ミロ ロブスト/Kuuts Miro Robusto
葉巻/シガー情報
ブランド名 | ミロ (Kuuts, LLC) |
シリーズ名 | |
ビトラ | ロブスト |
葉巻の長さ | 133mm (5.25インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 19.8mm (50) |
ラッパー | エクアドル産 スマトラ種 |
バインダー | ニカラグア産 |
フィラー | ホンジュラス産 & ニカラグア産 |
生産国 | ホンジュラス製 |
価格 | 950円 (2025年5月現在) |
この”ミロ ロブスト/Kuuts Miro Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ホンジュラスの”コンパニア・ホンデュレーニャ・デ・タバコス/Compania Hondurena de Tabacos”の葉巻会社”クーツ/Kuuts, LLC”が販売する葉巻シリーズからの1本である、”ミロ ロブスト/Kuuts Miro Robusto”です。
この葉巻シリーズの小さなビトラとなる”ミロ ゴールド コロニタス”は、私が葉巻趣味を始めた当初に喫煙したことがあるのですが、その時の喫煙メモには、”革とナッツの味がかろうじて感じ取れる、苦い揮発系の葉巻”と、記載されていました。(^^;)
その当時と比べると葉巻管理方法が大きく改善されているため、今回喫煙する”ロブスト”ビトラが同じような味になるとは全く考えていません。
今回はさらに”自家製発酵器熟成”を行うことで、この葉巻のポテンシャルを最大限に引き出すことが出来るのではないかと考えています。
先日喫煙レビューした、この葉巻と同じメーカー製の葉巻となる”プラセレス レゼルバ スター”が驚くべきコストパフォーマンスを発揮していたこともあり、この葉巻にも大いに期待したいところです。
参考までに、”コンパニア・ホンデュレーニャ・デ・タバコス”は、21世紀初頭からヨーロッパ向けの葉巻を製造していましたが、2013年からは”クーツ”葉巻会社として本格的にアメリカへの進出を開始し、今回喫煙レビューする”ミロ”を始め、”プラセレス レゼルバ”や”タバカレラ サパタ”等の葉巻ブランドの販売を開始しています。
この格安葉巻ブランドの葉巻の本当の実力がどの程度なのか、適切な葉巻管理を実施した上でその真価を確かめてみたいと思います。
それでは、”ミロ ロブスト/Kuuts Miro Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産 スマトラ種のラッパーで巻かれた、”ミロ ロブスト/Kuuts Miro Robusto”は、コロラドマデューロ色(茶褐色)~マデューロ色(褐色)をしていて、葉巻表面には適度な艶があり、格安葉巻でありながら程々に美しい仕上がりとなっています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は、金色で装飾された黒色の下地に、金色の文字で”MIRO”という葉巻ブランド名が描かれています。
葉巻を指で摘まんでみると、適度にしっかりと巻かれてはいますが、葉巻表層部には僅かな弾力性を備えています。
葉巻ボディからは、ごく軽い牛舎系の良い香りがします。
この葉巻は、”自家製発酵器”により22日間熟成させた後、平均室内温度26℃・湿度69%に維持した自家製ヒュミドール内にて5日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する7時間前に、湿度48%のシリカゲル入り葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、刺激の無い麦わらの味がして、引き抵抗は重くも軽くもなく、良好と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分50秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、少しの鋭さを伴うオーク材の味からスタートする。
鋭さを伴うというよりも、強さがあると言ったほうが適切か。
一服目で感じたオーク材はウイスキー・オーク樽の風味を含んでおり、一服目からその風味を感じることは初めてだ。
面白い喫味だ。
喫煙開始8分時点で、革と土の味が追加される。
ストレングス(ニコチン量)はミディアム~ミディアムフル、フレーバー(風味)もミディアム~ミディアムフルと言ったところであり、比較的強い喫味を呈している。
燃焼挙動は良好で、比較的均一に火は燃え進むが、灰は少し諸そうに見える。
引き抵抗(ドロー)は重くも軽くもなく、適切な吸引力でたっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。
喫煙開始22分時点で、少しの塩味が追加される。
副流煙の香りからも、塩(潮風)の風味が感じられる。
喫煙開始27分時点で、1回目の灰折を行う。
灰は意外にも、しっかりとした感触と共に綺麗に折れる。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から30分以降の中盤は、序盤の味を引き継ぎ、オーク材と革と土の味を主体に、ウイスキー・オーク樽と塩の風味で吸い進む。
はっきり言って、この葉巻はとても旨い。
鋭さと捉えたのは最初の一服目に限ったことであり、その後は強いウイスキー・オーク樽の風味を存分に味わうことが出来る。
私が葉巻趣味を始めた当初に、この葉巻のミニ・バージョンとなる”ミロ ゴールド コロニタス”を喫煙して不味いと感じたのは、適切な葉巻管理が行えていなかったこともあるが、この強い喫味に対する耐性が私に出来ていなかったことが原因だったようだ。
その強さ故、葉巻初心者の方にお勧め出来る葉巻ではない。
だが、1本950円というリーズナブルな価格で味わえる葉巻の味でないことも確かだ。
喫煙開始43分時点で、ストレングス(ニコチン量)とフレーバー(風味)は共にミディアムフル・ボディとなる。
喫煙開始54分時点で、2回目の灰折を行う。
灰は少し崩れるように折れる。
この葉巻の構造は素晴らしく、巻き密度が高いにも関わらず、ドローは良好でたっぷりの煙を口蓋に引き込めるし、それでいて燃焼速度が遅いため、喫煙時間が1時間経過してもまだ半分以上葉巻は残ったままだ。
何か特別な”巻き手法”で巻かれているのだろうか?
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から60分以降の終盤は、序盤・中盤の味を引き継ぎ、嫌な苦みや鋭さ等は全く無いまま吸い進めることが出来るが、既にフルボディの葉巻と化している。
喫煙開始71分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。
バンドロールはとても簡単に、且つ、綺麗に剥がすことが出来る。
喫煙開始82分時点で、3回目の灰折を行う。
喫煙開始90分以降からは、少しの苦みを舌に感じるようになるが、葉巻の”基本の味”自体の劣化は見られない。
喫煙開始114分時点で、4回目の灰折を行う。
灰はやはりもろい。
喫煙開始120分時点の、少しの苦みが気になりだし、この葉巻を十分に堪能できたと思った段階で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”ミロ ロブスト/Kuuts Miro Robusto”は、少しの強さを伴うオーク材と革と土の味に、背景にあるウイスキー・オーク樽と塩の強い風味を味わえる葉巻だと言える。
今回はレトロヘイルによるペッパー量の測定を忘れてしまったが、それは序盤から終盤まで味わえるウイスキー・オーク樽と塩の風味の心地良さがそうさせてしまったようだ。
喫味は少々強いが、良く出来た葉巻だ。
しかも、リーズナブルときている。
私はこの葉巻を完全に舐めていたようだ。
この葉巻が、シガーアフィショナードやシガージャーナルでランクインされていないのが、不思議でならない。
マイルドな葉巻が主流であるヨーロッパ人向けのシガージャーナルでランクインされていないことは理解できるが、強い喫味を好むアメリカ人向けのシガーアフィショナードでもランクインされていないことが、特に不思議に感じる。
私はよく理解していないのだが、シガーアフィショナードで葉巻を評価してもらうには、高い出品費を支払う必要があると思っているが、そんなショーレースに参加するつもりなどさらさらないということなのだろうか?
もし、この葉巻がそのショーレースに参加していたのなら、きっと90ポイント前後の評価は得られる葉巻になっていたに違いない。
葉巻の”巻き”も良く出来ていおり、それはドローや燃焼挙動の良さに表れている。
この葉巻を製造している”コンパニア・ホンデュレーニャ・デ・タバコス/Compania Hondurena de Tabacos”社の詳しい情報は得られなかったが、自社タバコ葉農園を持っている会社であるならば、安価にして素晴らしいタバコ葉を栽培している葉巻製造会社と言えるだろう。
だが、個人的にはヤニクラ(ニコチン酔い)にはならなかったものの、少々喫味が強い葉巻であることだけがネックとなった。
この”自家製発酵器熟成”された葉巻の評価は、リーズナブルでありながらウイスキー・オーク樽の風味を存分に味わえる葉巻ではあるが、その喫味の強さが私の評価を下げることになり、4.5/5点寄りの4.0/5点とすることとした。
喫煙時間
喫煙時間:125分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★☆☆☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★☆☆☆ |
コーヒー(苦み含む) | ★☆☆☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★☆☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★★☆ |
革 | ★★★☆☆ |
土(素朴さ) | ★★★☆☆ |
草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
ナッツ | ★☆☆☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★☆☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★☆☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★☆☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $5.80 (1ドル148円換算にて858円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €4.60 (1ユーロ160円換算にて736円)
- 日本国内価格 ¥950 (参考日本販売価格倍率1.19倍)
葉巻重量
- 購入時重量 14.04g
- 自家製発酵器熟成後 13.18g (葉巻ヘッドカット後重量12.92g)
- 加湿・熟成後重量 13.14g (葉巻ヘッドカット後)
- ドライシング後重量 13.06g (葉巻ヘッドカット後)
- △減少重量 (△減少割合) △0.08g (△0.61%)
ギャラリー
追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2025/8/10
今回で2本目となる、”ミロ ロブスト”を喫煙する。
今回喫煙する葉巻は、”自家製発酵器内密封熟成”方法で35日間葉巻を熟成させ、その後、平均室温29℃・湿度68%の自宅ヒュミドール内にて7日間加湿・熟成させている。(計42日間熟成)
喫煙前に7時間ほど、湿度50%のシリカゲル入りドライシング・ボックス内で、”ドライ・ボクシング”を行う。
ドライシング前に13.10g(カット後)あった葉巻重量は、ドライシング後には13.02gになっており、全体の0.61%という適切と言える葉巻内包湿度が減少したことを確認してから喫煙を開始する。
着火はブタンガス詰め替え式ソフトフレームライターを使用して、約3分かけて着火する。
自宅リビングソファーにて、2016年のアメリカ合衆国の犯罪映画である、”潜入者/The Infiltrator”を見ながら喫煙する。
この映画には、アメリカのテレビドラマである”ブレイキング・バッド”の”ブライアン・クランストン”が主演を務めているということだけで見てみることにしたが、実話を元に描かれていることもあって、なかなか面白い映画だった。
ただ、主要人物が多いにも関わらず、2時間枠に納めないといけないことから、理解に苦しむ場面もあったのだが、ブライアン・クランストンの演技で魅せる映画だったと言えるだろう。
”ブライキング・バッド”が終了してから2年後に撮影が開始されていることもあってか、私には”ウォルター・ホワイト”役の人物像と重なるものを感じてしまった。
映画の話はさておき、早速、葉巻レビューに入りたい。
序盤は、オーク材と革と土の味でスタートする。
オーク材の味は、ウイスキー・オーク樽の風味を伴うと言って良いだろう。
喫煙開始20分以降には、塩の風味が追加される。
喫味は強めだが、なかなか旨い!
だが、前回喫煙した時の味と比べると、喫煙開始40分~50分時点でごく僅かな苦みを感じだし、喫煙開始60分以降からははっきりと分かる苦み成分が喫煙の邪魔をし始める。
基本の味の劣化は無いのだが、苦みだけはいただけない。
通常は、適切なドライシングさえ行っていれば、苦みなどごく僅かしか感じない筈なのだが、今回は適切なドライシングを行っていても苦みを感じる結果となってしまった。
その理由を考えてみたが、格安葉巻であるが故、葉巻製造管理が徹底されていないこともあるだろうから、葉巻コピーによっては品質にバラツキがあったのではないかと推測した。
前回喫煙した葉巻は、喫煙時間125分という長い時間を、嫌な苦みを伴うことなく快適に喫煙できていたことが嘘のようだ。
今回の”自家製発酵器熟成”された葉巻の葉巻独自5段階評価は、前回の4.5/5点寄りの4.0/5点から、3.5/5点に格下げすることとしたが、葉巻コピーによっては元の評価が適正である場合もあるだろう。
喫煙時間80分。
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