A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Habano Robusto
葉巻/シガー情報
ブランド名 | A.J. フェルナンデス |
シリーズ名 | エンクラーベ ハバノ |
ビトラ | ロブスト |
葉巻の長さ | 127mm (5インチ) |
葉巻の直径(リングゲージ) | 20.6mm (52) |
ラッパー | エクアドル産 H2000 |
バインダー | カメルーン産 |
フィラー | ニカラグア産 |
生産国 | ニカラグア製 |
価格 | 2,050円 (2023年8月現在) |
この”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Habano Robusto”の葉巻/シガー喫煙レビュー
今回、私が葉巻/シガー喫煙レビューする葉巻は、ニカラグアに大規模な葉巻工場とタバコ葉農場を持つ葉巻メーカーの、”A.J. フェルナンデス/A.J. Fernandez”からの1本である、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Habano Robusto”(財務省登録名称は”AJF エンクラーベ ハバノ ロブスト”)です。
今回喫煙する葉巻は、私にとって3本目となる、2,000円オーバーの葉巻となります。
以前には、”A.J. フェルナンデス”が製造する、格安系バンドル葉巻の、”A.J. フェルナンデス ブレンド 15 トロ/A.J. Fernandez Blend 15 Toro”を喫煙レビューしましたが、今回は、A.J. フェルナンデスの主力販売価格帯である、この、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト”を吸って、このブランドの真価を確かめてみようと思いました。
A.J. フェルナンデスの社長である、”アブデル・J・フェルナンデス”は、1979年生まれのキューバ人ですが、24歳になった2003年に、ニカラグアへ移住します。
最初は叔父が経営する、”ネストル・プラセンシア”で短期間働きましたが、すぐにエステリに自身の小さな葉巻工場をオープンし、他社ブランドの葉巻製造請負を開始します。
製造を請け負う他社ブランドとしては、”ロッキーパテル”や”ディーゼル”などの、有名葉巻メーカーの葉巻も請け負うことが出来ました。
2008年には自社のタバコ葉農園を所有することになり、2010年には”A.J. フェルナンデス”初の自社ブランド葉巻である、”サンロターノ/San Lotano”の製造・販売をするまでに至りました。
2014年以降は、”プラセンシア”で17年間働いていた、父親の、”イスマエル・フェルナンデス”も呼び寄せ、親子2人で新しい葉巻を創作していくことになります。
そして、親子2人で完成させた葉巻の1つがこの、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Habano Robusto”となります。
フェルナンデス自身を取り巻く人間関係に、多くの葉巻関係者が存在しているとしても、たった20年という短い期間でこの快進撃、まさに”葉巻界のプリンス”と言えそうです。
1本2,000円オーバーの葉巻として3本目となるこの葉巻に、どんな喫煙レビューが出来るのか、私自身、とても楽しみです!
それでは、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Habano Robusto”葉巻/シガーの喫煙レビューを開始しましょう。
葉巻外観・コールドドロー
まずは外観から見ていきましょう。
エクアドル産 H2000のラッパーで巻かれた、”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Habano Robusto”は、コロラドマデューロ色(茶褐色)をしていて、葉巻表面には少しの艶があり、とても美しい外観をしています。
葉巻に巻かれているバンドロール(シガーリング)は2本あり、1本は赤色と金色を使用した中に、”A.J.FERNANDEZ”と書かれ、もう1本は金色と赤色と水色を使用した中に、馬に乗ったインディアン?らしき絵と、”ENCLAVE”という文字が描かれています。
”エンクラーベ(エンクレイヴ)/ENCLAVE”という言葉の意味は、”飛び地”とか、”囲まれた領域”を指すようであり、例えば、バチカンはイタリアの”エンクレイヴ”にあたるようですが、葉巻喫煙者は、非喫煙者に囲まれた”閉鎖された領域”であることを感じるという意味合いから、名付けられたようです。(?)
葉巻を指で摘まんでみると、しっかりと硬く、十二分な量のタバコ葉が使われていると思います。
葉巻ボディからは、とても香ばしい、良い香りがします。
葉巻全体を手に持って確認すると、太い葉脈などは見当たらず、滑らかで、高級感があります。
この葉巻は、平均室温28℃・湿度66%に維持した自家製ヒュミドール内にて、31日間の加湿・熟成を行っています。
葉巻喫煙を開始する2時間前に、葉巻をドライ・ボックス(葉巻の空き箱)に移しての、”ドライ・ボクシング”を行っています。
シガーカッターでヘッド(吸い口側)をフラットカットして、コールドドロー(火を点けずに吸う)を行うと、ローストされた干し草の香りがして、引き抵抗は、少し重めとですが、良好の範囲内と言えます。
今回は、ブタンガス詰め替えタイプのソフトフレームライター(黄色い炎)を使って、葉巻フット(火を点ける側)から1cm程離して、葉巻を水平から20~30度の角度で固定し、回転させつつ、縁部分から燃焼させ、中央部分まで火が回るまでしっかりと炙り(約2分40秒間)、葉巻フットのラッパーが2mm~3mmほど灰になって着火したら、その後、パージ(葉巻を咥えて息を吹く)を行って、喫煙を開始します。
葉巻テイスティング序盤(1/3ファーストサード)
※最初に、葉巻(プレミアムシガー)は、葉巻1本の喫煙が進むごとに複雑な味(フレーバー)が順番に、または交互に訪れることを楽しむものであるため、この葉巻/シガー喫煙レビューも、葉巻を3等分に最初の1/3を序盤(ファーストサード)、真ん中の2/3を中盤(セカンドサード)、最後の3/3を終盤(ファイナルサード)と分けて喫煙レビューを記載したいと思います。
序盤は、ローストした杉の木の味からスタート。
ただの杉の木の味ではなく、甘く香ばしい芳香を含んでいる。
ペッパーもしっかりと効いている。
土とカカオ豆の味が追加される。
背景には、軽いカカオ豆の甘さが存在する。
旨い!
引き抵抗(ドロー)はとても良好で、適度な吸い込み力で、多くのクリーミーな煙を発生させることが出来る。
フレーバー(風味)はミディアム~ミディアムフルだが、ストレングス(ニコチンの強さ)はマイルド~ミディアム程度なため、とても吸いやすい。
喫煙開始14分時点で、コーヒーの味の追加される。
燃焼挙動はとても良く、火入れ修正を必要としない葉巻のようだ。
喫煙開始18分時点で、ごく僅かな刺激を感じたが、甘く香ばしい味に隠されることにより、気になることは無い。
喫煙開始19分時点で、葉巻を灰皿に置いた衝撃で、灰が折れた。
灰は1円玉を積み重ねたように、とても綺麗だが、もろいようだ。
葉巻テイスティング中盤(2/3セカンドサード)
喫煙開始から20分以降の中盤は、まず、葉巻フット側の細いバンドロール(シガーリング)を剥がすことから始める。
中盤の味は、序盤の味を引き継ぎ、甘く香ばしい杉の木と土とカカオ豆とコーヒーの味で吸い続けることが出来る。
今回で3本目となる、1本2,000円オーバーの葉巻だが、共通して言えることは、土とカカオ豆の味に、甘く香ばしい香りがプラスされていることだと、気付く。
推測するに、それは、より発酵させて熟成したタバコ葉からしか、得られないものだと思う。
喫煙開始35分時点で、葉巻ヘッド側のメインバンドロールを剥がす。
バンドロールの裏面には、プリントだとは思うが、サインが入っているのが凝っているし、洒落ている。
葉巻テイスティング終盤(3/3ファイナルサード)
喫煙開始から40分以降の終盤は、序盤・中盤の味にプラスされる、ごく僅かな揮発性成分を検出する。
少し早いと思うが、僅かな味の劣化が始まったようだ。
喫煙開始45分時点で、2回目の灰折を行う。
やはり、灰はもろい。
喫煙開始50分時点では、先ほど感じた揮発性成分の味が、増したロースト感にかき消されることで、まだ問題なく吸い続けることが出来る。
喫煙開始60分時点の、明らかに味が劣化したと感じたこの時点で、喫煙を終了することとした。
葉巻テイスティング総評
総評として、この”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ ロブスト/A.J. Fernandez Enclave Habano Robusto”は、甘く香ばしい杉の木と土とカカオ豆とコーヒーの味に、適度なペッパーと、背景にあるカカオ豆の軽い甘さを味わえる、とても良い葉巻だと言える。
喫煙終盤から、味の劣化が開始することが、少し残念だ。
しかし、序盤と中盤中頃までの、甘く香ばしい味はとても素晴らしく、1本2,050円の葉巻としての価値がある。
よく考えてみると、この葉巻の日本国内での販売価格は、数か月前までは1本1,600円であったので、その時の方が、味と価格のバランスが取れていたように思う。
1本1,600円ならコストパフォーマンスに優れた葉巻だと言えるし、今現在の1本2,050円なら少しコストパフォーマンスが悪い葉巻に感じる。
1本1,600円であれば、かなり高い評価も出来たが、今回の葉巻独自5段階評価は、4.0/5点が妥当であると考える。
昨日喫煙した、素晴らしい味の葉巻である、”クランデスティノス ラッシュ ベグエロ”も、1本2,100円という、ほぼ同じ価格であることを考えると、今回の葉巻のヒュミドール入りは無いと言わざるを得ない。
同じ価格の、”プラセンシア レゼルバ オリジナル トロ”は、また違った旨さがあるので、再購入は十分あり得るだろう。
参考までに、この”A.J. フェルナンデス エンクラーベ ハバノ/A.J. Fernandez Enclave Habano”葉巻シリーズは、”シガーアフィショナード/Cigar Aficionado”にて、84ポイント~92ポイントという高評価を得ており、この葉巻シリーズのロブストビトラに於いては、90ポイント高評価を得ており、また、この葉巻シリーズのチャーチルビトラに於いては、2016年の葉巻トップ25(92ポイント20位)に輝いています。
喫煙時間
喫煙時間:60分
味覚フレーバーグラフ
チョコレート(カカオ豆) | ★★☆☆☆ |
スィーツ(甘さ) | ★★★☆☆ |
クリーム(滑らかさ) | ★★★★☆ |
コーヒー | ★★★★☆ |
トースト(パン・小麦粉) | ★★☆☆☆ |
木(杉・オーク等) | ★★★★☆ |
革 | ★★☆☆☆ |
土(素朴さ) | ★★★★☆ |
草(わら・ハーブ含む) | ★☆☆☆☆ |
ナッツ | ★★☆☆☆ |
ペッパー(胡椒・唐辛子) | ★★★★☆ |
フルーツ(酸味含む) | ★★☆☆☆ |
葉巻/シガー 初心者・女性へのおすすめ度
おすすめ度:★★★☆☆
世界各国葉巻値段比較(アメリカ・ヨーロッパ・日本)
- アメリカ国内参考価格 $8.00 (1ドル148円換算にて1,184円)
- ヨーロッパ圏内参考価格 €8.90 (1ユーロ160円換算にて1,424円)
- 日本国内価格 ¥2,050 (参考日本販売価格倍率1.57倍)
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