ルイ・マルティネス クリスタルチャーチル/Luis Martinez Silver Selection Crystal Churchill
葉巻/シガー情報
| ブランド名 | ルイ・マルティネス |
| シリーズ名 | シルバーセレクション |
| ビトラ | チャーチル |
| 葉巻の長さ | 177.8mm (7インチ) |
| 葉巻の直径(リングゲージ) | 19.1mm (48) |
| ラッパー | エクアドル産 サングロウン |
| バインダー | ホンジュラス産 |
| フィラー | 中央アメリカ産 (ドミニカ共和国産他) |
| 生産国 | ニカラグア製 |
| 価格 | 1,020円 (2025年9月現在) |
この”ルイ・マルティネス クリスタルチャーチル/Luis Martinez Silver Selection Crystal Churchill”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、キューバにルーツを持つ葉巻ブランドであり、今現在はアメリカ合衆国フロリダ州タンパにある”LMシガーズ/LM Cigars”が権利を持ち、”ブリックハウス”葉巻ブランド等を製造・販売している”J.C.ニューマン/J.C.Newman”がニカラグアで製造している葉巻である、”ルイ・マルティネス クリスタルチャーチル/Luis Martinez Silver Selection Crystal Churchill”です。
この葉巻は私が葉巻趣味を始めた当初に喫煙しており、その当時の私の喫煙メモには”不味い!もう二度と買わない!!”と書かれている程、悪い印象の葉巻でした。(^^;)
そんな悪い印象しかない葉巻を再度購入する理由は、私が独自に考案した”自家製発酵器熟成”を用いれば、旨い葉巻に変貌させることが出来るかも知れないと考えたからに他なりません。
多くの方がこの”大きくて安い”葉巻を、安さに釣られて吸っているのではないかと考えますが、きっと私と同じように苦い経験をしているのではないでしょうか?
そんな葉巻を、私の葉巻管理技術でどこまで旨い葉巻に変貌させることが出来るのか、とても楽しみです!
参考までに、”ルイ・マルティネス/Luis Martinez”葉巻ブランドは、1876年にドン・ルイス・マルティネス/Don Luis Martinez”がキューバに葉巻工場を開設したことから始まります。
1916年当時のアメリカ合衆国副大統領だった”トーマス・R・マーシャル”はこの葉巻ブランドの顧客であり、”この葉巻を吸うと、日々の煩わしい悩みを忘れてしまう”と語ったそうです。
キューバ革命が起こるまでは、アメリカ全土で非常に良く売れた葉巻でしたが、革命後は他のキューバ葉巻産業の労働者と同様に、アメリカ合衆国フロリダ州マイアミの”リトル・ハバナ”に本拠地を移すことになります。
葉巻工場がハリケーンで破壊されたことや労働ストライキ等の理由で、ルイ・マルティネスは廃業に追い込まれましたが、”J.C.ニューマン/J.C.Newman”が救済したことから、この歴史ある葉巻ブランドはこの世から消えることなく存続することとなり、現在に至ります。
それでは、”ルイ・マルティネス クリスタルチャーチル/Luis Martinez Silver Selection Crystal Churchill”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー


まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産 サングロウンのラッパーで巻かれた、”ルイ・マルティネス クリスタルチャーチル/Luis Martinez Silver Selection Crystal Churchill”は、マデューロ色(褐色)をしていて、葉巻表面は少しザラついた質感をしていて艶は無く、少しラッパーが裂けているところもあったりして、美しい外観とは言えません。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は無く、その代わりに、ガラス製のクリスタルチューブにバンドロールが貼られています。
葉巻を指で摘まんでみると、巻き密度が少し低いようであり、大きな葉巻でありながら葉巻も軽いように感じます。
葉巻ボディからは、意外にもホンジュラス産を思わせる軽い牛舎系の良い香りがします。
この葉巻は、”自家製発酵器”により58日間熟成させた後、平均室内温度28℃・湿度64%に維持した自家製ヒュミドール内にて7日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する10時間程前に、葉巻を湿度45%のシリカゲル(乾燥剤)入りドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、麦わらの味がして、引き抵抗はごく僅かに重めですが、良好と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分30秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、ごく僅かな爽やかさを伴うローストされた杉の木の味からスタートする。
直ぐに、少量の革と土の味が追加される。
昔に喫煙したときと比べると、特に嫌な苦みや鋭さも無く、普通に吸える葉巻であることが分かる。
背景には、リコリス(甘草)の風味がある。
着火後の引き抵抗(ドロー)は少し軽めに感じるが、おそらくそれは葉巻ボディの中央部のラッパーが破損している(折れていた?)ため、そこから空気が漏れている可能性があるからだろう。
ガラスチューブに入っているにも関わらず、最初から折れた葉巻を商品化してしまうところは、正に格安葉巻らしくて笑える。(^^;)
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、鼻腔を刺激しない少量のペッパー(白胡椒?)があることを確認する。
副流煙の香りには、格安葉巻らしからぬ甘く香ばしい香りが含まれていて、とても好感が持てる。
ストレングス(ニコチン量)はマイルド~ミディアム、フレーバー(風味)はミディアムと言ったところか。
喫煙開始19分時点で、葉巻を灰皿に置いた衝撃で、灰は力なく折れてしまった。
灰は脆いと言えるだろう。
燃焼挙動は良好で、火入れ修正を行う必要無く、火は均一に燃え進む。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

喫煙開始から30分以降の中盤は、序盤の味をそのまま引き継ぎ、ごく僅かな爽やかさを伴うローストされた杉の木と革と土の味に、背景にあるリコリス(甘草)の強い風味で吸い進む。
単純な味の葉巻だが、嫌みが全くないため、吸い心地は良好だ。
今のところ欠点らしい欠点は見当たらないが、敢えて言うならば単純な味すぎて飽きてしまうことと、リコリスの風味が強いため、リコリスの味が苦手な方には向かない葉巻だと言えるだろう。
昔に喫煙したときには異常な苦みを感じたが、それはただ葉巻が過加湿になっていただけに過ぎなかったようだ。
喫煙開始38分時点で、実質2回目の灰折を行う。
灰は軽いが、少しのクリック感を伴って綺麗に折ることが出来る。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から60分以降の終盤は、まず実質3回目となる灰折を行う。
終盤の味は序盤・中盤の味を引き継ぐが、ごく僅かにロースト感が増してきたように感じる。
だからと言って、嫌な苦みが鋭さが発生し始めた訳ではなく、味の劣化もまだ始まっていない。
喫煙開始90分の時点で、実質4回目の灰折を行う。
この段階でやっと(?)ごく僅かな苦みの発生と味の劣化が始まるが、まだ気になる程ではない。
喫煙時間105分時点で、舌に苦みが感じられるようになった段階で、喫煙を終了することとした。

葉巻テイスティング総評
総評として、この”ルイ・マルティネス クリスタルチャーチル/Luis Martinez Silver Selection Crystal Churchill”は、ごく僅かな爽やかさを伴うローストされた杉の木と革と土の味に、鼻腔を刺激することのない少量のペッパー(白胡椒?)、背景に強いリコリス(甘草)の風味が味わえる、格安葉巻ながら嫌みの無い味の葉巻だと言える。
私が葉巻趣味を始めた当初にこの葉巻を喫煙したときは、とてつもない苦みを感じたことで5分程度で喫煙を終えてしまったのだが、今回は適切なドライシングと”自家製発酵器熟成”を施したことで、全く問題点を感じることなく最後まで喫煙出来る葉巻に仕上げることが出来たと思う。
それどころか、この葉巻は”ブリックハウス”葉巻ブランドを製造している工場で巻かれているが、本家本元のブリックハウスの葉巻より、この”ルイ・マルティネス”の葉巻の方が単純な味ながら余計な味も少ないことで、逆に吸い心地が良いように感じてしまった。
葉巻の味を旨くするも不味くするも、吸う本人の準備次第と言ったところだろう。
しかしながら、リコリス(甘草)の風味が強いため、リコリスの味が苦手な諸氏には向かないかも知れないということを伝えておきたい。
この葉巻は大きな”チャーチル”サイズでありながら1本1,020円という割安な価格で販売されているが、さらに出費予算と喫煙時間を切り詰めたいという諸氏には、葉巻を半分に切って2本にしてしまうという荒業も、私は有りだと思う。
1本510円で約40分間の喫煙を楽しめる葉巻として、一度は私も試してみたいと考えている。
今回喫煙した”自家製発酵器熟成”された葉巻の葉巻独自5段階評価は、終盤に少しの苦みこそ発生するかもしれないが、全般に吸いやすい葉巻であることから、4.0/5点寄りの3.5/5点とすることとした。
喫煙時間
喫煙時間:106分
味覚フレーバーグラフ
| チョコレート(カカオ豆) | ★☆☆☆☆ |
| スィーツ(甘さ) | ★★☆☆☆ |
| クリーム(滑らかさ) | ★★☆☆☆ |
| コーヒー(苦み含む) | ★☆☆☆☆ |
| トースト(パン・穀物) | ★☆☆☆☆ |
| 木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
| 革 | ★★☆☆☆ |
| 土(素朴さ) | ★★☆☆☆ |
| 草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
| ナッツ | ★☆☆☆☆ |
| ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★☆☆☆ |
| フルーツ(酸味含む) | ★★☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★☆☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $5.50 (1ドル148円換算にて815円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 £18.99 (1ポンド198円換算にて3,760円)
- 日本国内価格 ¥1,020 (参考日本販売価格倍率0.45倍)
葉巻重量
- 購入時重量 13.26g
- 自家製発酵器熟成後 13.28g (葉巻ヘッドカット後重量13.09g)
- 加湿・熟成後重量 13.06g
- ドライシング後重量 12.92g
- △減少重量 (△減少割合) △0.14g (△1.06%)


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