コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I

4.5
コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1 シグロ Ⅰ (ペティコロナ)/Siglo I (Petit Corona)
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コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I

葉巻/シガー情報

ブランド名 コイーバ
シリーズ名 シグロ
ビトラ シグロ Ⅰ(ペティコロナ)
葉巻の長さ 101.6mm (4インチ)
葉巻の直径(リングゲージ) 15.9mm (40)
ラッパー キューバ産 ブエルタ・アバホ地区
バインダー キューバ産 ブエルタ・アバホ地区
フィラー キューバ産 ブエルタ・アバホ地区
生産国 キューバ製
価格 6,490円 (2025年10月現在)

この”コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I”の葉巻/シガー喫煙レビュー

今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、私にとって6本目のキューバ産葉巻となる、”コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I”です。

ついに、キューバ産葉巻の最高峰となる、”コイーバ/Cohiba”葉巻ブランドを喫煙する日がやってきました。

これまでに、非キューバ産葉巻(ニューワールドシガー)に於いては、数多くの葉巻レビューを行ってきましたが、キューバ産葉巻に関しては、その価格の高さから手に届くものだけを喫煙するに止まっていました。

しかしながら、葉巻喫煙を趣味にしているにも関わらず、キューバ産葉巻の最高峰である”コイーバ”を吸ったことが無いというのは、如何せんどういうことなのかと考えるようになり、ここいらで思い切ってコイーバを購入してみることにしました。

勿論、購入した葉巻はコイーバの中でも一番小さくて安い、”コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I”なのですが、それでも1本6,490円という価格は決して安価と呼べるものではありませんし、葉巻の世界を知らない人たちから見れば、”馬鹿げた購買行為”に映ることでしょう。

私にも似た考えのところがあり、無駄に高い葉巻を購入しても、その価格に見合った感動や安らぎが得られる訳ではないことから、手頃な中価格帯(2,000円台)の葉巻を主体に喫煙したり、リーズナブルな低価格帯(1,000円台)の葉巻を葉巻管理技術を用いて旨い葉巻に変貌させて喫煙するなどして葉巻を楽しんでいますが、今回喫煙する”コイーバ”に関しては、その旨さを楽しむということよりも、”コイーバの味を知ること”自体に1本6,490円の価値があると考えています。

即ち、今回の葉巻の購入は、決して高い買い物では無かったということになります。

まぁ、そう思い込むことにしておきましょう。(^^;)

”コイーバ”葉巻ブランドの特徴は、通常2回行われるタバコ葉の発酵に加えて、木樽による最長18ヶ月間に及ぶ3回目の発酵を行っていることにあります。

これこそが、キューバ産葉巻最高峰の味、並びに最高の価格である理由となっているようです。

さて、初めて喫煙するキューバ産葉巻最高峰の1本である”コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I”が、私にどのような感動を与えてくれるのか、これから喫煙するのが楽しみです!

参考までに、1968年にキューバで創業した”コイーバ/Cohiba”葉巻ブランドの起源は、1966年にボディガードの”チチョ/Chicho”が、葉巻職人である”ドゥアルド ・リベラ/Eduardo Rivera”が巻いた葉巻を”フィデル・カストロ/Fidel Castro”に贈ったことから始まります。

その葉巻をいたく気に入ったカストロは、リベラを専属の葉巻職人として雇い、コイーバ葉巻を製造している”エル・ラギート/El Laguito”工場で、工場長と巻き職人の両方を任されます。

当初は、カストロが吸う個人的な葉巻としてや、国外の政治家たちへの外交上の贈り物としてしか製造されていませんでしたが、1968年にエル・ラギート工場のディレクターに”アベリーノ・ララ/Avelino Lara”がリベラに替わって就任してからは、キューバ産”ジノ・ダビドフ”の葉巻請負製造を任されたり、また1982年以降からは”コイーバ”葉巻ブランドが世間一般に公開され、輸出が開始されるようになります。

コイーバの創始者となるララによると、カストロから正式な葉巻製造依頼を受けたことは無く、キューバ産葉巻のマーケティング部門である”クバタバコ/Cubatabaco”から、”他のどのブランドとも違う新しいブレンドを作るように依頼された”とのことですが、既にリベラによって完成していた”コイーバ”葉巻は存在していたことから、さらにタバコ葉の選定や3次発酵等を取り入れて今現在のコイーバが完成したようです。

それでは、”コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。

葉巻外観・コールドドロー

コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1

まずは外観から見ていきましょう。

キューバ産ブエルタ・アバホ地区で栽培されたラッパーで巻かれた”コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I”は、僅かな艶を持つ、コロラドクラロ色(薄茶色)~コロラド色(茶色)をした葉巻です。

葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は、金色と黄色と白色と黒色を使用した中に、キューバの古代タイノ族の横顔がホログラムによって描かれています。

葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれていながら、葉巻表層部には僅かな弾力性を備えています。

葉巻ボディからは、”ダビドフ”に似たクリーミーな良い香りがします。

この葉巻は、平均室内温度27℃・湿度66%に維持した自家製ヒュミドール内にて66日間の加湿・熟成を行っています。

葉巻喫煙を開始する9時間程前に、葉巻を湿度44%のシリカゲル(乾燥剤)入りドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。

シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、純粋無垢な麦わらの味がして、引き抵抗はごく僅かに重めですが、良好と言えるでしょう。

今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約1分50秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。

葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。

序盤は、とても上質な杉の木とナッツとクリームと革と土とが融合した味からスタートする。

最初の一服目から多くの味が押し寄せる。

背景にはメープルシロップとクリームを混ぜたような甘さがある。

旨い!

初めて吸うコイーバの味は、私の中では”ダブドフ”を彷彿とさせる味だ。

嫌みなところが全く無く、クリームたっぷりの味であることがそう思わせるのだろう。

ストレングス(ニコチン量)はマイルド~ミディアム、フレーバー(風味)はミディアムと言ったところか。

着火後の引き抵抗(ドロー)はとても良く、軽く煙を吸うだけでたっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。

レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、僅かに鼻腔を刺激する適量のペッパー(白胡椒)があることを確認する。

燃焼挙動は良好で、多少の片燃えは発生するが、最低限の火入れ修正を行うだけで済みそうだ。

副流煙の香りには、麦わらの風味を含んだ甘く香ばしい香りがある。

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

喫煙開始から15分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。

灰は軽く折れてしまうが、形を保ったまま綺麗に折ることが出来る。

中盤の味は、序盤の味をそのまま引き継ぎ、嫌なところが全く無い素晴らしい喫味で吸い進む。

喫煙開始20分時点で、少量の草と麦わらの味が追加される。

この葉巻は間違いなく上質で素晴らしい葉巻なのだが、”唯一無二”の葉巻かと問われたなら、それは”違う”と答えるだろう。

同じ系統の味としては”ダビドフ”が挙げられるだろうし、ダビドフの方が少し安く購入できるだろうし、クリームの量もダビドフの方がより多いように思える。

他には過去に喫煙レビューした”ヘンリー・クレイ ウォーホーク コロナ”とも似通ったところがあり、個人的には十分な代替葉巻として機能するものだと思う。

多少この葉巻に対して反発的になるところがあるのは、その異常に高い葉巻価格からくるものであることは、お察しの通りだ。

”ダビドフ”ならこの”コイーバ シグロ Ⅰ”の半値に近い価格で楽しめるだろうし、”ヘンリー・クレイ ウォーホーク”ならば1/4の価格でより大きな”コロナ”ビトラが手に入る。

ある意味、この葉巻は”お金に糸目をつけない”諸氏向けの葉巻と言えるだろう。

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から30分以降の終盤は、まず2回目の灰折を行うことから始める。

終盤の味は序盤・中盤の味を引き継ぐが、中盤から現れた草と麦わらの味が強さを増してくる。

喫煙開始36分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。

否、元々緩く巻かれていたこともあり、そのまま引き抜くことにした。

リング状のまま引き抜いた後に接着面を剥がしてみると、とても簡単に、且つ、とても綺麗な状態で平面にすることが出来た。

喫煙開始40分時点で、不意に灰皿に置いていた葉巻を机に落としてしまった。

小さく折れた灰をよく見てみると、中心部に穴のようなものがあることを発見する。

おそらくは”巻き方”によって出来たものだろうが、これが素晴らしいドローを生み出す要因になっているのかも知れない。

喫煙開始48分時点では、序盤・中盤の味に比べると少しのロースト感が追加された味になってくるが、嫌な苦みや鋭さが無いことは勿論のこと、味の劣化も最小限で、この終盤終わり頃であってもクリームの味は健在だ。

喫煙開始54分時点の葉巻が指で摘まめなくなる限界まで喫煙した段階で、喫煙を終了することとした。

葉巻テイスティング総評

総評として、この”コイーバ シグロ Ⅰ/Cohiba Siglo I”は、とても上質な杉の木とナッツとクリームと草と麦わらと革と土が融合した味に、僅かに鼻腔を刺激する適量のペッパー(白胡椒)、背景に杉の樹液を思わせるメープルシロップとクリームの甘さが味わえる、複雑な味でありながらマイルド&スムースな喫味が楽しめる素晴らしい葉巻だと言える。

この葉巻を吸う前までは、きっとキューバ産葉巻である”モンテクリスト”や”H.アップマン”等が比較対象となるのだろうと考えていたが、予想に反して、この葉巻は”ダビドフ”を彷彿とさせる味であることに驚いた。

だが、それもその筈、ダビドフがキューバで葉巻を製造していたときは、今回喫煙したコイーバ葉巻を製造している”エル・ラギート/El Laguito”工場で製造していたのだから、当然と言えば当然だ。

ダビドフがコイーバの味に寄せてきたのか、はたまたコイーバがダビドフの味に寄せてきたのか定かではないが、製造元が同じであれば味が似てくるのは当然のことだろう。

先にも述べたことだが、今回喫煙した”コイーバ シグロ Ⅰ”はとても小さな葉巻であるにも関わらず、1本6,490円もする葉巻であり、この葉巻を吸うにはどうしてもその対価を求めてしまうところが最大の弱点だと考える。

私はこの葉巻に対して”唯一無二”の味であること期待したが、流石にそれは過度な期待であったことは言うまでもない。

この葉巻の代替葉巻として筆頭に上がるのは、過去に喫煙レビューした”ダビドフ シグネチャー 1000”だろう。

1本2,700円で購入出来る、とても上質な葉巻だ。(それでもかなり高価だと思うが…。)

次に名前を挙げるならば、こちらも過去に喫煙レビューしている”ヘンリー・クレイ ウォーホーク コロナ”だろう。

価格はこの”コイーバ シグロ Ⅰ”の1/4という安価な葉巻であるため、多くの方は眉をひそめるかもしれないが、クリームの味を主体としながらカカオ豆やウイスキー・オーク樽の風味も味わえる、”リーズナブル系葉巻の中での逸品”と、私が捉えている葉巻だ。

庶民が庶民に薦める”コイーバ シグロ Ⅰ”の代替葉巻としては、この葉巻の方がより現実的ではないだろうか?

そして今回、コイーバの葉巻を初めて喫煙したことで、次なるキューバ産葉巻のターゲットが確定した。

元は”フィデル・カストロ”のためだけの専用葉巻として製造されていた”トリニダッド レイエス/Trinidad Reyes”だ。

この葉巻の製造を監督していた”アベリーノ・ララ/Avelino Lara”によると、”これは特別な葉巻、トリニダッドだよ。コイーバよりもいいんだ。まさに選りすぐりの選りすぐりの葉巻だよ。”と語っているのを知って、より興味が沸いてしまった。

その当時、フィデル・カストロは、CIAが企てていた”葉巻爆弾”を吸わせて暗殺するという計画を知っていたため、トリニダッド葉巻の管理を任されていたララは、爆弾を仕掛けられないようにと毎日葉巻と一緒に寝たという実話もあるほどだ。

味は兎も角として、私が高価な葉巻を購入する場合には、吸いたいと思わせる理由付けが必要となるため、”ドリニダッド”は正に打って付けの葉巻と言えるだろう。

今回喫煙した葉巻の葉巻独自5段階評価は、価格を考慮しない評価として、4.5/5点を与えるに相応しい葉巻だと判断した。

参考までに、この”コイーバ シグロ/Cohiba Siglo”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、84ポイント~94ポイントという評価を得ていおり、今回喫煙した”シグロ Ⅰ”ビトラに於いては、90ポイント~93ポイントという高評価を得ています。また、この葉巻シリーズの”シグロ Ⅵ”ビトラは、2021年の葉巻トップ25(93ポイント8位)と2004年の葉巻トップ25(93ポイント3位)に入賞、”シグロ Ⅵ チューボ”ビトラは、2018年の葉巻トップ25(92ポイント19位)と2016年の葉巻トップ25(93ポイント19位)に入賞、”シグロ Ⅴ チューボ”ビトラは、2009年の葉巻トップ25(94ポイント2位)に輝いています。

喫煙時間

喫煙時間:54分

味覚フレーバーグラフ

チョコレート(カカオ豆) ★★☆☆☆
スィーツ(甘さ) ★★★☆☆
クリーム(滑らかさ) ★★★★☆
コーヒー(苦み含む) ★☆☆☆☆
トースト(パン・穀物) ★☆☆☆☆
木(杉・オーク等) ★★★★☆
★★☆☆☆
土(素朴さ) ★★☆☆☆
草(わら・ハーブ含む) ★★★☆☆
ナッツ ★★★☆☆
ペッパー(胡椒・唐辛子) ★★★☆☆
フルーツ(酸味含む) ★☆☆☆☆

葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度

おすすめ度:★★★★★

世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)

  • アメリカ国内参考価格 -
  • ヨーロッパ圏内参考価格 €34.00 (1ユーロ160円換算にて5,440円)
  • 日本国内価格 ¥6,490 (参考日本販売価格倍率1.19倍)

葉巻重量

  • 購入時重量 5.36g
  • 加湿・熟成後重量 5.26g (葉巻ヘッドカット後重量5.15g)
  • ドライシング後重量 5.09g
  • △減少重量 (△減少割合) △0.06g (△1.17%)

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