マイファーザー エル・センチュリオン H-2K-CT トロ/My Father El Centurion H-2K-CT Toro
葉巻/シガー情報
| ブランド名 | マイファーザー・シガーズ |
| シリーズ名 | エル・センチュリオン H-2K-CT |
| ビトラ | トロ |
| 葉巻の長さ | 152.4mm (6インチ) |
| 葉巻の直径(リングゲージ) | 20.6mm (52) |
| ラッパー | アメリカ合衆国 コネチカット州産 ハバノ2000種 (ハイブリッド種) |
| バインダー | ニカラグア産 |
| フィラー | ニカラグア産 (サンクティ・スピリトゥス種含む) |
| 生産国 | ニカラグア製 |
| 価格 | 2,700円 (2025年1月現在) |
この”マイファーザー エル・センチュリオン H-2K-CT トロ/My Father El Centurion H-2K-CT Toro”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、11歳のときから葉巻を巻き始め、”コイーバ”や”モンテクリスト”などの葉巻も加工してきた、キューバ出身の偉大なマスター・ブレンダーである、”ドン・ペピン・ガルシア/Don Pepin Garcia”が作り上げた葉巻、”マイファーザー エル・センチュリオン H-2K-CT トロ/My Father El Centurion H-2K-CT Toro”です。
この葉巻は、私の”葉巻レーダー”の圏外を飛んでいたいたため、今まで興味を持つことはありませんでした。
何故なら、葉巻の名前に”CT”という文字が含まれており、それは私にはあまり関心の無い”コネチカット種”ラッパーが使用されている葉巻であると、安易に考えていたからです。
大きく間違っていました。(^^;)
この葉巻には、非常に珍しいアメリカ合衆国コネチカット州産(CT)のハイブリッド・ハバノ2000種(H-2K)のラッパーが使用されていることから、この名前(H-2K-CT)が付けられているとのことです。
さらにフィラーには、”タトゥアヘ/Tatuaje”葉巻ブランドを展開する”ピート・ジョンソン/Pete Johnson”と、”マイ・ファーザー/My Farther”葉巻ブランドの”ドン・ペピン・ガルシア/Don Pepin Garcia”の2人が協力して生まれた、”ラトリエ/L’atelier”葉巻ブランドの葉巻全てに使用されている、”サンクティ・スピリトゥス/Sancti Spiritus”という、クリオロ種とペロ・デ・オロ種を交配させたハイブリッド種のタバコ葉が使用されていることです。
どうやら、只者の葉巻では無さそうです。
この葉巻は、2007年に数量限定で販売された”エル・センチュリオン”葉巻シリーズが元となっていて、顧客の要望により2013年からは通常生産されるようになりましたが、ラッパーには”ニカラグア産 クリオロ’98種 サングロウン”ラッパーが使用されているため、今回喫煙する”マイファーザー エル・センチュリオン H-2K-CT”葉巻シリーズは、少し内容が異なる”スピンオフ・シガー”としての位置づけとなるようです。
ちなみに、”H-2K-CT”(アメリカ合衆国コネチカット州産ハイブリッド・ハバノ2000種)ラッパーは、どの農場で栽培されていて誰から仕入れているのかは、ドン・ペピンも明かしていないようです。
味に関してですが、オリジナルの”エル・センチュリオン”に近い葉巻構成内容であるならば、フィラーにはコロホ種とクリオロ種のタバコ葉が使われていると考えられますので、まさに”鉄壁のブレンド”と言ったところでしょう。
もしかすると、私が過去に喫煙してきたマイ・ファーザー・シガーズの葉巻の中で最高に旨いと感じた”マイファーザー ル・ビジュー 1922 トロ”を上回る旨さであるかも知れないこの葉巻を、今から吸うのがとても楽しみです!
参考までに、ドン・ペピンは、2001年に息子の”ハイメ・ガルシア/Jaime Garcia”と共に、キューバからアメリカ合衆国へ移住し、ニカラグア最大規模のタバコ葉栽培農園”アガノルサ SA/Aganorsa SA”のオーナーである、”エドゥアルド・フェルナンデス/Eduardo Fernandez”の協力のもと、小さな葉巻工場”エル・レイ・デ・ロス・ハバノス”社を、フロリダ州マイアミに立ち上げます。
ドン・ペピンが最初に作った葉巻ブランドは、2003年に”ピート・ジョンソン”と協力して作った”タトゥアヘ/Tatuaje”ブランドですが、これが、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”で大絶賛されたことで葉巻の生産が追い付かなくなり、2006年にはもっと高い生産能力を持つ、”タバカレラ・キュバーナ/Tabacalera Cubana”葉巻工場をニカラグアに設立し、現在に至ります
それでは、”マイファーザー エル・センチュリオン H-2K-CT トロ/My Father El Centurion H-2K-CT Toro”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー

まずは外観から見ていきましょう。
アメリカ合衆国 コネチカット州産 ハバノ2000種のラッパーで巻かれた”マイファーザー エル・センチュリオン H-2K-CT トロ/My Father El Centurion H-2K-CT Toro”は、コロラド色(茶色)~コロラドマデューロ色(茶褐色)をしていて、葉巻表面は滑らかな仕上げでマット面に近い艶を持ち、目立った葉脈などもなく美しい外観をしています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は3本あり、1本は葉巻フット側の広がりを抑える役目のクリーム色のリボンで、真ん中のサブバンドロールにはラッパーの品種記号である”H・2K・CT”が記載され、葉巻ヘッド側のメインバンドロールには、”EL CENTURION”の文字と、中心には大きく”C”の文字が描かれています。
葉巻を指で摘まんでみると、全体的にしっかりと巻かれており、葉巻表層部にはごく僅かな弾力も備えた仕上がりとなっています。
葉巻ボディからは、とても強い牛舎系の素晴らしい香りがします。
この葉巻は、平均室温18℃・湿度68%に維持した自家製ヒュミドール内にて、43日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する8時間前に、葉巻を湿度49%のシリカゲル(乾燥剤)入りドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、刺激の無い麦わらと微かなウイスキーオーク樽の味がして、引き抵抗はごく僅かに重めですが、良好と言えるでしょう。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約3分間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、爽やかで上質な杉の木とナッツの味からスタートする。
直ぐに、ごく少量の革と土の味が追加される。
とても上質な煙だが、期待していた以上の味ではない。
この後どのような味が追加されていくのか、様子を見ながら丁寧な喫煙を心掛ける。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、鼻腔を心地良く刺激するしっかりと効いたペッパー(白黒混合の胡椒)があることを確認する。
喫煙開始10分時点で、少量のカカオ豆の味が追加され、副流煙からもカカオ豆の香ばしい香りがあることを認識する。
旨い!
背景には、”ペピン・ペッパー”と呼ばれる、味のある繊細なペッパーがしっかりと感じられ、喫味はとても心地良い。
燃焼挙動は多少の片燃えを抱えながら燃え進むため、頻繁な火入れ修正が必要となりそうだ。
序盤でのストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)はミディアム~ミディアムフルと言ったところか。
着火後の引き抵抗(ドロー)は良好で重くも軽くも無く、適度な吸引力でしっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。
喫煙開始25分時点で、1回目の灰折を行う。
灰は、心地良い感触と共に折れるが、火入れ修正を行ったことが影響して少し崩れてしまう。
嫌な苦みや鋭さは皆無だし、優等生的なとても旨い葉巻なのだが、この葉巻に使用されている特別な”H-2K-CT”ラッパーと”サンクティ・スピリトゥス種”フィラーの味を、イマイチ掴むことが出来ない。
もっと、”特別な何か”を期待してしまう。
クリオロ種とペロ・デ・オロ種を交配させたハイブリッド種である”サンクティ・スピリトゥス”の味は、以前に喫煙した”ラ・ミッション ラトリエ 1959”の方が活かし切れていたように思うし、初めて味わう”H-2K-CT”ラッパーに関しては、全く特徴が掴めないというのが、正直な感想だ。

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

喫煙開始から35分以降の中盤は序盤の味を引き継ぐが、爽やかさが僅かに影を潜め、カカオ豆の味が強さを増す。
この中盤で気付いたのだが、この葉巻には背景にある筈の”甘さ”が少ないことが影響して、”旨味”を感じにくいのかも知れない。
加えて、期待していた大麦麦芽やウイスキー・オーク樽の風味が感じられないことも、その理由の一つなのだろう。
喫煙開始39分時点で、サブバンドロール(シガーリング)を剥がす。
サブバンドロールは、少し接着剤の量が多いが、なんとか綺麗に剥がすことが出来る。
喫煙開始55分時点で、2回目の灰折を行う。
喫煙開始60分時点で、やっと期待していたウイスキー・オーク樽の風味を、少量ではあるが感じ始める。
この中盤に於いても”H-2K-CT”ラッパーの味を掴むことが出来ないが、アメリカ合衆国コネチカット州産とは言え、ハバノ2000種の味に近いと言って良いだろう。
エクアドル産ハバノ2000種との差異は、私には感じられない。

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から70分以降の終盤は、まずメインバンドロールを剥がすことから始める。
こちらも接着剤の量が多いが、綺麗に剥がすことが出来る。
終盤の味は中盤の味を引き継ぐが、ウイスキー・オーク樽を燃やした風味と”ペピン・ペッパー”を主体とした味で吸い進む。
この終盤に於いても嫌な苦みや鋭さとは無縁の喫味で、味の劣化も無い。
だが、ストレングス(ニコチン量)はミディアムからミディアムフルへと移行する。
喫煙開始80分時点で、3回目の灰折を行う。
喫煙開始85分で、少量の小麦粉の風味が追加されるが、パンに成り切ることはない。
喫煙開始110分時点で、あろうことか、この喫味に飽きてしまったことから、この辺で喫煙を終了することとした。

葉巻テイスティング総評
総評として、この”マイファーザー エル・センチュリオン H-2K-CT トロ/My Father El Centurion H-2K-CT Toro”は、爽やかで上質な杉の木とカカオ豆とナッツと少量の土と革の味に、鼻腔を心地良く刺激するたっぷりの繊細なペッパー(白黒混合の胡椒)、背景に少量のウイスキー・オーク樽の風味と”ペピン・ペッパー”と呼ばれる味のある繊細なペッパーを味わうことが出来る葉巻だと言える。
とても上質で優等生的な旨い葉巻であり、”ドン・ペピン”らしい味を満喫できる葉巻であることは間違いないのだが、私にとっては”甘さ”少し足らなかったことから、十分な旨味を感じ取ることが出来なかったようだ。
この葉巻をリピート購入するくらいなら、”サンクティ・スピリトゥス”種のタバコ葉の味を活かした1本2,100円で購入できる”ラ・ミッション ラトリエ 1959”を選択しているだろう。
”マイファーザー/ドン・ペピン”ブランドの葉巻としては、最高の味と評価した”マイファーザー ル・ビジュー 1922 トロ”に遠く及ばない味であったことは、期待していただけに残念だ。
だが、味もこの域に達すると、旨いか不味いかではなく、好きか嫌いかの好みの問題になってくるように思う。
ニコチン量に関しては、今回喫煙した”マイファーザー エル・センチュリオン H-2K-CT トロ”の方が”ル・ビジュー”よりも控えめで吸いやすいため、強いニコチンに慣れていない方へは今回喫煙したこの葉巻をお勧めしたい。
今回喫煙した葉巻は、アメリカ合衆国コネチカット州産(CT)のハイブリッド・ハバノ2000種(H-2K)である”H-2K-CT”ラッパーを使用した葉巻であることを特徴としているが、残念ながら、私にはその良さを掴むことが出来なかった。
今現在、日本で購入することはできないが、”ニカラグア産 クリオロ’98種 サングロウン”ラッパーを使用したオリジナルの”エル・センチュリオン”の方が、私好みの味なのかも知れない。
この葉巻の葉巻独自5段階評価は、嫌な苦みや鋭さとは無縁の優等生的な葉巻ではあるが、私にとって少し単調な味であったことと甘さ(旨味)が足らなかったことから、4.5/5点寄りの4.0/5点とすることとした。
参考までに、この”マイファーザー エル・センチュリオン H-2K-CT/My Father El Centurion H-2K-CT”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、92ポイント~93ポイントという高評価を得ており、この”トロ”ビトラに於いても、93ポイントという高評価を得ています。また、この”トロ”ビトラは、2016年の葉巻トップ25(93ポイント16位)への入賞を果たしています。
喫煙時間
喫煙時間:115分
味覚フレーバーグラフ
| チョコレート(カカオ豆) | ★★★☆☆ |
| スィーツ(甘さ) | ★★☆☆☆ |
| クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
| コーヒー | ★☆☆☆☆ |
| トースト(パン・小麦) | ★★☆☆☆ |
| 木(杉・オーク等) | ★★★★☆ |
| 革 | ★★☆☆☆ |
| 土(素朴さ) | ★★☆☆☆ |
| 草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
| ナッツ | ★★★☆☆ |
| ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★★☆ |
| フルーツ(酸味含む) | ★☆☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★★☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $9.70 (1ドル148円換算にて1,435円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €12.90 (1ユーロ160円換算にて2,064円)
- 日本国内価格 ¥2,700 (参考日本販売価格倍率1.54倍)
葉巻重量
- 購入時重量 16.49g
- 加湿・熟成後重量 16.37g (葉巻ヘッドカット後重量16.19g)
- ドライシング後重量 16.08g (葉巻ヘッドカット後)
- △減少重量 (△減少割合) △0.10g (△0.62%)


コメント