プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ/Plasencia Reserva Original Toro
葉巻/シガー情報
ブランド名 | プラセンシア |
シリーズ名 | レゼルバ オリジナル |
ビトラ | トロ |
葉巻の長さ | 152.4mm (6インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 19.8mm (50) |
ラッパー | ニカラグア産 ハバノ種 (有機栽培) |
バインダー | ニカラグア産 (有機栽培) |
フィラー | ニカラグア産 (有機栽培) |
生産国 | ニカラグア製 |
価格 | 2,100円 (2023年8月現在) |
この”プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ/Plasencia Reserva Original Toro”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニカラグアとホンジュラスに巨大なタバコ葉農場を持つ葉巻メーカー”プラセンシア”が製造する葉巻シリーズからの1本である、”プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ/Plasencia Reserva Original Toro”です。
今回喫煙する葉巻は、私にとって初となる、2,000円オーバーの葉巻となります。
この、”プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ/Plasencia Reserva Original Toro”の最も大きな特徴は、化学農薬や化成肥料を使用せず、自社農園で有機栽培(オーガニック・ファーミング)されたタバコ葉のみで作られているということに尽きます。
多くの葉巻メーカーが有機栽培に挑戦するも、品質が悪くなったり、数量を確保できなかったりと、失敗する中、このプラセンシアだけが、タバコ葉の有機栽培に成功しています。
プラセンシアの葉巻は、過去に、”プラセンシア レゼルバ 1898 コロナ/Plasencia Reserva 1898 Corona”を吸ったことがありますが、その葉巻は私の口には合わなかったため、プラセンシアの真価を確かめるためにも、プラセンシアの王道とも言える葉巻シリーズである、この、”プラセンシア レゼルバ オリジナル/Plasencia Reserva Original”で、再評価してみようと考えました。
本当は、”シガージャーナル/Cigar Journal”にて、”シガー・オブ・ザ・イヤー2020トップ25”の第1位に輝いた、”プラセンシア アルマ フエルテ ロブスト/Plasencia Alma Fuerte Robustus I”を試してみたかったのですが、さすがに1本3,300円する葉巻は、今の私が吸うべき葉巻ではないと考え、このレゼルバ オリジナルを選択しました。
それでも、1本2,100円する葉巻は、私には高価です。(^^;)
1本1,850円のロブストビトラは、悲しいことに、売り切れでした。(T-T)
ちなみに、”プラセンシア”社は、元々、生のタバコ葉生産が主力でしたが、他社葉巻メーカーの葉巻を製造するようになり、2015年からは自社独自の葉巻を製造・販売するようになりました。
他社葉巻メーカーの葉巻製造請負業は、現在も本業の1つです。
プラセンシア社やA.J.フェルナンデス社は、自社葉巻製造と併せて、他社葉巻メーカーの葉巻製造請負業も行っていますが、ロッキーパテルなど、葉巻に対して熱意や情熱を注げる有能な人材を見つけては、惜しみない協力をし、世界で通用する葉巻メーカーに育て上げています。
勿論、そうすることで、最終的な葉巻製造下請け受注の拡大を見込んではいるのでしょうが、私には、”心の広さ”や、”懐の深さ”を感じずにはいられません。
それが出来るのも、波乱万丈な会社遍歴を持つ会社だからこそなのでしょう。
とても尊敬できる葉巻メーカーです。
そんなプラセンシアが有機栽培で作り上げたこの葉巻に、私はどんなレビューを書けるのか、とても楽しみです!
私にとっては初の、1本2,100円葉巻ですしね!(^.^)
それでは”プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ/Plasencia Reserva Original Toro”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
ニカラグア産のラッパーで巻かれた”プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ/Plasencia Reserva Original Toro”は、コロラドマデューロ色(茶褐色)をしていて、とても美しい外観をしています。
葉巻表面は、艶消し仕上げされたかのように美しいです。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は3本あり、全て白色と金色を主体としたもので、気品のあるデザインとなっています。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと硬く、十二分な量のタバコ葉が使われていると思います。
葉巻ボディからは、なんとも言えない、濃厚で良い香りがします。
葉巻全体を手に持って確認すると、太い葉脈などは全て取り除かれているような痕跡があり、手の込みようが窺えます。
この葉巻は、平均室温28℃・湿度65%に維持した自家製ヒュミドール内にて、31日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する2~3時間前に、葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、燻された干し草の香りがして、引き抵抗は少し重めではありますが、良好の範囲内だと思います。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から2cm程離して、炎で煽るようにゆっくり且つ、しっかりと炙り(2分15秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したら、その後、パージ(葉巻を咥えて息を吹く)を行って、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、燻された上質な杉の木の味からスタート。
直ぐに、カカオ豆とコーヒーと土の味が追加される。
背景には、カカオ豆の甘さがある。
続いて、グラハムクラッカーの味も追加される。
旨い!
喫煙開始から、たった6分の間に、この、”味の追加劇”が展開した。
少量の革の味も確認する。
背景にある甘さは、チョコレートの甘さというよりは、やはり、”カカオ豆の甘さ”や、”杉の木の樹液の甘さ”という表現の方が近いように思える。
喫煙開始22分時点で、1回目の灰折を行う。
灰はしっかりと硬いが、折れた場所が、何故か灰の中央部付近で折れた。
ペッパーの量が適量のお陰か、とてもマイルドな喫味だ。
ニコチン量も控えめに感じる。
初めての2,000円オーバーの葉巻は、想像していた通りの、上質な味だ。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から25分以降の中盤は、序盤と変わらない、上質なカカオ豆と土の味が主体で、カカオ豆の甘さとグラハムクラッカーの味が楽しめる。
ただし、喫味が比較的軽いので、フルボディのガツンとくる葉巻が好きな人にとっては、少し物足りないかも知れない。
喫煙開始36分時点で、ナッツの味を確認すると同時に、コーヒーの味が強くなり、僅かなほろ苦さを舌に感じだした。
喫煙開始40分時点で、2回目の灰折を行う。
この時点での味は、燻されたカカオ豆とコーヒーと土の味が主体となり、グラハムクラッカーの味は少し後退した。
喫煙開始45分時点で、ごく僅かな酸味を感じ始めた。
これは深煎りコーヒーの酸味の味と言えるだろう。
喫煙開始52分時点で、一番大きいバンドロール(シガーリング)を剥がす。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から55分以降の終盤は、重厚な土とコーヒーの味が主体となる。
序盤に強く現れたカカオ豆の甘さは、背景に移動している。
喫煙開始60分時点での味は、1,000円~1,500円クラスの葉巻の味に近くなってきたが、それでも上質で重厚な煙の味であることに変わりはない。
ペッパーの量も、序盤・中盤と比べると増してきている。
喫煙開始70分時点で、3回目の灰折を行うと同時に、最後のバンドロールを剥がす。
酸味が揮発性成分の味になりだして、ロースト感主体の味になってきた時点で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ/Plasencia Reserva Original Toro”は、燻された上質なカカオ豆とコーヒーと土と杉の木とナッツの味に、カカオ豆や杉の木の樹液の甘み、そしてグラハムクラッカーの味を楽しめる、素晴らしい葉巻だと言える。
ペッパーは控えめで、序盤・中盤はマイルドで吸いやすい葉巻だが、終盤はロースト感が強まり、重厚感が増して、如何にも、”ニカラグア産葉巻”らいし味になる。
個人的には、最後までマイルドな喫味であった方が、この葉巻の特徴を明確に位置付け出来たであろうと考える。
初めての2,000円オーバーの葉巻であったが、確かに、販売価格が1本2,000円を超えてくると、上質、且つ、今までに味わったことのない味を楽しむことが出来るようだ。
初めてトースト(パン)の味を味わえた、”アルトゥーロ・フエンテ シャトーフエンテ サングロウン”も、今では1本1,600円から1本2,350円に値上がりして、1本2,000円をオーバーしていることにも納得する。
この葉巻の、”葉巻独自5段階評価”は、初めてグラハムクラッカーの味を味わえた葉巻であることや、序盤での味の変遷を楽しむことが出来たことなどを考えて、4.0/5点に近い、4.5/5点とした。
今回喫煙した、”トロ”ビトラではなく、1本1,850円の、”ロブスト”ビトラが今回の葉巻と同じ味なら、間違いなく再購入するだろう。
参考までに、この”プラセンシア レゼルバ オリジナル/Plasencia Reserva Original”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、86ポイント~92ポイントという高評価を得ており、”プラセンシア レゼルバ オリジナル コロナ/Plasencia Reserva Original Corona”は、2022年の葉巻トップ25(92ポイント25位)に輝いています。
喫煙時間
喫煙時間:80分
味覚フレーバーグラフ(追記レビュー時毎に更新)
チョコレート(カカオ豆) | ★★☆☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★☆☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★☆☆☆ |
コーヒー | ★★☆☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★★☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
革 | ★★☆☆☆ |
土(素朴さ) | ★★☆☆☆ |
草(わら・ハーブ含む) | ★★☆☆☆ |
ナッツ | ★★☆☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★☆☆☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★☆☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度(追記レビュー時毎に更新)
おすすめ度:★★★★☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $9.81 (1ドル148円換算にて1,452円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €9.50 (1ユーロ160円換算にて1,520円)
- 日本国内価格 ¥2,100 (参考日本販売価格倍率1.41倍)
葉巻重量 (2024/11/17追記レビュー時のデータ)
- 葉巻購入時重量 12.55g
- 加湿・熟成後重量 12.51g (葉巻ヘッドカット後重量12.30g)
- ドライシング後重量 12.23g (葉巻ヘッドカット後)
- △減少重量 (△減少割合) △0.07g (△0.57%)
ギャラリー
追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2024/11/17
今回でこの葉巻シリーズ3本目となる”プラセンシア レゼルバ オリジナル ロブスト/Plasencia Reserva Original Robusto”(1本1,850円)を喫煙する。
今回追記レビューする葉巻は、”プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ”ではないが、ビトラ(大きさ)が異なるだけで、味の系統は似ていると考えられることから、この場を借りて追記レビューを行いたいと思う。
今回も正直言ってしまうと、新たに記事を立ち上げるのが面倒だったというのが、本音だ。(^^;)
平均室温22℃・湿度68%の自宅ヒュミドールにて、15日間加湿・熟成したものを吸う。
喫煙前に8時間ほど、湿度53%のシリカゲル入りドライシング・ボックス内で、”ドライ・ボクシング”を行う。
ドライシング後の減少重量を測定すると0.07g減少しており、全体の0.57%の適切な葉巻内包湿度を減少させたことを確認して喫煙を開始する。
着火はブタンガス詰め替え式ソフトフレームライターを使用して、約2分かけて着火する。
自宅リビングソファーにて、2024年にアメリカで公開されたパニック映画である”ツイスターズ/Twisters”を見ながら喫煙する。
この映画は、1996年に公開されたスピルバーグ製作総指揮、ヤン・デ・ボン監督の映画である”ツイスター/Twister”の正当な続編であり、”トップガン マーヴェリック”の”グレン・パウエル”や、”ザリガニの鳴くところ”の”デイジー・エドガー=ジョーンズ”が出演している。
1996年の”ツイスター”は、私の中では名作扱いとなっていることから、この映画も楽しみにしていて、確かに見ごたえのある良い作品に仕上がっていたと思う。
だが、この映画は”グレン・パウエル”の魅力で成り立っている映画だったように思う。
最近のハリウッド映画では、若手の俳優が簡単に(?)主役に抜擢される向きがあるようだが、私はどうやらそれが気にくわなかったようだ。
主演俳優はどんなに演技が上手くても、35歳は超えていないと俳優としての魅力を十分に出し切れないように思う。
ちなみに”ツイスター”の主演俳優であった”ビル・パクストン”は、その当時41歳だった。
それに、”ザリガニの鳴くところ”で良い演技を披露していた”デイジー・エドガー=ジョーンズ”の髪の色も、本来はブルネットなのだろうが、何故か金髪に染めていることに違和感を感じてしまう。
ブルネットのままではいけなかったのだろうか?
小さなことが気になってしまう映画だったが、1996年の”ツイスター”が名作であることを考えると、比べること自体が間違いだったのかも知れない。
ま、映画の話はこれくらいにして、早速、葉巻レビューに入りたい。
序盤は、爽やかさを含む杉の木と少量のカカオ豆の味からスタートする。
直ぐに、干し草(麦わら?)と少量のナッツと革の味が追加される。
背景には、少量のカカオ豆の甘さと軽いパン(小麦粉?)の風味がある。
なかなか良い喫味だが、煙が少しドライ気味であることと、ごく僅かな苦みが含まれることが気になる。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、ごく僅かな苦みを含む適量のペッパー(白胡椒)があることを確認する。
ストレングス(ニコチン量)はマイルド~ミディアム、フレーバー(風味)もマイルド~ミディアムと言ったことろか。
燃焼挙動は良好で、軽い片燃えは発生するものの、自動修正されるようだ。
着火後の引き抵抗(ドロー)は重くも軽くもなく、適度な吸引力でしっかりとした量の煙を口蓋に引き込むことが出来る。
良い葉巻だと思うのだが、今現在の私の好みからは少し離れてしまっているようだ。
とは言いつつも、ロブストビトラながら、80分という長い時間を快適に喫煙出来ている自分が居る。
自分好みの葉巻で無くても、その葉巻の良いところを受け入れることが出来るようになっていることを鑑みると、意外と私は本当に葉巻のことが好きなのかも知れないと思えるようになってきた。
直ぐにやめるつもりで始めた葉巻喫煙だが、まだまだ長く続けられそうだ。
この葉巻の葉巻独自5段階評価は、”ロブスト”ビトラでの評価は4.0/5点が妥当な評価だと判断し、それに併せて”トロ”ビトラも同じ評価に格下げすることとした。
喫煙時間約80分。
追記:葉巻喫煙レビュー 葉巻喫煙日:2024/1/1
自宅ヒュミドールにて29日間加湿・熟成したものを吸う。
ヒュミドールは、平均室温16℃・湿度74%の設定。
葉巻は喫煙の3時間程前から”ドライ・ボックス”に入れて、”ドライシング”を行っている。
今回で2本目となる、”プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ/Plasencia Reserva Original Toro”を喫煙する。
自宅リビングで、今年の7月に映画館で観た映画である、”ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE”(トム・クルーズ主演)”を再度テレビで見ながら喫煙する。
序盤は、上質な杉の木と小麦粉(パン・穀物)の味に、適度なペッパー、背景にはカカオ豆のごく軽い甘みでスタートする。
副流煙には、甘く香ばしい香りが含まれている。
今回は、前回の喫煙で感じた”グラハム・クラッカー”の味を感じることが出来ず、代わりに粉っぽい小麦粉(パン・穀物)の味しか感じなかった。
煙には、ごく僅かな苦みがある。
残念ながら、前回喫煙したときのような感動を得ることは出来なかった。
もしかすると、自宅ヒュミドールの湿度計が74%を示しているにも関わらず、ドライシングを3時間程度しか行っていないことが関係しているかも知れない。
この湿度の場合、ある程度太くて大きい葉巻は、最低6時間程ドライシングを行ったほうが良さそうだ。
葉巻の味としては、特段問題なく、最後まで嫌な苦みや鋭さを感じることなく喫煙できたが、小麦粉の粉っぽさが少々難点だったと言える。
しかしながら、この葉巻の葉巻独自5段階評価は、前回と同じく、4.0/5点寄りの4.5/5点に留めておこうと判断した。
リビングで映画を見ながら気楽に喫煙するときは、味に集中して喫煙するときと比べて、感じる味に違いが出ることは確かであるため、この追記レビューの記載があるときは、こちらも是非参考にしていだきたいと思う。
喫煙時間:85分
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