A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill

4.5
A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー2 ショートチャーチル/Short Churchill
この記事は約12分で読めます。

A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill

葉巻/シガー情報

ブランド名 A.J. フェルナンデス
シリーズ名 ディアス デ グロリア
ビトラ ショートチャーチル
葉巻の長さ 165.1mm (6.5インチ)
葉巻の直径(リングゲージ) 19.1mm (48)
ラッパー ニカラグア産 エステリ地区
バインダー ニカラグア産 エステリ地区
フィラー ニカラグア産 エステリ地区
生産国 ニカラグア製
価格 2,600円 (2024年10月現在)

この”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill”の葉巻/シガー喫煙レビュー

今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニカラグアに大規模な葉巻工場とタバコ葉農園を持つ葉巻メーカーの、”A.J. フェルナンデス/A.J. Fernandez”からの1本である、”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill”です。

この葉巻のコンセプトは、A.J.フェルナンデスの父親である”イスマエル・フェルナンデス/ Ismael Fernandez”が若き日に、故郷のキューバで吸っていた葉巻の味を再現しようと試みているようです。

それは即ち、キューバ産葉巻の味を再現しようとしていると考えて良いのでしょうか?

否、父親がまだ若かった頃のことですから、現在のキューバ産葉巻の味ではなく、キューバの古き良き時代(?)の葉巻の味と言うことなのでしょうか?

よく分かりません。

この”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル”を吸えば、古き良き時代のキューバ産葉巻の味が分かるというなら、なかなか面白いコンセプトです。

何故なら、多くの人が古き良き時代のキューバ産葉巻の味を、知らないし、知っていても覚えていないでしょうから、誰もツッコミようがなく、批判もできないのですから…。

唯一の確かめる方法は、父親のイスマエルにこの葉巻を吸わせてみることでしょうが、”そうそう!この味だよ、この味!きっと!たぶん…。”てな感じで、イスマエルだってよく覚えていないことでしょう。(^^;)

もし、この葉巻が現在のキューバ産葉巻の味がするニカラグア産葉巻であるならば、私の持論である、ヴィソ葉やリジェロ葉を多用したニコチン量の多い葉巻である可能性がありますが、”古き良き時代のキューバ産葉巻”としたところにA.J.の巧みさが垣間見え、きっと穏やかな煙の葉巻であると推測しています。

この葉巻には、A.J.の畑で栽培されたタバコ葉ではなく、エステリ近郊にある4ヶ所の最も古い農場で栽培されたタバコ葉が使用されているようです。

ここ最近、A.J.フェルナンデスの高価格帯葉巻に手を出し始めていますが、1本2,800円する”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ロブスト”を筆頭に、素晴らしい味を体験することが出来ているため、今回喫煙する”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル”も、きっと私を楽しませてくれる葉巻になると思っています。

参考までに、A.J. フェルナンデスの社長である、”アブデル・J・フェルナンデス”は、1979年生まれのキューバ人ですが、24歳になった2003年に、ニカラグアへ移住します。

最初は叔父が経営する、”ネストル・プラセンシア”で短期間働きましたが、すぐにエステリに自身の小さな葉巻工場をオープンし、他社ブランドの葉巻製造請負を開始します。

製造を請け負う他社ブランドとしては、”ロッキーパテル”や”ディーゼル”などの、有名葉巻メーカーの葉巻も請負製造することが出来ました。

2008年には自社のタバコ葉農園を所有することになり、2010年には”A.J. フェルナンデス”初の自社ブランド葉巻である、”サンロターノ/San Lotano”葉巻シリーズの製造・販売するまでに至りました。

それでは、”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill”(日本での財務省登録名称は”AJF ディアス デ グロリア ショートチャーチル”)葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。

葉巻外観・コールドドロー

A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー2

A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|ギャラリー1

まずは外観から見ていきましょう。

ニカラグア産エステリ地区のラッパーで巻かれた、”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill”は、マデューロ色(褐色)をしていて、葉巻表面はとても滑らかで少しの艶を持ち、木目細やかで上質な外観をしています。

葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本あり、メインバンドロールには黄色の下地にフレスコ画のような絵が描かれており、赤色の文字で”DIAS DE GLORIA”と書かれています。サブバンドロールには古さを表現するためにウェザリング塗装が施された中に”AJ FERNANDEZ”という文字が書かれています。

葉巻ボディからは、濃厚で香ばしい牛舎系の良い香りがします。

葉巻全体を手に持って確認すると、太い葉脈などは全く見当たらず、A.J.の葉巻としては比較的しっかりとした硬さに仕上がりとなっています。

この葉巻は、平均室温27℃・湿度67%に維持した自家製ヒュミドール内にて、35日間の加湿・熟成を行っています。

今回は、葉巻をヒュミドールに入れる前に、A.J.葉巻の特徴とも言える(?)しっとりと湿った質感を改善するため、5日間の予備乾燥(プレ・ドライシング)を行ってから35日間の加湿・熟成を行っています。

葉巻喫煙を開始する7時間前に、湿度54%のシリカゲル入り葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。

シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、A.J.の葉巻らしくないローストした麦わらの味がして、引き抵抗は多少重めですが、良好の範囲内と言えます。

今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分50秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。

葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤ファーストサード

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。

序盤は、上質で濃厚な杉の木の味からスタートする。

直ぐに、革と土の味が追加され、杉の味と融合する。

背景には、糖蜜や蜂蜜の甘さやドライフルーツの甘酸っぱさもある。

旨い!

よその畑で採れたタバコ葉を使っても、これほど旨い味を出せるとは驚きだ。

ストレングス(ニコチン量)はミディアム~ミディアムフル、フレーバー(風味)もミディアム~ミディアムフルと言ったところであり、A.J.製の葉巻にしては喫味は強く感じる。

レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、小麦粉の風味を伴うしっかりと効いた繊細なペッパー(白黒混合の胡椒)があることを確認する。

副流煙の香りには、甘く香ばしい香りが含まれている。

喫煙開始17分時点で、ナッツの味も確認する。

喫煙開始23分時点で、1回目の灰折を行う。

灰は軽い力で折れるが、綺麗な形を保ったまま折ることが出来る。

着火後の引き抵抗(ドロー)は重くも軽くもなく、適度な吸引力でたっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。

燃焼挙動はとても良好で、片燃えすることなく、火は均一に燃え進む。

A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙序盤の終わり頃ファーストサード

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤セカンドサード

喫煙開始から30分以降の中盤は、序盤の味を引き継ぎ、上質で濃厚な杉の木と土と革とナッツの融合された味に、背景にあるドライフルーツの甘酸っぱさや蜂蜜の甘さを楽しみながら吸い進めることが出来る。

味の系統としては、ちょっと強めのキューバ産葉巻の味と言って良く、土の素朴な味が影響しているのか、A.J.の思惑通り”キューバの古き良き時代”を思わせる味がする。

喫味は少し強いが、とても旨い!

喫煙開始38分時点で、葉巻フット側に巻かれているサブバンドロール(シガーリング)を剥がす。

エイジング加工されたバンドロールは、この”古き良き時代”のキューバ産葉巻の味を上手く演出している。

喫煙開始41分時点で、軽いカカオ豆の味も追加される。

喫煙開始44分時点で、2回目の灰折を行う。

この葉巻の味は、過去に喫煙レビューした”ボレロ ダブルコロナ”の味を思い出す。

と言っても、その葉巻を吸ったことがある人はドミニカ共和国に住む一部の人しかいないと思うが、要はキューバ産葉巻の味であり、味はそのままにストレングス(ニコチン量)を強くしたような味だ。

喫味は強めだが、嫌な苦みや鋭さとは無縁の葉巻と言って良いだろう。

A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙中盤の終わり頃セカンドサード

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から60分以降の終盤は、序盤・中盤の味を引き継ぐが、ストレングス(ニコチン量)はミディアムフルとなり、何かしらのスパイス(スターアニス?)も追加される。

喫煙開始66分時点で、メインバンドロール(シガーリング)を剥がす。

この時点で、燃焼挙動が悪くなり、危うく失火させそうになったため、灰を折ってから再着火を試みる。

この葉巻にはヴィソ葉やリジェロ葉が多用されていると考えられるため、燃焼挙動に不具合が出ることは仕方のないことなのだろう。

再着火後は、少しの苦みが発生してしまうが、大きな味の劣化もなく吸い続けることが出来る。

喫煙開始75分時点では、序盤・中盤には無かった何かしらのスパイス(スターアニス?)の味が強くなる。

ストレングス(ニコチン量)もフルボディとなり、喫味はさらに強くなる。

喫煙開始83分時点で、A.J.製の葉巻にしては珍しく、吸い疲れを起こしてしまったため、嫌な苦みや鋭さも無く、味の劣化も始まってはいないが、この辺で喫煙を終了することとした。

A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill Cigar Review|葉巻/シガー初心者の喫煙レビューブログ|喫煙終了後ファイナルアッシュ

葉巻テイスティング総評

総評として、この”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア ショートチャーチル/A.J. Fernandez Dias de Gloria Short Churchill”は、上質で濃厚な杉の木と土と革とナッツとカカオ豆の味に、小麦粉の風味を伴うしっかりと効いた繊細なペッパー(白黒混合の胡椒)、背景にドライフルーツの甘酸っぱさや蜂蜜の甘さやスパイス(スターアニス?)等が味わえる、強い喫味のキューバ産葉巻を彷彿とさせる葉巻だと言える。

正直言うと、この葉巻を吸い始める前までは、A.J.の畑で栽培されていないタバコ葉(※1)を使用していることから、もしかすると全く私好みの味ではない葉巻なのではないかと、少しの不安もあったが、吸い始めた途端にその不安は完全に払拭されることとなった。

流石、A.J.フェルナンデスは、よそから仕入れたタバコ葉を使用しても、旨い葉巻に仕上げることが出来るようだ。

但し、キューバ産葉巻の味に寄せるため、ヴィソ葉やリジェロ葉を多用する必要があったことから、終盤でのストレングス(ニコチン量)はフルボディとなってしまったことは、致し方無かったようだ。

最近、この”ディアス デ グロリア”葉巻シリーズに、A.J.の畑で収穫されたブラジル産マタフィナ種ラッパーを使用した”ディアス デ グロリア ブラジル”も新発売されたようなので、日本に入荷した際は是非吸ってみたいと思っている。

きっと、自社農園で栽培・発酵させたタバコ葉を使う方が、よりA.J.らしい葉巻の味になっているに違いない。

A.J.製の葉巻は、毎回、購入してから直ぐにヒュミドールに入れるのではなく、ドライシング・ボックスで5日間ほど予備乾燥(プレ・ドライシング)してからヒュミドールに入れるようにしているが、”葉巻重量”を見ても分かる通りに、購入時の過加湿状態から大きく除湿するが、その後さらにヒュミドール内でも葉巻重量は減少するという結果となっている。

A.J.の葉巻は過加湿状態になっていることが多いため、その過程を踏まないと適正な葉巻内包湿度に調整することが難しいと、私は考えている。

あまりにも葉巻重量が減少することで不安になってしまうかも知れないが、この方法で得られるA.J.製葉巻の味は、私が保証する。

今回は、この葉巻の喫煙レビューを書きながら、”万能トマトソース”も並行作業で作り上げることが出来た。

私が作る”万能トマトソース”のポイントは、玉ねぎだけでなく、すりおろしたニンジンも入っていることだ。

ハーブも生バジルだけでなく、乾燥オレガノも入っている。

日持ちを良くするため、オリーブオイル等の油は一切使用していない。

我ながらとても良い出来だ。

それはさておき、今回の葉巻独自5段階評価は、本当は5.0/5点に近い4.5/5点としたかったが、キューバ産葉巻の味に寄せるため、ストレングス(ニコチン量)はフルボディの葉巻となってしまっていることから、4.5/5点とすることとした。

参考までに、この”A.J. フェルナンデス ディアス デ グロリア/A.J. Fernandez Dias de Gloria”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、88ポイント~93ポイントという評価を得ており、この葉巻シリーズの”ショートチャーチル”ビトラに於いては、89ポイント~93ポイントという高評価を得ています。

注釈※1・フィラーは全てA.J.のタバコ葉農園で栽培されたものを使用しているようです。

喫煙時間

喫煙時間:86分

味覚フレーバーグラフ

チョコレート(カカオ豆) ★★☆☆☆
スィーツ(甘さ) ★★★☆☆
クリーム(滑らかさ) ★★★☆☆
コーヒー(苦み含む) ★☆☆☆☆
トースト(パン・穀物) ★★☆☆☆
木(杉・オーク等) ★★★★☆
★★★☆☆
土(素朴さ) ★★★★☆
草(わら・ハーブ含む) ★☆☆☆☆
ナッツ ★★★☆☆
ペッパー(胡椒・唐辛子) ★★★☆☆
フルーツ(酸味含む) ★★☆☆☆

葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度

おすすめ度:★★★★☆

世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)

  • アメリカ国内参考価格 $10.00 (1ドル148円換算にて1,480円)
  • ヨーロッパ圏内参考価格 €12.50 (1ユーロ160円換算にて2,000円)
  • 日本国内価格 ¥2,600 (参考日本販売価格倍率1.49倍)

葉巻重量

  • 購入時重量 16.53g
  • 予備乾燥後重量 14.72g
  • 加湿・熟成後重量 14.33g (葉巻ヘッドカット後重量14.19g)
  • ドライシング後重量 14.09g (葉巻ヘッドカット後)
  • △減少重量 (△減少割合) △0.10g (△0.70%)

ギャラリー

コメント