E.P. カリージョ ニューウェーブ コネチカット ブリヤンテス/E.P. Carrillo New Wave Connecticut Brillantes
葉巻/シガー情報
ブランド名 | E.P. カリージョ |
シリーズ名 | ニューウェーブ コネチカット |
ビトラ | ブリヤンテス (ロブスト) |
葉巻の長さ | 127mm (65ンチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 19.8mm (50) |
ラッパー | エクアドル産 コネチカット種 |
バインダー | ニカラグア産 |
フィラー | ニカラグア産 |
生産国 | ドミニカ共和国製 |
価格 | 2,700円 (2025年10月現在) |
この”E.P. カリージョ ニューウェーブ コネチカット ブリヤンテス/E.P. Carrillo New Wave Connecticut Brillantes”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニカラグア最大のタバコ葉生産者である”アガノルサリーフ/Aganorsa Leaf”からの1本である、”E.P. カリージョ ニューウェーブ コネチカット ブリヤンテス/E.P. Carrillo New Wave Connecticut Brillantes”です。
”E.P. カリージョ”の葉巻は2年弱前に”E.P. カリージョ プレッジ プレクエル”を1本吸ったのみで、それ以降全く購入することはありませんでしたが、久しぶりにこの”ニューウェーブ コネチカット”葉巻シリーズを購入してみることにしました。
長い間購入しなかった理由は、この葉巻ブランドに興味が無かったからではなく、ただ価格が異常に高いと感じたからに他なりません。
”E.P. カリージョ プレッジ プレクエル”の販売価格を例に挙げると、2023年の時点では1本3,100円だったものが、2024年5月からは1本4,300円と大幅に値上げされ、海外での流通価格と比較すると2倍近い価格となってしまったため、私のレーダー網範囲外の葉巻となってしまっていました。
しかしながら、2024年2月27日に財務省認可された、今回喫煙レビューする”E.P. カリージョ ニューウェーブ コネチカット ブリヤンテス”は1本2,700円という販売価格であることから、試しに喫煙してみることにしました。
勿論、海外での流通価格と比較すると2倍を超える販売価格であることは否めませんが、この際それは気にしないことにしましょう!(^.^)
コネチカット種のラッパーを纏った葉巻ですが、そこは風味の強い葉巻が好みである”エルネスト・ペレス・カリージョ”が作る葉巻ですので、見た目とは違って強さを求めるベテラン葉巻愛好家にも納得いく葉巻に仕上がってるとのことです。
久しぶりに喫煙するこの葉巻に、どのような味を感じることが出来るのか、私自身とても楽しみです!
参考までに、”エルネスト・ペレス・カリージョ”は、1907年からキューバのピナール・デル・リオ地区でタバコ葉を栽培してきた家族の元に生まれ、アメリカに渡ってから父親の会社である”エル・クレディト/El Credito”社(ラ・グロリア・グバーナ)を引き継いだ後、1999年には会社をセネラル・シガー・カンパニーに売却し、自身も2009年まではその売却先の会社で働いていたという経歴を持っています。
その後、アメリカの大手金融投資企業に勤めていた息子と大手多国籍法律事務所に勤めていた娘の提案と協力により、2009年に自身の葉巻会社となる”EPC シガー”社を立ち上げ、現在に至ります。
それでは、”E.P. カリージョ ニューウェーブ コネチカット ブリヤンテス/E.P. Carrillo New Wave Connecticut Brillantes”(日本での財務省登録名称は”EP CARRILLO NEW WAVE CONNECTICUT BRILANTES”)葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産 コネチカット種のラッパーで巻かれた、”E.P. カリージョ ニューウェーブ コネチカット ブリヤンテス/E.P. Carrillo New Wave Connecticut Brillantes”は、コロラド色(茶色)~コロラドマデューロ色(茶褐色)をしていて、葉巻表面は滑らかで適度な艶を持つ、美しい外観をしています。
コネチカット種のラッパーですが、シェードともサングロウンとも記載が無いため、定かではありませんが色具合から推察すると、エクアドルの通年曇天であることが多い気象状況下で庇(ネット)の無い環境で栽培される”自然任せのシェード又はサングロウン”と呼べるものなのかも知れません。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は、白地に金色の装飾を基調とした中に、E.P. カリージョのロゴマークと”New Wave CONNECTICUT”というシリーズ名が記されています。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれている中に、葉巻表層部には適度な弾力性を備えています。
葉巻ボディからは、ナッツと軽い牛舎系の良い香りがします。
この葉巻は、平均室内温度27℃・湿度66%に維持した自家製ヒュミドール内にて58日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する10時間程前に、葉巻を湿度42%のシリカゲル(乾燥剤)入りドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと純粋な麦わらの味がして、引き抵抗は僅かに重めですが良好と言えるでしょう。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約3分20秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、僅かな爽やかさを伴う上質な杉の木とナッツの味からスタートする。
直ぐに、ごく少量の革と土の味も追加される。
とても上質な煙だ。
喫煙開始から5分が経過すると煙に濃厚さが加わり、只者のコネチカット種シェード(?)ラッパーを纏った葉巻では無いことが分かる。
旨い!
流石は、エルネスト・ペレス・カリージョが作った葉巻だ。
エルネスト自身が濃厚な味付けが好きであったとしても、軽い喫味を好む客層のためにコネチカット種シェードラッパーを纏った葉巻も製造するというのが一般的であると考えるが、エルネストはその葉巻すらも濃厚な味付けにしないと気に入らないようだ。
だからと言って、決して強い喫味の葉巻ではない。
爽やかさと濃厚さの両方を兼ね備えた葉巻だと言えるだろう。
燃焼挙動は良好で、多少の片燃え程度なら自動修正されるようだ。
着火後の引き抵抗(ドロー)は多少重めだが、ゆっくりと煙を引き込むことで、しっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、鼻腔を刺激することの無い適量の繊細なペッパー(白黒混合の胡椒)があることを確認する。
この葉巻の喫味はドミニカ共和国産のものと言うよりも、どこかキューバ産葉巻を彷彿とさせるところがある。
ストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)はミディアム~ミディアムフルと言ったところか。
喫煙開始24分時点で、背景にリコリス(甘草)の風味と、杉の樹液を思わせるメープルシロップの甘さがあることが分かる。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から25分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。
灰はとてもしっかりとした感触と共に、綺麗に折ることが出来る。
中盤の味は序盤の味を引き継ぎ、爽やかさと濃厚さの両方を兼ね備えた上質な杉の木とナッツの味を主体に、背景にリコリス(甘草)とメープルシロップの甘さで吸い進む。
副流煙の香りには、軽い小麦(粉?)の風味が含まれている。
喫煙開始40分時点で、序盤から存在したナッツの味はローストしたコーヒー豆の味に置き換わる。
つまりは、感じ始めた少しのロースト感と少しの苦みがそう思わせているようだ。
喫煙開始42分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。
バンドロールは簡単、且つ、とても綺麗に剥がせることに好感が持てる。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から50分以降の終盤は、まず2回目の灰折を行うことから始める。
終盤の味は序盤・中盤の味を引き継ぐが、序盤の素晴らしい味は劣化し始め、ロースト感は少し強まり、僅かな苦みも気になり始める。
ここでふと気付いたのは、この葉巻はアメリカ合衆国内では1本8ドル程で販売されている葉巻であるということだ。
序盤の味は1本8ドルの葉巻とは思えない喫味であったが、この終盤になって価格相応の味になってきたと言えるだろう。
日本国内では1本2,700円(≒$18.00)で販売されているため、序盤は価格相応の味だが、終盤は少しがっかりしてしまう味と言わざるを得ない。
おそらく、E.P.カリージョは、葉巻需要のあるアメリカ合衆国とヨーロッパ圏以外に国には、全く興味がないのだろう。(葉巻輸入代理店が高い粗利を設定していることも考えられるが…。)
日本での販売価格は法外に近い価格になってしまっていることが、とても残念だ。
喫煙開始80分時点で、3回目の灰折を行う。
喫煙開始85分時点の、味の劣化が気になりだした段階で喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”E.P. カリージョ ニューウェーブ コネチカット ブリヤンテス/E.P. Carrillo New Wave Connecticut Brillantes”は、爽やかさと濃厚さの両方を兼ね備えた上質な杉の木とナッツ(後半はカカオ豆)と少量の革と土の味に、鼻腔を刺激しない適量の繊細なペッパー(白黒混合の胡椒)、背景にリコリス(甘草)と杉の木の樹液を思わせるメープルシロップの甘さが味わえる葉巻だと言える。
この葉巻はコネチカット種シェード(?)ラッパーを纏った葉巻だが、一般的な軽い喫味の味付けではなく、爽やかさと濃厚さの両方を兼ね備えた素晴らしい喫味を楽しめる葉巻であることに驚いた。
濃厚な味が好きなエルネストらしい葉巻だと言えるだろう。
しかしながら、その素晴らしい喫味が楽しめるのは喫煙中盤までに限ったことであり、喫煙終盤は味の劣化や苦みが現れてしまう。
1本8ドルの葉巻としては素晴らしい喫味の葉巻だと断言できるが、日本で販売されている1本2,700円(≒$18.00)の価格を考慮すると不十分と言わざるを得ない。
またこの価格を出費して今回喫煙した”E.P. カリージョ ニューウェーブ コネチカット ブリヤンテス”をリピート購入してみたいとは思わないが、まだ吸っていない葉巻シリーズを1回限りで喫煙するのなら、是非、吸ってみたいと思わせる魅力を持つ葉巻メーカーであることに間違いはない。
今回喫煙した葉巻の葉巻独自5段階評価は、その割高な葉巻価格や終盤からの味の劣化や苦みが発生することなどを踏まえても、全般的に素晴らしい喫味が楽しめる葉巻であることから、4.0/5点を与えて問題ない葉巻だと判断した。
参考までに、この”E.P. カリージョ ニューウェーブ コネチカット/E.P. Carrillo New Wave Connecticut”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、86~92ポイントという評価を得ており、この葉巻シリーズの”ブリヤンテス(ロブスト)”ビトラは、89~92ポイントという評価を得ています。
喫煙時間
喫煙時間:85分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★★☆☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
コーヒー(苦み含む) | ★★☆☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★☆☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
革 | ★★☆☆☆ |
土(素朴さ) | ★★☆☆☆ |
草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
ナッツ | ★★★☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★☆☆☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★★☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★★☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $8.00 (1ドル148円換算にて1,184円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €8.80 (1ユーロ160円換算にて1,408円)
- 日本国内価格 ¥2,700 (参考日本販売価格倍率2.08倍)
葉巻重量
- 購入時重量 12.48g
- 加湿・熟成後重量 12.36g (葉巻ヘッドカット後重量12.13g)
- ドライシング後重量 12.02g
- △減少重量 (△減少割合) △0.11g (△0.91%)
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