アルファンブラ エル ブルヒート F2 トロゴルド/Alfambra El Brujito F2 Toro Gordo
葉巻/シガー情報
ブランド名 | アルファンブラ |
シリーズ名 | エル ブルヒート |
ビトラ | F2 トロゴルド (トロ) |
葉巻の長さ | 150mm (5.9インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 22.2mm (56) |
ラッパー | エクアドル産 ハバノ種 |
バインダー | ニカラグア産 ハバノ H2000種 |
フィラー | ニカラグア産 ハバノ種 |
生産国 | ニカラグア製 |
価格 | 1,750円 (2025年9月現在) |
この”アルファンブラ エル ブルヒート F2 トロゴルド/Alfambra El Brujito F2 Toro Gordo”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、私が葉巻趣味を始めて最初に好きになった葉巻ブランドとなる”アルファンブラ/Alfambra”のフラッグシップ・シガーとなる、”アルファンブラ エル ブルヒート F2 トロゴルド/Alfambra El Brujito F2 Toro Gordo”です。
この葉巻シリーズを最後に喫煙したのは2023年6月ですので、実に2年以上ぶりの喫煙となりますが、その頃はまだ”ドライシング”という葉巻管理技法を知らず、必然的に僅かな”苦み”を感じていたことと、今現在では私が独自に考案した”自家製発酵器熟成”という、より旨い葉巻に変貌させる葉巻管理方法を用いることで、この葉巻本来のポテンシャルを引き出すことが出来るのではないかと考えています。
つい最近リピート喫煙した”アルファンブラ クラシック オレンジ セリエ N マレーバ”では、自家製発酵器熟成によって、これまでに喫煙してきたその葉巻の味とは全く別物の上質な葉巻へと変貌させることに成功しているため、今回喫煙するこの葉巻にも期待以上の成果を望んでいます。
前回喫煙した”アルファンブラ エル ブルヒート F1 ロブスト”では、喫煙時間は60分というロブストビトラとしては少々短い時間しか喫煙を楽しむことが出来ませんでしたが、今回の太くて長い”トロゴルド”にして”ドライシング”と”自家製発酵器熟成”を施した葉巻では、きっと2時間以上の快適な喫煙が可能になっていると予想しています。
自家製発酵器熟成によって、葉巻はどのような味に変貌するのか、レビューしてみたいと思っています。
参考までに、アルファンブラのオーナーであるスペイン人の”アレハンドロ・マタ・アルファンブラ”は、元は飲料(スピリッツ)の流通に専念していましたが、スピリッツ(ラム酒)の製造で世界的に有名なキューバへの旅行を重ねるうちに、キューバの特産品として世界的に有名な葉巻の魅力に引き込まれるようになります。
2007年に、アレハンドロは自らの葉巻ブランドを持ちたいと考え、ニカラグアのエステリ県に小さなチンチャル(小さな葉巻農家の意)をオープンし、2組のトルセドールを雇い、他のタバコ葉農園から購入したタバコ葉を用いて巻いた葉巻を販売していました。
しかし、外部から購入したタバコ葉で葉巻を作ることを継続するのが如何に難しいかということがすぐに分かり、自らニカラグアに2つの土地を購入して、タバコ葉農園を営むことになります。
タバコ葉農園を始めた当初は、自らの葉巻を巻いて販売することなく、ビジネスに徹して、他の有名葉巻メーカーへタバコ葉を卸す仕事からスタートしました。
そして2015年には、ついに自身の名前と故郷アンダルシアのアルハンブラ宮殿の中世の名前である、”アルファンブラ”という名のブランド葉巻の生産を開始するまでに至っています。
それでは、”アルファンブラ エル ブルヒート F2 トロゴルド/Alfambra El Brujito F2 Toro Gordo”(日本での財務省登録名称は”エル ブルヒート F2”)葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
ニカラグア産 ハバノ種のラッパーで巻かれた、”アルファンブラ エル ブルヒート F2 トロゴルド/Alfambra El Brujito F2 Toro Gordo”は、コロラド色(茶色)~コロラドマデューロ色(茶褐色)をしていて、葉巻表面は比較的滑らかで僅かな艶があり、そこそこ美しい外観をしていると言って良いでしょう。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本あり、サブバンドロールには黒地に銅色の装飾と白色の文字で”CAPA ECUADOR”というラッパー産地が記載され、メインバンドロールには黒地に白色の文字で”EL BRUJITO HECHO A MANO”の記載と、銅色で”エル ブルヒート”を意味する魔女の洞窟壁画が描かれています。
以前はサブバンドロールが無く、ラッパーもニカラグア産であったと記憶していますが、今現在はエクアドル産ラッパーに変更されているようです。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれていながら、葉巻表層部には僅かな弾力性を備えています。
葉巻ボディからは、とても強い牛舎系の良い香りがします。
この葉巻は、”自家製発酵器”により66日間熟成させた後、平均室内温度29℃・湿度64%に維持した自家製ヒュミドール内にて7日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する12時間程前に、葉巻を湿度48%のシリカゲル(乾燥剤)入りドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、小麦粉の風味を含んだ麦わらの味がして、引き抵抗はごく僅かに重めですが、良好と言えるでしょう。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約3分50秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、とても爽やかな杉の木と少量のナッツと革が複合された味からスタートする。
直ぐに、ごく僅かな土とカカオ豆の味が存在することを理解する。
いい喫味だ!
着火後の引き抵抗(ドロー)も素晴らしく、軽く煙を吸い込むだけでたっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。
この爽やかな喫味は”オリバ”社系の葉巻の味に似ていると言えるが、個人的にはこの”アルファンブラ エル ブルヒート F2 トロゴルド”の方が煙が軽やかで好感が持てる。
ストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)もミディアムと言ったところか。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、少しの苦みを含んだ鼻腔を刺激することの無い適量のペッパー(白胡椒)があることを確認する。
喫煙開始22分時点で、少し早いかも知れないが灰がもろいように感じたため、1回目の灰折を行う。
灰は意外にもしっかりとした感触と共に、綺麗に折れる。
燃焼挙動は良好で、灰折時に軽い火入れ修正を行うだけで、火は均一に燃え進む。
副流煙の香りは、軽い小麦粉の風味を含む香ばしい香りがする。
喫煙時間30分時点までのところは、雑味を一切感じない軽やかで素晴らしい喫味を提供してくれている。
アルファンブラのオーナーである”アルハンドロ・マタ”は、”葉巻は毎日数本喫煙するため、ある程度軽い葉巻に仕上げている”と、あるインタビューで答えており、この葉巻はその考えをそのまま具現化しているように思う。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から40分以降の中盤は、序盤の味を引き継ぐが、強い爽やかさは少し弱まり、土の味が強さを増し、カカオ豆の味も分かりやすくなってくる。
背景には、ごく僅かな小麦粉の風味を含む、糖蜜や蜂蜜の甘さがあることを認識する。
良く出来た葉巻だ。
映画を見ながらこの葉巻を喫煙しても、映画鑑賞の邪魔をすることはないだろう。
”トロ”ビトラの長さでありながらリングゲージ56という太い葉巻にして、1本1,750円という価格設定は、とてもお買い得な1本と言えるだろう。
喫煙時間61分時点で、2回目の灰折を行う。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から80分以降の終盤は、序盤・中盤の味を引き継ぎ、嫌な苦みや鋭さとは無縁の素晴らしい喫味で吸い進む。
濃厚さは少し増してきているが、まだ味の劣化は感じない。
喫煙開始96分時点で、3回目の灰折を行う。
喫煙開始101分時点で、バンドロール(シガーリング)を剥がす。
バンドロールはとても簡単に、且つ、綺麗に剥がすことが出来る。
喫煙開始113分時点では、流石に味の劣化が始まり、少しの苦みが発生するとともに、体内にニコチンが蓄積されつつあることが分かる。
軽やかな葉巻ではあるが、意外とニコチン量は多い葉巻であることを、この時点で理解することになる。
喫煙開始115分時点に於いて、あろうことか、突然、急激なヤニクラを起こしてしまったため、不本意ながら急遽、喫煙を中止することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”アルファンブラ エル ブルヒート F2 トロゴルド/Alfambra El Brujito F2 Toro Gordo”は、とても爽やかな杉の木と少量の土とカカオ豆と革とナッツの複合された味に、少しの苦みを含んだ鼻腔を刺激することの無い適量のペッパー(白胡椒)、背景に糖蜜や蜂蜜の甘さが味わえる、とても軽やかな喫味の葉巻だと言える。
しかしながら、喫煙中盤まではストレングス(ニコチン量)がミディアム程度だったにも関わらず、喫煙時間が2時間になる手前の時点で急激なヤニクラに襲われ、やむなく喫煙を終了することになったことは少し残念だ。
おそらく、レトロヘイルの一技法である”フレンチ・スモーキング”(口から吐いた煙を鼻から吸う技法)を、頻繁にやり過ぎてしまったことが原因だろう。
または、一般的にリーズナブル系葉巻は、十分な発酵・熟成が行われていないタバコ葉が使用されていることが多いことから、タバコ葉に残留しているニコチン量が多かったのかも知れない。
この味を実現するには、ニコチン量が多いリジェロ葉を多用する必要があるため、尚更だと考える。
とは言え、喫煙開始90分時点までは、とても爽やかで軽やかな素晴らしい喫味の葉巻であったことに間違いはない。
過去に喫煙レビューした”アルファンブラ エル ブルヒート F1 ロブスト”と比較すると、喫味の良さは段違いであり、今回実施したドライシングが適切に行われていたことと、約2ヶ月間に及ぶ”自家製発酵器熟成”が大きく貢献していることは言うまでも無い。
この葉巻のようなリーズナブル系葉巻は、長い熟成期間を経たタバコ葉を使用することが出来ないため、数年に及ぶヒュミドールでの加湿・熟成を行わないと望むような味にならないようだ。
その加湿・熟成期間を短くして同じような効果を発揮する手法が、私が考案した”自家製発酵器熟成”なのだと自負している。
いずれは、この”自家製発酵器熟成”方法を詳しく解説した記事をアップするつもりでいるが、きっとそれは”眉唾モノ”だと否定する諸氏が大半を占めるだろうから、今のところはまだ実験途中であるということにしておきたい。
今回喫煙した”自家製発酵器熟成”された葉巻の葉巻独自5段階評価は、喫煙終盤の終わり頃から突然のヤニクラを起こしてしまったことを鑑みても、4.0/5点寄りの4.5/5点を与えるに相応しい葉巻だと判断した。
喫煙時間
喫煙時間:115分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★★☆☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
コーヒー(苦み含む) | ★☆☆☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★☆☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★★☆ |
革 | ★★★☆☆ |
土(素朴さ) | ★★★☆☆ |
草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
ナッツ | ★★☆☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★☆☆☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★★☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★★☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格
- ヨーロッパ圏内参考価格 €7.10 (1ユーロ160円換算にて1,136円)
- 日本国内価格 ¥1,750 (参考日本販売価格倍率1.54倍)
葉巻重量
- 購入時重量 18.43g
- 自家製発酵器熟成後 17.96g (葉巻ヘッドカット後重量17.87g)
- 加湿・熟成後重量 17.78g
- ドライシング後重量 17.65g
- △減少重量 (△減少割合) △0.13g (△0.73%)
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