ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo

3.5
ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1 ショートトルペード/Short Torpedo
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ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo

葉巻/シガー情報

ブランド名 ブリックハウス
シリーズ名 クラシック
ビトラ ショートトルペード
葉巻の長さ 140mm (5.5インチ)
葉巻の直径(リングゲージ) 20.6mm (52)
ラッパー ニカラグア産 ハバナ・スビド種
バインダー ニカラグア産
フィラー ニカラグア産
生産国 ニカラグア
価格 1,010円 (2024年6月現在) → 1,200円 (2025年6月~)

この”ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo”の葉巻/シガー喫煙レビュー

今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューするのは、1895年に創業したアメリカ最古の葉巻メーカーである、”J.C.ニューマン/J.C.Newman”が製造する、”ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo”です。

この”ブリックハウス クラシック”葉巻シリーズの葉巻としては、過去に”ブリックハウス ロブスト”を喫煙レビューしていますが、その時の印象は、”革とオークウッドとナッツとコーヒーの味に、草やドライフルーツの酸味、背景にビターなメープルシロップや蜂蜜の甘さを味わえる葉巻”だとレビューしています。

しかしながら、ドライフルーツの酸味が、草の味にも思えてしまったことと、”ブリックハウス独特の風味”があることから、個人的にはあまりハマらなかったと記憶しています。

今回この”ブリックハウス ショートトルペード”を喫煙することは、ある意味、”リベンジ・チャレンジ”的なものであり、長時間のドライ・ボクシングを行うことで、このリーズナブルで人気のある葉巻を、私にとって良い印象の葉巻に変えてみせようという企画となります。

参考までに、この”ブリックハウス”葉巻ブランドの歴史を下に記しておきます。

ハンガリー移民の葉巻職人であった創業者の”ジュリアス・シーザー・ニューマン”は、1895年にオハイオ州クリーブランドの実家の裏納屋で葉巻製造業を開始し、その後事業を拡大しました。

後に経営に加わった2人の息子である”スタンフォード・ニューマン”と、”ミラード・ニューマン”は、高品質のプレミアム葉巻を作るため、当時、”クリア・ハバナ葉巻(Clear Havana Cigars)”と呼ばれた、キューバ産のタバコ葉のみで作る葉巻の製造が活発なフロリダ州イーバーシティに本拠地を移して現在に至ります。

そのJ.C.ニューマンの葉巻ブランドの1つである”ブリックハウス/Brick House”は、1937年に創業者のジュリアス・シーザー・ニューマンによって立ち上げられたブランドであり、当初はキューバ産タバコ葉のみで作られていましたが、2009年に3代目オーナーである”エリック・ニューマン”と”ボビー・ニューマン”が、ニカラグア産のタバコ葉を使用してものにして、このブランドを復活させています。

さて、今回喫煙するこの葉巻に、どのようなレビューが出来るのか、私自身が楽しみです!

それでは”ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。

葉巻外観・コールドドロー

ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1

まずは外観から見ていきましょう。

ニカラグア産ハバナ スビド種のラッパーで巻かれた”ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo”は、コロラドマデューロ色(濃い茶色)をしていて、僅かに黒光りしています。

葉巻表面には、適度な艶があり、美しい仕上がりになっています。

葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)には、金色と赤色と黒色とクリーム色を使用した、豪華な作りとなっています。

葉巻を指で摘まんでみると、しっかりとした硬さがあり、十分な量のタバコ葉が使われているように思えます。

葉巻ボディからの芳香は、強くはありませんが、香ばしい良い香りがします。

葉巻全体を手に持って確認すると、太い葉脈などは見当たらず、少しの艶があって、美しい外観をしています。

この葉巻は、平均室温26℃・湿度65%に維持した自家製ヒュミドール内にて、45日間の加湿・熟成を行っています。

葉巻喫煙を開始する28時間前に、葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。

シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、ローストした干し草の味がして、引き抵抗はごく僅かに重めですが、良好の範囲内と言えます。

今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約3分間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。

葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤ファーストサード

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。

序盤は、ローストした杉の木の味からスタートする。

直ぐに、レーズンの甘酸っぱさと軽いトースト(パン)の味を確認する。

旨い。

こんな味がしたか?と、過去に喫煙したこの葉巻シリーズの味を思い返すと同時に、少し不思議にも感じる。

この味なら、リーズナブル系葉巻であるのも関わらず、シガーアフィショナードで高得点を叩き出している理由がよく理解出来る。

レトロヘイルによる副鼻腔に煙を通すと、少しの苦みを含む適量のペッパー(白胡椒)があることを確認する。

ストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)もミディアムと言ったところか。

燃焼挙動は良好で、片燃えに対する火入れ修正を必要とせず、均一に火は燃え進む。

着火後の引き抵抗(ドロー)は軽めとなり、少し煙を引きにくいが、ゆっくり煙を吸い込むことで、しっかりとした量の煙で口蓋を満たすことが出来る。

喫煙開始20分時点で、軽い革とナッツの味も確認する。

副流煙の香りは、革の香ばしい香りが含まれている。

ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤の終わり頃ファーストサード

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤セカンドサード

喫煙開始から25分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。

中盤の味は、序盤の味を引き継ぎ、革と杉の木の味を主体に、軽いレーズンの甘酸っぱさと僅かなトースト(パン)の味で吸い進むが、少しのロースト感(焦げ感)が追加される。

ここまでは嫌な苦みや鋭さとは無縁の葉巻だと言えよう。

過去に喫煙してきた、この葉巻シリーズに対する味の印象が大きく変わる1本となったが、それは28時間のドライシングが功を奏しているのか、そうだとすると、葉巻内包湿度が葉巻に及ぼす影響は苦みを減少させるだけでなく、葉巻本来の味にも大きな影響を及ぼすこととなり、少し恐ろしくなる。

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終盤ファイナルサード

喫煙開始から50分以降の終盤は、まず2回目の灰折を行うと同時に、バンドロール(シガーリング)を剥がすことから始める。

バンドロールは簡単に、且つ、綺麗に剥がすことが出来る。

終盤の味は、ロースト感が目立ち始め、序盤・中盤での旨味が減少し始める。

喫煙開始62分時点で、燃焼性も悪くなり、強く煙を引き込まないと吸えない状態になってきたため、この辺で喫煙を終了することとした。

ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終了後ファイナルアッシュ

葉巻テイスティング総評

総評として、この”ブリックハウス ショートトルペード/Brick House Classic Short Torpedo”は、革と杉の木とナッツの味に、少しの苦みを伴う適量のペッパー(白胡椒)、背景に軽いレーズンの甘酸っぱさと僅かなトースト(パン)の風味を味わえる葉巻だと言える。

序盤と中盤にかけては、嫌な苦みや鋭さを全く感じることなく、革の味を主体とした心地良い喫味で吸い進めることが出来る葉巻だ。

しかしながら、終盤ではロースト感が急に目立ち始め、苦みも顕著となり、過去に喫煙してきたこの葉巻シリーズの味の印象をそのまま引き継ぐことになったことは、とても残念に思う。

以前に喫煙したこの葉巻シリーズの別ビトラである”ブリックハウス ロブスト”では、私の苦手な草の味や酸味やほろ苦さがネックとなり、私のお気に入り葉巻にはならなかったが、今回喫煙した”トルペード”ビトラでは、序盤・中盤での喫煙に限って言えば、とても心地良い喫味が約束されている葉巻だと言えよう。

但し、それには葉巻内包湿度を適正に調整する必要があり、ブリックハウスの葉巻を喫煙する場合、私の葉巻管理状況下では、1日(24時間)以上のドライシングを行う必要があることが分かった。

この葉巻の葉巻独自5段階評価は、序盤・中盤だけに限れば、間違いなく4.0/5点が付けられる葉巻なのだが、終盤での味の劣化が激しいため、4.0/5点寄りの3.5/5点とした。

参考までに、この”ブリックハウス クラシック/Brick House Classic”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、86ポイント~92ポイントという評価を得ており、このショートトルペード葉巻ビトラに於いては、87ポイント~89ポイントという評価を得ています。また、”ブリックハウス/Brick House”葉巻ブランド全体としては、84ポイント~93ポイントという評価を得ており、”ブリックハウス チャーチル/Brick House Churchill”は、2022年の葉巻トップ25(92ポイント18位)、”ブリックハウス コロナラルガ/Brick House Corona Larga”は、2016年の葉巻トップ25(93ポイント17位)、”ブリックハウス ロブスト/Brick House Robusto”は、2010年の葉巻トップ25(92ポイント17位)に輝いています。

喫煙時間

喫煙時間:62分

味覚フレーバーグラフ (追記レビュー時毎に更新)

チョコレート(カカオ豆) ★★☆☆☆
スィーツ(甘さ) ★★☆☆☆
クリーム(滑らかさ) ★★★☆☆
コーヒー(苦み含む) ★★☆☆☆
トースト(パン・小麦粉) ★★☆☆☆
木(杉・オーク等) ★★★☆☆
★★★★☆
土(素朴さ) ★★☆☆☆
草(わら・ハーブ等) ★☆☆☆☆
ナッツ ★★☆☆☆
ペッパー(胡椒・唐辛子) ★★★☆☆
フルーツ(酸味含む) ★★☆☆☆

葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度 (追記レビュー時毎に更新)

おすすめ度:★★★☆☆

世界各国葉巻値段比較 (アメリカ・ヨーロッパ・日本)

  • アメリカ国内参考価格 $7.95 (1ドル148円換算にて1,177円)
  • ヨーロッパ圏内参考価格 -
  • 日本国内価格 ¥1,200 (参考日本販売価格倍率1.02倍)

葉巻重量

  • 加湿・熟成後重量 11.93g (葉巻ヘッドカット後の重量 11.64g)
  • ドライシング後重量 11.56g (葉巻ヘッドカット後の重量)
  • △減少重量 (減少割合) △0.08g (0.69%)

ギャラリー

追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2025/11/8

今回が2本目となる、”ブリックハウス ショートトルペード”を喫煙する。

今回喫煙する葉巻は、”自家製発酵器内密封熟成”方法で27日間葉巻を熟成させ、その後、平均室温22℃・湿度65%の自宅ヒュミドール内にて7日間加湿・熟成させている。(計34日間熟成)

喫煙前に7時間ほど、湿度42%のシリカゲル入りドライシング・ボックス内で、”ドライ・ボクシング”を行う。

ドライシング前に11.10g(カット後)あった葉巻重量は、ドライシング後には11.03gに減少し、全体重量の0.63%という適切な葉巻内包湿度が減少したことを確認してから喫煙を開始する。

着火はブタンガス詰め替え式ソフトフレームライターを使用して、約3分かけて着火する。

自宅リビングソファーにて、2025年11月7日から全世界同時配信されたApple TV+のSFテレビドラマシリーズである”プルリブス/Pluribus”シーズン1第2話を見ながら喫煙する。

このドラマは、”ブレイキング・バッド”や”ベター・コール・ソウル”を世に放った”ヴィンス・ギリガン”制作のドラマであり、”ベター・コール・ソウル”の”レイ・シーホーン”が主演を務める、終末世界を舞台にしたSFドラマだ。

どうしてもこのドラマが見たくて、Apple TV+に加入してしまった。

Apple TV+には、他のチャンネルでは見られない有名俳優が出演する映画やドラマが沢山あり、それも魅力の1つだ。

このドラマは、”ブレイキング・バッド”や”ベター・コール・ソウル”と比べると、とても良く撮影できており、TVドラマでありながら映画と同じシネスコサイズで撮影されていることにも驚く。

話の内容は終末世界を描いた物語だが、まだ序盤だけの視聴であるため、今後、どのように話が展開していくかは全く予想出来ない。

だが、脚本も”ヴィンス・ギリガン”であることから、面白いドラマにならない訳がない。

今年、最も注目するべき海外ドラマだと思う。

ま、そんな映画の話はさており、早速、葉巻レビューに入りたいと思う。

序盤は、リコリス(甘草)と革と土と杉の木の味でスタートする。

引き抵抗(ドロー)はとても軽いのだが、たっぷりの煙を口蓋に引き込めることに驚く。

レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、少しの苦みと伴う鼻腔を刺激する適量のペッパー(白黒混合の胡椒)があることを確認する。

悪くない喫味だ。

自家製発酵器熟成を行っているからか、リコリスの味が主体の葉巻となっている。

燃焼挙動には少し問題があり、片燃えを繰り返すことと、ラッパーが割れてしまう不具合が発生する。

元々、ブリックハウスの味はあまり好みでは無いのだが、この喫味に文句を付けることも無い。

喫煙開始60分時点で、味の劣化と少しの苦みが発生し始めたことから、この辺で喫煙を終了することとしたが、前回この葉巻を喫煙したときも同様の62分であったことから、味の劣化が少し早く訪れることに関しては同じ結果となった。

1本1,200円で購入できる葉巻としては良く出来た葉巻だが、個人的は、”飽きやすい味の葉巻”と言った印象だ。

今回の”自家製発酵器熟成”された葉巻の葉巻独自5段階評価は、終盤初めごろから味の劣化が始まることを鑑みて、今までと同様の4.0/5点寄りの3.5/5点が妥当な評価だと判断した。

喫煙時間60分。

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