A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクーロ ナベガンテ ロブスト/A.J. Fernandez New World Oscuro Robusto
葉巻/シガー情報
| ブランド名 | A.J. フェルナンデス |
| シリーズ名 | ニューワールド オスクーロ ナベガンテ |
| ビトラ | ロブスト |
| 葉巻の長さ | 139.7mm (5.5インチ) |
| 葉巻の直径(リングゲージ) | 21.8mm (55) |
| ラッパー | ニカラグア産 オスクロ |
| バインダー | ニカラグア産 ハラパ地区 |
| フィラー | ニカラグア産 エステリ地区 & コンテガ地区 & オメテペ地区 |
| 生産国 | ニカラグア製 |
| 価格 | 2,000円 (2024年3月現在) |
この”A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクーロ ナベガンテ ロブスト/A.J. Fernandez New World Oscuro Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニカラグアに大規模な葉巻工場とタバコ葉農園を持つ葉巻メーカーの、”A.J. フェルナンデス/A.J. Fernandez”からの1本である、”A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクーロ ナベガンテ ロブスト/A.J. Fernandez New World Oscuro Robusto”です。
以前に喫煙レビューした、”A.J. フェルナンデス ニューワールド プーロエスペシャル”葉巻シリーズは、濃厚でとても甘い土とカカオ豆とナッツと杉の木の味に、刺激の少ない繊細なペッパー(白黒混合の胡椒)、そして、背景としてではなく、メインの味としての純粋な糖蜜の甘さを味わえる素晴らしいものでしたが、今回喫煙する”A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクーロ ナベガンテ ロブスト”は、”ニューワールド”葉巻シリーズの中でも、基本となる葉巻のようです。
今回喫煙レビューする、”A.J. フェルナンデス ニューワールド/A.J. Fernandez New World”葉巻シリーズは、2014年に販売が開始された、A.J. フェルナンデスと父親の”イスマエル・フェルナンデス”との2人で共同開発された自社葉巻ブランドであり、下記5つの葉巻バージョンから選択することが出来ます。
- A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクロ/A.J. Fernandez New World Oscuro
- A.J. フェルナンデス ニューワールド カメルーン/A.J. Fernandez New World Cameroon
- A.J. フェルナンデス ニューワールド コネチカット/A.J. Fernandez New World Connecticut
- A.J. フェルナンデス ニューワールド プーロエスペシャル/A.J. Fernandez New World Puro Especial
- A.J. フェルナンデス ニューワールド ドラド/A.J. Fernandez New World Dorado
今回喫煙するこの葉巻も、ニカラグアン・ピューロであり、バインダーとフィラーに使われているタバコ葉は、ニカラグアの主な4つの地区で栽培されているものをブレンドしています。
タバコ葉の品種までは公開していないようですが、ニカラグア産の場合はクリオロ種が最も一般的だと考えますが、A.J. フェルナンデスの場合はハバノ種やコロホ種も手掛けていることでしょう。
ニカラグア産 オスクロを使用したラッパーは、その名の通り、ダークな色合いをしていますが、葉巻ボディを香ってみるとこれまた牛舎系(馬小屋系)のとても良い香りを放っており、A.J. フェルナンデスの葉巻らしく、少し湿ったような柔らかさを備えています。
もうこの段階で、”旨い葉巻であること、間違いなし!”と言いたいところです。(^.^)
参考までに、A.J. フェルナンデスの社長である、”アブデル・J・フェルナンデス”は、1979年生まれのキューバ人ですが、24歳になった2003年に、ニカラグアへ移住します。
最初は叔父が経営する、”ネストル・プラセンシア”で短期間働きましたが、すぐにエステリに自身の小さな葉巻工場をオープンし、他社ブランドの葉巻製造請負を開始します。
製造を請け負う他社ブランドとしては、”ロッキーパテル”や”ディーゼル”などの、有名葉巻メーカーの葉巻も請け負うことが出来ました。
2008年には自社のタバコ葉農園を所有することになり、2010年には”A.J. フェルナンデス”初の自社ブランド葉巻である、”サンロターノ/San Lotano”葉巻シリーズの製造・販売するまでに至りました。
2014年以降は、”プラセンシア”で17年間働いていた、父親の、”イスマエル・フェルナンデス”も呼び寄せ、親子2人で新しい葉巻を創作したものが、この”A.J. フェルナンデス ニューワールド”葉巻シリーズとなります。
今回喫煙レビューするこの葉巻は、”A.J. フェルナンデス ニューワールド プーロエスペシャル”と比べて、どのような味の違いがあるのか、喫煙するのが楽しみです!
それでは、”A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクーロ ナベガンテ ロブスト/A.J. Fernandez New World Oscuro Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー

まずは外観から見ていきましょう。
ニカラグア産 オスクロ色のラッパーで巻かれた、”A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクーロ ナベガンテ ロブスト/A.J. Fernandez New World Oscuro Robusto”は、コロラドマデューロ~マデューロ色(茶褐色)をしていて、葉巻表面にはごく僅かな艶がありますが、基本的にはマットな仕上がりで、とても美しい外観をしています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本あり、1本は葉巻フット側を保護するための臙脂色のリボンが巻かれ、もう1本のメインバンドロールには、中世の頃のクリストファー・コロンブス探検隊と思われる絵と”New World”という文字が描かれています。
”ニューワールド/New World”という名前の由来は、1492年のクリストファー・コロンブス探検隊によるタバコの発見にちなんで名付けられたそうです。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれていながら、葉巻表層部には程良い弾力を備えており、購入当初はラッパーが僅かに湿っているような印象でしたが、62日間の加湿・熟成後は、逆にサラッとした質感に変化しています。
葉巻ボディからは、とても濃厚で香ばしい、馬小屋系(牛舎系)の良い香りがします。
葉巻全体を手に持って確認すると、太い葉脈などは見当たらず、滑らかで、高級感があります。
この葉巻は、平均室温16℃・湿度74%に維持した自家製ヒュミドール内にて、62日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する8時間半前に、葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、ローストした藁や干し草の柔らかな味がして、引き抵抗は重くも軽くもなく、とても良好と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分30秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)

※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、上質な杉の木と軽い革とナッツの味からスタートする。
直ぐに、カカオ豆と土の味も追加される。
喫味は柔らかく、とても旨い!
喫味はとても柔らかいが、レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、繊細なペッパー(白と黒の胡椒が混合)がたっぷりと含まれていることが分かる。
背景には、カカオ豆やコーヒー豆の甘さがある。
それはカカオ豆60%のチョコレートの甘さだと言える。
ボックスプレスの葉巻ながら、現段階での燃焼挙動はとても良く、均一に燃焼は進んでいく。
ストレングス(ニコチン量)はマイルド~ミディアム、フレーバー(風味)はミディアムフルと言ったところか。
副流煙の香りは、カカオ豆の風味を伴う、甘く香ばしい香りがする。
今のところ、苦みや酸味とは無縁の葉巻だと言えるだろう。
流石、A.J.が作る葉巻なだけあって、良く出来ている。

葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)

喫煙開始から23分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。
灰はしっかりとした感触と共に折れる。
多少の片燃えが発生し始めたため、この段階で火入れ修正を行う。
中盤での味は、杉の木とナッツの味は後退し、カカオ豆と土の味が強さを増す。
序盤よりも、さらに旨い!
フレーバー(風味)も強くなるが、喫味は柔らかいままであることに驚く。
この葉巻こそ、”A.J. フェルナンデス ニューワールド”葉巻シリーズの基本となる味なのだろう。
前回喫煙した”A.J. フェルナンデス ニューワールド プーロエスペシャル”葉巻シリーズと比べると、より柔らかい喫味であり、ごく僅かな酸味すら感じることもない。
どちらの葉巻シリーズも、ラッパーにはニカラグア産のタバコ葉を使用しているが、この葉巻には”オスクロ”と呼ばれる、”マデューロ”よりも太陽の陽射しをたっぷり浴びさせ、より濃い色になるまで熟成させたタバコ葉を使用していることが功を奏しているのだろう。

葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)

喫煙開始から45分以降の終盤は、まず2回目の灰折を行うことから始める。
この段階でも、多少の片燃えに対する火入れ修正を行う。
終盤での味は、序盤・中盤と比べて、ごく僅かにロースト感が増してくるが、味に及ぼす悪影響はない。
喫煙開始51分時点で、ごく僅かな小麦粉の味を確認する。
喫煙開始52分時点で、メインバンドロール(シガーリング)を剥がす。
喫煙開始70分時点で、3回目の灰折を行う。
この時点で、ごく僅かなリコリス(甘草)の味が追加され、全体的にはコーヒー豆が主体の味となる。
ロースト感が増し、序盤・中盤に感じられた旨味が減少し始めた時点で、喫煙を終了することとした。

葉巻テイスティング総評
総評として、この”A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクーロ ナベガンテ ロブスト/A.J. Fernandez New World Oscuro Robusto”は、上質なカカオ豆と土とコーヒー豆と杉の木とナッツの味に、たっぷりの繊細なペッパー(白黒混合の胡椒)、背景にカカオ豆やコーヒー豆の甘さがある、柔らかい喫味でありながら強いフレーバー(風味)を味わえる素晴らしい葉巻だと言える。
前回喫煙した”A.J. フェルナンデス ニューワールド プーロエスペシャル”と比べると、より柔らかな喫味が魅力の葉巻だと言えよう。
終盤まで、嫌な苦みや鋭さも無いため、ロブストサイズならが90分という長い時間の喫煙を楽しむことが出来た。
しかしながら、ここ最近、A.J.フェルナンデスの葉巻を立て続けに喫煙したことで、A.J.の葉巻は素晴らしい喫味で嫌な苦みや鋭さもない代わりに、少々複雑さに欠けているのではないかと思い始めた。
私にとっての複雑さとは、多くの味が存在するということや、味の変化を楽しめるというだけでなく、”全ての味が融合された、とても美味しいタバコの味がする”ということを意味している。
それは葉巻にとって必要不可欠な要素ではないのだが、その曖昧な要素を期待している私がいる。
いつの日か、その期待の全てを満たす葉巻に出会うことが出来るであろうと考えている。
その期待は別として、この葉巻の葉巻独自5段階評価は、柔らかな喫味でありながら、カカオ豆と土の強いフレーバーを味わえることから、文句なしの4.5/5点とした。
参考までに、この”A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクーロ ナベガンテ/A.J. Fernandez New World Oscuro”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、87ポイント~92ポイントという高評価を得ており、この葉巻シリーズの”ロブスト”ビトラに於いては、ランク外となっています。
喫煙時間
喫煙時間:90分
味覚フレーバーグラフ(追記レビュー時毎に更新)
| チョコレート(カカオ豆) | ★★★☆☆ |
| スィーツ(甘さ) | ★★★★☆ |
| クリーム(滑らかさ) | ★★★★★ |
| コーヒー | ★★★☆☆ |
| トースト(パン・穀物) | ★★☆☆☆ |
| 木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
| 革 | ★★☆☆☆ |
| 土(素朴さ) | ★★★★☆ |
| 草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
| ナッツ | ★★☆☆☆ |
| ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★☆☆ |
| フルーツ(酸味含む) | ★☆☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度(追記レビュー時毎に更新)
おすすめ度:★★★★☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $8.00 (1ドル148円換算にて1,184円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €8.80 (1ドル160円換算にて1,408円)
- 日本国内価格 ¥2,000 (参考日本販売価格倍率1.54倍)
ギャラリー
追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2024/8/4
今回2本目となる、”A.J. フェルナンデス ニューワールド オスクーロ ナベガンテ ロブスト”を喫煙する。
平均室温29℃・湿度64%の自宅ヒュミドールにて、16日間加湿・熟成したものを吸う。
A.J.製葉巻を喫煙するときの恒例として、加湿・熟成する前に5日間の予備乾燥を行い、過加湿気味である葉巻を適正な葉巻内包湿度に戻してから加湿・熟成を開始している。
喫煙前に8時間ほど、湿度52%のシリカゲル入りドライシング・ボックス内で、”ドライ・ボクシング”を行っている。
ドライシング前に14.24gあった葉巻重量は、ドライシング後には14.15gになっており、全体の0.49%が減少していることを確認し、喫煙を開始する。
着火はブタンガス詰め替え式ソフトフレームライターを使用して、約3分かけて着火する。
昨日に引き続き、自宅リビングソファーにて、2017年に公開されたアメリカのテレビドラマである”マーベル パニッシャー”シーズン2を見ながら喫煙する。
やはり、このテレビドラマは面白い。
このシーズンでドラマも終わりであることが残念だ。
海外ドラマの話はさておき、葉巻レビューに入りたい。
序盤は、上質で濃厚な杉の木とカカオ豆の味からスタートする。
直ぐに、ナッツと革と土の味も追加される。
背景には、カカオ豆の甘さがある。
ストレングス(ニコチン量)はミディアムでありながら、フレーバー(風味)はミディアムフルであることも素晴らしいが、且つ、喫味は柔らかく、吸いやすい葉巻であることが素晴らしい。
中盤以降は、カカオ豆の味が弱まり、代わりにコーヒー豆の味が追加される。
旨い。
苦みや鋭さも無縁の葉巻だと言えよう。
但し、少し単調であるところが、面白みに欠けると言えるかも知れない。
つい最近、”A.J. フェルナンデス ベジャス アルテス マデューロ ロブスト”という、とても複雑で旨い葉巻を喫煙したせいか、この葉巻をそれほど旨い葉巻に感じられなくなってしまったようだ。
但し、気軽に喫煙する葉巻としては、とても良い選択だと言えるだろう。
前回喫煙レビューしたときには、90分間という喫煙時間を楽しむことが出来たが、今回はファスト・スモーキングになってしまったせいか、65分間で喫煙終了となってしまった。
そのような全てを鑑みて、今回喫煙した葉巻の葉巻独自5段階評価は、前回の4.5/5点から、4.5/5点寄りの4.0/5点に評価を格下げすることとした。
喫煙時間65分。


コメント