ビバ・ラ・ヴィーダ ロブスト/Viva la Vida Robusto
葉巻/シガー情報
| ブランド名 | ビバ・ラ・ヴィーダ (アルテザーノ・デル・タバコ社) | 
| シリーズ名 | ビバ・ラ・ヴィーダ | 
| ビトラ | ロブスト | 
| 葉巻の長さ | 127mm (5インチ) | 
| 葉巻の直径(リングゲージ) | 21.4mm (54) | 
| ラッパー | ニカラグア産 ハバノ2000種 オスクロ | 
| バインダー | ニカラグア産 コロホ’99種 | 
| フィラー | ニカラグア産 クリオロ’98種 | 
| 生産国 | ニカラグア製 | 
| 価格 | 2,950円 (2025年10月現在) | 
この”ビバ・ラ・ヴィーダ ロブスト/Viva la Vida Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニューヨークにあるシガー・バー”シガー・イン/Cigar inn”を経営していた”ビリー・ファキー/Billy Fakih”と”ガス・ファキー/Gus Fakih”兄弟が設立した”アルテザーノ・デル・タバコ/Artesano Del Tobacco”社からの1本である、”ビバ・ラ・ヴィーダ ロブスト/Viva la Vida Robusto”です。
この葉巻は私が好きな”A.J.フェルナンデス”によって作られている葉巻であることから、その存在は前々から知っていましたが、A.J.オリジナル・ブランドの葉巻シリーズの多くを既に吸っていたたため、わざわざ高いお金を払って下請け製造葉巻を吸う必要は無いと考えていました。
しかしながら、”ワープト”の葉巻を”アガノルサリーフ”が下請け製造しているように、味の系統は同じであっても、部外者がブレンドすることによって、新たな喫味が生まれることがあるため、一度は吸っておく必要があると考えて購入してみることにしました。
下請け製造しているA.J.フェルナンデスにとっては、自社では思いつかないブレンド(良いブレンドだとは思わない味?)が思わぬヒット商品となる可能性もあるため、時には外の風を引き入れることも必要なのでしょう。
謂わば、”有能な社外コンサルタントにブレンドを依頼する”と捉えることが出来れば、A.J.フェルナンデスにとっても多大なる恩恵が受けられる可能性があるということです。
この”ビバ・ラ・ヴィーダ ロブスト”の葉巻構成内容は、全てA.J.フェルナンデスの農園で栽培されたタバコ葉のみを使用した”ニカラグアン・ピューロ”であり、バインダーとフィラーはコロホ’99種とクロオロ’98種の”鉄壁の組み合わせ”、さらにエクアドル産ではない、ニカラグア産ハバノ2000種のラッパーを使用するという、個人的には完璧な葉巻構成内容となっています。
但し、A.J.で作られるハバノ2000種オスクロラッパーは、私の推測の域を出ませんが、おそらく、オーク材やヒッコリー材の薪で火を起して乾燥させた”ダーク・エア・キュアード”製法によるタバコ葉であると考えますので、風味の強さが逆に悪い影響を与えていないかが気になるところです。
何はともあれ、A.J.フェルナンデス製造のビバ・ラ・ヴィーダ葉巻ブランドの葉巻を楽しんでみることにしましょう!
参考までに、ニューヨークにあるシガー・バー”シガー・イン/Cigar inn”を経営していた”ビリー・ファキー”と”ガス・ファキー”兄弟は、2015年に店舗を”JR シガー”(Altadisの子会社)に売却してしまいますが、2019年には”アルテザーノ・デル・タバコ”社を設立し、最初のオリジナル・ブランドの葉巻となる”ビバ・ラ・ヴィーダ/Viva la Vida”を販売します。
垂直統合型ではない葉巻メーカーであるため、製造は全て”A.J. フェルナンデス”の工場で作られていますが、ビリー&ガス兄弟とA.J.が共同で開発された葉巻は、全てがA.J. フェルナンデスの農園で栽培・発酵・熟成されたニカラグア産のタバコ葉を使用することを前提に作られており、熟練の葉巻愛好家に向けて風味豊かな味付けとなっているそうです。
それでは、”ビバ・ラ・ヴィーダ ロブスト/Viva la Vida Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー

まずは外観から見ていきましょう。
ニカラグア産 ハバノ2000種 オスクロのラッパーで巻かれた、”ビバ・ラ・ヴィーダ ロブスト/Viva la Vida Robusto”は、コロラドマデューロ(茶褐色)~マデューロ色(褐色)をしていて、葉巻表面は滑らかで僅かな艶があり、美しい外観をしています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)には、ゴシック・ロックやゴシック・メタル調の女性版ジョーカーのような怪しい雰囲気を醸し出した絵が描かれており、見るからに強い喫味の葉巻であることを連想させます。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれていながら、葉巻表層部にはごく僅かな弾力性を備えています。
葉巻ボディからは、牛舎系の良い香りがします。
この葉巻は、平均室内温度24℃・湿度67%に維持した自家製ヒュミドール内にて45日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する8時間程前に、葉巻を湿度44%のシリカゲル(乾燥剤)入りドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うとローストされた麦わらの味がして、引き抵抗は重くも軽くも無く、良好と言えるでしょう。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約3分10秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、僅かな酸味と少しの刺激を含むローストされた杉の木の味からスタートする。
直ぐに、土の味とローストされた少量のカカオ豆の味が追加される。
最初の一服目は、喉を少し刺激するような煙だったが、5分もするとその刺激成分は弱まってくる。
久しぶりにA.J.製の葉巻を喫煙したせいか、”A.J.の葉巻って、こんな味だったか?”と思える程、関連性を見い出せないブレンドとなっている。
その理由は、僅かな酸味成分を含む味を基本としている葉巻だからだろうか?
だが、そんな疑問も、喫煙開始15分時点頃からは心地良い喫味に思え始めたことで、どうでも良い話となる。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、副鼻腔を少し刺激するしっかりと効いたペッパー(白胡椒?)があることを確認する。
ストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)もミディアムと言ったところか。
燃焼挙動はとても良く、火入れ修正を必要とすることなく、火は均一に燃え進む。
着火後の引き抵抗(ドロー)は重くも軽くも無く、適度な吸引力でしっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。
副流煙の香りには、少しの酸味成分を含む甘く香ばしい香りが含まれている。
喫煙開始22分時点で気付いたのだが、この葉巻の喫味は、マデューロ葉巻そのものの味であることが分かる。
先に記述したように、この葉巻のラッパーは”ダーク・エア・キュアード”燻煙乾燥がなされていると推測するが、それがマデューロ葉巻と同等の味を実現しているようだ。
個人的には、マデューロ葉巻をあまり得意としていないが、この葉巻をマデューロ葉巻とするならば、マデューロ葉巻ほど酸味も強くなく、且つ、ナチュラル葉巻の味も備えていることから、私にとっては最高のマデューロ葉巻となりそうだ。

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

喫煙開始から25分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。
灰はしっかりとした感触と共に、綺麗に折ることが出来る。
中盤の味は序盤の味を引き継ぎ、僅かな酸味成分を含むローストされた杉の木と土とカカオ豆の味に、背景にあるクローブやカルダモン等のミックス・スパイスの風味で吸い進む。
気付くのが遅くなったが、この時点で、旨い!と言っておこう。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から55分以降の終盤は、まず2回目の灰折とバンドロール(シガーリング)を剥がすことから始める。
バンドロールは簡単、且つ、とても綺麗に剥がせることに好感が持てる。
終盤の味は序盤・中盤の味を引き継ぐが、この葉巻に含まれている僅かな酸味とペッパー・スパイスの刺激が体内に蓄積されてきて、喫味は強さを増してくる。
だが、嫌な苦みの発生や味の劣化はまだ始まっていない。
喫煙開始80分時点で、ローストされたコーヒー豆の味が追加される。
そのコーヒー豆の味には、コーヒー豆としての苦みが含まれているが、決して嫌な苦みではない。
喫煙開始82分時点で、3回目の灰折を行う。
喫煙開始90分時点の、ストレングス(ニコチン量)がミディアムからミディアムフルへと移行し、苦み成分も少し気になりだし、さらに体内にニコチンが蓄積され始めたと感じだした段階で、喫煙を終了することとした。

葉巻テイスティング総評
総評として、この”ビバ・ラ・ヴィーダ ロブスト/Viva la Vida Robusto”は、僅かな酸味と刺激を含むローストされた杉の木と土とカカオ豆の味に、副鼻腔を少し刺激するしっかりと効いたペッパー(白胡椒)、背景にクローブやカルダモン等のミックス・スパイスの風味が味わえる、マデューロ葉巻として捉えるならばとても秀逸な葉巻だと言える。
この葉巻はA.J.フェルナンデスが栽培したタバコ葉のみを使用し、且つ、A.J.フェルナンデスの工場で巻かれている葉巻だが、それでいてA.J.が作った葉巻とは思えない味を実現している。
だが、その葉巻が世間から高い評価を得ているのだから、それはA.J.にしてみれば、”願ったり叶ったり”と言って良いのではないだろうか?
A.J.オリジナルブランドの葉巻では、フレーバー(風味)こそ強いものの、ペッパー・スパイスの刺激が感じられるような葉巻はあまり存在しないと認識しているが、この葉巻は喫煙全般を通してペッパー・スパイスの刺激が感じられる作りとなっている。
だが、決してドライ感を伴う鋭い味ではなく、あくまでペッパー・スパイスの刺激がある葉巻であることを伝えておきたいと思う。
端的に表現すると、この葉巻は僅かな酸味とペッパー・スパイスの刺激を特徴としている葉巻と言えるだろう。
だが、”ロブスト”ビトラに1本2,950円を出してリピート購入したいかと問われれば、それは無いと答えるだろう。
もっと安くて、同等に旨いマデューロ葉巻は、他にもあるからだ。
今回喫煙した”ビバ・ラ・ヴィーダ ロブスト”は、私にとって最高に旨い葉巻とはならなかったが、A.J.の別の顔(味)が見られたということに於いては、有益だったと考える。
今回喫煙した葉巻の葉巻独自5段階評価は、この葉巻をマデューロ葉巻として捉えるならば、4.0/5点を与えるに相応しい葉巻だと判断した。
参考までに、この”ビバ・ラ・ヴィーダ/Viva la Vida”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、86ポイント~94ポイントという高評価を得ており、この葉巻シリーズの”ロブスト”ビトラに於いては、86ポイント~89ポイントという評価を得ています。また、”ビバ・ラ・ヴィーダ ジェスター”は、2024年の葉巻トップ25(93ポイント第13位)と2020年の葉巻トップ25(94ポイント第16位)の2度の入賞を果たしています。
喫煙時間
喫煙時間:93分
味覚フレーバーグラフ
| チョコレート(カカオ豆) | ★★★☆☆ | 
| スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ | 
| クリーム(滑らかさ) | ★☆☆☆☆ | 
| コーヒー(苦み含む) | ★★☆☆☆ | 
| トースト(パン・穀物) | ★☆☆☆☆ | 
| 木(杉・オーク等) | ★★★★☆ | 
| 革 | ★★☆☆☆ | 
| 土(素朴さ) | ★★★☆☆ | 
| 草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ | 
| ナッツ | ★★☆☆☆ | 
| ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★★☆ | 
| フルーツ(酸味含む) | ★★★☆☆ | 
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★☆☆
世界各国葉巻値段比較 (アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $12.00 (1ドル148円換算にて1,776円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €12.00 (1ユーロ160円換算にて1,920円)
- 日本国内価格 ¥2,950 (参考日本販売価格倍率1.60倍)
葉巻重量
- 購入時重量 15.63g
- 加湿・熟成後重量 15.48g (葉巻ヘッドカット後重量15.25g)
- ドライシング後重量 15.14g
- △減少重量 (△減少割合) △0.11g (△0.72%)
 
  
  
  
  





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