ワープト マエストロ デル ティエンポ 5712/Warped Maestro del Tiempo 5712
葉巻/シガー情報
| ブランド名 | ワープト |
| シリーズ名 | マエストロ デル ティエンポ |
| ビトラ | 5712 (ペティロブスト) |
| 葉巻の長さ | 114.3mm (4.5インチ) |
| 葉巻の直径(リングゲージ) | 20.6mm (52) |
| ラッパー | ニカラグア産 コロホ’99種シェードグロウン ハラパ地区 |
| バインダー | ニカラグア産 |
| フィラー | ニカラグア産 コロホ’99種 & クリオロ’98種 |
| 生産国 | ニカラグア製 |
| 価格 | 3,200円 (2024年2月現在) |
この”ワープト マエストロ デル ティエンポ 5712/Warped Maestro del Tiempo 5712”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、アメリカ合衆国フロリダ州ジュピターに本拠地を置く、新進気鋭のブティック葉巻ブランド”ワープト/Warped”葉巻ブランドからの1本である、”ワープト マエストロ デル ティエンポ 5712/Warped Maestro del Tiempo 5712”です。
以前に喫煙レビューした”ワープト コルト X46”が、文句の付けようもないほど旨い葉巻であったことから、直ぐに次なる葉巻として”ワープト ラ・アシエンダ スペリオレス”を喫煙してみたところ、上質な味ではありましたが、記憶に残るほどの味ではありませんでした。
それはおそらく、”ワープト コルト X46”はフルボディの葉巻であるのに対し、”ワープト ラ・アシエンダ スペリオレス”はミディアムボディの葉巻として作られているからだと推察しています。
フルボディの葉巻として作るためには、後期プライミングのリジェロ葉を多用する必要があり、そのためニコチン量は多くなりますが、風味豊かな葉巻に仕上がることから、”ワープト コルト X46”を旨いと感じたのでしょう。
今回喫煙する”ワープト マエストロ デル ティエンポ 5712”は、マイルド~ミディアムボディの葉巻として作られているため、もしかするとミディアムボディの”ワープト ラ・アシエンダ スペリオレス”よりも風味が落ちる可能性もあるのですが、アガノルサリーフの広大な地域、農場、区画の奥深くまで何年もかけて調査して選び抜かれたタバコ葉を使用して巻かれた”ワープト集大成の葉巻”とのことですので、その触れ込みに賭けてみることにしました。
マイルド~ミディアムボディの葉巻にして、風味豊かな葉巻に仕上がっていることを祈るとしましょう!
上質なアガノルサリーフのタバコ葉を使用し、コロホ’99種とクリオロ’98種の鉄壁のブレンドで巻き上げられたワープト葉巻ですが、唯一の欠点があります。
それは、”価格が割高”であることです。
今回喫煙レビューするこの”ワープト マエストロ デル ティエンポ 5712”も、諸外国では円換算1本1,500円前後で販売されているのに対し、日本では2倍以上の価格である1本3,200円で購入しなければならないのですから、余程旨い葉巻でなければリピート購入することは無いでしょう。
”ワープト コルト X46”はとても旨い葉巻であったことから、諸外国では円換算1本1,300円前後で売られている葉巻を、2倍以上の1本2,700円を出費してでもリピート購入する価値があると思えましたが、”ワープト ラ・アシエンダ スペリオレス”は、諸外国販売価格の2倍以上である1本2,750円を出費してリピート購入する気にはなれません。
今回喫煙するこの”ワープト マエストロ デル ティエンポ 5712”は、喫煙後、どのように思えるのか気になるところですが、旨い葉巻であることを願うことにしましょう!
参考までに、この”ワープト”という葉巻ブランドは、2009年当時、まだ大学生であった”カイル・ゲリス/Kyle Gellis”が、大学在学中に起業した葉巻ブランドです。
2014年にワープト・レーベルを設立し、マイアミの”エル・タイタン・デ・ブロンズ葉巻工場/El Titan de Bronze cigar factory”や、ニカラグアの”タバカレラ・ヴァレ・デ・ハラパ S.A./Tabacalera Valle de Jalapa S.A. (TABSA)”で葉巻を製造し、世界に向けて葉巻を流通させるようになります。
ワープト・シガーで使用しているタバコ葉は、ニカラグアにて”エドゥアルド・フェルナンデス”が経営するタバコ葉農園”アガノルサ S.A.”のものであり、葉巻工場の”タバカレラ・ヴァレ・デ・ハラパ S.A.”もその傘下となっています。
それでは、”ワープト マエストロ デル ティエンポ 5712/Warped Maestro del Tiempo 5712”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー

まずは外観から見ていきましょう。
ニカラグア産 コロホ’99種 ハラパ地区 シェードグロウンのラッパーで巻かれた、”ワープト マエストロ デル ティエンポ 5712/Warped Maestro del Tiempo 5712”は、コロラド色(茶色)をしていて、葉巻表面は滑らかで少しの艶があり、美しい外観をしています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は、金色の装飾が施された赤色をベースとしたラベルに中に、”Maestro del Tiempo”と”Warped”という文字が描かれています。
葉巻を指で摘まんでみると、全体的にかなり硬めに巻かれていることが分かります。
葉巻ボディからは、それほど強い芳香ではありませんが、ナッツや牛舎系の甘く香ばしい良い香りがします。
この葉巻は、平均室温18℃・湿度66%に維持した自家製ヒュミドール内にて、72日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する8時間前から、葉巻を湿度50%に保たれたシリカゲル(乾燥剤)入りドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、刺激の無い麦わらや干し草の味がして、引き抵抗は少し重めですが、良好の範囲内と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約3分間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、爽やかさを伴う上質な杉の木とナッツの味からスタートする。
直ぐに、ごく少量の革の味と小麦粉の風味が追加される。
背景には、ごく僅かだがベリー系の甘酸っぱさがある。
出だしの味は悪くない。
今後、この味がどのように発展していくのか、楽しみだ。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、しっかりと効いた繊細なペッパー(白胡椒)があることを確認する。
ペッパーは繊細であるが故、量は多くとも鼻に噛みつくことはない。
副流煙の香りは、とても甘く香ばしい良い香りがする。
着火後の引き抵抗(ドロー)は多少重めだが、ゆっくりと吸い込むことでたっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。
燃焼挙動は多少の片燃えを抱えながら燃え進むが、概ね良好と言えるだろう。
この葉巻の味は過去に喫煙レビューした”H.アップマン ハーフコロナ”の味を彷彿とさせる。
とても上質な煙であり、ロースト感と酸味のバランスが良く、キューバ産葉巻の優等生的な味を満喫することが出来る。
旨い!
中盤以降、この味をどこまでキーブ出来るかが見物だ。

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

喫煙開始から30分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。
灰は心地良い感触と共に、綺麗に折ることが出来る。
中盤の味は序盤の味を引き継ぐが、カカオ豆の味が追加されて味に深みが出てくる。
この葉巻はかなり硬く巻かれているためか、中盤では引き抵抗(ドロー)が重くなり、少し強めに煙を引き込まないといけないことから、ごく僅かな苦みが発生してくるようになる。
だが、終盤の葉巻ヘッドに近い部分は多くの葉巻で巻き密度が低くなることから、この問題は自然に解消するだろうと楽観視する。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から60分以降の終盤は、まず2回目の灰折を行うことから始める。
終盤の味は、ごく僅かなロースト感が増すものの、序盤・中盤の味をそのまま引き継ぐ。
引き抵抗(ドロー)は、重くなったり軽くなったりを繰り返していることから、巻き密度には斑があるようだ。
全体的にもう少し巻き密度を低く抑えたほうが、より良い葉巻になったことだろう。
喫煙開始74分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。
バンドロールは簡単、且つ、綺麗に剥がすことが出来る。
喫煙開始78分時点で、序盤から感じていた小麦粉の風味がパンの味へと焼成する。
喫煙開始90分時点で、その引き抵抗(ドロー)の重さから、常時苦みが発生するようになる。
喫煙開始98分時点で、苦みを舌に感じるようになったことから、この辺で喫煙を終了することとした。

葉巻テイスティング総評
総評として、この”ワープト マエストロ デル ティエンポ 5712/Warped Maestro del Tiempo 5712”は、爽やかさを伴う上質な杉の木とカカオ豆とナッツと革の味に、しっかりと効いた繊細なペッパー(白胡椒)、背景に僅かなベリー系の甘酸っぱさと小麦粉(終盤でパンに焼成)の風味が味わえる、キューバ産葉巻を彷彿とさせる葉巻だと言える。
とても上質な煙が味わえる葉巻であり、その味はまさしくキューバ産葉巻の味と言えるが、正直、キューバ産葉巻にあまり関心が無い私にとっては、単に”優等生”的な葉巻と捉えることしか出来なかった。
また、葉巻カット面を見ると、プライミング時期が早くて薄いセコ葉等のタバコ葉がぎっしりと硬く巻かれていることで、引き抵抗(ドロー)が重くなり、中盤以降頻繁に少量の苦みが発生する場面が幾つかあった。
もしかすると、それもキューバ産葉巻の”悪い面”に似てしまったのかも知れない。
しかしながら、私の持論である”ドミニカ共和国産やニカラグア産等の新世界葉巻では、最終プライミングとなるリジェロ葉等を使用しないと、キューバ産葉巻の味には近づけない”という考えは、このセコ葉を多用したマイルド~ミディアムボディの新世界葉巻を喫煙したことで崩れ落ちることとなった。
この葉巻シリーズを製造している”アガノルサリーフ”は、農園の区画ごとに何年もの歳月をかけて味を調査しており、その中で選び抜かれた区画のタバコ葉だけを使用して巻いた葉巻がこの”ワープト マエストロ デル ティエンポ”葉巻シリーズなのだそうだ。
つまりは、ニカラグア産のタバコ葉であっても、キューバの土壌に似た土質である農園の区画で栽培されたタバコ葉なら、セコ葉であってもキューバ産葉巻の味に寄せることは可能だということなのだろう。
きっと、キューバ産のオリジナル種子にしか興味の無い”エドゥアルド・フェルナンデス”だからこそ出来た芸当なのだと思う。
私にとってこの葉巻は、キューバ産葉巻に似た優等生的な葉巻であり、それほど興味を持つことが出来なかったが、キューバ産葉巻しか吸わないという諸氏にとっては、一度、試してみる価値はあると考える。
この葉巻の葉巻独自5段階評価は、引き抵抗(ドロー)の重さから煙を強く吸引しなければならないことで少しの苦みが発生してしまう場面が幾つかあったことと価格設定の割高感を鑑みて、4.5/5点寄りの4.0/5点とした。
参考までに、この”ワープト マエストロ デル ティエンポ/Warped Maestro del Tiempo”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、85~91ポイントという評価を得ており、今回喫煙した”5712”ビトラに於いては、91ポイントという高い評価を得ています。
喫煙時間
喫煙時間:100分
味覚フレーバーグラフ
| チョコレート(カカオ豆) | ★★★☆☆ |
| スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
| クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
| コーヒー | ★☆☆☆☆ |
| トースト(パン・穀物) | ★★☆☆☆ |
| 木(杉・オーク等) | ★★★★☆ |
| 革 | ★★☆☆☆ |
| 土(素朴さ) | ★☆☆☆☆ |
| 草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
| ナッツ | ★★☆☆☆ |
| ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★☆☆ |
| フルーツ(酸味含む) | ★★★☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★★☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $11.60 (1ドル148円換算にて1,717円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €8.90 (1ユーロ160円換算にて1,424円)
- 日本国内価格 ¥3,200 (参考日本販売価格倍率2.04倍)
葉巻重量
- 購入時重量 14.18g
- 加湿・熟成後重量 14.04g (葉巻ヘッドカット後重量13.75g)
- ドライシング後重量 13.68g (葉巻ヘッドカット後)
- △減少重量 (△減少割合) △0.07g (△0.51%)


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