パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro

4.5
パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1 ロブスト/Robusto
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パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro

葉巻/シガー情報

ブランド名 パドロン
シリーズ名 2000 マデューロ
ビトラ ロブスト
葉巻の長さ 127mm (5インチ)
葉巻の直径(リングゲージ) 19.8mm (50)
ラッパー ニカラグア産
バインダー ニカラグア産
フィラー ニカラグア産
生産国 ニカラグア製
価格 2,600円 (2024年10月現在)

この”パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro”の葉巻/シガー喫煙レビュー

今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、キューバから亡命者である”ホセ・パドロン/Jose Padron”が、1964年にアメリカ・マイアミにて設立した葉巻ブランドである”パドロン/Padron”からの1本である、”パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro”です。

”パドロン”は、著名な葉巻評論家から数多くの賞と高い評価を得ている葉巻ブランドであり、非キューバ産葉巻でありながら、キューバ産葉巻を主に取り扱うシガー・バー等でも常備している葉巻ブランドの1つであるようです。

パドロンの葉巻を吸ってみようと思ったのは、ある海外WEBサイトで、”パドロンを置いていないシガー・バーには客が入らない”という記事を読んだことがきっかけで、一度は吸って味を確認してみる必要があると考えたからです。

ですが、パドロンの葉巻は一番安価な”クラシック”ライン(今回喫煙する葉巻)でも高価ですし、ザラついて見える粗野なラッパーや、モンテクリスト風のバンドロール(シガーリング)デザインが地味なこともあり、私個人的には興味を惹かれない対象として映っていました。

使用しているタバコ葉もニカラグア産とだけしか公開していませんので、どのような味がするのか想像しづらかったこともあります。

今回喫煙レビューする、この”パドロン 2000 マデューロ”の葉巻ボディの匂いを嗅いでみると、軽い牛舎系の香りがすることから、おそらくはニカラグア産ハバノ2000種のマデューロ・ラッパーが使用されていて、バインダーとフィラーには、”ホセ・パドロン”がニカラグアで自身が使用するタバコ葉を最初に見つけたハラパ地区のクリオロ98種のタバコ葉が主に使用されているのではないかと推測します。

確かに旨い葉巻であることに間違いは無いでしょうが、今回喫煙するポイントは、同価格帯の葉巻である”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ロブスト”や”マイファーザー ル・ビジュー 1922 トロ”のように、驚くような旨さを感じることが出来るかどうかだと思っています。

ちょっとハードルを上げ過ぎているように感じるかも知れませんが、それだけ有名で高い評価を得てきた葉巻であるならば、期待して当然ではないでしょうか?

ま、多分、無理だと思いますが…。(^^;)

期待半分で喫煙してみることにしましょう!

参考までに、この”パドロン/Padron”は、キューバからの亡命者である”ホセ・パドロン/Jose Padron”が1964年にアメリカ・マイアミで創業した葉巻ブランドですが、その祖父である”ダマソ・パドロン/Damaso Padron”は、1800年代半ばにスペインのカナリア諸島からキューバに移住してからタバコ葉栽培農場を始めており、そのタバコ家系にホセ・パドロンは生まれ、家業を手伝っていました。

キューバ革命後には農場が国営化され、ホセ・パドロンはスペイン、そしてニューヨークへと渡り、最終的にアメリカ・マイアミに定住してこの”パドロン”葉巻ブランドを設立するに至っています。

ホセ・パドロンには有名(?)な”ハンマー”の物語があるようで、アメリカに移住してからというもの仕事が見つからず、政府からキューバ難民への援助金として毎月60ドルを受け取っていましたが、友人から1本のハンマー(金槌)を貰って、大工の仕事をして貯めた600ドルを元手に葉巻会社をスタートさせたとのことです。

他にも、製造拠点をニカラグアに移してからはサンディニスタ革命の内戦で工場が焼失したり、また、キューバ政治犯の釈放を求めてカストロ政権と交渉し、3,600人の政治犯を釈放してくれたお礼として、カストロにパドロンの葉巻を贈ったことからマイアミの反カストロ派に裏切者とみなされて、パドロンのマイアミ施設が3回爆破されるなど、まぁ、もう分かりました…、十分です。(^^;)

私が知りたいのは、今現在、パドロンがどのような味の葉巻を作っているか、それだけですので、早速、その歴史を感じることが出来る味なのか、試してみることにしましょう!

それでは、”パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。

葉巻外観・コールドドロー

パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1

まずは外観から見ていきましょう。

ニカラグア産のラッパーで巻かれた、”パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro”は、マデューロ色(褐色)をしていて、葉巻表面はザラついていて雑な仕上がりであり、美しい外観であるとは言えません。

葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は、シンプルなモンテクリスト風のバンドロールが巻かれていて、大きな特徴はありません。

葉巻ボディからは、香ばしい牛舎系の良い香りがします。

葉巻全体を手に持って確認すると、ラッパーは粗く巻かれていますが、葉巻表層部に適度な弾力がありながら、しっかりとした硬さに仕上がりとなっています。

この葉巻は、平均室温27℃・湿度66%に維持した自家製ヒュミドール内にて、33日間の加湿・熟成を行っています。

葉巻喫煙を開始する10時間前に、湿度54%のシリカゲル入り葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。

シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、ローストした干し草の味がして、引き抵抗は重くも軽くもなく、良好と言えます。

今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。

葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤ファーストサード

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。

序盤は、ローストした杉の木の味からスタートする。

背景には、僅かにベリー系の甘酸っぱさがある。

直ぐに、ごく僅かな土と革とナッツの味も追加される。

シンプルな味だが、上質な煙で旨い。

味の系統としては、過去に喫煙した”モンテクリスト No.5”を彷彿とさせるが、それは味が似ていると言うよりも、角が無い優等生的な喫味がそう思わせるようだ。

ストレングス(ニコチン量)はミディアム~ミディアムフル、フレーバー(風味)もミディアム~ミディアムフルと言ったところか。

角が無い喫味だが、”少し強めのモンテクリスト”と言った印象だ。

レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、僅かな苦みを含んだ、たっぷりの繊細なペッパー(黒胡椒)があることを確認する。

燃焼挙動は素晴らしく、ボックスプレスの葉巻でありながら火は均一に燃え進み、1円玉を重ねたような美しい灰が形成される。

着火後の引き抵抗(ドロー)は重くも軽くもなく、適度な吸引力でたっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。

パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤の終わり頃ファーストサード

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤セカンドサード

喫煙開始から20分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。

灰は小気味良い感触と共に、綺麗に折れる。

中盤の味は、序盤の味を引き継ぐが、僅かなカカオ豆の味が追加され、土の味が強さを増す。

優等生的な味の葉巻だが、いい葉巻だ。

食事の後、映画でも見ながら気軽に吸ったり、シガーバーで葉巻の味に注力せず、仲間との会話を楽しみながら吸ったりするときに重宝する葉巻となるだろう。

喫煙開始39分時点で、不意に灰を自然落下させてしまった。

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終盤ファイナルサード

喫煙開始から40分以降の終盤は、序盤・中盤の味を引き継ぎ、嫌な苦みや鋭さも無く、快適な喫煙が約束されている。

終盤の味は、カカオ豆と土の味を主体に吸い進む。

副流煙の香りは、甘さ控えめの香ばしい香りがする。

喫煙開始65分時点で、実質3回目の灰折を行う。

喫煙開始72分で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。

バンドロールは簡単、且つ、綺麗に剥がすことが出来る。

喫煙開始74分時点の、葉巻の性としての僅かな苦みが発生し始めた時点で、喫煙を終了することとした。

パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終了後ファイナルアッシュ

葉巻テイスティング総評

総評として、この”パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro”は、ローストしたカカオ豆と杉の木と土と少量の革とナッツの味に、僅かな苦みを含むたっぷりの繊細なペッパー(黒胡椒)、背景にごく僅かなベリー系の甘酸っぱさが味わえる、シンプルながら上質な味わいの葉巻だと言える。

味の系統としては、キューバ産モンテクリストを彷彿とさせる優等生的な葉巻の味であり、嫌な苦みや鋭さとは無縁の葉巻と言えるだろう。

個人的には、1本2,600円するこの葉巻をリピート購入するくらいなら、複雑な味が楽しめる、1本2,800円の”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ロブスト”や1本2,800円の”マイファーザー ル・ビジュー 1922 トロ”を購入していると思うが、それもTPO(Time/時間・Place/場所・Occasion/場合)により変わってくるだろう。

映画を集中して見たいときや、仲間との会話に集中したいときなどに吸う葉巻として、この”パドロン マデューロ 2000”は葉巻に集中することなく良い喫味が得られることから、大いに活躍してくれることだろう。

そう言えば、銀座にあるシガーバー”コネスール銀座本店”のウォークイン・ヒュミドールに、多くのパドロン葉巻が用意されていたことにも、今では納得できる。

さらに私事だが、大昔の若い頃、モータウンカフェのようなモータウン・ミュージックを流すバーに彼女と行って、私が好きなジャクソンズがカバーしている曲である”ブレイム・イット・オン・ザ・ブギー/Blame It on the Boogie”をリクエストした時、彼女の会話が全く耳に入ってこなかったことを思い出す。

また、さらに大昔の若い頃、オーストラリアで車を高速運行中に”ブレイム・イット・オン・ザ・ブギー”を大音量で流し、大声で歌いながら走行していたら、2回転ダイブして車を大破させたことも思い出した。(^^;)

車の運転中は、運転に集中する必要があるということの良い例だろう。

つまり私が言いたいのは、葉巻に集中して味を楽しみたいときなのか、又は映画や仲間との会話に集中したいときなのかによって、選択する葉巻も異なってくるということだ。

この”パドロン マデューロ 2000”は明らかに後者だと断言しよう。

シンプルな味わいながら、葉巻の構造を含め良く出来た葉巻だと言える。

この葉巻の葉巻独自5段階評価は、シンプルな味わいながら、TPOをわきまえてこの葉巻を選択したと仮定するならば、十分に4.5/5点を付けられる葉巻だと判断した。

参考までに、この”パドロン 2000 マデューロ/Padron Series 2000 Maduro”は、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、88ポイント~92ポイントという高評価を得ています。

喫煙時間

喫煙時間:80分

味覚フレーバーグラフ

チョコレート(カカオ豆) ★★★★☆
スィーツ(甘さ) ★★★☆☆
クリーム(滑らかさ) ★★★☆☆
コーヒー(苦み含む) ★☆☆☆☆
トースト(パン・穀物) ★☆☆☆☆
木(杉・オーク等) ★★★★☆
★★☆☆☆
土(素朴さ) ★★★☆☆
草(わら・ハーブ含む) ★☆☆☆☆
ナッツ ★★☆☆☆
ペッパー(胡椒・唐辛子) ★★★★☆
フルーツ(酸味含む) ★★☆☆☆

葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度

おすすめ度:★★★★☆

世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)

  • アメリカ国内参考価格 $8.23 (1ドル148円換算にて1,218円)
  • ヨーロッパ圏内参考価格 €12.90 (1ユーロ160円換算にて2,064円)
  • 日本国内価格 ¥2,600 (参考日本販売価格倍率1.58倍)

葉巻重量

  • 購入時重量 12.08g
  • 加湿・熟成後重量 11.53g (葉巻ヘッドカット後重量11.27g)
  • ドライシング後重量 11.19g (葉巻ヘッドカット後)
  • △減少重量 (△減少割合) △0.08g (△0.71%)

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