ダビドフ シグネチャー 1000/Davidoff Signature 1000
葉巻/シガー情報
ブランド名 | ダビドフ |
シリーズ名 | シグネチャー |
ビトラ | 1000 (ペティパナテラ) |
葉巻の長さ | 117.5mm (4.625インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 13.5mm (34) |
ラッパー | エクアドル産 コネチカット種シェード |
バインダー | ドミニカ共和国産 |
フィラー | ドミニカ共和国産 サンビセンテ種セコ & ヴォラド , オロール種セコ |
生産国 | ドミニカ共和国製 |
価格 |
この”ダビドフ シグネチャー 1000/Davidoff Signature 1000”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、葉巻愛好家が避けて通ることは不可能とも言える、”ダビドフ/Davidoff”葉巻ブランドからの1本である、”ダビドフ シグネチャー 1000/Davidoff Signature 1000”です。
”ダブドフ・シガーズ/Davidoff Cigars”の創設者である、”ジノ・ダブドフ/Zino Davidoff”は、1906年にウクライナのキエフで葉巻商人の息子として生まれましたが、5歳のときに反ユダヤ主義のポグロムにより一家はスイスへ移住することになり、父親はジュネーブでタバコ店を開きます。
ジノ・ダビドフが19歳になった1925年には、キューバを含むラテンアメリカを旅し、タバコ葉の栽培や葉巻の製造に関しての知識を得て、それを家業のタバコ店の経営に活かすべく、新しいブレンドを開発したり、卓上ヒュミドールを開発したり(自宅で葉巻を適切に保管できるようにし、顧客により多くの葉巻の購入を促した)、ボルドーワインにちなんだ名前を葉巻に付けるなどのマーケティングを実行して、実家のタバコ店は、葉巻に関してジュネーブ最高の店となります。
ジノ・ダビドフが51歳になった1967年には、キューバ葉巻産業を管理していた国営組織”クバタバコ/Cubatabaco”(”ハバノス SA/Habanos SA”の前身)から、ダビドフの名前でキューバ産葉巻を作るというアイデアを持ちかけられ、キューバ産ダビドフ葉巻は大成功を収めます。
しかし、キューバ産ダビドフ葉巻ブランドの品質と一貫性を維持することに懸念が生じたため、1991年までに”クバタバコ”との契約を解消し、全ての葉巻の生産拠点をドミニカ共和国に移すこととなり、現在に至ります。
私が葉巻趣味を始めてから約1年が経とうとしていますが、この1年で何故、ダビドフ葉巻を喫煙しなかったのかと言うと、それはただ単に価格が高すぎたからという理由に尽きます。
例えば、”トロ”ビトラの”ダビドフ グランクリュ トロ”は1本4,600円という価格であり、私のイメージでは、ダビドフ葉巻は1本5,000円前後するものという認識が定着してしまっています。
しかしながら、冒頭にも記載したように、葉巻愛好家がダブドフを避けて通ることなどありえないと思っていたことも事実であるため、一度は喫煙してみようと思い購入するに至りました。
私が最初に選んだダビドフの葉巻は、この”ダビドフ シグネチャー 1000/Davidoff Signature 1000”であり、”シグネチャー/Signature”、”アニバサリオ/Aniversario”、”グランクリュ/Grand Cru”の3つの葉巻シリーズの中の何れかから、2,000円前後で購入できる葉巻の1つとして選択しました。
小さな葉巻のため、ダビドフ本来の味を堪能できない可能性はありますが、海外の葉巻レビューサイトでは軒並み高評価であるため、今はそれを信じることにしましょう。
この葉巻は、私が好きなドミニカ共和国産のタバコ葉を多く使用しており、フィラーにはドミニカ共和国産サンビセンテ種のセコとヴォラドの葉、そしてオロール種のセコの葉を使用しています。
サンビセンテ種のタバコ葉は私も初めての経験となりますが、それはピロト・クバーノ種のハイブリッド種のようであり、より多くのタバコ葉が収穫できるように改良したものだそうです。
味はピロト・クバーノ種には及ばないという意見もあるようですが、果たして如何なものでしょうか?
何はともあれ、この1本2,250円するとても小さな高級葉巻が本当に噂通りに旨いのか、喫煙してみることとしましょう!
それでは、”ダビドフ シグネチャー 1000/Davidoff Signature 1000”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産コネチカット種シェード栽培のラッパーで巻かれている、”ダビドフ シグネチャー 1000/Davidoff Signature 1000”は、僅かな褐色味を帯びた、美しい黄金色(クラロ色)をしていて、葉脈なども見当たらないず、ダビドフ品質であることを実感します。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本あり、葉巻フット側の1本には白地に金色の文字で”SIGNATURE”と書かれていて、メインバンドロールは同じく白地に金色で”Davidoff”の文字が筆記体で描かれていて、シンプルながらとても高級感がある作りとなっています。
葉巻を指で摘まんでみると、ソフトスポットもなく、しっかりと硬く巻かれており、十二分な量のタバコ葉が使われていることが分かります。
葉巻ボディからの芳香性は、マデューロ葉巻等に比べるとかなり弱いものではありますが、香ばしい香りがします。
この葉巻は、平均室温16℃・湿度72%に維持した自家製ヒュミドール内にて、55日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する5時間程前に、葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、ミント系干し草の香りがして、引き抵抗は多少重めですが、良好の範囲内だと言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約1分50秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、爽やかな杉の木の味からスタートする。
直ぐにナッツと干し草の味が追加される。
背景にはとてもクリーミーなナッツの甘さがある。
旨い!
喫煙開始8分時点で、1回目の灰折を行う。
灰はそれほど硬くない。
喫煙開始11分時点で、ナッツの味だけでなく、ごく僅かだがカカオ豆やコーヒー豆の味も確認する。
”ベガフィナ オリジナル”葉巻シリーズと同様の、ドミニカ共和国製でコネチカットシェードラッパーを備えた葉巻であることから、同じような味がするのだろうと高を括っていたが、その推測は間違っていた。
少量ずつ配合されたナッツやカカオ豆やコーヒー豆や杉の木や干し草等の味が融合し、クリーミーで上質な煙の味とすることに成功している。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から15分以降の中盤は、序盤の味を引き継ぐが、副流煙の香りが甘く香ばしい香りとなり、干し草や杉の木の味が少し後退し、カカオ豆等のナッツ系の味が強さを増す。
喫煙開始20分時点で、灰を自然落下させてしまった。
灰はもろいので、早めに灰折をしたほうが良さそうだ。
喫煙開始22分時点で、サブバンドロール(シガーリング)を剥がす。
喫煙開始27分時点で、メインバンドロールを剥がす。
バンドロールは2本とも全く破損することなく、とても綺麗に剥がすことが出来た。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から30分以降の終盤は、まず実質3回目の灰折を行うことから始める。
終盤の味は、副流煙の甘く香ばしい香りも相まって、とても心地良い喫煙を楽しむことが出来る。
ストレングス(ニコチン量)はマイルド、フレーバー(風味)はミディアムと言ったところか。
着火後の引き抵抗(ドロー)は、多少重めであることが、よりこの小さな葉巻の喫煙を楽しくさせる。
序盤から終盤に掛けて、嫌な苦みや鋭さ(酸味)とは、全く無縁の葉巻だと言えよう。
喫煙開始40分時点で、また灰が自然落下した。
葉巻を持つことが難しくなるほど吸い切った時点で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この、”ダビドフ シグネチャー 1000/Davidoff Signature 1000”は、融合されたナッツとカカオ豆とコーヒー豆と杉の木と干し草の味に、マイルドなペッパー、背景にナッツやカカオ豆の甘さが味わえる、とてもクリーミーで上質な葉巻だと言える。
この味は、コネチカットシェードラッパーを使用したマイルド系の葉巻として、私が最も旨いと感じた、”ドリュー・エステート アンダークラウン シェード ロブスト”に似たものを感じたが、この葉巻は草の味ではなく干し草の味がするし、酸味らしい酸味も感じることはないため、私にとっては更に上を行く葉巻となった。
コネチカットシェードラッパーを使用したマイルド系葉巻であるにも関わらず、甘く香ばしい副流煙の香りを味わえたことも驚きであった。
基本的にはナッツやカカオ豆等の豆類の味を主体とした葉巻だが、少量ずつ配合されたその味を上手く融合させて、クリーミーな煙の味にしていることこそが、この葉巻の最大の特徴と言えるだろう。
ただ一つ問題点を挙げるとするならば、その高い価格設定だ。
あっという間に上質な喫煙体験が終了してしまう、1本2,250円の葉巻をリピート購入することなど、私としてはあり得ないだろう。
この葉巻にはピロト・クバーノ種のハイブリッド種であるサンビセンテ種のタバコ葉が使用されているが、融合されたクリーミーなこの味は、このタバコ葉が功を奏しているのかも知れない。
私はどうやらドミニカ共和国産のタバコ葉の中でも、ピロト・クバーノ種系の味が好きなのかも知れない。
この葉巻の葉巻独自5段階評価は、価格を考慮せず、味だけの評価として、4.5/5点とした。
兎にも角にも、良く品質管理された、上質で精巧に作られた葉巻であることに間違いない。
参考までに、この、”ダビドフ シグネチャー/Davidoff Signature”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、86ポイント~91ポイントという評価を得ており、この”1000(ペティパナテラ)”ビトラに於いては、ランク外となっています。
喫煙時間
喫煙時間:43分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★★★☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★★★☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★★★ |
コーヒー | ★★★☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★☆☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
革 | ★☆☆☆☆ |
土(素朴さ) | ★☆☆☆☆ |
草(ハーブ含む) | ★★★☆☆ |
ナッツ | ★★★☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★☆☆☆☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★☆☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★★★
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $14.60 (1ドル148円換算にて2,160円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €12.40 (1ユーロ160円換算にて1,984円)
- 日本国内価格 ¥2,700 (参考日本販売価格倍率1.30倍)
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