アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro

4.5
アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1 トロ/Toro
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アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro

葉巻/シガー情報

ブランド名 アガノルサリーフ
シリーズ名 ラ・バリダシオン コロホ
ビトラ トロ
葉巻の長さ 158.7mm (6.25インチ)
葉巻の直径(リングゲージ) 20.6mm (52)
ラッパー ニカラグア産 コロホ’99種 (シェード)
バインダー ニカラグア産
フィラー ニカラグア産
生産国 ニカラグア製
価格 1,980円 (2025年8月現在)

この”アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro”の葉巻/シガー喫煙レビュー

今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニカラグア最大のタバコ葉生産者である”アガノルサリーフ/Aganorsa Leaf”からの1本である、”アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro”です。

アガノルサリーフが栽培したタバコ葉を使用している葉巻としては、過去に喫煙レビューした”ワープト”葉巻ブランドが挙げられますが、私が今まで喫煙してきた葉巻の中でもトップ3に入る旨さであった”ワープト コルト X46”を吸ってからというもの、いつかはアガノルサリーフ・オリジナルブランドの葉巻を吸ってみたいと思っていました。

2025年4月25日に財務省から公表された”製造たばこの小売定価の認可”データを見ると、

上記のアガノルサ製葉巻シリーズが、新たに日本に輸入されたようです。

今回私が購入したのは、”ラ・バリダシオン コロホ トロ”と”ラ・バリダシオン コネチカット トロ”、並びに”シグネチャー コロホ トロ”と”シグネチャー マデューロ トロ”の計4本となります。

アガノルサリーフのタバコ葉を使用した”ワープト コルト X46”は小さい葉巻であるにも関わらず1本2,700円と高価なため、おいそれと購入することは出来ませんでしたが、今回喫煙レビューする”アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ”は”トロ”ビトラという大きな葉巻であるにも関わらず1本1,980円で購入できるため、期待した通りの味であるならば価値ある1本となりそうです。

アガノルサリーフ製葉巻の特徴としては、ラッパー、バインダー、フィラーの全てがアガノルサリーフで栽培したタバコ葉を使用している葉巻が多いことが挙げられます。

勿論、ラッパーに関してはエクアドル産やメキシコ産を使用したものも存在しますが、基本はアガノルサリーフで栽培したニカラグア産コロホ’99種とニカラグア産クリオロ’98種のタバコ葉が使用されています。

”コロホ’99種”と”クリオロ’98種”のタバコ葉の組み合わせは”鉄壁の組み合わせ”と呼ばれており、そのバランスの取れたキューバ産葉巻を彷彿とさせる味の良さは、既に私も確認済みです。

今回喫煙レビューする”ラ・バリダシオン コロホ トロ”は、ラッパーにも私の好きなコロホ’99種のタバコ葉が使用されているため、味に期待したいところです。

参考までに、アガノルサリーフの経営者である”エドゥアルド・フェルナンデス/Eduardo Fernandez”は、キューバで生まれた後、少年時代にアメリカへ移住し、”ウォートン・スクール/Wharton School of the University of Pennsylvania”を卒業した後、ニューヨーク・マンハッタンで銀行員としてキャリアをスタートさせます。

ニューヨークで10年過ごした後、スペイン・マドリードに移住して兄と共に”レテピザ/Telepizza”レストランチェーンを設立し、大成功を収めます。

”テレピザ”の成功で築いた巨額の資産を用いて、元々土地を耕すことに憧れていたこともあり、ニカラグアにて農地を購入し、1998年からタバコ事業に参入します。

タバコ事業に不慣れなフェルナンデスは、キューバ人のタバコ葉発酵業務の専門家である”アルセニオ・ラモス/Arsenio Ramos”と、同じくキューバ人のタバコ葉衛生管理の専門家である”ハシント・イグレシアス/Jacinto Iglesias”という2人の農学者を招き入れ、タバコ葉栽培を開始します。

今現在ではニカラグア最大のタバコ葉生産者として、”アルタディス/Altadis”や”ドリュー・エステート/Drew Estate”等にタバコ葉を卸すだけでなく、”イリュージョン/Illusione Cigars”、”ワープド/Warped”等のブティック・ブランド葉巻の下請け製造、さらに自社オリジナル・ブランド葉巻となる”アガノルサリーフ”や”JFR”を製造・販売するに至っています。

それでは、”アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro”(日本での財務省登録名称は”Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro BP”)葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。

葉巻外観・コールドドロー

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まずは外観から見ていきましょう。

ニカラグア産 コロホ’99種 (シェード)のラッパーで巻かれた、”アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro”は、シェード葉(日陰栽培)であるにも関わらずコロラドマデューロ色(茶褐色)をしていて、葉巻表面は滑らかで僅かな艶があり、美しい外観をしています。

葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本あり、サブバンドロールは金色と濃紺色を使用した中に、”COROJO”と”La Validacion”というシリーズ名が描かれ、メインバンドロールは濃紺色と金色と赤色を使用した中に、アガノルサリーフ・ブランド名とタバコ葉を持つ腕の絵のロゴマークが描かれています。

葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれていながら、葉巻表層部には僅かな弾力性を備えています。

葉巻ボディからは、杉の木やヒノキの良い香りがします。

この葉巻は、平均室内温度29℃・湿度70%に維持した自家製ヒュミドール内にて44日間の加湿・熟成を行っています。

葉巻喫煙を開始する7時間半程前に、葉巻を湿度48%のシリカゲル(乾燥剤)入りドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。

シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、麦わらの味がして、引き抵抗はごく僅かに重めですが、良好と言えるでしょう。

今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約3分20秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。

葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤ファーストサード

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。

序盤は、少し酸味寄りの爽やかさを伴う上質な杉の木の味からスタートする。

直ぐに、少量のカカオ豆と革と土の味が追加される。

背景には、カカオ豆やナッツの甘さにごく少量の柑橘系果実の甘酢っぱさがある。

旨い!

最初の一服目の味は、過去に喫煙レビューした”オリバ セリー V メラニオ”葉巻シリーズと似ていると感じたが、オリバのような酸味成分を伴う味ではなく、あくまで酸味寄りの爽やかさを伴う味だということと、カカオ豆の味を含んでいるところに違いがある。

喫煙開始15分時点では、この葉巻はオリバの味に似ているのではなく、”H.アップマン”等のキューバ産葉巻の味に近いということに気付く。

副流煙の香りには、カカオ豆の香ばしい甘さがある。

ストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)はミディアム~ミディアムフルと言ったところか。

レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、少し鼻腔をくすぐる適量のペッパー(白胡椒)があることを確認する。

着火後の引き抵抗(ドロー)は重くも軽くも無く、適度な吸引力でたっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。

喫煙開始35分時点で、1回目の灰折を行う。

灰は心地良い感触と共に、綺麗に折ることが出来る。

燃焼挙動は良好で、灰折時に軽い火入れ修正を行うだけで、火は均一に燃え進む。

アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤の終わり頃ファーストサード

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤セカンドサード

喫煙開始から40分以降の中盤は、序盤の味を引き継ぎ、爽やかさを伴う杉の木とカカオ豆と少量の革と土の味に、背景にあるカカオ豆やナッツの甘さを堪能しながら吸い進む。

ここで、もう一度言っておこう。

旨い!

煙の味にはマイナス要素が存在せず、”葉巻はこういう味であるべきだ!”と思える理想の味だ。

だが、ドミニカ共和国産やニカラグア産等の非キューバ産葉巻で感じられるバリエーションに富んだ味ではなく、あくまでキューバ産葉巻のような優等生的な味であることは否めない。

それは私が思うところの、いつ、どんな時に吸っても旨いと感じることが出来る”デイリー・シガー”である、ということを意味している。

喫煙開始68分時点で、2回目の灰折を行う。

喫煙開始72分時点で、背景にごく少量のクローブやナツメグ等のミックス・スパイスの風味が追加される。

アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤の終わり頃セカンドサード

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終盤ファイナルサード

喫煙開始から80分以降の終盤は、序盤・中盤の味を引き継ぎ、欠点を感じることが無い素晴らしい味で吸い進む。

喫煙開始83分時点で、うっかり失火させてしまったため再着火を試みるが、決して燃焼挙動が悪い訳ではなく、あくまで私が他の作業を行っていたからに他ならない。

再着火後も、味に遜色は見られない。

喫煙開始88分時点で、サブバンドロール(シガーリング)を剥がす。

サブバンドロールはとても簡単に、且つ、綺麗に剥がすことが出来る。

私が葉巻喫煙レビューを行う際には、予め葉巻の大きさを考慮して、最終喫煙時間を予測した分数を3分割して、序盤・中盤・終盤の時間としているのだが、今回は終盤に突入した時点でもまだ葉巻の半分しか吸っていないことに気付く。

今回は”トロ”ビトラであったため、最終喫煙時間を2時間と予想したが、2時間以上は優に喫煙出来そうな勢いだ。

喫煙開始103分時点で、3回目の灰折を行う。

喫煙時間115分時点では、流石に煙には僅かな苦みを伴うようになり、それもキューバ産葉巻の苦みの出かたと酷似しているようだ。

喫煙開始117分時点で、メインバンドロールを剥がす。

メインバンドロールは接着剤の量が多く、綺麗に剥がすことは出来なかった。

喫煙開始125分時点で、味の劣化は全く無いのだが、残念なことに苦みが気になりだしてしまい、この苦みさえ無ければ優に2時間30分は喫煙出来る葉巻であったと考えるが、この辺で喫煙を終えることを止む無しとした。

アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終盤の終わり頃ファイナルサード

アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終了後ファイナルアッシュ

葉巻テイスティング総評

総評として、この”アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro”は、少し酸味寄りの爽やかさを伴う上質な杉の木とカカオ豆と少量の革と土の味に、少し鼻腔をくすぐる適量のペッパー(白胡椒)、背景にカカオ豆やナッツの甘さにごく少量の柑橘系果実の甘酸っぱさやクローブやナツメグ等のミックス・スパイスの風味が味わえる、キューバ産葉巻の味を彷彿とさせる葉巻だと言える。

この葉巻は私が予想していた通り、ニカラグア産”コロホ’99種”と”クリオロ’98種”のブレンドが織りなす、素晴らしい喫味の葉巻であった。

唯一、残念だったのは、喫煙終盤120分時点で苦みが発生してしまい、まだ5cm程葉巻が残っていたにも関わらず、喫煙を終了せざるを得なかったことぐらいだろうか。

この苦みが発生した原因は当初、葉巻の燃焼スピードが通常の葉巻と比べて遅いことが影響しているのではないかと疑ったが、以前に喫煙した”ミロ ロブスト”(自家製発酵器熟成)ではこの葉巻と同じくらい遅い燃焼スピードであっても、喫煙時間125分という限界ギリギリまで吸っても嫌な苦みなどは発生しなかったことから、一概にそうとは言い切れないようだ。

今回、アガノルサリーフの葉巻は4本購入しているため、最後の1本は私が独自に考案した”自家製発酵器熟成”を行って、苦みの発生具合を検証してみようと考えている。

この”アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ”はキューバ産葉巻を彷彿とさせる喫味であったことに疑いの余地はなく、おそらくは非キューバ産葉巻としては最もキューバの味に近い葉巻なのではないだろうか?

それは私にとって”優等生”的な葉巻の味であり、”デイリー・シガー”に向いている葉巻であるということを意味している。

刺激的で興奮するような味ではないかも知れないが、飽きずに毎日でも吸える葉巻だ。

この葉巻の葉巻独自5段階評価は、もっと長い時間吸えた筈なのに、苦みの発生によって喫煙を中断させられたことを鑑みても、4.0/5点寄りの4.5/5点を与えるに相応しい葉巻だと判断した。

参考までに、この”アガノルサリーフ ラ・バリダシオン コロホ トロ/Aganorsa Leaf La Validacion Corojo Toro”は、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、90ポイントという高評価を得ています。

喫煙時間

喫煙時間: 125分

味覚フレーバーグラフ

チョコレート(カカオ豆) ★★★☆☆
スィーツ(甘さ) ★★★☆☆
クリーム(滑らかさ) ★★★☆☆
コーヒー(苦み含む) ★★☆☆☆
トースト(パン・穀物) ★☆☆☆☆
木(杉・オーク等) ★★★☆☆
★★☆☆☆
土(素朴さ) ★★☆☆☆
草(わら・ハーブ含む) ★☆☆☆☆
ナッツ ★★☆☆☆
ペッパー(胡椒・唐辛子) ★★☆☆☆
フルーツ(酸味含む) ★★☆☆☆

葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度

おすすめ度:★★★★☆

世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)

  • アメリカ国内参考価格 $10.25 (1ドル148円換算にて1,517円)
  • ヨーロッパ圏内参考価格 -
  • 日本国内価格 ¥1,980 (参考日本販売価格倍率1.31倍)

葉巻重量

  • 購入時重量 17.20g
  • 加湿・熟成後重量 17.28g (葉巻ヘッドカット後重量17.05g)
  • ドライシング後重量 16.95g
  • △減少重量 (△減少割合) △0.10g (△0.59%)

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