A.J. フェルナンデス エンクラーベ コネチカット ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Connecticut Robusto
葉巻/シガー情報
ブランド名 | A.J. フェルナンデス |
シリーズ名 | エンクラーベ コネチカット |
ビトラ | ロブスト |
葉巻の長さ | 127mm (5インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 20.6mm (52) |
ラッパー | エクアドル産 コネチカット種 シェード |
バインダー | ニカラグア産 (アフリカ産 カメルーン種?) |
フィラー | ニカラグア産 |
生産国 | ニカラグア製 |
価格 | 2,000円 (2025年6月現在) |
この”A.J. フェルナンデス エンクラーベ コネチカット ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Connecticut Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニカラグアに大規模な葉巻工場とタバコ葉農園を持つ葉巻メーカーの、”A.J. フェルナンデス/A.J. Fernandez”からの1本である、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ コネチカット ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Connecticut Robusto”です。
この葉巻は、”ブレンダーズ エクスペリエンス フレッシュパック/Blender‘s Experience Freshpack”としてドイツ国内で販売された、フィラーとバインダーの構成内容は変更せずにラッパーだけを変更すると、味にどのような変化があるのかを試すことが出来る、5本入りサンプル葉巻の中の1本(No.3)として存在していました。
その後、クリーミーでマイルドな葉巻が好まれるヨーロッパ市場向けに単品で販売されることになり、アメリカ合衆国内では購入することが出来ない葉巻となっているため、A.J.フェルナンデスのWebサイトには”A.J. フェルナンデス エンクラーベ コネチカット ロブスト”葉巻シリーズの記載はありません。
今回はこのマイルドでクリーミーな葉巻を、私が独自に考案した”自家製発酵器熟成”を行ってより風味豊かな葉巻に仕上げてから喫煙したいと思います。
初めて喫煙する葉巻として”自家製発酵器熟成”するのは今回が初めてですが、ある程度の結果を出していることから、味が悪くなることは無いと考えてのことです。
そのままでも旨い”A.J. フェルナンデス”の葉巻ですが、より旨い葉巻に変貌していることを願うばかりです!
参考までに、A.J. フェルナンデスの社長である、”アブデル・J・フェルナンデス”は、1979年生まれのキューバ人ですが、24歳になった2003年に、ニカラグアへ移住します。
最初は叔父が経営する、”ネストル・プラセンシア”で短期間働きましたが、すぐにエステリに自身の小さな葉巻工場をオープンし、他社ブランドの葉巻製造請負を開始します。
製造を請け負う他社ブランドとしては、”ロッキーパテル”や”ディーゼル”などの、有名葉巻メーカーの葉巻も請け負うことが出来ました。
2008年には自社のタバコ葉農園を所有することになり、2010年には”A.J. フェルナンデス”初の自社ブランド葉巻である、”サンロターノ/San Lotano”葉巻シリーズの製造・販売することとなり、現在の有名なA.J.ブランドを築き上げました。
それでは、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ コネチカット ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Connecticut Robusto”(財務省登録名称は”AJF エンクラーベ コネチカット ロブスト”)葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産 コネチカット種 シェードのラッパーで巻かれた、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ コネチカット ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Connecticut Robusto”は、クラロ色(薄茶色)をしていて、葉巻表面は滑らかで薄い艶があり、木目細やかな美しい外観をしています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本あり、サブバンドロールは青色と金色を使用した中に、”A.J. Fernandez”というブランド名が描かれ、メインバンドロールは青色と金色を使用した中に、馬に乗ったインディアンのような絵が描かれています。
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと巻かれていながら、葉巻表層部には程良い弾力を備えており、葉巻表面も木目が細かく滑らかです。
葉巻ボディからは、甘く香ばしいナッツ系の良い香りがします。
この葉巻は、”自家製発酵器”により27日間熟成させた後、平均室内温度26℃・湿度69%に維持した自家製ヒュミドール内にて7日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する8時間程前に、葉巻を湿度50%のシリカゲル(乾燥剤)入りドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移し、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、刺激の無い軽快な麦わらの味がして、引き抵抗は重くも軽くもなく、良好と言えるでしょう。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から15度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約3分間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したことを確認してから、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、爽やかさを伴う杉の木とナッツの味からスタートする。
直ぐに、ごく少量の土とカカオ豆とクリームの味が存在することを確認する。
背景には、オレンジピールの風味があることが分かる。
旨い!
コネチカット種シェードラッパーを纏った葉巻としての、王道を行く味が楽しめる葉巻だ。
燃焼挙動は良好で、火入れ修正を必要とすることなく、火は均一に燃え進む。
引き抵抗(ドロー)はとても良く、軽く吸い込むだけで、たっぷりの煙を口蓋に引き込むことが出来る。
過去に喫煙してきたA.J.フェルナンデスのコネチカット種シェードラッパー葉巻の中では、最も旨い葉巻と言って良いだろう。
私が今までに喫煙してきた全てのコネチカット種シェード葉巻の中で、最も旨い葉巻だと思っている”ヘンリー・クレイ ウォーホーク コロナ”に迫る味だ。
だが、全く気になることの無い、ほんのごく僅かな土の味由来の”くすみ感”が存在するため、その葉巻を追い越すまでには至らないようだ。
喫煙開始18分時点で、1回目の灰折を行う。
灰は軽い感触と共に、綺麗に折れる。
レトロヘイルにより副鼻腔に煙を通すと、ごく僅かな苦みを含む、鼻腔を刺激しない適量のペッパー(白胡椒)があることを確認する。
ストレングス(ニコチン量)はマイルド~ミディアム、フレーバー(風味)はミディアムと言ったところか。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から25分以降の中盤は、まずサブバンドロール(葉巻フット側のシガーリング)を剥がすことから始める。
バンドロールは簡単、且つ、綺麗に剥がすことが出来る。
中盤の味は序盤の味を引き継ぎ、爽やかさを伴う杉の木とナッツとクリームの味を主体に、背景にあるオレンジピールとカカオ豆と土の風味で吸い進む。
副流煙の香りは、クリームの風味を含む甘く香ばしい香りがする。
喫煙開始36分時点で、煙にはごく僅かな土由来又はオレンジの皮由来のほろ苦さを含んでいることを確認する。
これは序盤に感じた”くすみ感”が発展したことによるものだ。
だが、快適な喫煙の邪魔をするほどのものではない。
喫煙開始40分時点で、2回目の灰折を行う。
灰は心地良い感触と共に折れる。
喫煙開始43分時点で、メインバンドロール(大きなシガーリング)を剥がす。
バンドロールは当然の如く、簡単且つ、とても綺麗に剥がすことが出来る。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から50分以降の終盤は、中盤の味を引き継ぐが、ごく僅かな苦みを舌に感じるようになる。
私は、A.J.フェルナンデスはコネチカット種シェードラッパーの葉巻を作る必要など無いのではないかと前々から思っていたが、それはごく僅かな苦みと味の劣化が始まるタイミングが早いことが理由であり、この葉巻を喫煙したことで確信することになった。
喫煙序盤で素晴らしい喫味を楽しめたのは、もしかすると”自家製発酵器熟成”が功を奏していた可能性もある。
喫煙開始65分時点では、僅かな苦みだけに留まらず、味の劣化も始まる。
喫煙開始66分時点で、3回目の灰折と燃焼を増すための火入れを行う。
喫煙開始72分時点の、舌に明らかな苦みを感じるようになった段階で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”A.J. フェルナンデス エンクラーベ コネチカット ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Connecticut Robusto”は、爽やかさを伴う杉の木とナッツとクリームの味に、ごく僅かな苦みを含む鼻腔を刺激しない適量のペッパー(白胡椒)、背景にオレンジピールとカカオ豆と土の風味が味わえる良質な葉巻だと言える。
序盤ではコネチカット種シェードラッパーを纏った葉巻としての上質で素晴らしい喫味を楽しめたのだが、後半以降はオレンジピールや土の味由来の苦みが発生し、今まで喫煙してきたA.J.フェルナンデスのコネチカット種シェードラッパーの葉巻と同様の喫味になってしまったことが、少し残念に思う。
序盤の素晴らしい喫味も”自家製発酵器熟成”が功を奏していた可能性があるが、終盤の味を変えるにまでは至らなかった。
今後、私はA.J.のコネチカット種シェードラッパーの葉巻を、敢えて購入することもないだろう。
元々、A.J.はフルボディの葉巻を信条としており、コネチカット種シェードラッパーのマイルドな葉巻を作る必要などないと考えていたが、まさにその考えは間違っていなかったことが今回の喫煙で明らかとなった。
しかしながら、喫煙序盤から中盤に於いては、”ヘンリー・クレイ ウォーホーク”葉巻シリーズの味に迫る勢いであったことは間違いない。
この”自家製発酵器熟成”された葉巻の葉巻独自5段階評価は、喫煙序盤の喫味の良さと終盤での味の劣化を総合的に鑑みて、3.5/5点寄りの4.0/5点とするのが妥当だと判断した。
喫煙時間
喫煙時間:74分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★★☆☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★☆☆ |
コーヒー(苦み含む) | ★★☆☆☆ |
トースト(パン・穀物) | ★☆☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★☆☆ |
革 | ★★☆☆☆ |
土(素朴さ) | ★★☆☆☆ |
草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
ナッツ | ★★★☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★☆☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★★★☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★☆☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 -
- ヨーロッパ圏内参考価格 €9.50 (1ユーロ160円換算にて1,520円)
- 日本国内価格 ¥2,000 (参考日本販売価格倍率1.32倍)
葉巻重量
- 購入時重量 13.82g
- 自家製発酵器熟成後 13.39g (葉巻ヘッドカット後重量13.24g)
- 加湿・熟成後重量 13.55g
- ドライシング後重量 13.46g
- △減少重量 (△減少割合) △0.09g (△0.66%)
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