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【モノクロ35mmフィルムカメラ白黒写真の撮影・フィルム現像・印画紙プリント技術とその方法】
東京・銀座の高級ブランドショップのショーウィンドウを撮影する
” The Other Side of Tokyo,Japan ” 写真プロジェクトを実行する前、私は銀座界隈の ” ショーウィンドウ ” を撮影することに没頭していました。
日本各地にブランドショップのショーウィンドウはありますが、銀座ほどショーウィンドウが密集した場所は、他にはありません。
自宅から、交通機関を利用して10分程で銀座に行けるということもあり、この銀座の ” ショーウィンドウ ” は私の撮影対象として、適していました。
また、この ” ショーウィンドウシリーズ ” は、 ” The Other Side of Tokyo,Japan ” 写真プロジェクトを始めるきっかけとなったものです。
「ボケ」を利用した撮影方法
この ” ショーウィンドウシリーズ ” では、私は一つのことに挑戦しています。
それは、 ” ボケ ” です。
” ボケ ” は、最近海外でも英語(Bokeh)として一般的になってきた言葉のようですが、ピントが合っていない状態を指す、日本語由来の言葉です。
日本では一般的に、それは悪い状態を意味する言葉なのですが、写真芸術的にはその ” ボケ ” を利用して絵画的な写真作品を作成することも出来ます。
元々、ブランドショップのショーウィンドウは、デザイナーが手掛けた、スタイリッシュな作りとなっていますので、ストレートに写真撮影することも悪くはありません。
しかし、使用されている全ての素材(建材)が新しいため、白黒フィルムを使用して撮影する場合、 ” トーン ” に乏しい写真になりがちです。
そこで、私はトーンを作り出す方法として ” 二重露光 ” という手法を活用することを思いつきました。
二重露光で「トーン」を作り出す
「ボケ」と「二重露光」を利用した撮影方法
具体的には、1回目の露光時は通常通りに撮影し、2回目の露光時はピントを外して、1回目露光時と同じ風景を撮影します。
細かな技術的な調整としては、1回目の露光時は露出を2/3stop(2/3絞り)アンダーにし、2回目の露光時は露出を1stop1/3(1+1/3絞り)アンダーにして撮影します。
さらに2回目の露光時は絞りを開放絞りに設定して、ピントを故意に外します。
「PENTAX LX」で多重露光する
この多重露光を行うには、多重露光が出来るカメラを使用する必要があります。
幸い、私が使用している “PENTAX LXフィルム一眼レフカメラ” は多重露光が出来るカメラです。
PENTAX LXの多重露光機能は優れていて、直前に撮影したフレームに対しての多重露光が出来るだけでなく、フィルムカウンターを使用して、どのフレームにも正確に多重露光することが出来ます。
この優れた多重露光システムを備えたPENTAX LXフィルム一眼レフカメラカメラを使用して、この “ショーウィンドウシリーズ” は撮影されました。
” The Other Side of Tokyo,Japan ” 写真プロジェクトとは違った、 ” 東京・銀座の華やかな表の顔 ” を、ご覧いただけましたら幸いです。