アルファンブラ エル ブルヒート F1 ロブスト/Alfambra El Brujito F1 Robusto
葉巻情報
ブランド名 | アルファンブラ |
シリーズ名 | エル ブルヒート |
ビトラ | F1 ロブスト |
葉巻の長さ | 130.2mm (5.125インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 20.6mm (52) |
ラッパー | エクアドル産 ハバノ (キューバンシード) |
バインダー | ニカラグア産 ハバノ H2000 (キューバンシード) |
フィラー | ニカラグア産 ハバノ、(&エクアドル産 ハバノ?) |
生産国 | ニカラグア製 |
価格 | 1,100円 (2023年3月現在) |
この”アルファンブラ エル ブルヒート F1 ロブスト/Alfambra El Brujito F1 Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
この葉巻は、私のメインターゲットとなる1,000円前後の葉巻を探しているときに、この”アルファンブラ”という葉巻メーカーの経営者に興味が沸いて購入したものです。
アルファンブラのオーナーであるスペイン人の”アレハンドロ・マタ・アルファンブラ”は、元は飲料(スピリッツ)の流通に専念していましたが、スピリッツ(ラム酒)の製造で世界的に有名なキューバへの旅行を重ねるうちに、キューバの特産品として世界的に有名な葉巻の魅力に引き込まれるようになります。
2007年に、アレハンドロは自らの葉巻ブランドを持ちたいと考え、ニカラグアのエステリ県に小さなチンチャル(小さな葉巻農家の意)をオープンし、2組のトルセドールを雇い、他のタバコ葉農園から購入したタバコ葉を用いて巻いた葉巻を販売していました。
しかし、外部から購入したタバコ葉で葉巻を作ることを継続するのが如何に難しいかということがすぐに分かり、自らニカラグアに2つの土地を購入して、タバコ葉農園を営むことになります。
タバコ葉農園を始めた当初は、自らの葉巻を巻いて販売することはなく、ビジネスに徹して、他の有名葉巻メーカーへタバコ葉を卸す仕事からスタートしました。
そして2015年には、ついに自身の名前と故郷アンダルシアのアルハンブラ宮殿の中世の名前である、”アルファンブラ”という名のブランド葉巻の生産を開始することになりました。
最初の葉巻シリーズは、”アルファンブラ クラシック シリーズ O”という、ミディアムフィラーを使用したオレンジ色のシガーリングが巻かれたものです。(現在はロングフィラーを使用しています)
その3年後、ロングフィラーを使用したプレミアムシガーである、この”アルファンブラ エル ブルヒート/Alfambra El Brujito”シリーズを販売することとなります。
このアルファンブラ葉巻の最大の特徴は、使用するタバコ葉の大部分は、自身が所有するタバコ葉農園で栽培したものであるということです。
推測するに、アレハンドロは今まで、他の有名葉巻メーカーにタバコ葉を卸すための農園を経営していた訳ですから、買い求める側も、例えばコロホ99やハバノ2000等の高級種子を使用したタバコ葉への需要が高かったのではないかと思います。
ということは、当初から農園では高級種子を使用したタバコ葉を栽培・加工していたに違いありません。
この”アルファンブラ エル ブルヒート/Alfambra El Brujito”シリーズ葉巻は、自社農園で栽培・加工された高級種子タバコ葉をふんだんに使用した葉巻となっています。
そのため、高級種子タバコ葉を使用しているにも関わらず、中間マージンがカットされているため、無敵の価格にて販売することが出来る訳です。
ニカラグアはその気候や地質学的な条件が、キューバと酷似しているらしく、それはドミニカ共和国やホンジュラスなどの他の近隣諸国に比べても、一番似ているのがニカラグアなのだそうです。
すなわち、キューバンシードを育てるのに適しているキューバ以外の土地としては、ニカラグアが最適なのだそうです。
ニカラグアで栽培されたキューバンシードを多用したこの、”アルファンブラ エル ブルヒート/Alfambra El Brujito”シリーズ葉巻がどの程度キューバンシガーに近づけるのか、とても興味があり、購入してみました。
まだ、日本はもちろんのこと、世界的にも名が知れ渡っていないこの”アルファンブラ”の葉巻ですが、非常に試飲が楽しみです。
それでは葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産ハバノ種で巻かれたラッパーを持つ”アルファンブラ エル ブルヒート F1 ロブスト”は、美しいコロラド色(赤茶色)をしており、葉巻表面はやや油っぽく、黒光りをした仕上がりとなっています。
この”アルファンブラ エル ブルヒート F1 ロブスト”は全てハバノ種(キューバンシード)が使われており、さしずめ、”ニカラグアで作られたキューバンシガー”といったところです。
”アルファンブラ”オーナーのアレハンドロも、キューバの葉巻に惹かれてこの世界に入った訳ですから、それも頷けます。
この葉巻の名前である”エル ブルヒート”とは、魔女を意味するスペイン語であり、ニカラグアのエステリ県にある有名な洞窟壁画にちなんで名づけられました。
葉巻に巻かれているバンドロールの絵はその洞窟壁画をモチーフにしているのか、少々変わった風合いの絵が描かれています。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりとした硬さがあり、十分な量のタバコ葉が使われていることが分かります。
この葉巻は、湿度70%に維持した自家製ヒュミドール内にて、5日間の加湿・熟成を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、干し草系ミントハーブの香りがします。
今回は、ブタンガスのソフトフレームライター(100円ライター)を使って、葉巻フット(火を点ける側)を炎で煽るようにゆっくり且つしっかりと炙り、その後、パージ(葉巻を咥えて息を吹く)を行ってガス抜きをしてから、喫煙を開始します。
序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、軽くローストした木、草、革の風味と、ペッパー(胡椒)の味からスタート。
最初から僅かな甘みを、背景に感じ取れる。
この僅かな甘みは、糖蜜やハチミツのような味。
さらにコーヒーの風味も感じ取れるようになる。
喫煙開始から7分で、しっかりしたクリームのような甘みを認識できるようになる。
同時にペッパー(胡椒)の効きも良くなってきた。
この味はニカラグア産の葉巻の味というよりも、ドミニカ共和国産葉巻の味に近いような気がする。
しかし、ドミニカ共和国産葉巻やニカラグア産葉巻ではあまり感じ取ることがない”草”の味があることから、もしかするとこれがキューバンシードのタバコ葉の味なのかも知れないと思った。
序盤で十分に旨いと感じる。
しかし、私があまり好きではない?”草”の味が加わっていることで、評価は今後私がその味をどう捉えるかによると思う。
中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から22分以降からの中盤は、ペッパー(胡椒)のスパイス感と、軽くローストした甘い土・草・革の味が融合し、バランスの取れた風味を味わえる。
喫煙開始30分の時点で、葉巻を軽く指で叩いて第1回目の灰折を行う。
灰は軽そうだが、喫煙開始から30分しても自然に折れそうになかったことから、なかなかしっかりとしていると思う。
葉巻から出る副流煙は少し多めなのは、タバコ葉の巻き量は十分だし、巻きもしっかりしているが、十分過ぎるタバコ葉量ではないからかも知れないし、ラッパー表面の油っぽさが影響しているのかも知れない。
ボディはミディアム-フルといったところか。
次第にまたローストした木の風味も感じだすが、なんといっても土と草の味が優勢である。
味はドミニカ共和国産葉巻に近いと思うが、土と草の味が優勢のため、この葉巻はキューバ産葉巻(ハバノス)の味に近いのではないか?と感じた。(キューバ産葉巻は吸ったことがないし、今のところ吸う気すらない。)
終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始45分時点でバンドロールを剥がしてからの終盤は、甘みは減少してきたが、まだまだ背景には残っている状態。
僅かな苦みを舌に感じたので、火を使わない葉巻ヘッドから息を吹き戻すだけのパージ(火を使うガス抜きではない)を行ったら灰が落下した。
パージをすることで、舌に感じた僅かな苦みは一時的に消えた。
甘みが次第に減少していくことで、僅かに感じだしたほろ苦さが、ローストしたコーヒーのニュアンスを感じさせるようになる。
喫煙開始60分からの最後の最後は、特定の原因がある訳ではないが、全体的に風味が劣化してきたように感じた。
序盤・中盤と同じような良い風味が得られないと感じたこの時点で、葉巻を灰皿に置き、喫煙終了とした。
総評
総評としては、この”アルファンブラ エル ブルヒート F1 ロブスト”は、軽くローストした土・草・木・革・コーヒー、甘い土と草、しっかりとしたペッパー(胡椒)、糖蜜やハチミツような甘さを味わえる、コストパフォーマンスに優れた葉巻だと言える。
ただし、甘みが減少しだしてからの終盤は、序盤・中盤と同じような旨さを感じることが出来なかったことだけは残念に思う。
終盤の最後は、フィリピン産の”タバカレラ”の味に似ていたような気がする。(タバカレラの葉巻が好きな方には、申し訳ない・・・)
総じて良い葉巻だと断言出来るが、ナッツと革の味が主体であるドミニカ共和国産の”ラ・オーロラ”のほうが私好みの味なのかも知れない。
追記事項・着火方法に関して
ここ最近、葉巻/シガーの着火方法について、様々なテストを行ってました。
それは着火方法によって、喫煙序盤から少し気になる僅かな”苦み”が発生しているのではないかという疑問があったからです。
喫煙終盤に苦さが顕著になることは、葉巻自体の問題からよくあることだと思いますが、序盤からほろ苦くなるという理由が分からなかったのです。
私はその理由が着火方法にあると考えて、幾つかの着火方法をテストしてきました。
- ブタンガストーチライター(ターボライター)を使用して、葉巻フット面に対して垂直に炎を至近距離で当てて点火する(※着火時間が短くて済む) → 葉巻によっては序盤から強い苦みを生じるものがあった
- ブタンガストーチライター(ターボライター)を使用して、葉巻フット面に対して垂直に炎を遠い距離(炎先端から1cm以上離す)で当てて点火する(※着火時間が多少長くなる) → 葉巻によっては序盤から苦みを生じるものがあった
- ブタンガストーチライター(ターボライター)を使用して、葉巻フット面に対して垂直に炎を至近距離で当てて面全体に火を入れて、すぐさま葉巻を咥えて吸いながらの点火(葉巻フットからは炎が出る)を行う(※着火時間が最短で済む) → 葉巻によっては序盤から強い苦みを生じるものがあった
- ブタンガストーチライター(ターボライター)を使用して、葉巻フット面に対して垂直に炎を遠い距離(炎先端から1cm以上離す)で当てて黒く焦がすだけにして(短時間)、すぐさま葉巻を咥えて吸いながらの点火(炎は葉巻フットから1cm程離しますが、葉巻フットからは炎が出る)を行う(※着火時間が少し短くて済む) → 葉巻によっては序盤から苦みを生じるものがあったし、片燃えする可能性が高い
- ブタンガスソフトフレームライター(通常の100円ライター)を使用して、葉巻フット面に対して45度の角度で炎を煽るように遠火で当てて点火し、葉巻フット面に息を吹きかけて点火状況を確認しながら点火作業を繰り返し、着火したら葉巻を咥えて息を吹き戻すパージを行ってから喫煙を開始する(※着火時間が驚くほど長く掛かる)
この5パターンのテストを行ってきました。
結果、今回の葉巻レビューで行った5番目のテスト方法では、序盤から全く苦さを感じることはありませんでした。
ただし、葉巻によっては着火方法など全く気にすることなく、苦みも全く出ないものがあるように思いますので、これは最終結論ではありませんが、暫定的に今回の着火方法で様子を見ていこうと思っています。
着火は兎に角、炎が葉巻フット面に触れるか触れないかの距離で点火作業を行い、葉巻ボディ内に出来る限り熱を入れないように注意して、時間が掛かっても気にせず点火作業に集中し、その後パージを行って、苦みの元となるガスを最初から抜いてしまうという考えでの着火方法です。
この件はまた後日に、ご報告させていただきます。
喫煙時間
喫煙時間:60分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート | ★★☆☆☆ |
スィーツ | ★★★☆☆ |
クリーム | ★★★★☆ |
コーヒー | ★★★★☆ |
トースト | ★★★☆☆ |
木 | ★★★☆☆ |
革 | ★★★☆☆ |
土 | ★★★★☆ |
草 | ★★★★☆ |
ナッツ | ★★☆☆☆ |
ペッパー | ★★★★☆ |
フルーツ | ★☆☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★☆☆
ギャラリー
追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2023/6/25
自宅ヒュミドールにて21日間加湿・熟成したものを吸う。
ヒュミドールは、平均室温28℃・湿度69%の設定。
今回で2本目となる、”アルファンブラ エル ブルヒート F1 ロブスト”を喫煙する。
着火は、詰め替え式ソフトフレームライターを使用して、2分10秒程かけて着火する。
スラッシャー/ホラー映画の、”スクリーム6/Scream VI”を見ながら、リビングで喫煙する。
引き抵抗(ドロー)が軽めで、煙の量も多く、とても吸い心地が良い。
映画に集中するため、葉巻のことは何も考えずに吸うことにしているが、草の味と、ほのかな糖蜜の甘さと、たっぷりのペッパー(白胡椒)だけは、はっきりと感じた。
喫味も、マイルド~ミディアムで、気軽に吸える。
私は葉巻の、”草の味”が少々苦手だが、案外悪くはない。
なぜ苦手なのかと、自己分析してみると、おそらく、今の私には、草の味を、”ハーブの味”や、”草原の香り”に、関連付けられないからではないかと考えている。
私にとって草の味とは、幼い頃に経験した、”裏の空き地の雑草が生い茂る、草むらの匂い”でしかないからかも知れない。(^^;)
葉巻が不味く感じるときは、とどのつまり、自分のせいであることが殆どのようだ。
格安葉巻も、自宅のヒュミドールで3年ほど熟成させれば、きっと旨くなるに違いないであろうし、着火の方法が間違っていたり、味覚・嗅覚のトレーニング不足からくる未熟さが原因であったり、葉巻の味に関する知識が不足していたりすることが、主な理由なのだと思っている。
今回の葉巻は、草の味がメインだと感じたが、案外悪くないと思ったのは、良い傾向であると考えている。
しかし、やっぱり、革の味の方が好きかも知れない…。(^^;)
喫煙時間:約52分
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