モントーサ ロブスト/Montosa Robusto
葉巻/シガー情報
| ブランド名 | モントーサ |
| シリーズ名 | クラロ (ナチュラル) |
| ビトラ | ロブスト |
| 葉巻の長さ | 125mm (4.92インチ) |
| 葉巻の直径(リングゲージ) | 19.8mm (50) |
| ラッパー | エクアドル産 コネチカット種 シェード |
| バインダー | メキシコ産 スマトラ種 |
| フィラー | ドミニカ共和国産 クリオロ種 & ピロト・クバーノ種 , インドネシア産 ジャワ島(ベスギ種?) |
| 生産国 | ドミニカ共和国製 |
| 価格 | 1,200円 (2025年3月現在) |
この”モントーサ ロブスト/Montosa Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ドイツの葉巻輸入業者である”アーノルド・アンドレ/Arnold Andre”がドミニカ共和国の自社工場で製造している葉巻である”モントーサ ロブスト/Montosa Robusto”です。
”アーノルド・アンドレ”は、”ラ・オーロラ”、”ブリックハウス”、”ホヤ・デ・ニカラグア”等々の有名葉巻メーカーの葉巻をドイツ国内に輸入している葉巻輸入業者ですが、輸入するだけに止まらず、ドミニカ共和国に自社工場を構え、ロングフィラー葉巻ブランドとなる”カルロス・アンドレ”や”ブエナ・ビスタ”、そして今回喫煙レビューする”モントーサ”等を製造する葉巻メーカーでもあります。
今回喫煙するのは、その中でも格安系の葉巻となる”モントーサ”葉巻ブランドですが、リーズナブルでありながらマイルドで複雑な喫味を実現するために3年もの年月を費やして完成させたブレンドとのことです。
葉巻構成内容を見てみますと、ラッパーには一般的なエクアドル産コネチカット種シェード葉が使用されていますが、バインダーにはメキシコ産のスマトラ種という今までに味わったことのないタバコ葉が使用されており、フィラーの一部にはインドネシア産ジャワ島(ベスギ種?)という”アントニオ・ヒメネス”のラッパーにも使用されているタバコ葉が使われています。
正直、予想できない味です。(^^;)
この葉巻を開発するにあたって3年もの年月を費やしたのは、おそらく、使用できる限られた安いタバコ葉を組み合わせて、”嫌みなく吸える葉巻”として仕上げることに重点を置いて、試行錯誤したからなのでしょう。
格安系葉巻を作るにあたって、インドネシア産のタバコ葉は欠かせないでしょうし、メキシコ産のタバコ葉も同様ですが、”サンアンドレス種はちょっと高価だから、スマトラ種にするかっ!”てな感じだったのかも知れません。
スマトラ種のタバコ葉は、原種のインドネシア産のものは不評ですが、エクアドル産のものは高品質で定評がある一方、メキシコでもスマトラ種の栽培がされているとは知りませんでした。
出来れば、過去に喫煙レビューした”レボリューション ショートロブスト”に使用されているような”メキシコ産コロホ種”が使われていたほうが、私にはより魅力的な葉巻に思えたかも知れません。
予想が付かない味であるこの葉巻ですが、何はともあれ、まずは吸ってみて味を確認してみることにしましょう!
それでは、”モントーサ ロブスト/Montosa Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー

まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産 コネチカット種シェードのラッパーで巻かれた、”モントーサ ロブスト/Montosa Robusto”は、クラロ(薄茶色)をしていて、葉巻表面にはごく僅かな艶を持つサラッとした仕上がりで、悪くない仕上がりを見せています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)には、朱色の下地に金色の文字で”MONTOSA ROBUSTO”という葉巻名が書かれただけのシンプルな作りになっています。
葉巻を指で摘まんでみると、かなりしっかりと巻かれてはいますが、葉巻表層部にはごく僅かな弾力性を備えていることが分かります。
葉巻ボディからは、それほど強くはありませんが、ナッツ系や麦わら系の良い香りがします。
この葉巻は、平均室温19℃・湿度64%に維持した自家製ヒュミドール内にて、53日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する7時間前に、湿度47%のシリカゲル入り葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、刺激の無い麦わらの味がして、引き抵抗は少し重めですが、良好と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分50秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、爽やかさを伴うナッツと杉の木の味からスタートする。
爽やかさはかなり強めだが、酸味として捉えるまでには至っていない。
着火後の引き抵抗(ドロー)は少し重めだが、ゆっくりと吸い込むことで、しっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。
燃焼挙動は悪くなく、多少の片燃えに対する火入れ修正を行うだけで済みそうだ。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、少しの苦みを含む適量のペッパー(白胡椒)があることを確認する。
副流煙の香りは、ナッツの香ばしい香りがする。
喫煙開始13分時点で、少量の土の味が追加されるが、そのせいで少しの”くすみ”感が追加される。
喫煙開始16分時点で、灰の硬さを確かめるために、少し早めだが1回目の灰折を行う。
灰はしっかりとした硬さがあることを確認し、以降は20分毎に折ることとする。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

喫煙開始から25分以降の中盤は、序盤の味を引き継ぐが、強い爽やかさは弱い酸味成分に切り替わり、”くすみ”感は少しの苦みへと変化する。
要は、少し悪い方向へ向かっているということだが、この原因は巻き密度の高さ由来の引き抵抗の重さによるものだろう。
もう少し緩く巻かれていれば引き抵抗も軽くなり、酸味や苦みは発生していないと考える。
だが、決して嫌な苦みや鋭さではないことを付け加えておきたい。
喫煙開始37分時点で、2回目の灰折を行う。
喫煙開始49分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。
バンドロールは簡単に剥がすことが出来る。

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から50分以降の終盤は、序盤・中盤の味を引き継ぎ、少しの酸味と苦みを伴うナッツと杉の木と土の味を主体に吸い進む。
喫煙開始60分時点で、3回目の灰折を行う。
喫煙開始64分時点で、今まで感じていた少しの苦みと酸味が和らぎ、味が持ち直す。
きっと、残りが少なくなったことで引き抵抗が軽くなったことと、片燃えに対する火入れ修正をしっかりと行ったことで火力が増し、たっぷりの煙を口蓋に引き込めるようになったからだろう。
最終的なストレングス(ニコチン量)はマイルド、フレーバー(風味)はマイルド~ミディアムと言ったところだ。
喫煙開始88分時点の、嫌な苦みや鋭さは発生していないが、葉巻を指で摘まめなくなった時点で喫煙を終了することとした。

葉巻テイスティング総評
総評として、この”モントーサ ロブスト/Montosa Robusto”は、酸味に近い爽やかさを伴うナッツと杉の木と少量の土の味に、少しの苦みを伴う適量のペッパー(白胡椒)、背景にはナッツの香ばしい風味がある葉巻だと言える。
総じて、酸味に近いナッツの爽やかさを主体とした喫味の葉巻と言えるが、葉巻の巻き密度が少し高いことから、序盤から少しの苦みを舌に感じてしまうことが難点と言えるだろう。
しかしながら、終盤では葉巻が柔らかくなったことで吸い込める煙量が増して苦みが和らいだことから、その要因はタバコ葉の質やブレンドの問題ではなさそうだ。
この葉巻の対抗馬として考えられるのは、やはり”ベガフィナ”だろう。
味や価格帯も似ているし、この”モントーサ”を開発する際には、間違いなく”ベガフィナ”を参考にしているように思う。
同じエクアドル産コネチカット種シェードラッパーを使用し、双方ともインドネシア産タバコ葉が使用されている。
私もここ最近はベガフィナを喫煙していないが、味の複雑さやバランスの良さではベガフィナに軍配が挙がるのではないだろうか。
今回喫煙した”モントーサ ロブスト”は、吸っていてとても楽しい気分になる葉巻とは言えないだろうが、巻き密度が高いお陰で喫煙時間90分という長い時間を問題なく喫煙することが出来た。
もしかすると、意外と悪い葉巻では無かったのかも知れない。
このような葉巻こそ、1年以上の熟成期間を必要としている葉巻なのではないだろうか?
だが、葉巻管理期間を自身の労働賃金に換算して課金すると、2,000円を超える中価格帯の葉巻になってしまうことも考えられるため、長期間の葉巻の熟成は個人的に敬遠している。
そこで登場するのが、今現在実験中である”自家製発酵器内密封熟成”という熟成方法だ。
これは、小さなジップロックのようなビニール袋に葉巻と72%ボベダを入れて、なるべく空気を抜いた状態で密封し、それを温度30℃~35℃に維持した自家製発酵器内に入れて熟成させるというものだ。
チンチャレロ ペティロブストを使用してのテストでは、通常の3倍~6倍の早さで熟成が進んでいると思えるほどの結果を出している。
今現在、”ホヤ・デ・ニカラグア クラシコ オリジナル セレクション B”を2ヶ月間の自家製発酵器内密封熟成を行っている最中だ。
是非、この葉巻の喫煙レビューを楽しみにしてもらいたい。
私自身、とても楽しみにしている。
今回喫煙した葉巻の葉巻独自5段階評価は、爽やかさ超えた少しの酸味が評価を下げ、3.0/5点寄りの3.5/5点とするととした。
喫煙時間
喫煙時間:90分
味覚フレーバーグラフ
| チョコレート(カカオ豆) | ★☆☆☆☆ |
| スィーツ(甘さ) | ★★☆☆☆ |
| クリーム(滑らかさ) | ★★☆☆☆ |
| コーヒー(苦み含む) | ★★☆☆☆ |
| トースト(パン・穀物) | ★☆☆☆☆ |
| 木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
| 革 | ★☆☆☆☆ |
| 土(素朴さ) | ★★☆☆☆ |
| 草(わら・ハーブ含む) | ★★☆☆☆ |
| ナッツ | ★★★★☆ |
| ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★☆☆☆ |
| フルーツ(酸味含む) | ★★★☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★☆☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 -
- ヨーロッパ圏内参考価格 €4.60 (1ユーロ160円換算にて736円)
- 日本国内価格 ¥1,200 (参考日本販売価格倍率1.63倍)
葉巻重量
- 購入時重量 14.07g
- 加湿・熟成後重量 13.96g (葉巻ヘッドカット後重量13.85g)
- ドライシング後重量 13.78g (葉巻ヘッドカット後)
- △減少重量 (△減少割合) △0.07g (△0.51%)








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