アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto

4.0
アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1 ロブスト/Robusto
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アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto

葉巻/シガー情報

ブランド名 アレック・ブラッドリー
シリーズ名 ブラックマーケット
ビトラ ロブスト
葉巻の長さ 133.4mm (5.25インチ)
葉巻の直径(リングゲージ) 20.6mm (52)
ラッパー ニカラグア産 ハラパ地区 (マデューロ?)
バインダー エクアドル産 スマトラ種
フィラー ホンジュラス産 ジャマストラン地区 & パナマ産
生産国 ホンジュラス製
価格 1,500円 (2025年4月現在)

この”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー

今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、アメリカ合衆国フロリダ州ハリウッドに拠点を置く、1996年に設立された垂直統合型ではない葉巻メーカーの”アレック・ブラッドリー/Alec Bradley”からの1本である、”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto”です。

前々回喫煙した”アレック・ブラッドリー プレンサド チャーチル”は、ホンジュラスの”ライセス・クバーナス/Fábrica de Tabacos Raíces Cubanas”で製造されたものであり、前回喫煙した”アレック・ブラッドリー ゲートキーパー ロブスト”は、ドミニカ共和国の”エルネスト・ペレス・カリージョ/Ernesto Perez Carrillo”が所有する”タバカレラ・ラ・アリアンサ/Tabacalera La Alianza”で製造が開始されましたが、喫煙した葉巻コピーは2021年7月以降からのホンジュラスにあるプラセンシアの”タバコス・デ・オリエンテ・ダンリ S.A./Tabacos de Oriente Danli S.A.”工場で製造されたもの、そして今回喫煙する”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト”は、当初からプラセンシアの”タバコス・デ・オリエンテ・ダンリ S.A./Tabacos de Oriente Danli S.A.”工場で製造されたものとなります。

少々混乱しますが、”アレック・ブラッドリー”の葉巻は、誰の協力の下、何処の工場で製造されたかによって味が大きく変わる可能性があることから、事前知識は必要不可欠だと思っています。

今回喫煙レビューする”ブラックマーケット”葉巻シリーズの特徴は、パナマ産のタバコ葉のユニークな香りを活かしたブレンドであることと、プライミング時期の遅い茎上部のリジェロ葉とヴィソ葉のみが使用された葉巻であるということのようです。

パナマ産タバコ葉の味は、過去に喫煙レビューした”ベントレー・ロブスト”や”ベントレー・ハーフコロナ”で既に実証済みであり、スパイスやハーブの素晴らしい風味が味わえることは分かっています。

さらに、ニコチン量は多くなりますが、風味が強いリジェロ葉とヴィソ葉しか使用していないことから、素晴らしい味をもたらしてくれることが予想されます。

今回購入したアレック・ブラッドリーの3種の葉巻の中では、一番安価な1,500円の葉巻なりますが、とても楽しめそうな葉巻となりそうです!

参考までに、”アレック・ブラッドリー”は、”アラン・ルービン/Alan Rubin”により設立された葉巻メーカーですが、名前の由来は自身の2人息子となる”アレック・ルービン”と”ブラッドリー・ルービン”の名にちなんで命名されました。

アレック・ブラッドリーの最初の葉巻となる”ボギーズ・ストギーズ/Bogey’s Stogies”は、ゴルファー用に作られた葉巻ですが、葉巻不況時代と言われる1997年~1999年に販売したことなどの理由からビジネスとして失敗し、600万ドルの負債を抱えてしまいます。

財政破綻から抜け出す方法を模索している中、葉巻の専門家であり”モンテロ・シガーズ/Montero Cigars”の創設者でもある”ラルフ・モンテロ/Ralph Montero”と出会ったことから、2人は手を組み、ラルフの人脈であるダビドフの”ヘンケ・ケルナー/Henke Kelner”と引き合わせてもらうことで、成功への道筋が見え始めます。

ヘンケ・ケルナーの協力を経て作られた”オクシデンタル・リザーブ/Occidental Reserve”はマイルドボディの低価格帯葉巻であり、タバコ専門店に自社の葉巻を置いてもらえるよう営業を仕掛けることで、ある程度の顧客を獲得することに成功しています。

2007年には、初めてのフルボディ葉巻となる”テンパス/Tempus”葉巻シリーズを販売し、今までで最大の成功を収めます。

2011年に販売された、今回喫煙レビューする葉巻の”アレック・ブラッドリー プレンサド チャーチル/Alec Bradley Prensado Churchill”は、2011年のシガーアフィショナードでシガー・オブ・ザ・イヤー(96ポイント第1位)に輝き、現在の葉巻業界に於ける地位を獲得しています。

また、2023年にアラン・ルービンは、世界最大のタバコ会社である”スカンジナビアン・タバコ・グループ/Scandinavian Tobacco Group (STG)”に、7,250万ドル(100億円以上!?)で会社を売却することに成功(?)しています。

それでは、”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。

葉巻外観・コールドドロー

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まずは外観から見ていきましょう。

ニカラグア産のラッパーで巻かれた、”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto”は、マデューロ(褐色)をしていて、葉巻表面には少しの斑があり、艶は全体的に少なめですが油っぽく、素朴感のある美しい仕上がりです。

葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は、シンプルなアイボリー色と黒色のツートン・カラーで仕上げられていますが、通常のバンドロールの上には、葉巻の半分以上の大きさの巨大なシガーリングが巻かれいます。

葉巻を指で摘まんでみると、かなりしっかりと巻かれてはおり、葉巻表層部にはごく僅かな弾力性もありません。

葉巻ボディからは、牛舎系というよりも”カビ臭”のような香りがあり、この香りは過去に喫煙した”プラセンシア コセチャ 151 ラ・ムジカ”と酷似しているように思います。

この葉巻は、平均室温22℃・湿度65%に維持した自家製ヒュミドール内にて、45日間の加湿・熟成を行っています。

葉巻喫煙を開始する9時間半前に、湿度46%のシリカゲル入り葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。

シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、少しのカビ臭を含む燻した干し草の味がして、引き抵抗は少し重めですが、良好の範囲内と言えます。

今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約4分間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。

葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤ファーストサード

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。

序盤は、少しの爽やかさを伴う杉の木と革と素朴な土の味からスタートする。

カビ臭にも感じられる素朴な土の味は、私にとって実に心地良い。

この喫味は過去に喫煙レビューした”プラセンシア コセチャ 151 ラ・ムジカ”を彷彿とさせる。

コセチャ 151”葉巻シリーズは、ホンジュラスのタバコ葉だけを使用して巻かれたホンデュラン・ピューロだが、この葉巻はエクアドル、ニカラグア、パナマ、そしてホンジュラスの計4ヵ国のタバコ葉が使用されており、葉巻構成内容も大きく異なっている筈なのだが、プラセンシアで栽培・発酵されたタバコ葉をメインに使用しているという共通点がこの似通った味を作り出しているのだろう。

レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、少し鼻腔を刺激する適量のペッパー(白胡椒?)があることを確認する。

ストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)もミディアムと言ったところだろう。

リジェロ葉とヴィソ葉のみを使用しているという割には、強さを感じる葉巻ではない。

着火後の引き抵抗(ドロー)は重めだが、ゆっくりと煙を吸うことでしっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。

副流煙の香りは、甘さの無い香ばしい香りがする。

燃焼挙動は悪くないが、僅かな片燃えを抱えながら燃え進むため、灰折時のみの火入れ修正は必要となるだろう。

アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤の終わり頃ファーストサード

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤セカンドサード

喫煙開始から30分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。

灰は心地良い感触と共に、綺麗に折ることが出来る。

中盤の味は序盤の味を引き継ぐが、少量のカカオ豆の味とクローブやナツメグ等のスパイスの風味が追加され、ニカラグア産葉巻のような喫味へと移り替わる。

旨い!

この葉巻は、パナマ産タバコ葉のユニークな香りを楽しんでもらうことを目的として開発されたようだが、今のところ、どれがその香りなのかは認識することが出来ない。

パナマ産タバコ葉のユニークな香りと言えば、過去に喫煙レビューした”ベントレー・グリーン”葉巻シリーズで感じた特別な”ハーブ&スパイス”の香りだ。

それと同様ならば、この中盤に感じ始めたクローブやナツメグ等のスパイスの風味がそれに該当するのかも知れない。

だが、その香りよりも、カビ臭にも感じ取れる、何処か古めかしい旅館に宿泊しているときに感じるような素朴な土とカカオ豆が複合されたこの味こそが、この葉巻の中核を成す味だと言って良い。

プラセンシア製葉巻は、今まであまり好みの味とは言えなかったが、”コセチャ 151”やこの”ブラックマーケット”の2種から得られる特徴的な味は、私の嗜好性に合っていると言えそうだ。

アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤の終わり頃セカンドサード

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終盤ファイナルサード

喫煙開始から60分以降の終盤は、まず2回目の灰折を行うことから始める。

終盤の味は中盤の味を引き継ぐが、僅かにロースト感が増し、ローストされたカカオ豆と土の味を主体に吸い進む。

喫煙開始65分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。

喫煙開始70分時点では、素朴な土の味も弱まり、僅かな苦みも感じ始める。

喫煙開始75分時点で、少し早いが3回目の灰折と火力を強めるための追加火入れを行う。

これは、火力が弱くなると無理に煙を吸い込もうとして苦みが発生しやすくなるため、それを回避するための行為だ。

一旦は苦みを抑えることに成功するものの、喫煙開始85分時点でまた苦みが発生してきたため、この辺で喫煙を終了することとした。

アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終了後ファイナルアッシュ

葉巻テイスティング総評

総評として、この”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto”は、少しの爽やかさを伴う素朴な土とカカオ豆と杉の木と革の味に、鼻腔を少し刺激する適量のペッパー(白胡椒)、背景にクローブやナツメグ等のスパイスの風味とカカオ豆の甘さと何処か古めかしい旅館に宿泊したときに感じるようなカビ臭にも似た素朴な土の風味を味わうことが出来る葉巻だと言える。

この葉巻は、過去に喫煙レビューした”プラセンシア コセチャ 151 ラ・ムジカ”の喫味を彷彿とさせる、異質にして上質な葉巻だ。

好き嫌いは分かれるかも知れないが、プラセンシア製造の葉巻の中では、最も私の嗜好性に合った味であった。

否、今回喫煙した葉巻はアレック・ブラッドリー製の葉巻である訳だから、正確にはプラセンシア製と言ってはいけないのかも知れないが、私の中ではどうしても”プラセンシアが外部マーケティング会社の協力を経て開発した葉巻”という捉え方をしてしまう。

今回喫煙した”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト”と昨日喫煙レビューした”アレック・ブラッドリー ゲートキーパー ロブスト”を比較すると、今回喫煙した葉巻の方が好みの味ではあったのだが、終盤開始早々に少しの苦みや味の劣化が始まったことは残念でならない。

やはり、アレック・ブラッドリーの特徴的な味を表している葉巻は、最初に喫煙した”アレック・ブラッドリー プレンサド チャーチル”だと考える。

”ライセス・クバーナス”で製造されたアレック・ブラッドリーの葉巻こそ、アレック・ブラッドリーの方向性を示している葉巻であるように感じる。

次回喫煙するアレック・ブラッドリーの葉巻としては”アレック・ブラッドリー マックス フリーク”を予定しており、それもプラセンシア製であることから、私にとってそれほど面白い葉巻レビューにはならないだろう。

そのバカでかい形状からして、優に2~3時間は喫煙できるのではないかと推測すると、逆に苦痛すら感じてしまいそうだ。(^^;)

そのプラセンシア製葉巻の味に飽きた時点で、躊躇することなく終了しようと思う。

いつかは”ライセス・クバーナス”オリジナル・ブランドの葉巻を吸ってみたいものだ。

話は変わるが、トランプの関税措置は、ニカラグアやドミニカ共和国からアメリカに輸入する葉巻も対象となるなら、アメリカでの葉巻販売価格は大きく上昇するのだろうか?

情報によると、中南米主要国に対するトランプ関税は相対的に低いとのことだが、それでも価格の上昇は避けられないだろうから、アメリカ在住の葉巻愛好家は気が気では無いだろう。

個人的には、そろそろ1ドル110円程度の円高に振れてほしいと考えているが、そこはトランプと同じ考えだ。

日本で販売される葉巻価格が少しでも安くなってくれることを、私は願うのみだ。

この葉巻の葉巻独自5段階評価は、リーズナブルでありながら私好みの味ではあったものの、終盤で味が崩れ始めることから、4.5/5点寄りの4.0/5点とすることとした。

参考までに、この”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト/Alec Bradley Black Market Robusto”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、87ポイント~95ポイントという高評価を得ており、この葉巻シリーズの”ロブスト”ビトラは、88ポイントという評価を得ています。また、この葉巻シリーズの”チャーチル”ビトラは、2022年の葉巻トップ25(94ポイント第6位)に入賞しています。

喫煙時間

喫煙時間:85分

味覚フレーバーグラフ (追記レビュー時毎に更新)

チョコレート(カカオ豆) ★★★☆☆
スィーツ(甘さ) ★★★☆☆
クリーム(滑らかさ) ★★★☆☆
コーヒー(苦み含む) ★★☆☆☆
トースト(パン・穀物) ★☆☆☆☆
木(杉・オーク等) ★★★☆☆
★★☆☆☆
土(素朴さ) ★★★★☆
草(わら・ハーブ含む) ★☆☆☆☆
ナッツ ★☆☆☆☆
ペッパー(胡椒・唐辛子) ★★★☆☆
フルーツ(酸味含む) ★★☆☆☆

葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度 (追記レビュー時毎に更新)

おすすめ度:★★★★☆

世界各国葉巻値段比較 (アメリカ・ヨーロッパ・日本)

  • アメリカ国内参考価格 $10.29 (1ドル148円換算にて1,523円)
  • ヨーロッパ圏内参考価格 €8.50 (1ユーロ160円換算にて1,360円)
  • 日本国内価格 ¥1,500 (参考日本販売価格倍率1.04倍)

葉巻重量

  • 購入時重量 16.38g
  • 加湿・熟成後重量 15.76g (葉巻ヘッドカット後重量15.58g)
  • ドライシング後重量 15.50g (葉巻ヘッドカット後)
  • △減少重量 (△減少割合) △0.08g (△0.51%)

ギャラリー

追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2025/11/15

今回で2本目となる、”アレック・ブラッドリー ブラックマーケット ロブスト”を喫煙する。

今回喫煙する葉巻は、”自家製発酵器内密封熟成”方法で28日間葉巻を熟成させ、その後、平均室温21℃・湿度64%の自宅ヒュミドール内にて7日間加湿・熟成させている。(計35日間熟成)

喫煙前に7時間ほど、湿度42%のシリカゲル入りドライシング・ボックス内で、”ドライ・ボクシング”を行う。

今回は、最近購入したシガーピアースを使用して、前もって葉巻ヘッドから葉巻フットに向かってゆっくりと右回転させながら最後まで押し進めた後、ゆっくりと逆回転させながら3分程かけてシガーピアースを抜くという方法で作業した葉巻を喫煙する。

その結果、僅かながら引き抵抗(ドロー)が良くなったことを確認する。

ドライシング前に16.24g(カット後)あった葉巻重量は、ドライシング後には16.16gに減少し、全体重量の0.49%という適切と言える葉巻内包湿度が減少したことを確認してから喫煙を開始する。

着火はブタンガス詰め替え式ソフトフレームライターを使用して、約3分かけて着火する。

自宅リビングソファーにて、2025年11月7日から全世界同時配信されたApple TV+のSFテレビドラマシリーズである”プルリブス/Pluribus”シーズン1第3話を見ながら喫煙する。

まだ3話しか視聴していないため何とも言えない状況だが、まだ現状説明的な内容が続いている。

きっと、トータル5シーズン以上の構成を考えてのスロー・スタートなのだろうが、早く何かが起きて欲しいと期待してしまう。

話はそれるが、主演の”レイ・シーホーン”は子供の頃、神奈川県厚木市に住んでいたということを、今日知った。

日本人にはより身近に感じる主役と言えるだろう。

ま、そんな話はさており、早速、葉巻レビューに入りたい。

序盤は、とても爽やかで濃厚な土と杉の木の味でスタートする。

土の味は、古びた旅館に宿泊したときに感じるようなカビ臭を伴っている。

背景には、少量のリコリス(甘草)やクローブやナツメグ等のスパイスの風味がある。

なかなか良い喫味だ。

プラセンシア製造の葉巻ということもあって、以前に喫煙レビューした”プラセンシア コセチャ 151 ラ・ムジカ”を彷彿とさせる味だ。

レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、鼻腔をくすぐるしっかりと効いたペッパー(白胡椒)があることを確認する。

着火後の引き抵抗(ドロー)は、シガーピアースを正しく実施できたお陰か、前回のように重く感じることも無く、適切な吸引力でしっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。

今後も、多少ドローが重い葉巻に対しては、この方法でシガーピアースを実施することに決定する。

喫煙開始60分時点で、ごく僅かな苦みが発生する。

喫煙開始80分時点の、苦みが気になりだした段階で、喫煙を終了することとした。

どうやら、シガーピアースの実施は適切な引き抵抗(ドロー)に調整できたものの、苦みの発生は前回と同様という結果となってしまった。

それがこの葉巻のポテンシャルであると、受け入れるしかなさそうだ。

今回の”シガーピアース”を実施し、”自家製発酵器熟成”された葉巻の葉巻独自5段階評価は、カビ臭が好きな私であっても、味の複雑さに欠けることを鑑みて、前回の4.5/5点寄りの4.0/5点から、3.5/5点寄りの4.0/5点の評価へと変更することとした。

喫煙時間80分。

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