテペ) &ドミニカ共和国(ピロト) |
| 生産国 | ホンジュラス製 |
| 価格 | 980円 (2023年7月現在) |
この”ドン・トーマス ブラジル ロブスト/Don Tomas Brazil Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、世界最大のタバコ会社である、”スカンジナビアン・タバコ・グループ/Scandinavian Tobacco Group”の子会社である、”ゼネラル・シガー・カンパニー”から、2023年に配給された、”ドン・トーマス ブラジル/Don Tomas Brazil”葉巻シリーズからの1本です。
この葉巻は、私が行きつけの葉巻販売店に、何の葉巻入荷告知もされず、しれっと陳列されていていた葉巻です。
この葉巻が配給され始めたのが、つい最近の2023年4月頃であり、”ゼネラル・シガー・カンパニー”のWEBサイトにも、まだ掲載されていない葉巻です。
以前、葉巻/シガー喫煙レビューした、”ドン・トーマス/Don Tomas”葉巻ブランドの基本シリーズである、”ドン・トーマス クラシコ ロブスト/Don Tomas Clasico Robusto”は、シンプルで上質な木質系の味でしたが、少々地味で素朴な印象があり、私のリピート購入リストからも、無意識のうちに除外されていました。
しかし、この葉巻は、ブラジル産アラピラカ種のラッパーを使用しているとのことで、最近喫煙レビューした、”クリストフ ハバノ コロナ/Kristoff Habano Corona”のような、深煎りローストされた香ばしいカカオ豆風味のダークチョコレート味が期待できるかも知れません。
フィラーには、ニカラグアの”オメテペ/Ometepe”で栽培されたタバコ葉や、ドミニカ共和国の”ピロト/Piloto”で栽培されたタバコ葉を使用するなど、かなり拘った作りとなっています。
近頃の私の傾向としては、”コネチカット シェード ラッパー”のような、日陰栽培された明るい色のラッパーよりも、陽射しを浴びて栽培された、”コネチカット ブロードリーフ”のような分厚いタバコ葉を、長期発酵・熟成して、マデューロ色(茶褐色)に仕上げたラッパーのほうが、自分の味覚に合っているような気がしています。
というのも、私が嫌いな、”揮発性成分”の味による鋭さが発生する葉巻の多くは、シェード ラッパー(日陰栽培)を使用した葉巻であるような気がしているからです。
実際には、タバコ葉の発酵・熟成不良が原因であると考えていますが、揮発性成分の味がすることが多い格安葉巻に、コネチカット シェード ラッパーが使用されていることが多いことも、理由の一つです。
今回は、ブラジル産アラピラカ種のマデューロ色をしたサングロウン ラッパーを使用した葉巻ですので、ちょっと一安心です。
それでは”ドン・トーマス ブラジル ロブスト/Don Tomas Brazil Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー

まずは外観から見ていきましょう。
ブラジル産アラピラカ種のラッパーで巻かれた”ドン・トーマス ブラジル ロブスト/Don Tomas Brazil Robusto”は、マデューロ色(茶褐色)をしていて、程よく美しい外観をしています。
葉巻表面には、サラッとしていて、僅かな艶がある仕上がりとなっています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は、緑色と黒色と金色を使用した作りとなっていて、ブラジルのイメージカラーの一つである緑色が際立っています。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりとした硬さがあり、十分な量のタバコ葉が使われているが分かります。
葉巻ボディからは、甘く香ばしい香りがします。
葉巻全体を手に持って確認すると、特に太い葉脈はありませんが、中程度の太さの葉脈は多数見受けられます。
この葉巻は、平均室温27℃の部屋に置かれた、湿度68%の自家製ヒュミドールにて、24日間の加湿・熟成を行っています。
喫煙前に、2時間ほど、ドライボックスに葉巻を入れて、ドライシングを行いました。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、ローストされた干し草の香りがして、引き抵抗は、重くも軽くもなく、良好と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から2cm程離して、炎で煽るようにゆっくり且つ、しっかりと炙り(2分間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したら、その後、パージ(葉巻を咥えて息を吹く)を行って、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、ローストした杉の木の味からスタート。
茶褐色の葉巻ボディから想像する程の、ロースト感はない。
煙は、ごく僅かにフルーツ由来の酸味を伴う。
土の味と軽い革の味が追加される。
喫煙開始8分時点で、灰が軽い衝撃で折れた。
灰はかなり軽くもろいようだ。
背景には、ごく僅かに甘みが存在するが、その甘みを敢えて具体的に例えるとすると、燻された蜂蜜の甘さと言ったところではあるが、酸味があるため、ドライフルーツの甘さにも感じ取れる。
ペッパーの量は適量であり、決して多くは無い。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

喫煙開始から20分以降の中盤は、2回目の灰折からスタートする。
中盤は、序盤よりも味が纏まり、ローストされた杉の木と土の味と、軽いドライフルーツ由来の酸味と甘さを楽しめる。
酸味はあるが、鋭くはない。
ストレングス(強さ)は、ミディアムであり、ペッパーも適量であることから、とても吸いやすい。
以前、喫煙レビューした、”ブリックハウス ロブスト”と同じ系統の味だが、こちらのほうがボディは強く、味がはっきりとしていて、鋭さも少ないように思う。
喫煙開始36分時点で、3回目の灰折とバンドロール(シガーリング)を剥がす。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から40分以降の終盤は、序盤・中盤の味から、少し酸味が目立ち始めてきた。
喫煙開始50分時点で、4回目の灰折を行う。
灰は軽くもろいので、こまめに折った方が良い。
喫煙開始55分時点でも、苦みや雑味は発生してこないが、ギリギリまで吸うことが出来たので、このあたりで喫煙を終了することとした。

葉巻テイスティング総評
総評として、この”ドン・トーマス ブラジル ロブスト/Don Tomas Brazil Robusto”は、ローストされた杉の木と土と革の味に、適度なペッパー、背景にドライフルーツ由来の酸味と、燻された蜂蜜やドライフルーツの甘さがする葉巻だと言える。
喫煙終了まで苦みが発生しないことは、特筆に値する。
しかし、酸味を伴う葉巻のため、酸味が苦手な方には向かないかも知れない。
私自身も、フルーツ由来の酸味であれ、酸味自体があまり好みではないということが分かってきた。
今まで草の味だと思っていたものも、とどのつまり、ある特定の酸味を草の味と認識していたようだ。
しかし、この葉巻は、リーズナブル系葉巻としては、良く出来た葉巻だと思う。
喫味もマイルドで、レトロヘイリングでの味も心地良い。
初心者の方にも苦みが無いという点で、おすすめ出来る葉巻だ。
喫煙時間
喫煙時間:59分
味覚フレーバーグラフ (追記レビュー時毎に更新)
| チョコレート(カカオ豆) | ★☆☆☆☆ |
| スィーツ(甘さ) | ★★☆☆☆ |
| クリーム(滑らかさ) | ★★☆☆☆ |
| コーヒー(苦み含む) | ★☆☆☆☆ |
| トースト(パン・小麦粉) | ★☆☆☆☆ |
| 木(杉・オーク等) | ★★★★☆ |
| 革 | ★★★☆☆ |
| 土(素朴さ) | ★★★☆☆ |
| 草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
| ナッツ | ★☆☆☆☆ |
| ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★☆☆ |
| フルーツ(酸味含む) | ★★★☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度 (追記レビュー時毎に更新)
おすすめ度:★★★☆☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 -
- ヨーロッパ圏内参考価格 €4.50 (1ユーロ160円換算にて720円)
- 日本国内価格 ¥980 (参考日本販売価格倍率1.36倍)
葉巻重量 (2025/5/3追記レビュー時のデータ)
- 自家製発酵器熟成後 14.07g (葉巻ヘッドカット後重量13.94g)
- 加湿・熟成後重量 13.70g
- ドライシング後重量 13.61g (葉巻ヘッドカット後)
- △減少重量 (△減少割合) △0.09g (△0.66%)
ギャラリー
追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2025/5/3
今回で2本目となる、”ドン・トーマス ブラジル ロブスト(自家製発酵器熟成)”を喫煙する。
今回喫煙する葉巻は、3週間自家製発酵器内で熟成させた後、平均室温24℃・湿度64%の自宅ヒュミドールにて7日間加湿・熟成させたものを吸う。
喫煙前に7時間ほど、湿度45%のシリカゲル入りドライシング・ボックス内で、”ドライ・ボクシング”を行う。
ドライシング前に13.70g(カット後)あった葉巻重量は、ドライシング後には13.61gになっており、全体の0.66%の適切な葉巻内包湿度が減少していることを確認し、喫煙を開始する。
着火はブタンガス詰め替え式ソフトフレームライターを使用して、約3分かけて着火する。
自宅リビングソファーにて、2008年に放送が開始されたアメリカのテレビドラマシリーズ”ブレイキング・バッド/Breaking Bad”に登場する弁護士ソウル・グッドマンを主役としたスピンオフ・ドラマとなる、”ベター・コール・ソウル/Better Call Saul”を見ながら喫煙する。
シーズン1の第10話まで見終わったが、やはり本家のブレイキング・バッドに見劣りしない内容のドラマであるという私の評価は変わらない。
そのうち、ブレイキング・バッドで”グスタボ・フリング”役を演じていた”ジャンカルロ・エスポジート”も登場するようなので、さらに面白くなりそうだ。
そんな話はさておき、早速、葉巻レビューに入りたいと思う。
序盤は、爽やかさを伴う濃厚な杉の木と土と革の味からスタートする。
背景には、リコリス(甘草)やクローブやナツメグ等のスパイスの風味がある。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、少し鼻腔を刺激する適量のペッパー(白黒混合の胡椒)があることを確認する。
悪くない喫味だが、序盤に感じた爽やかさは、次第に少しの酸味へと変化していく。
この喫味は、過去に何度も喫煙している”ホヤ・デ・ニカラグア レッド ロブスト”で少し喫味が悪いときの味に似ているように感じる。
要は、少しの酸味成分がそう思わせるようだ。
この葉巻は約2年前に1本喫煙したことがあるだけなので、その時の味をあまり覚えてもいないのだが、その時のレビューを見る限りでは、それほど味の印象は変わっていないようだ。
自家製発酵器熟成を行っても、ラッパーの色が濃いサングロウン・ラッパーを使用した葉巻ではあまり効果を感じないというのは、過去の施術例と同様と言えそうだ。
だが、喫煙時間90分という長い時間を、嫌な苦みや鋭さを感じることも無く喫煙できたのは、多少なりとも自家製発酵器熟成の効果があったからなのかも知れない。(※1本目は59分で喫煙を終了している)
今後も様々な葉巻で自家製発酵器熟成の効果を検証していきたいと思う。
今回の葉巻独自5段階評価は、1本目と同様の3.5/5点が妥当な葉巻だと判断した。
喫煙時間90分。


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