A.J. フェルナンデス エンクラーベ ブロードリーフ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Broadleaf Robusto
葉巻/シガー情報
ブランド名 | A.J. フェルナンデス |
シリーズ名 | エンクラーベ ブロードリーフ |
ビトラ | ロブスト |
葉巻の長さ | 127mm (5インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 20.6mm (52) |
ラッパー | アメリカ合衆国・コネチカット州産 ブロードリーフ |
バインダー | ニカラグア産 |
フィラー | ニカラグア産 |
生産国 | ニカラグア製 |
価格 | 2,250円 (2024年4月現在) |
この”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ブロードリーフ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Broadleaf Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニカラグアに大規模な葉巻工場とタバコ葉農場を持つ葉巻メーカーの、”A.J. フェルナンデス/A.J. Fernandez”からの1本である、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ブロードリーフ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Broadleaf Robusto”です。
今回喫煙する葉巻は、私にとって5種類目となる、A.J. フェルナンデス製の葉巻シリーズです。
過去に喫煙した、”A.J. フェルナンデス サンロターノ ハバノ トロ”と”A.J. フェルナンデス ニューワールド プーロエスペシャル ショートチャーチル”で、私はA.J. フェルナンデス葉巻の大ファンになり、それ以降、全てのA.J. フェルナンデス製葉巻を喫煙してみることにしました。
今回は、以前にも喫煙したことがある、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ”葉巻シリーズの1つとなりますが、ラッパーがニカラグア産ハバノ2000種ではなく、A.J.フェルナンデスが初めて希少で高価なアメリカ合衆国産コネチカット種ブロードリーフを使用した葉巻となります。
以前喫煙した同系列の葉巻である、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト”は、甘く香ばしい杉の木と土とカカオ豆とコーヒーの味に、適度なペッパーと、背景にあるカカオ豆の軽い甘さを味わえる、とても良い葉巻だったのですが、喫煙開始40分以降から揮発性成分を感じ始めるなど、早い段階で味の劣化が始まったことは少し残念ではありましたが、もしかすると2時間しかドライシングしていなかったことが影響しているのかも知れません。
今回は、8時間ドライシングを行ってから喫煙してみることにしました。
希少で高価なアメリカ合衆国産コネチカット種ブロードリーフを使用した味の効果を、是非、期待したいところです!
参考までに、A.J. フェルナンデスの社長である、”アブデル・J・フェルナンデス”は、1979年生まれのキューバ人ですが、24歳になった2003年に、ニカラグアへ移住します。
最初は叔父が経営する、”ネストル・プラセンシア”で短期間働きましたが、すぐにエステリに自身の小さな葉巻工場をオープンし、他社ブランドの葉巻製造請負を開始します。
製造を請け負う他社ブランドとしては、”ロッキーパテル”や”ディーゼル”などの、有名葉巻メーカーの葉巻も請け負うことが出来ました。
2008年には自社のタバコ葉農園を所有することになり、2010年には”A.J. フェルナンデス”初の自社ブランド葉巻となる、”サンロターノ/San Lotano”の製造・販売をするまでに至りました。
2014年以降は、”プラセンシア”で17年間働いていた、父親の、”イスマエル・フェルナンデス”も呼び寄せ、親子2人で新しい葉巻を創作していくこととなり、現在に至っています。
そして、親子2人で完成させた葉巻の1つがこの、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ”葉巻シリーズとなりますが、そこからA.J. フェルナンデスは、ラッパーにアメリカ合衆国産コネチカットブロードリーフを使用することを思いつき、この葉巻を完成させました。
A.J. フェルナンデスの葉巻として5種類目となるこの葉巻シリーズに、私はどのような味を感じるのか、これから喫煙するのがとても楽しみです!
それでは、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ブロードリーフ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Broadleaf Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
アメリカ合衆国産コネチカットブロードリーフのラッパーで巻かれた、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ブロードリーフ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Broadleaf Robusto”は、コロラドマデューロ色(茶褐色)~マデューロ(褐色)をしていて、葉巻表面には少しの艶があり、とても美しい外観をしています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本あり、1本は赤色と金色を使用した中に、”A.J.FERNANDEZ”と書かれ、もう1本は金色と赤色と水色を使用した中に、馬に乗ったインディアン(?)らしき絵と、”ENCLAVE”という文字が描かれています。
”エンクラーベ(エンクレイヴ)/ENCLAVE”という言葉の意味は、”飛び地”とか、”囲まれた領域”を指すようであり、例えば、バチカンはイタリアの”エンクレイヴ”にあたるようですが、葉巻喫煙者は、非喫煙者に囲まれた”閉鎖された領域”であることを感じるという意味合いから、名付けられたようです。(?)
購入当初、葉巻を指で摘まんでみると、A.J.の葉巻らしく、しっとりとしていて、程良い柔らかさを備えていましたが、自宅ヒュミドールで48日間の加湿・熟成を行ったことによって、逆にラッパー表面は乾燥気味になり、全体的に硬さが増しました。
葉巻ボディからは、とても濃厚で甘く香ばしい、良い香りがします。
葉巻全体を手に持って確認すると、太い葉脈などは見当たらず、滑らかで、高級感があります。
この葉巻は、平均室温18℃・湿度74%に維持した自家製ヒュミドール内にて、48日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する8時間前に、葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、ローストした麦わらや干し草の味がして、引き抵抗は重くも軽くもなく、良好と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分30秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、ごく僅かなドライフルーツの酸味を伴う、ローストされた杉の木の味からスタートする。
背景には、杉の木の樹液のような甘さがある。
出だしのこの味は、過去に喫煙した”オリバ セリー V メラニオ フィグラド”の味を思い出す。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、たっぷりの繊細なペッパー(黒胡椒)があることを確認する。
胡椒の味は繊細であるが故、量は多くても鼻に噛みつくことは無い。
喫煙開始13分時点で、コーヒー豆と土の味が追加される。
カカオ豆の味に感じないのは、煙にごく僅かな酸味が含まれていることと、背景にある甘さが控えめだからだろう。
ストレングス(ニコチン量)はミディアム~ミディアムフル、フレーバー(風味)はミディアムフルと言ったところか。
燃焼挙動は悪くないが、多少の片燃えに対する火入れ修正は必要だろう。
喫煙開始23分時点で、1回目の灰折を行う。
灰は、小気味良い感触と共に折れる。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から25分以降の中盤は、コネチカット産ブロードリーフラッパー由来の味なのか、コーヒー豆のロースト感が少しだけ強くなり、香ばしさが増してくる。
副流煙の香りには、甘さは控えめの香ばしい香りが含まれている。
今更ながら、旨い葉巻であることに気付く。
旨さに気付くのが遅れたのは、副流煙の香りが甘く香ばしく香りになるのに時間が掛かったことと、煙には常にドライフルーツ系の酸味が含まれていることが原因だと推測する。
副流煙が甘く香ばしくなることで、私が苦手とする酸味成分の味が気にならなくなってきたようだ。
喫煙開始35分時点で、葉巻フット側のサブバンドロール(シガーリング)を剥がす。
糊の着け過ぎによりバンドロールは綺麗に剥がすことが出来ず、引き千切ることとなる。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から45分以降の終盤は、まず2回目の灰折を行うことから始める。
終盤の味は、副流煙の香りが完全に甘く香ばしくなり、味も濃厚なコーヒー豆とカカオ豆と土と杉の木の味に、背景には焦げ感を伴うメープルシロップの甘さを味わうことが出来る。
この終盤になっても、嫌な苦みや鋭さは感じない。
前回喫煙した”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト”のときには、終盤初期から揮発性成分による味の劣化が始まったが、それはドライシングが適切に行われていなく(2時間)、葉巻内包湿度が高かったことによるものだろう。
今回は適切な時間のドライシングを行ったことで(8時間)、この葉巻本来の性能を発揮していると考える。
喫煙開始52分時点で、メインバンドロール(シガーリング)を剥がす。
またもやバンドロールは綺麗に剥がすことが出来なかった。
喫煙開始65分時点では、コーヒー豆のロースト感がより力を増し、重い喫味となってくるが、まだ味の劣化は始まらない。
喫煙開始70分時点で、3回目の灰折を行う。
嫌な苦みや鋭さは感じないが、ロースト感が完全に威力を増してきた時点で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ブロードリーフ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Broadleaf Robusto”は、濃厚なコーヒー豆とカカオ豆と土と杉の木の味に、たっぷりの繊細なペッパー(黒胡椒)、背景にローストされた杉の木の樹液のような甘さがあり、煙は僅かにドライフルーツやコーヒー豆の酸味とロースト感を伴うこととなるが、上質で良く出来た葉巻だと言える。
味の系統としては、”オリバ セリー V メラニオ フィグラド”が持つ酸味にロースト感をプラスしたような煙の味だと言える。
個人的にはレーズン等のドライフルーツの甘酸っぱさであれば問題ないのだが、コーヒー豆由来の酸味となると少し敬遠してしまうところがある。
この葉巻はその中間を行く葉巻であるため、その酸味成分はさほど大きな問題とはならなかったが、個人的には、酸味成分がある葉巻だとしても、過去に喫煙した”サンロターノ ハバノ”葉巻シリーズのようなベリー系ドライフルーツの甘酸っぱさが味わえる葉巻の方が好みだと言えるだろう。
しかしながら、この葉巻も終盤まで嫌な苦みや鋭さを感じることはなく、快適な喫煙が保証されており、ロブストビトラながら85分という長い喫煙時間を十分に楽しむことが出来た。
但し、この味を保証するには、適切な葉巻内包湿度に調整してから喫煙する必要があるだろう。
この葉巻の葉巻独自5段階評価は、完全に私好みの味ではなかったものの、4.0/5点が妥当であると判断した。
参考までに、この”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ブロードリーフ/A.J. Fernandez Enclave Broadleaf”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、88ポイント~93ポイントという高評価を得ており、この葉巻シリーズのロブストビトラに於いては、88~90ポイント高評価を得ています。また、この葉巻シリーズのチャーチルビトラに於いては、2019年の葉巻トップ25(92ポイント19位)に輝いています。
喫煙時間
喫煙時間:85分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★★☆☆☆ |
スィーツ(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
コーヒー | ★★★★☆ |
トースト(パン・小麦粉) | ★☆☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
革 | ★☆☆☆☆ |
土(素朴さ) | ★★★☆☆ |
草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
ナッツ | ★★☆☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★★☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★★★☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★★☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $9.00 (1ドル148円換算にて1,332円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €9.30 (1ユーロ160円換算にて1,488円)
- 日本国内価格 ¥2,250 (参考日本販売価格倍率1.60倍)
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