ヘンリー・クレイ ウォーホーク ロブスト/Henry Clay War Hawk Robusto
葉巻/シガー情報
ブランド名 | ヘンリー・クレイ |
シリーズ名 | ウォーホーク |
ビトラ | ロブスト |
葉巻の長さ | 127mm (5インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 21.4mm (54) |
ラッパー | エクアドル産 コネチカット種 シェード |
バインダー | アメリカ合衆国産 コネチカット種 ブロードリーフ |
フィラー | ホンジュラス産 |
生産国 | ホンジュラス製 |
価格 | 1,980円 (2025年1月現在) |
この”ヘンリー・クレイ ウォーホーク ロブスト/Henry Clay War Hawk Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、1840年に設立されたキューバの葉巻ブランドを、”アルタディス USA/Altadis USA”が引き継いで製造・販売している”ヘンリー・クレイ”からの1本である、”ヘンリー・クレイ ウォーホーク ロブスト/Henry Clay War Hawk Robusto”です。
この”ヘンリー・クレイ”葉巻ブランドのことは全く知りませんでしたが、少し気になって調べてみると、元々はキューバに存在した葉巻ブランドでしたが、買収を繰り返した後、現在では”ベガフィナ”や”ドン・ディエゴ”等々を製造・販売している”アルタディス USA”が買収しているようです。
但し、この葉巻を製造している場所は、ドミニカ共和国の”タバカレラ・デ・ガルシア/Tabacalera de Garcia”ではなく、ホンジュラスの”フロール・デ・コパン”を作っている”ファブリカ・ラ・フロール・デ・コパン/Fabrica La Flor de Copan”工場で巻かれているとのことです。
大企業が製造に関わっている葉巻ですので、品質等には全く不安を感じませんでしたが、”ベガフィナ”や”フロール・デ・コパン”と同じような味ではあまり興味を持てないことから、購入するかどうかを迷いましたが、2020年のシガーアフィショナードにて”ヘンリー・クレイ ウォーホーク コロナ”がTOP25の第10位(95ポイント)に入賞していることを知り、直ぐさま購入することにしました。
シガーアフィショナードの営業力、全くを持って恐るべし…と言ったところでしょうか。(^^;)
ま、実際には、そのポイント数やランキングと、私が葉巻に感じる味との関連性は低いことが多いのですが、葉巻を購入する動機になっていることは間違いありません。
ちなみに、この”ヘンリー・クレイ ウォーホーク”がシガーアフィショナードで話題の葉巻になったことに味を占めて、アルタディス USAは限定版となる”ヘンリー・クレイ ウォーホーク リベリアス”を発売しています。
こちらの葉巻は、”A.J.フェルナンデス”が製造を請け負っています。
葉巻ビジネスも、シガーアフィショナードを通じて、より大きくなっていくようです。(^^;)
この葉巻はコネチカット種シェードのラッパーを使用していますが、見た目に依らず、強い喫味の葉巻のようですので、それがアメリカで高評価された理由なのかも知れません。
兎に角、吸ってみてその高評価通りの味であるのか、確認してみることにしましょう!
それでは、”ヘンリー・クレイ ウォーホーク ロブスト/Henry Clay War Hawk Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産 コネチカット種シェードのラッパーで巻かれた、”ヘンリー・クレイ ウォーホーク ロブスト/Henry Clay War Hawk Robusto”は、クラロ(薄茶色)をしていて、葉巻表面には適度な艶を持つ滑らかな仕上がりで、中々上質な仕上がりを見せています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本巻かれており、サブバンドロールは金色の下地に黒色の文字で”WAR HAWK”という葉巻シリーズ名が書かれ、メインバンドロールは金色の装飾がされた白色と赤色の下地の中に”HENRY CLAY”というブランド名が記載されています。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれてはいますが、葉巻表層部には適度な弾力を備えています。
葉巻ボディからは、それほど強くはありませんが、牛舎系とナッツ系を合わせた、素晴らしく良い香りがします。
葉巻全体を手に持って確認すると、太い葉脈などは全く見当たらず、滑らかで美しい仕上がりとなっています。
この葉巻は、平均室温18℃・湿度68%に維持した自家製ヒュミドール内にて、32日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する7時間前に、湿度49%のシリカゲル入り葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っていますが、葉巻内包湿度を少し減少させ過ぎたため、1時間だけヒュミドールに戻してから喫煙を開始しています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、刺激の無い干し草や麦わらの味がして、引き抵抗は重くも軽くも無く、良好と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分30秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、爽やかさを含む杉の木とナッツと少量の干し草や麦わらの味からスタートする。
直ぐに、少量の革の味が追加される。
旨い!
とても良い喫味だ。
ただマイルドなだけでなく、少しのパンチ力も効いている。
喫煙開始7分時点で、カカオ豆とクリームの味が追加されることで、背景にはミルクチョコレートの風味(甘さ)が追加される。
良く出来た葉巻だ。
喫煙前には、”フロール・デ・コパン”を作っている工場で巻かれている葉巻であることや、ホンジュラス産のフィラーを使用していることから、私好みの葉巻ではないのではないかと考えていたが、良い意味で予想は全く外れていた。
”フロール・デ・コパン”の味ではないし、ホンジュラス産タバコ葉のドライな味でもないことに安堵する。
ストレングス(ニコチン量)はミディアム、フレーバー(風味)はミディアム~ミディアムフルと言ったところか。
燃焼挙動はとても良く、火入れ修正を必要とすることなく、火は均一に燃え進む。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、少しドライでごく僅かな苦みを含む適量の繊細なペッパー(白胡椒)があることを確認する。
着火後の引き抵抗(ドロー)は重くも軽くも無く、適度な吸引力でたっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から20分以降の中盤は、まず1回目の灰折を行うことから始める。
灰は形を保ったまま綺麗に折ることが出来る。
中盤の味は、序盤の味を引き継ぎ、素晴らしい味を楽しむことが出来るのだが、ごく僅かにホンジュラス産タバコ葉特有(?)の”ドライ感”を感じてしまう。
この”ドライ感”なのだが、何を持って”ドライ”とするのか、私自身、実はよく分かっていない。
煙自体に”乾燥している”とか”湿っている”とかの違いがある訳でもないだろう。
きっと私の頭の中で、麦わらや干し草の僅かに”ツン”とくる刺激を”ドライ感”と関連付けているのかも知れない。
干し草や麦わらの味が少し強くなったことで、僅かなドライ感を感じてしまったものの、この葉巻の味が悪くなってしまった訳ではない。
副流煙の香りからは、ナッツやコーンフレーク(シリアル)の香ばしい良い香りがする。
喫煙開始32分時点で、葉巻フット側に巻かれているサブバンドロール(シガーリング)を剥がす。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から40分以降の終盤は、まず2回目の灰折を行うことから始める。
終盤の味は、序盤・中盤の味を引き継ぎ、僅かな爽やかさを含む杉の木とナッツと麦わらの味に、背景にあるごく僅かなミルクチョコレートの風味と新たに追加されたコーンフレーク(シリアル)の風味を味わいながら吸い進む。
この葉巻に似た味の葉巻としては、副流煙の香りにコーンフレークの香りがある、”A.J. フェルナンデス ラストコール ハバノ コルティカス”が挙げられるだろう。
今回喫煙しているこの葉巻の方が味は複雑であり、少しのドライ感(干し草や麦わらの味)があるという点に於いても異なっているのだが、ナッツやコーンフレークの味がするということから似ていると感じたようだ。
喫煙開始51分時点で、メインバンドロールを剥がす。
バンドロールは綺麗に剥がすことが出来る。
喫煙開始65分時点でも、嫌な苦みや鋭さや味の劣化も無く、喫煙は快適だ。
不思議なことに、この時点でドライ感が無くなり、意外にもカカオ豆とクリームの味が強くなる。
相反するドライ感とクリーム感の双方が存在する、不思議な葉巻だ。
喫煙開始69分時点で、3回目の灰折を行う。
喫煙開始80分時点の、葉巻を指で摘まめなくなるまで吸った段階で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”ヘンリー・クレイ ウォーホーク ロブスト/Henry Clay War Hawk Robusto”は、爽やかさを含むナッツとカカオ豆とクリームと杉の木と少量の干し草や麦わらと土の味に、少しドライでごく僅かな苦みを含む適量の繊細なペッパー(白胡椒)、背景にミルクチョコレートの甘さやコーンフレーク(シリアル)の風味が味わえる、終盤まで味が劣化することなく快適に吸うことが出来る、とても秀逸な葉巻だと言える。
特筆すべきことは、中盤に僅かなドライ感を感じるものの、終盤ではクリーミーさが復活し、喫煙を終了するのが惜しいと思えるほど、最後の最後まで旨さが味わえる葉巻であったことだ。
久しぶりに安価(中価格帯)でありながら、これほど秀逸な葉巻に出会えたことに、喜びを隠せない。
今後、リピート購入すること間違いなしの葉巻だ。
この葉巻は、エクアドル産コネチカット種シェードグロウンラッパーというごく平凡なタバコ葉で包まれているが、その下にはアメリカ合衆国産コネチカット種ブロードリーフバインダーが隠されているところに、この旨さと安さの秘訣があるのではないかと考えてる。
ラッパーにアメリカ合衆国産ブロードリーフを使用してしまうと、葉の大きさと見た目の美しさのために仕入れ価格が高くなってしまい、1本1,980円(アメリカでの価格は$9.03)という価格では販売できていないだろう。
バインダーであるならば、見た目を気にせず使用できるし、味に遜色も無いため、この葉巻はまさに”ブレンドの妙”と言えるのではないだろうか。
フィラーには私があまり好きではないホンジュラス産のタバコ葉が使用されているが、予想通りに僅かな麦わらのドライ感を感じてしまう場面もあったのだが、終盤ではクリーミーさが復活し、最後の最後まで嫌な苦みや鋭さとは無縁の、素晴らしい喫味を実現した葉巻だと思う。
2020年のシガーアフィショナードにて95ポイント第10位入賞という結果は、伊達では無かったようだ。
この葉巻の葉巻独自5段階評価は、自信をもって4.5/5点を与えるに相応しい葉巻だと判断した。
この記事を読んでくれた諸氏にも、是非、試してもらいたい葉巻だと思う。
参考までに、この”ヘンリー・クレイ ウォーホーク/Henry Clay War Hawk”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて88ポイント~95ポイントという高評価を得ており、この葉巻シリーズの”ロブスト”ビトラに於いては、90ポイントという高評価を得ています。また、この葉巻シリーズの”コロナ”ビトラは、2020年の葉巻トップ25(95ポイント10位)への入賞を果たしています。
喫煙時間
喫煙時間:82分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★★★☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★★☆ |
コーヒー(苦み含む) | ★☆☆☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★☆☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
革 | ★★☆☆☆ |
土(素朴さ) | ★☆☆☆☆ |
草(わら・ハーブ含む) | ★★★☆☆ |
ナッツ | ★★★★☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★★☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★★☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★★★
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $9.03 (1ドル148円換算にて1,336円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 -
- 日本国内価格 ¥1,980 (参考日本販売価格倍率1.48倍)
葉巻重量
- 購入時重量 12.54g
- 加湿・熟成後重量 12.62g (葉巻ヘッドカット後重量12.37g)
- ドライシング後重量 12.26g (葉巻ヘッドカット後)
- △減少重量 (△減少割合) △0.11g (△0.89%)
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