H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona

4.5
H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1 ハーフコロナ/Half Corona
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H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona

葉巻/シガー情報

ブランド名 H.アップマン
シリーズ名
ビトラ ハーフコロナ
葉巻の長さ 89mm (3.5インチ)
葉巻の直径(リングゲージ) 17.5mm (44)
ラッパー キューバ産 ブエルタ・アバホ地区
バインダー キューバ産 ブエルタ・アバホ地区
フィラー キューバ産 ブエルタ・アバホ地区
生産国 キューバ
価格 1,900円 (2023年11月現在) → 2,200円 (2024年5月~) → 2,420円 (2025年5月~)

この”H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona”の葉巻/シガー喫煙レビュー

今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、私にとって2本目のキューバ産葉巻となる、”H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona”です。

以前喫煙レビューした、”モンテクリスト No.5”と同様に、今回も小さな”ハーフコロナ”ビトラの葉巻を試飲しますが、人気がある”マグナム 46”ビトラ等と比べても、味に遜色はないようです。

”モンテクリスト No.5”は、初めて喫煙したキューバ産葉巻でしたが、とても美味しいカカオ豆と土の、甘く香ばしい味を楽しむことが出来ました。

今回のアップマン ハーフコロナも同じキューバ産葉巻ではありますが、別ブランドの葉巻であるため、また違った旨さを提供してくれるものと考えています。

”H.アップマン/H.Upmann”は、ドイツの銀行家である”ハーマン・アップマン/Herman Upmann”の息子である、”ヘルマン・アップマン/Hermann Upmann”と”アウグスト・アップマン/August Hupmann”兄弟によって1844年に設立された葉巻ブランドであり、最初は家業である銀行の支店をキューバに設立しましたが、銀行のプロモーション用に製造した葉巻を顧客に配布したところ人気を博してしまい、本格的に葉巻製造業に乗り出すこととなります。

不幸にも1922年の銀行が破産したことにより、アップマン家としての葉巻製造業も終焉を迎えますが、その後、幾度かの買収を経て、現在に至ります。

H.アップマンは、キューバ産葉巻として最も人気のある葉巻ブランドの1つですが、その愛飲顧客として最も有名な人は、”ジョン・F・ケネディ/John F. Kennedy”アメリカ合衆国大統領と言えるでしょう。

ケネディは、”H.アップマン ペティコロナス/H. Upmann Petit Coronas”の大ファンであり、他の葉巻を試すつもりもなかったのだそうです。

面白い逸話として、ケネディは対キューバ禁輸措置を行う際、報道官であった”ピエール・サリンジャー/Pierre Salinger”に、ワシントンDC中のタバコ店を歩き回って、見つけられるだけのH.アップマン ペティ コロナスを見つけてくるよう指示し、その結果、サリンジャーは1,200本のアップマン ペティコロナスをケネディ大統領の元に届けたそうです。

すると、ケネディは「素晴らしい!」と言い、引き出しから対キューバ禁輸措置法案の紙を取り出して、気分良く署名をしたのだとか…。

対キューバ禁輸措置を行えば、自分が好きなH.アップマンの葉巻が吸えなくなるため、自分が吸う分だけの葉巻を買い占めてから書類にサインするとは、なかなかの自己中ぶりですな。

あまり知られていない、ジョン・F・ケネディのダークサイドな一面を、私が初めて知った瞬間でもありました。(^^;)

そんなケネディも愛したH.アップマンの葉巻はどんな味がするのか、喫煙するのがとても楽しみです!

それでは、”H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。

葉巻外観・コールドドロー

H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1

まずは外観から見ていきましょう。

キューバ産ブエルタ・アバホ地区で栽培されたラッパーで巻かれた”H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona”は、ごく僅かな艶を持つ、コロラド色~コロラドマデューロ色(濃茶色)をした葉巻です。

葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は、赤色を基調とした中に金色の装飾がなされ、白色の文字で、”H.UPMANN HABANA CUBA”と記され、中心にはH.アップマンのロゴマークが描かれています。

葉巻を指で摘まんでみると、しっかりとした硬さの中にも僅かな弾力があり、葉巻フット断面を見ると、薄いフィラーが十二分に使われていることが分かります。

葉巻ボディからはの芳香性は意外と強く、甘く香ばしい良い香りがします。

この葉巻は、平均気温20℃・湿度70%に維持した自家製ヒュミドール内にて、100日間の加湿・熟成を行っています。

シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、軽くローストされた濃厚な干し草の香りがして、引き抵抗は多少重めですが、良好の範囲内と言えます。

今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から20度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になったことを確認してから、喫煙を開始します。

葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤ファーストサード

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。

序盤は、上質な杉の木の樹液の甘さを伴う革と木の味からスタート。

最初から当然の如く、旨い。

引き抵抗(ドロー)は重いが、ゆっくりと長く煙を吸えば、多くの煙を口蓋に引き込むことが出来る。

副流煙の香りは、軽いながらも甘く香ばしい香りがする。

喫煙開始10分時点で、ナッツの味と少量のカカオ豆の味が追加される。

レトロヘイルにて煙を副鼻腔に通すと、中程度の量のペッパーを確認するが、それは決して鼻に噛みつくことは無い、柔らかさがあるペッパーだ。

喫煙開始15分時点で、ごく僅かな酸味を確認する。

ただしそれは嫌な酸味ではなく、甘さを伴うことでフルーツの甘酸っぱさ(レーズン等)として捉えることが出来る。

喫煙開始19分時点で、1回目の灰折を行う。

灰はしっかりとしていて、小気味良く折れた。

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤セカンドサード

喫煙開始から20分以降の中盤は、序盤の味に土の味が追加された味となる。

この味は過去に喫煙レビューした、”アルトゥーロ・フエンテ シャトーフエンテ サングロウン”に似ていると感じる。

否、アルトゥーロ・フエンテ シャトーフエンテ サングロウンがこの、H.アップマン ハーフコロナに似ていると言った方が正しいか。

喫煙開始28分時点で、ごく僅かの穀物(小麦・パン等)の風味を感じる。

喫煙開始30分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。

喫煙開始31分時点で、土の味が追加されると同時にカカオ豆の味が強さを増し、少しロースト感が強まったように感じる。

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終盤ファイナルサード

喫煙開始から37分以降の終盤は、まず2回目の灰折を行うことから始める。

終盤の味は、序盤・中盤の味と比べると多少ロースト感が強まり、甘さも減少してきたが、嫌な苦みや酸味は全くない。

ストレングス(ニコチン量)はミディアムで、フレーバー(風味)はミディアム~ミディアムフルと言ったところか。

燃焼挙動は比較的良好で、片燃えに対する数回の火入れ修正のみで対処できる。

大きな味の劣化は無いが、葉巻を持つ指に熱を感じだした時点で喫煙を終了することとした。

H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終了後ファイナルアッシュ

葉巻テイスティング総評

総評として、この”H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona”は、上質な杉の木の樹液の甘さを伴う革と木とナッツとカカオ豆と土の味に、適度な量のペッパー、背景にフルーツの甘酸っぱさ(レーズン等)と穀物(パン・小麦等)の風味を味わえる葉巻だと言える。

私にとって2本目となるキューバ産葉巻となるが、評判通りの上質で素晴らしい葉巻であった。

前回喫煙レビューした”モンテクリスト No.5”と比べると、カカオ豆や土の風味は少し弱いものの、レーズン等のフルーティさを楽しめる葉巻だと言えるだろう。

どちらのキューバ産葉巻も、終盤まで味の劣化がなく、苦みや鋭さとは無縁の葉巻であることに間違いは無い。

まだキューバ産葉巻は2本しか試していないため、詳しいことは分からないが、それこそがキューバ産葉巻最大の長所なのかも知れない。

非キューバ産葉巻がこれらの味を目指して作られていることはよく理解できるが、リーズナブル系の非キューバ産葉巻では、少しの苦みや鋭さがあったり、喫煙後半で味の劣化が始まったり、カカオ豆や土やトースト(パン・穀物・小麦等)の味がしなかったりと、少々味の複雑さに欠けることが多いように思う。

しかしながら、この”H.アッブマン ハーフコロナ”は、ドミニカ共和国産の”アルトゥーロ・フエンテ シャトーフエンテ サングロウン”の味と似通ったところがあり、比較するとアルトゥーロ・フエンテの方がクリーミーなレーズンバタートーストの味がするなど、より多様な味を楽しめる非キューバ産葉巻が存在することも事実だ。

私にとってキューバ産葉巻とは、世間一般論とは反対に、これこそが”デイリー・シガー”となり得る葉巻だと考える。

欠点が無いということは、イコール最高ではないということだ。

多少の欠点があっても、最高の1点を備えている葉巻こそ、私に至福の時間を与えてくれる葉巻のようだ。

この葉巻の葉巻独自5段階評価は、間違いなく上質で優等生的な葉巻であることから、葉巻価格は考慮しない評価として、4.5/5点とした。

参考までに、この、”H.アップマン ハーフコロナ/H.Upmann Half Corona”葉巻は、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、88~90ポイントという高い評価を得ています。

喫煙時間

喫煙時間:55分

味覚フレーバーグラフ

チョコレート(カカオ豆) ★★★☆☆
スィーツ(甘さ) ★★★★☆
クリーム(滑らかさ) ★★★★☆
コーヒー ★★☆☆☆
トースト(パン・穀物) ★★★☆☆
木(杉・オーク等) ★★★☆☆
★★★★☆
土(素朴さ) ★★★☆☆
草(ハーブ含む) ★☆☆☆☆
ナッツ ★★★★☆
ペッパー(胡椒・唐辛子) ★★★☆☆
フルーツ(酸味含む) ★★★☆☆

葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度

おすすめ度:★★★★★

世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)

  • アメリカ国内参考価格 -
  • ヨーロッパ圏内参考価格 €6.20 → €6.90 (1ユーロ160円換算にて1,104円)
  • 日本国内価格 ¥1,900 → ¥2,200時点 (参考日本販売価格倍率1.99倍)

ギャラリー

追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2025/8/13

今回は番外編です。

いつもは自宅で映画やドラマを見ながら喫煙した感想を喫煙レビューしているのですが、今回は、舞浜のイクスピアリにあるシガー&バー”トルセドール/Torcedor”で喫煙した葉巻の感想をレビューしたいと思います。

でも何故、舞浜のシガーバーなのか?

もっと身近なところに”ル・コネスール銀座本店”や”ル・コネスール 丸ノ内ホテル・TOKYO”や”ダビドフ オブ ジュネーブ銀座”等々のシガーラウンジがあるというのに、わざわざ千葉県の舞浜なのか?という理由は、このシガーバーは私が20年程前に唯一行ったことがあるシガーバーであり、そのことを思い出して懐かしくなり、久しぶりに行ってみることにしました。

ウォークイン・ヒュミドール内に保管された葉巻の中から、今回はこの”H.アップマン ハーフコロナ”を吸ってみることにしました。

この”H.アップマン ハーフコロナ”は、小さなヒュミドール内にセロファンを剥がした状態で保管されており、さらにその小さなヒュミドールは加湿されたウォークイン・ヒュミドールの中に置かれているという状態でした。

小さなヒュミドールには湿度計が付いており、湿度は65%を示しています。

シガーバーで喫煙する場合はドラシングが出来ないため、保管湿度が70%前後であると苦みが発生してしまう可能性があると考えますが、キューバ産葉巻はそれほど湿度にシビアではないということと、60%~65%内に収まっていれば非キューバ産葉巻であっても、ドライシングせずに直ぐに吸っても問題は無いと私は考えているため、今回は葉巻を吸う条件をクリアしていると判断しました。

では早速、葉巻レビューに入りたいと思う。

序盤は、爽やかさを伴う濃厚で上質な杉の木と革の味からスタートする。

背景には、杉の木の樹液のような甘さがある。

旨い!

ただ、引き抵抗(ドロー)が少し重めであることは否めないが、ゆっくりと煙を引き込むことでしっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。

暫く吸い続けると、カカオ豆の味が追加されると共に、レーズン等の甘酸っぱさも感じとることが出来るようになる。

この葉巻を自宅で喫煙したときと、ほぼ同じ喫味と言って良いだろう。

だが、この葉巻を再度吸ったことで、この葉巻の味は、過去に喫煙レビューした”タトゥアヘ エル・トリウンファドール ペティロブスト”と、ほぼ同じ喫味であるということを確信することとなった。

1本2,420円の出費をすることなく、1本たった1,100円でこの喫味を得られるのなら、その葉巻で十分ではないかと思ってしまった。

だが、非キューバ産葉巻は湿度にシビアであるため、ドライシングで葉巻内包湿度は完璧に調整してから喫煙しなければならないということは、言うまでもないだろう。

喫煙開始50分時点の、葉巻を摘まめなくなる限界まで十分に葉巻を堪能した段階で、喫煙を終了することとした。

今回のペアリングは、オールドパー12年のロックと共に、葉巻を楽しんだ。

ゆったりと出来る、楽しいひとときであった。

ちなみに、今回はうちのかみさんと一緒に行って、一緒の葉巻を2人で楽しんだのだが、初めて吸うキューバ産葉巻の味にうちのかみさんは、”家で吸う葉巻も、この葉巻でいいかも!?”と言っていた。

”ダビドフ プリメロス ドミニカンで十分だろっ!”と思う私がいた。(^^;)

今回喫煙した葉巻の”葉巻独自5段階評価”は、前回自宅で吸ったときと同じ評価である4.5/5点が相応しいと判断した。

喫煙時間50分。

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