アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak

4.0
アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1 フリーク/Freak
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アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak

葉巻/シガー情報

ブランド名 アレック・ブラッドリー
シリーズ名 マックス
ビトラ フリーク
葉巻の長さ 161.9mm (6.375インチ)
葉巻の直径(リングゲージ) 23.8mm (60)
ラッパー ニカラグア産
バインダー コスタリカ産
フィラー ホンジュラス産 & ニカラグア産 & コロンビア産 & メキシコ産
生産国 ホンジュラス製
価格 1,950円 (2025年5月現在)

この”アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak”の葉巻/シガー喫煙レビュー

今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、アメリカ合衆国フロリダ州ハリウッドに拠点を置く、1996年に設立された垂直統合型ではない葉巻メーカーの”アレック・ブラッドリー/Alec Bradley”からの1本である、”アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak”です。

私が行きつけの葉巻販売店にアレック・ブラッドリー”の葉巻が入荷し、既に葉巻レビュー済みの”プレンサド/Prensado”、”ゲートキーパー/Gatekeeper”、”ブラックマーケット/Black Market”、そして今回喫煙レビューする”マックス/Maxx”の、入荷した計4種類全ての葉巻を購入したことになります。

元々、今回喫煙する”マックス”を購入する予定は無かったのですが、折角ですので、購入してしまいました。(^.^)

しかも、このレビュー記事の下書きを行っている段階では”アレック・ブラッドリー”の葉巻をまだ1本も吸っておらず、この葉巻ブランドが旨いかどうかも分からず、4種類全ての葉巻シリーズを購入してしまったため、もしかするとこの葉巻の喫煙レビュー時には後悔している可能性もあります。(^^;)

そんな可能性があるにも関わらず、4種類全ての葉巻シリーズを購入したのは、アレック・ブラッドリーの葉巻は葉巻製造協力業者が多岐に渡ることから”味に一貫性が無い”という事前情報が、逆に私にとって良い方向に働きかけ、1本の葉巻が不味くても、もう1本の葉巻は旨い可能性があると考えたからです。

私が好きな”A.J. フェルナンデス”や”ラ・ガレラ”等の垂直統合型の葉巻メーカーの葉巻は、自社農園で栽培されたタバコ葉を主体に巻かれていることで味にも一貫性があり、1つの葉巻シリーズが気に入れば他の葉巻シリーズも気に入る可能性があり、顧客の購買意欲を増幅させることが出来ますが、逆にアレック・ブラッドリーは広い客層にアピールして、どれか1つの葉巻シリーズでも気に入ってもらえれば良いというマーケティング手法なのかも知れません。

まぁ、この下書き時点では、まだ1本もアレック・ブラッドリーの葉巻を吸っていないため、なんとも言えませんが…。(^^;)

この”アレック・ブラッドリー マックス フリーク”の特徴は、ニカラグア産、ホンジュラス産、コロンビア産、そしてメキシコ産の計4か国で栽培されたフィラーが使用されており、コスタリカ産のバインダーを含めると5か国のタバコ葉を使用して巻かれた葉巻であるということです。

そのためか、計6種類販売されているビトラの多くが太いリングゲージの葉巻となっており、おそらく多くの産地のタバコ葉を詰め込もうとした結果なのでしょう。

見た目の印象としては、太短い”オリバ ナブ/Oliva Nub”を2本つなぎ合わせたような大きさとなっています。

最後まで普通に喫煙出来れば、2時間以上は間違いなく吸える葉巻であるため、ニコチンが強くないことを祈るとしましょう。(^^;)

ちなみに、アレック・ブラッドリーは、垂直統合型の葉巻メーカーではないため、自社農園や自社工場も持っていない、社員数30人程度の会社のようですが、創業者であり社長の”アラン・ルービン”の類い稀なるビジネス・センスにより、次々とヒット商品を生み出している葉巻メーカーです。

参考までに、”アレック・ブラッドリー”は、”アラン・ルービン/Alan Rubin”により設立された葉巻メーカーですが、名前の由来は自身の2人息子となる”アレック・ルービン”と”ブラッドリー・ルービン”の名にちなんで命名されました。

アレック・ブラッドリーの最初の葉巻となる”ボギーズ・ストギーズ/Bogey’s Stogies”は、ゴルファー用に作られた葉巻ですが、葉巻不況時代と言われる1997年~1999年に販売したことなどの理由からビジネスとして失敗し、600万ドルの負債を抱えてしまいます。

財政破綻から抜け出す方法を模索している中、葉巻の専門家であり”モンテロ・シガーズ/Montero Cigars”の創設者でもある”ラルフ・モンテロ/Ralph Montero”と出会ったことから、2人は手を組み、ラルフの人脈であるダビドフの”ヘンケ・ケルナー/Henke Kelner”と引き合わせてもらうことで、成功への道筋が見え始めます。

ヘンケ・ケルナーの協力を経て作られた”オクシデンタル・リザーブ/Occidental Reserve”はマイルドボディの低価格帯葉巻であり、タバコ専門店に自社の葉巻を置いてもらえるよう営業を仕掛けることで、ある程度の顧客を獲得することに成功しています。

2007年には、初めてのフルボディ葉巻となる”テンパス/Tempus”葉巻シリーズを販売し、今までで最大の成功を収めます。

2011年に販売された、今回喫煙レビューする葉巻の”アレック・ブラッドリー プレンサド チャーチル/Alec Bradley Prensado Churchill”は、2011年のシガーアフィショナードでシガー・オブ・ザ・イヤー(96ポイント第1位)に輝き、現在の葉巻業界に於ける地位を獲得しています。

また、2023年にアラン・ルービンは、世界最大のタバコ会社である”スカンジナビアン・タバコ・グループ/Scandinavian Tobacco Group (STG)”に、7,250万ドル(100億円以上!?)で会社を売却することに成功(?)しています。

それでは、”アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。

葉巻外観・コールドドロー

アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1

まずは外観から見ていきましょう。

ニカラグア産のラッパーで巻かれた、”アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak”は、マデューロ色(褐色)をしていて、葉巻表面は艶の少ないマットな仕上がりですが、素朴な美しさがあります。

葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)には、葉巻ブランド名である”ALEC BRADLEY”の文字と、葉巻シリーズ名の”PRENSADO”の文字が書かれた大きなものが1枚巻かれています。

葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれてはいますが、葉巻表層部には僅かな弾力性を備えています。

葉巻ボディからは、牛舎系の良い香りがします。

この葉巻は、平均室温24℃・湿度64%に維持した自家製ヒュミドール内にて、44日間の加湿・熟成を行っています。

葉巻喫煙を開始する9時間前に、湿度47%のシリカゲル入り葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。

シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、刺激の無いローストした麦わらの味がして、引き抵抗は多少重めですが、良好の範囲内と言えます。

今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約5分20秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。

葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤ファーストサード

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。

序盤は、酸味に近い爽やかさを伴うロースト感のある杉の木の味からスタートする。

直ぐに、少量の土と革の味が追加される。

出だしの味は、”セリー V メラニオ”葉巻シリーズ系の喫味と言って良いだろう。

とてもシンプルな味だが、逆に好感が持てるし、長い時間の喫煙を阻害する要素もなさそうだ。

葉巻がとても大きく、且つ、全体的に硬く巻かれていることから、引き抵抗(ドロー)はかなり重く感じるが、ゆっくりと数回スパスパと吸い込むことで、しっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。

レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、ごく僅かな苦みを伴う適量のペッパー(白胡椒?)があることを確認する。

燃焼挙動は比較的良好と言えそうだが、葉巻がかなり太いため、ある程度の片燃えに対する火入れ修正は必要となるだろう。

副流煙の香りには、素朴な土の香りが含まれている。

喫煙開始20分以降からは、主体であった酸味に近い爽やかさを伴う杉の木の味が、素朴な土を主体とした味に入れ替わる。

これは意外と大きな味の移り変わりだ。

味の系統としては、過去に喫煙レビューした”プラセンシア コセチャ 151 ラ・ムジカ”や”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト”に近い味となる。

実に面白い。

葉巻がとても大きいことで多種多様なタバコ葉を詰め込むことが出来るため、味の変化を演出しやすいのかも知れない。

喫煙開始33分時点で、1回目の灰折を行う。

灰は軽い感触と共に、サクッと折れる。

ストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)もミディアムと言ったところであり、長い喫煙時間が予想されるこの葉巻に適したものとなっている。

アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤の終わり頃ファーストサード

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤セカンドサード

喫煙開始から40分以降の中盤は、序盤後半の味を引き継ぎ、スパイシーな爽やかさを含む素朴な土を主体とした味に、僅かなカカオ豆の味が追加される。

喫煙開始71分時点で、2回目の灰折を行う。

喫煙開始78分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。

この葉巻の特徴は、シンプルな味で吸い進めることが出来るところにあり、濃厚さの元となるクローブやナツメグ等のスパイスの風味があまり感じられないことから、長時間の喫煙でも嫌みなく吸い進めることが出来そうだ。

アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤の終わり頃セカンドサード

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終盤ファイナルサード

喫煙開始から80分以降の終盤は、中盤の味を引き継ぎ、スパイシーな爽やかさを含む素朴な土を主体とした味に、背景にある僅かなカカオ豆の風味で吸い進む。

喫煙開始133分時点で、煙に少しの苦み成分が加わり始めるが、それほど嫌みな苦みではない。

喫煙開始142分時点では、この僅かな苦みの原因が火力の低下であるのではないかと考え、4回目の灰折を行ってから、約2分かけてしっかりと再火入れを行う。

再火入れの効果は多少あったものの、完全に苦みを消し去ることが出来なかったことから、この辺で喫煙を終了することとした。

アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終了後ファイナルアッシュ

葉巻テイスティング総評

総評として、この”アレック・ブラッドリー マックス フリーク/Alec Bradley MAXX Freak”は、酸味に近い爽やかさを伴うロースト感のある杉の木と少量の土と革の味でスタートするが、中盤以降からはスパイシーで素朴な土の味を主体とした味に変貌する、全体的にシンプルな喫味だが長時間(2時間30分)の喫煙でも嫌みなく吸い進めることが出来る葉巻だと言える。

私が今まで喫煙してきた葉巻の中では最も大きな葉巻となるため、最後まで喫煙できるか少し不安だったが、ミディアムボディのシンプルな喫味の葉巻であったことに救われた。

喫煙時間が2時間を超えてからは、少しの苦みを感じることになるが、これだけ大きな葉巻であればそれも致し方ないことだ思う。

だが、この葉巻をリピート購入するかと問われれば、もう吸うことは無いと答えるだろう。

その理由は味の問題ではなく、大きさ(喫煙時間の長さ)の問題だ。

この葉巻と同じ時間の喫煙をしたければ、ロブストビトラを2本続けて吸えば良いだけのことだ。

そのほうが、味だって良いだろう。

葉巻は必要以上に大きくしても喫煙時間が延びるだけで、味には何のメリットもないと私は考える。

アレック・ブラッドリーが何故この葉巻を作ったのか、正確なことは分からないが、きっとフィラーに4ヵ国のタバコ葉をしっかりと詰め込むためには、太いリングゲージにする必要があったからなのだろう。

多くの種類のタバコ葉を寄せ集めて葉巻を作ったとしても、複雑な味になるどころか、結局はどれか1つのタバコ葉の味に集約されると私は考えている。

だからこそ、キューバ産葉巻やニカラグアン・ピューロ(ニカラグア産タバコ葉のみで巻いた葉巻)等がもてはやされるのだと思っている。

今回の喫煙で、今現在日本で販売されている4種類のアレック・ブラッドリーの葉巻全てを吸い終えることになったが、優劣を付けると、1位:アレック・ブラッドリー プレンサド チャーチル、2位:アレック・ブラッドリー ゲートキーパー ロブスト、3位:アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト、4位:アレック・ブラッドリー マックス フリークと言ったところか。

”プレンサド チャーチル”は是非もう1本吸ってみたいし、”ゲートキーパー ロブスト”は”自家製発酵器熟成”で序盤の味を変えることが出来そうなので、こちらもリピート購入してみたいと思っている。

割安の価格で購入できるのは、今回の輸入仕入れ品に限ってのことだと私は思っているので、アレック・ブラッドリーの葉巻に興味のある諸氏は、是非、在庫がある今のうちに購入しておくことをお勧めする。

今回の葉巻の葉巻独自5段階評価は、4.0/5点という評価が妥当であると判断した。

参考までに、この”アレック・ブラッドリー マックス/Alec Bradley MAXX”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、86ポイント~91ポイントという高評価を得ており、この葉巻シリーズの”フリーク”ビトラは、88ポイント~90ポイントという高評価を得ています。

喫煙時間

喫煙時間:150分

味覚フレーバーグラフ

チョコレート(カカオ豆) ★★☆☆☆
スィーツ(甘さ) ★★☆☆☆
クリーム(滑らかさ) ★★☆☆☆
コーヒー(苦み含む) ★★☆☆☆
トースト(パン・穀物) ★☆☆☆☆
木(杉・オーク等) ★★★★☆
★★★☆☆
土(素朴さ) ★★★★☆
草(わら・ハーブ含む) ★☆☆☆☆
ナッツ ★☆☆☆☆
ペッパー(胡椒・唐辛子) ★★★☆☆
フルーツ(酸味含む) ★★☆☆☆

葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度

おすすめ度:★★★☆☆

世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)

  • アメリカ国内参考価格 $10.79 (1ドル148円換算にて1,597円)
  • ヨーロッパ圏内参考価格 €9.20 (1ユーロ160円換算にて1,472円)
  • 日本国内価格 ¥1,950 (参考日本販売価格倍率1.27倍)

葉巻重量

  • 購入時重量 28.19g
  • 加湿・熟成後重量 28.11g (葉巻ヘッドカット後重量27.96g)
  • ドライシング後重量 27.83g (葉巻ヘッドカット後)
  • △減少重量 (△減少割合) △0.13g (△0.46%)

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